ログ システム管理のコマンド
この章では、Cisco Broadband Access Center(BAC)の Device Provisioning Engine(DPE)をデバッグし、BAC ログ システムを管理および監視するために使用するコマンドライン インターフェイス(CLI)コマンドについて説明します。
デバッグ コマンドを使用する前に、 debug on コマンドを実行して、DPE のデバッグをイネーブルにする必要があります。次の表に示すコマンドをライセンスのない DPE で実行した場合は、次のようなメッセージが表示されます。
This DPE is not licensed. Your request cannot be serviced. Please check with your system administrator for a DPE license.
注意 デバッグ ロギングをイネーブルにすると、DPE のパフォーマンスに重大な影響が及ぶ可能性があります。デバッグをイネーブルにした状態で、DPE を長時間にわたって実行しないようにしてください。
この章で説明するコマンドは、次のとおりです。
clear logs
clear logs コマンドは、システムに存在する古いログ ファイルを削除するときに使用します。次のファイルが対象となります。
• DPE ログ
• ハードウェア
• Syslog
時の経過とともに、古いログ ファイルは DPE 内に蓄積します。 support bundle state コマンドを使用して、このようなログをバンドルできます。必要なファイルが消失されるのを防ぐため、ログをクリアする前に、バンドルを作成することをお勧めします。
シンタックスの説明
キーワードや引数はありません。
例
Clearing historic log files...
+ Removing 1 DPE log files...
debug dpe
debug dpe コマンドは、DPE でデバッグ設定を構成するときに使用します。 表6-1 は、このコマンドとともに使用できるキーワードを示しています。
(注) 表6-1 に記載されているコマンドを表記どおりに入力してください。
表6-1 debug dpe コマンドのリスト
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debug dpe cache no debug dpe cache |
DPE キャッシュのデバッグをイネーブルにします。次のような DPE キャッシュに関するメッセージが記録されます。 • キャッシュ エントリのロギングの要求 • キャッシュのアップデート • DPE サブシステムによるその他のインタラクション DPE キャッシュのデバッグをディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。 |
これは、DPE キャッシュのデバッグをイネーブルにしたときの結果です。
これは、DPE キャッシュのデバッグをディセーブルにしたときの結果です。
bac_dpe# no debug dpe cache
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DPE キャッシュのデバッグは、デフォルトではディセーブルになっています。 |
debug dpe connection no debug dpe connection |
DPE 接続のデバッグをイネーブルにします。通信サブシステムのステータスやエラー メッセージが記録されます。このコマンドは、DPE と RDU との間の通信に関する問題を特定するときに使用します。 DPE 接続のデバッグをディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。 |
これは、DPE 接続のデバッグをイネーブルにしたときの結果です。
bac_dpe# debug dpe connection
これは、DPE 接続のデバッグをディセーブルにしたときの結果です。
bac_dpe# no debug dpe connection
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DPE 接続のデバッグは、デフォルトではディセーブルになっています。 |
debug dpe dpe-server no debug dpe dpe-server |
DPE サーバのデバッグをイネーブルにします。DPE サーバの総合的なステータスや問題に関するログ メッセージが記録されます。 DPE サーバのデバッグをディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。 |
これは、DPE サーバのデバッグをイネーブルにしたときの結果です。
bac_dpe# debug dpe dpe-server
これは、DPE サーバのデバッグをディセーブルにしたときの結果です。
bac_dpe# no debug dpe dpe-server
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DPE サーバのデバッグは、デフォルトではディセーブルになっています。 |
debug dpe event-manager no debug dpe event-manager |
DPE イベント マネージャのデバッグをイネーブルにします。イベント マネージャのステータスに関するログ メッセージや状態が記録されます。 DPE イベント マネージャのデバッグをディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。 |
これは、DPE イベント マネージャのデバッグをイネーブルにしたときの結果です。
bac_dpe# debug dpe event-manager
これは、DPE イベント マネージャのデバッグをディセーブルにしたときの結果です。
bac_dpe# no debug dpe event-manager
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DPE イベント マネージャのデバッグは、デフォルトではイネーブルになっています。 |
debug dpe exceptions no debug dpe exceptions |
DPE 例外のデバッグをイネーブルにします。システムの動作中に発生した例外の詳細なスタック トレースが記録されます。システムの破損や異常動作のような異例の事態が発生した場合、シスコ サポートにお問い合せいただく前にこのコマンドを実行すると、貴重な情報を提示することができます。 DPE 例外のデバッグをディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。 |
これは、DPE 例外のデバッグをイネーブルにしたときの結果です。
bac_dpe# debug dpe exceptions
これは、DPE 例外のデバッグをディセーブルにしたときの結果です。
bac_dpe# no debug dpe exceptions
|
