この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
Cisco Prime Performance Manager は、拡張性が高く、使い勝手の良いパフォーマンス管理システムです。これを使用することにより、サービス プロバイダーは、サービス保証や容量計画などを含め、次世代ネットワークの予防的な管理が可能になります。
このガイドでは、Cisco Prime Performance Manager に付属する「購入してすぐに使用可能」な組み込みレポートを、独自のカスタマイズされたサービス レポートを作成することにより拡張する方法について説明します。
• 「機能のしくみ」
Cisco Prime Performance Manager レポートは、XML でコーディングされます。購入してすぐの状態で、Cisco Prime Performance Manager にはサンプルとして使用可能な 200 を超えるレポートが含まれています。サンプル レポートは、自分の作業ディレクトリにコピーし、XML を修正してから、独自のレポートとしてテストおよびデバッグできます。
組み込みレポートでは、次に関するデータ レポートが表示されます。
• デバイス インターフェイス、MPLS トンネル、疑似配線、および SNMP デバイスの可用性
• IP の Quality of Service(QoS)
• トランスポート統計情報(ATM 統計情報、イーサネット仮想回線(EVC)統計情報など)
詳細については、 www.cisco.com にある『 Cisco Prime Performance Manager 1.0 Data Sheet 』を参照してください。次の操作を実行する必要があります。
1. http://www.cisco.com/go/performance にアクセスします。
レポートを作成するために必要な XML ファイル、MIB、およびコンフィギュレーション ファイルは、Prime Performance Manager ゲートウェイ サーバに配置されます。
このガイドでは、次のコンポーネントの使用方法について説明します。
• サポートされる MIB :Prime Performance Manager は、レポートの作成に使用可能な 140 個を超えるシスコおよび業界標準の MIB をサポートしています。
• 機能ファイル :機能ファイルにより、レポートに使用される MIB とポーリングされる MIB 変数を指定できます。機能ファイルには次の 2 つがあります。
– SystemCapability.xml:事前にコーディングされているシステム機能ファイル。このファイルは、Cisco Prime Performance Manager システムと一緒に提供されるレポートの機能を指定しています。このファイルを変更してはなりません。
– UserCapability.xml:ユーザが作成したレポートのシステム機能ファイル。レポーティング機能を追加または修正する必要がある場合は、このファイルで変更内容を指定します。
• あらかじめパッケージに組み込まれている XML レポート :Prime Performance Manager アプリケーションは、独自レポートのひな形として使用可能な 30 個を超える XML レポート ファイルを提供しています。
• プロパティ ファイル :各 XML レポート ファイルには、それぞれ対応するプロパティ ファイルがあります。このプロパティ ファイルは、オンライン レポートと CSV レポートで使用される変数を定義します。
• レポート マクロ :XML レポート コードや UserCapability.xml ファイルから呼び出して処理タスクを実行可能な SNMP マクロの集合です。
たとえば、指定されたオブジェクトを IP アドレスに変換するために、IpAddress() マクロが提供されています。
• BQL ファイル :BQL ファイルは、Cisco Prime Network(Cisco ANA)クライアント上でのレポートの相互起動を可能にします。
• オンライン ヘルプ :独自レポートのシステム生成ヘルプとレポート ヘルプ ページが含まれます。
表 1-1 に、レポートおよび関連ファイルの場所を示します。
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Cisco Prime Performance Manager ゲートウェイ上でコンパイル済み。マクロのリファレンス情報については、「レポート マクロ リファレンス」を参照してください。 |
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イベント ポーリング用のメイン XML スキーマは、EventPoller.xsd です。これは、/opt/CSCOppm-gw/etc/poller ディレクトリにあります。このファイルは、参照用に表示できますが、編集してはなりません。 |
Cisco Prime Performance Manager は、レポートを次のように処理します。
1. Cisco Prime Performance は、次に基づいてネットワーク インベントリ内のデバイスをポーリングします。
• Prime Performance Manager レポート内でポーリング用に選択された MIB。
• SystemCapability.xml ファイルと UserCapability.xml ファイルで指定されたフィルタリング。
フィルタリング プロセスは、ポーリング対象デバイスに対し、MIB の使用が実際にサポートされているかどうかについて問い合わせます。また、MIB がサポートされるかどうかも問い合わせます。それにより、ポーリングは、実際にテーブル データが存在し、なおかつ他の指定された基準にも一致する MIB オブジェクトに制限されます。その結果、Cisco Prime Performance Manager は不要なポーリングを実行しなくなります。
