Cisco 4G LTE の設定方法
このセクションでは、Cisco 900 シリーズ ルータで 4G LTE を設定する方法について説明します。
モデム信号強度およびサービス可用性の確認
モデム信号強度とサービス可用性を確認するには、次の show コマンドを使用します。
- show cellular unit network
- show cellular unit radio
- show cellular unit profile
- show cellular unit security
- show cellular unit all
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ステップ 1 |
show cellular unit network
Router# show cellular 0 network |
通信事業者ネットワーク、セル サイト、および使用可能なサービスに関する情報を表示します。 |
ステップ 2 |
show cellular unit radio
Router# show cellular 0 radio |
無線信号の強さを示します。 (注) 安定した信頼性の高い接続には、RSSI が -90 dBm を超える必要があります。 |
ステップ 3 |
show cellular unit profile
Router# show cellular 0 profile |
作成されたモデム データ プロファイルに関する情報を示します。 |
ステップ 4 |
show cellular unit security
Router# show cellular 0 security |
SIM およびモデムのロック ステータスに関するセキュリティ情報を示します。 |
ステップ 5 |
show cellular unit all
Router# show cellular 0 all |
モデム、作成されたプロファイル、無線信号の強さ、ネットワーク セキュリティなどに関する統合的な情報を示します。 |
モデム データ プロファイルの作成、変更、削除
4G LTE SKU で複数のプロファイルを作成できます。一部のモデムのデフォルトのインターネット プロファイル番号は次のとおりです。
- WP7607:プロファイル 1
- WP7608:プロファイル 1
- WP7609:接続用のプロファイル 1 とデータ プロファイル用のプロファイル 3
データ プロファイルの作成、変更、削除に関する使用上のガイドライン
データ プロファイルの設定では、次のガイドラインにしたがってください。
- モデムにデータ プロファイルが付属している場合、通常はプロファイル関連の変更は不要です。
- 接続タイプ用にプロファイル パラメータの変更が必要な場合は、原則として、デフォルト プロファイル内で変更を実施します。
- プロファイル タイプを別々に設定し、それぞれ異なる接続で使用したい場合は、APN 名などのパラメータを変えることで、別々のプロファイルを作成することが可能です。なお、一度にアクティブにできるプロファイルは 1 つだけであることに注意してください。
- プロファイルを作成または変更するには、 cellular 0 lte profile create 1 APN-name none ipv4v6 を使用します。
- プロファイルを削除するには、 cellular 0 lte profile delete 1 APN-name none ipv4v6 または cellular 0 lte profile delete 1 を使用します。
- データ プロファイルを表示するには、 show cellular <> profile コマンドを使用します。データ プロファイルには、アスタリスク(*)が表示されます。
- データ プロファイルはデータ コールの設定に使用されます。別のプロファイルを使用したい場合、そのプロファイルをデフォルトにする必要があります。デフォルト プロファイルを変更するには、 lte sim data-profile number attach-profile number コマンドを使用します。
設定例
次の例で、デフォルト プロファイルを変更する方法を示します。
router(config-controller)# lte sim data-profile 2 attach-profile 1
router(config-controller)# end
Building configuration...
router# ping 8.8.4.4 rep 10
Type escape sequence to abort.
Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 192.192.187.254, timeout is 2 seconds:
Success rate is 100 percent (5/5), round-trip min/avg/max = 44/69/106 ms
次に、 show cellular コマンドの出力例を示します。
router# show cellular 0 profile
PDP address = 29.29.29.73
PDP IPV6 address = 2001:2678:2680:6E88:4DCC:F4F5:B936:C7EF/64 Scope: Global
Access Point Name (APN) = broadband
Primary DNS address = 8.0.0.8
Secondary DNS address = 8.8.4.4
Primary DNS IPV6 address = 2006:4888:4888:0:0:0:0:8899
Secondary DNS IPV6 address = 2002:8888:9999:0:0:0:0:7722
PIN コードを使用した SIM カードのロックおよびアンロック
サービス プロバイダーによって指定された SIM カードをロックまたはロック解除するには、 cellular unit lte sim { lock | unlock } pin コマンドを使用します。
注意
誤った PIN が連続して 3 回入力されると SIM カードはブロックされます。SIM に設定されている正しい PIN を必ず入力してください。SIM カードがブロックされた場合、PUK コードのサービス プロバイダーにお問い合わせください。PUK コードを使用することで、SIM カードのブロックが解除できます。
次の例で、PIN コードを使用して SIM をロックする方法を示します。
Router# cellular 0 lte sim lock 1111
PIN コードの変更
SIM の PIN コードを変更するには、 cellular unit lte sim change-pin pin new-pin コマンドを使用します。次の例で、PIN コードを変更する方法を示します。
Router# cellular 0 lte sim change-pin 1111 1234
モデムのセキュリティ情報の確認
モデムのセキュリティ情報を確認するには、 show cellular unit security コマンドを使用します。次の例で、セキュリティ情報を確認する方法を示します。
Router# show cellular 0 security
ロックされた SIM の自動認証の設定
暗号化されていない PIN を設定して、モデムを認証する Card Holder Verification(CHV1)コードをアクティベートすることができます。
注意
誤った PIN が連続して 3 回入力されると SIM カードはブロックされます。SIM に設定されている正しい PIN を必ず入力してください。SIM カードがブロックされた場合、PUK コードのサービス プロバイダーにお問い合わせください。