DPE 例外のデバッグは、デフォルトではイネーブルになっています。 |
debug dpe framework no debug dpe framework |
DPE フレームワークのデバッグをイネーブルにします。DPE サーバの基礎をなすフレームワークに関するログ情報が記録されます。このインフラストラクチャによって、BAC の各種サーバは支えられています。 DPE フレームワークのデバッグをディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。 |
これは、DPE フレームワークのデバッグをイネーブルにしたときの結果です。
bac_dpe# debug dpe framework
これは、DPE フレームワークのデバッグをディセーブルにしたときの結果です。
bac_dpe# no debug dpe framework
|
DPE フレームワークのデバッグは、デフォルトではイネーブルになっています。 |
debug dpe messaging no debug dpe messaging |
DPE メッセージングのデバッグをイネーブルにします。DPE のメッセージング サブシステムに関する詳細情報が記録されます。このサブシステムは、主に DPE と RDU との間の通信に使用されます。 DPE メッセージングのデバッグをディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。 |
これは、DPE メッセージングのデバッグをイネーブルにしたときの結果です。
bac_dpe# debug dpe messaging
これは、DPE メッセージングのデバッグをディセーブルにしたときの結果です。
bac_dpe# no debug dpe messaging
|
DPE メッセージングのデバッグは、デフォルトではディセーブルになっています。 |
debug on
debug on コマンドは、デバッグ ロギングをイネーブルにするときに使用します。予想されるシステムの問題をトラブルシューティングするときに役立ちます。このコマンド以外に、 debug dpe cache などのコマンドを使用して、特定のデバッグ カテゴリを個々にイネーブルにする必要があります。
注意
デバッグ ロギングをイネーブルにすると、DPE のパフォーマンスに重大な影響が及ぶ可能性があります。デバッグをイネーブルにした状態で、DPE を長時間にわたって実行しないようにしてください。
デバッグ ロギングをディセーブルにするには、 no debug コマンドを実行します。「no debug」を参照してください。
シンタックスの説明
キーワードや引数はありません。
デフォルト
デバッグは、デフォルトではディセーブルになっています。
debug service tftp ipv4 | ipv6
debug service tftp ipv4 | ipv6 コマンドは、IPv4 または IPv6 の TFTP 転送のデバッグをイネーブルにするときに使用します。
TFTP サービスのデバッグをディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。「no debug service tftp ipv4 | ipv6」を参照してください。
シンタックスの説明
debug service tftp 1.1 ipv4 | ipv6
• 1.1 :DPE 上の TFTP サービスのインスタンスを表します。
• ipv4 :IPv4 の TFTP サービスのデバッグを指定します。
• ipv6 :IPv6 の TFTP サービスのデバッグを指定します。
デフォルト
TFTP サービスのデバッグは、デフォルトではディセーブルになっています。
例
これは、IPv4 の TFTP サービスのデバッグをイネーブルにしたときの結果です。
bac_dpe# debug service tftp 1 ipv4
これは、IPv6 の TFTP サービスのデバッグをイネーブルにしたときの結果です。
bac_dpe# debug service tftp 1 ipv6
no debug service tftp ipv4 | ipv6
no debug service tftp ipv4 | ipv6 コマンドは、IPv4 または IPv6 の TFTP 転送のデバッグをディセーブルにするときに使用します。
TFTP サービスのデバッグをイネーブルにするには、「debug service tftp ipv4 | ipv6」を参照してください。
シンタックスの説明
no debug service tftp 1.1 ipv4 | ipv6
• 1.1 :DPE 上の TFTP サービスのインスタンスを表します。
• ipv4 :IPv4 の TFTP サービスのデバッグを指定します。
• ipv6 :IPv6 の TFTP サービスのデバッグを指定します。
デフォルト
TFTP サービスのデバッグは、デフォルトではディセーブルになっています。
例
これは、IPv4 の TFTP サービスのデバッグをディセーブルにしたときの結果です。
bac_dpe# no debug service tftp 1 ipv4
これは、IPv6 の TFTP サービスのデバッグをディセーブルにしたときの結果です。
bac_dpe# no debug service tftp 1 ipv6
no debug
no debug コマンドは、すべてのデバッグ ロギングをディセーブルにするときに使用します。
デバッグ ロギングをイネーブルにするには、「debug on」を参照してください。
シンタックスの説明
キーワードや引数はありません。
デフォルト
デバッグ ロギングは、デフォルトではディセーブルになっています。
log level
log level コマンドは、保存される DPE ログ メッセージの最小レベルを設定するときに使用します。ログ レベルの詳細については、『 Cisco Broadband Access Center Administrator Guide, 4.0 』を参照してください。
シンタックスの説明
log level number
number :保存されるログ レベルを数字で表します。 表6-2 は、BAC がサポートするログ レベルについて説明しています。
表6-2 DPE ログ レベル
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0(緊急) |
緊急なメッセージをすべて保存します。 |
1(アラート) |
即時のアクションが必要なアクティビティ、およびそれ以上のレベルのアクティビティをすべて保存します。 |
2(クリティカル) |
異常な状態、およびそれ以上のレベルの状態をすべて保存します。 |
3(エラー) |
エラー メッセージ、およびそれ以上のレベルのメッセージをすべて保存します。 |
4(警告) |
警告メッセージ、およびそれ以上のレベルのメッセージをすべて保存します。 |
5(通知) |
通知メッセージ、およびそれ以上のレベルのメッセージをすべて保存します。 |
6(情報) |
出力されたログ メッセージをすべて保存します。 |