2. システム XML レポートやユーザ定義レポートによってポーリングされる MIB 変数に基づいて、Cisco Prime Performance Manager は、ポーリングされたデータを格納する仮想データベース テーブルを作成します。
これにより、ポーリング データの処理が高速化され、レポートを迅速に表示できるようになります。
3. レポート XML 内の指定に基づいて、システムは、ポーリングによって返されたデータを処理します。事前に定義されているレポーティング マクロを使用して、データを操作できます。
4. システム レポート内やユーザ定義レポート内のマクロ呼び出しに基づいて、Cisco Prime Performance Manager は、仮想テーブルを修正します。たとえば、2 つのテーブルが結合されたり、テーブル行に含めるためのデータが選択されたりします。
5. データの入ったレポートは、ユーザが Cisco Prime Performance Manager のレポート ツリーからそれらを選択すると表示されます。レポートの表示形式は、レポート XML でカスタマイズできます。
6. サーバに設定されたレポーティング期間が終了するたびに、システムは、仮想テーブル データを Cisco Prime Performance Manager データベースに保存します。
データ ポーリングおよびレポート表示をカスタマイズする機能により、ユーザに対してデータを柔軟かつ効果的な方法でレポートできます。このガイドのチュートリアルの章(「レポートの記述」)では、一般的なレポートである cpu.xml レポートのコーディングについて一通り説明した後、サンプル レポートを修正して独自のレポートを作成する方法について示します。
Cisco Prime Performance Manager は、レポートの作成に役立つ強力なヘルプ システム(独自レポート用の自動生成ヘルプなど)とレポート ヘルプ ページを提供しています。
レポートを記述し、イネーブルにすると、Cisco Prime Performance Manager は、そのプロジェクト用のオンライン ヘルプを自動的に作成します。また、それ用のカスタマイズされたヘルプ ファイルを記述し、公開することもできます。Prime Performance Manager は、レポート ヘルプ ファイルを毎晩一回再構築します。レポート ヘルプは、ゲートウェイ CLI から ppm docreps コマンドを実行して手動で再生成することもできます。
• レポート定義ファイルへのリンク :XML ファイル名をクリックして、XML 定義を表示します。PPM Viewer で定義を表示できます(単純な ASCII テキスト形式)。ブラウザのフレーム ソース ビューアを使用することもできます。その場合、XML キーワードとコーディング要素が色分けにより強調表示されます。
• カスタム ヘルプ :[Custom Help] リンクをクリックして、レポートのカスタマイズされたヘルプを表示します。
• レポートで使用される MIB へのリンク 。MIB ファイル名をクリックして、MIB を表示します。
例 1-1 に、cpu.xml レポートのオンライン ヘルプを示します。
オンライン レポート ヘルプを表示するには、メイン メニューから [Home] > [Reports Navigation] を選択します。オンライン レポート ドキュメンテーションには、次のものが含まれます。
• システム レポート README:MIB、ポール定義、および CSV 形式
ポーリングされる MIB とレポートされる MIB 変数のほかに、レポート ビュー、レポート時間間隔、データのソート順序を指定できます。
XML インターフェイスでは、ユーザに次のビューを提供するレポートをコーディングできます。
• グラフ ビュー :指定された時間間隔のパフォーマンスのグラフを表示します。
• テーブル ビュー :パフォーマンスを表形式で表示します。
• CSV ファイル ビュー :ユーザは、スプレッドシートやテキスト エディタを使用して表示可能なカンマ区切り値(CSV)ファイルにレポートを保存できます。
このガイドのチュートリアルの章( 「レポートの記述」 )では、cpu.xml レポートのコーディングについて一通り説明します。このレポートでは、ネットワーク全体またはユーザが選択したデバイスの CPU 使用率が示されます。
図 1-1 は、CPU 使用率のグラフ ビューの例です。
図 1-2 は、CPU 使用率レポートのテーブル ビューの例です。
ユーザが CSV ファイル ビューを選択すると、レポートを CSV ファイルとして保存するためのプロンプトが表示されます。CSV ファイルは、Microsoft Excel などのスプレッドシートやテキスト エディタを使用して表示できます。
基本的なレポート カテゴリには、ネットワーク レベル レポート、デバイス レベル レポート、および特定の変数に関するレポートの 3 種類があります。レポートを初めて表示したときは、検出されたネットワーク全体の統計情報が表示されます。その後、特定のデバイスを選択して、単一デバイスのレポートを表示することができます。
• [Reports Status] テーブル:Prime Performance Manager ユーザ インターフェイスで、[Reports] を選択し、[Reports Status] タブをクリックして [Reports Status] テーブルを表示します。これにより、レポートをイネーブルまたはディセーブルにできます。
• [Reports Settings] ページ:[Reports] を選択し、[Settings] タブをクリックして、各種レポート間隔をイネーブルにしたり、レポート エージングを制御したりします。
ユーザ インターフェイスの詳細については、『 Cisco Prime Performance Manager 1.0 User Guide 』を参照してください。