(注) CHV1 を設定するために暗号化されないレベル 0 の PIN を使用する場合は次の手順にしたがってください。暗号化されたレベル 7 の PIN を使用して CHV1 を設定する方法については、SIM の暗号化ピンの設定を参照してください。
(注) SIM 認証が機能するには、SIM がロックされている必要があります。SIM ステータスを確認するには、show cellular unit security コマンドを使用します。
次の例で、ロックされた SIM の自動認証を設定する方法を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# controller cellular 0
Router(config-controller)# lte sim authenticate 0 1111
SIM の暗号化ピンの設定
暗号化された PIN を設定するには、PIN のスクランブル値を取得する必要があります。次の例で、スクランブル レベル 7 の PIN を取得し、この暗号化 PIN を使用して検証用の SIM CHV1 コードを設定する方法を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# service password-encryption
Router(config)# username SIM privilege 0 password 1111
Router(config)# do show run | i SIM
Router(config)# controller cellular 0
Router(config-controller)# lte sim authenticate 7 055A575E70
Router(config-controller)# exit
(注) SIM の暗号化ピンを取得すると、パスワード暗号化を設定し、ユーザ名と関連パスワードを決定し、スクランブルがかかったパスワードをコピーし、スクランブルがかかったパスワードを SIM 認証コマンドで使用することによって、ユーザ名とパスワードが作成されます。スクランブル PIN が取得され、SIM 認証で使用されると、作成されたユーザ名を Cisco IOS コンフィギュレーションから削除することができます。
(注) SIM 認証が機能するには、SIM がロックされている必要があります。SIM ステータスを確認するには、show cellular unit security コマンドを使用します。
SIM コンフィギュレーションのモデム プロファイルの適用
次の例で、モデム プロファイルの適用方法を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# controller cellular 0
Router(config-controller)# lte sim data-profile 2 attach-profile 2
詳細については、SIM の設定:例を参照してください。
データ コール セットアップ
データ コールを設定するには、次の手順を実行します。
図 2 は一般的なデータ コール設定を示しています。
図 2 WIM-LTE でのデータ コールの設定
セルラー インターフェイスの設定
次の例で、セルラー インターフェイスを設定する方法を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# interface cellular 0
Router(config-if)# ip address negotiated
Router(config-if)# encapsulation slip
Router(config-if)# dialer in-band
Router(config-if)# dialer string lte
Router(config-if)# dialer-group 1
Router(config-if)# exit
Router(config)# chat-script lte"" "AT!CALL" TIMEOUT 60 "OK“
Router(config)# ip route 209.165.200.225 255.255.255.224 cellular 0
Router(config)# dialer-list 1 protocol ip list 1
Router(config)# line 3
Router(config-line)# script dialer lte
DDR の設定
次の例で、DDR を設定する方法を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# interface cellular 0
Router(config-if)# ip address negotiated
Router(config-if)# encapsulation slip
Router(config-if)# dialer in-band
Router(config-if)# dialer pool-member 1
Router(config-if)# interface dialer 1
Router(config-if)# ip address negotiated
Router(config-if)# encapsulation slip
Router(config-if)# dialer pool 1
Router(config-if)# dialer idle-timeout 30
Router(config-if)# dialer string lte
Router(config-if)# dialer-group 1
Router(config-if)# exit
Router(config)# dialer-list 1 protocol ip list 1
Router(config)# access-list 1 permit any
Router(config)# line 3
Router(config-line)# script dialer lte
Router(config-line)# exit
Router(config)# chat-script lte"" "AT!CALL" TIMEOUT 60 "OK“
DDR バックアップの設定
プライマリ接続をモニタし、必要なときにバックアップ接続を開始するには、ルータで次の方式の 1 つを使用できます。
- バックアップ インターフェイス:スタンバイの状態のまま待機し、プライマリ インターフェイス回線プロトコルがダウンと認識されると、アップ状態になります。
- 浮動スタティック ルート:バックアップ インターフェイスを介する経路に、プライマリ接続のアドミニストレーティブ ディスタンスよりも大きいアドミニストレーティブ ディスタンスがあり、プライマリ インターフェイスがダウンするまで、ルーティング テーブルには存在しません。
- ダイヤラ ウォッチ:ダイヤラ ウォッチは、ダイヤル バックアップをルーティング機能と統合するバックアップ機能です。
バックアップ インターフェイスを使用するインターフェイスの設定
(注) セルラー インターフェイスおよびその他の非同期シリアル インターフェイスのバックアップ インターフェイスは設定できません。
次の例で、インターフェイスをバックアップ インターフェイスとして設定する方法を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# interface atm 0
Router(config-if)# backup interface cellular 0
Router(config-if)# backup delay 0 10
AutoSIM とファームウェア ベースのスイッチング
AutoSIM 機能の利点は次のとおりです。