(注) 特定のログ レベルを設定すると、設定されたレベルおよびそれ以下のメッセージが保存されます。たとえば、ログ レベルを 5(通知)に設定すると、レベル 4 以下のログ レベルのメッセージを生成するイベントがすべてログ ファイルに書き込まれます。
ロギング システムのログ レベルは、ログの問題に対処する際の緊急性を表すために使用されます。ログ レベルの中では、0(緊急)が最も重要度が高いレベルで、主に情報ログ メッセージを保存する 6(情報)が最も重要度が低いレベルです。
デフォルト
デフォルトのログ レベルは 5(通知)です。
show log
show log コマンドは、DPE の最新のログ エントリをすべて表示するときに使用します。ログには、システム エラーや重大な問題を含め、一般的な DPE プロセスの情報が記録されます。システムが困難な状態に陥っているときは、このログをチェックします。
ログに含まれる情報が不十分な場合は、デバッグ ロギング機能をイネーブルにして、問題に関連したカテゴリをさまざまに変更してみます。詳細については、「debug dpe」を参照してください。
シンタックスの説明
show log [ last 1..999 | run ]
• last 1..999 :DPE の最新のログ エントリから、指定された数のエントリを表示します。 1..999 は、表示するログ エントリの数を指定します。これは省略可能なキーワードです。
• run :実行中の DPE ログを表示します。このコマンドを実行すると、DPE ログに記録されたすべてのメッセージの表示が開始されます。コマンドの実行は、Enter キーを押すまで継続されます。これは省略可能なキーワードです。
例
これは、 show log コマンドを使用したときの結果です。
dpe.example.com: 2007 06 04 08:01:42 EDT: %BPR-DPE-5-0236: [Device Provisioning Engine] starting up.
dpe.example.com: 2007 06 04 08:01:42 EDT: %BPR-DPE-6-0822: Server version [BAC 4.0.0 (SOL_BAC4_0_0_00000000_0505)].
dpe.example.com: 2007 06 04 08:01:42 EDT: %BPR-DPE-6-0689: Maximum Java heap size [307 MiB].
dpe.example.com: 2007 06 04 08:01:42 EDT: %BPR-DPE-6-0690: Maximum database cache size [102 MiB].
dpe.example.com: 2007 06 04 08:01:42 EDT: %BPR-DPE-5-1360: Connecting to RDU [dpe.example.com:49187]. Rate [1/d].
dpe.example.com: 2007 06 04 08:05:31 EDT: %BPR-DPE-5-0195: Connected to RDU [dpe.example.com:49187]. Time to connect [3.8 min]. Rate [1/d].
dpe.example.com: 2007 06 04 08:05:31 EDT: %BPR-DPE-5-0982: Configured provisioning interfaces: [localhost[10.10.0.1]].
dpe.example.com: 2007 06 04 08:05:31 EDT: %BPR-DPE-5-1359: Batch [DPE:dpe.example.com/10.86.149.133:bf7190:112f6a01cf7:80000002]. Registering with RDU. Rate [1/d].
dpe.example.com: 2007 06 04 08:05:32 EDT: %BPR-LICENSING-3-0998: Server registration failed. Lack of DPE licenses.
dpe.example.com: 2007 06 04 08:05:33 EDT: %BPR-DPE-5-1374: Opening database [default.db].
dpe.example.com: 2007 06 04 08:05:34 EDT: %BPR-DPE-5-1375: Opened database [default.db]. Time to open [1.2 s].
dpe.example.com: 2007 06 04 08:05:34 EDT: %BPR-TFTP-5-0462: Service is disabled.
dpe.example.com: 2007 06 04 08:05:34 EDT: %BPR-TOD-5-5501: TOD Server disabled.
dpe.example.com: 2007 06 04 08:19:21 EDT: %BPR-LICENSING-5-1002: DPE received a license event from the RDU.
dpe.example.com: 2006 12 21 11:22:20 GMT: %BPR-DPE-5: DPE-0: Device Provisioning Engine starting up
(注) ここでは、説明のために出力例の一部のみ紹介しています。
これは、 show log last コマンドを使用したときの結果です。
dpe.example.com: 2007 06 04 08:19:23 EDT: %BPR-DPE-5-0147: Batch dpe.example.com: 2007 06 04 08:19:23 EDT: %BPR-DPE-5-1371: Synchronized [0] cached device configurations with RDU. Time to synchronize [52 ms] ([0/s]).
dpe.example.com: 2006 12 21 11:28:17 GMT: %BPR-DPE-5: DPE-0: Device Provisioning Engine starting up
これは、 show log run コマンドを使用したときの結果です。
dpe.example.com: 2006 12 21 11:43:43 GMT: %BPR-DPE-5: DPE-0: Device Provisioning Engine starting up
dpe.example.com: 2006 12 21 11:43:44 GMT: %BPR-DPE-5: Info DPE: Attempt to connect to RDU BPR_host.example.com:49187 failed;
dpe.example.com: 2006 12 21 11:43:44 GMT: %BPR-DPE-5: Info TFTP: Ready to service requests