- キャリア固有の SKU のため発注が容易
- デュアル SIM の使用によるフェールオーバー時間の短縮
- 他のサービス プロバイダーから Telstra ネットワークへのスイッチオーバーが容易
AutoSIM モードのモデムは、SIM スロットスイッチと自動モデムのリセット後に、適切なキャリア ファームウェアを選択します。AutoSIM は、WP7607、WP7608、および WP7609 モデムでサポートされています。ブートアップの際、モデムの AutoSIM 設定が IOS 設定と一致しない場合には、対応する AutoSIM または手動モードがモデムにプッシュされます。
AutoSIM 設定が変更されると、モデムは自動的にリセットされます。デフォルトでは 'auto-sim' が有効になっています。
次の例で、AutoSIM を有効にする方法を示します。
router(config)#controller cellular <slot>
router(config-controller)#lte firmware auto-sim
(注) auto-sim を有効にした後、無線が起動するまで 5 分間待機します。無線が起動したら、モデムの電源を再投入し、無線が再び起動するまで 3 分間待機します。auto-sim 設定を有効にするには、モデムの電源の再投入が必要です。
次の例で、AutoSIM を無効にする方法を示します。
router(config)#controller cellular <slot>
router(config-controller)# no lte firmware auto-sim
4G SMS メッセージングの設定
次の例で、すべての入出力 SMS メッセージを送信する FTP サーバのフォルダ パスを指定する方法を示します。フォルダ パスが認識されると、SMS メッセージが送受信されるフォルダの末尾に outbox および inbox が自動的に付加されます。
Router# configure terminal
Router(config)# controller cellular 0
次の例で、モデムに受信された受信テキストの内容を表示する方法を示します。
Router# cellular 0 lte sms view summary
ID FROM YY/MM/DD HR:MN:SC SIZE CONTENT
0 4442235525 12/05/29 10:50:13 137 Your entry last month has...
2 5553337777 13/08/01 10:24:56 5 First
3 5553337777 13/08/01 10:25:02 6 Second
次の例で、送受信されたテキスト メッセージのすべての情報を表示する方法を示します。メッセージ情報には、送信済み、受信、アーカイブ、送信保留テキスト メッセージが含まれます。試行が FAILED となった場合、LTE 固有のエラー情報が表示される場合もあります。
Router# show cellular 0 sms
Incoming Message Information
----------------------------
SMS archived since booting up = 0
Total SMS deleted since booting up = 0
Storage records allocated = 25
Storage records used = 20
Number of callbacks triggered by SMS = 0
Number of successful archive since booting up = 0
Number of failed archive since booting up = 0
Outgoing Message Information
----------------------------
Total SMS sent successfully = 0
Total SMS send failure = 0
Number of outgoing SMS pending = 0
Number of successful archive since booting up = 0
Number of failed archive since booting up = 0
Last Outgoing SMS Status = SUCCESS
Send-to-Network Status = 0x0
Report-Outgoing-Message-Number:
Diag Code = 0x0 0x0 0x0 0x0 0x0
SMS Archive URL = ftp://lab:lab@1.3.150.1/outbox
次の例で、ユーザにテキスト メッセージ プランがある場合、他の有効な受信者への 4G LTE バンド SMS メッセージ送信を有効にする方法を示します。
Router# cellular 0 lte sms send 15554443333 <sms text>
モデムのファームウェアのアップグレード
モデムのファームウェアをアップグレードするには、次の手順を実行します。
ステップ 1 シスコのソフトウェア ダウンロード Web サイト( https://software.cisco.com/download/home )に移動します。
ステップ 2 ダウンロード ページで、[ 900 series integrated services router ] を検索し、フィルタ処理されたリストから [ 900 integrated services router ] を選択します。
ステップ 3 [Routers] > [900 Series Integrated Routers] > [900 Integrated Services Router] を選択します。
ステップ 4 左側のペインからリリースを選択します。使用可能なファームウェアが右側のペインに表示されます。
ステップ 5 適切なファームウェアを選択してダウンロードします。
ステップ 6 モデム ファームウェアを保存するためのディレクトリをルータ フラッシュに作成します。
ステップ 7 ファームウェアをフラッシュ ディレクトリにコピーします。
ステップ 8 次のコマンドを使用して、アップグレード プロセスを開始します。
Router# microcode reload cellular 0 lte modem-provision flash:firmware directory
ステップ 9 アップグレードを検証します。
Router# show cellular 0 hardware
Modem Firmware Version = SWI9X07Y_02.18.05.00 000
Modem Firmware built = 2018/07/19 17:40:21
International Mobile Subscriber Identity (IMSI) = 123456000009205
International Mobile Equipment Identity (IMEI) = 354365090106005
Integrated Circuit Card ID (ICCID) = 8952530076180099205
Mobile Subscriber Integrated Services
Digital Network-Number (MSISDN) =
Factory Serial Number (FSN) = XG814285250410
Current Modem Temperature = 42 deg C
PRI SKU ID = 1103787, PRI version = 002.041_002, Carrier = Generic
OEM PRI version = 001.004
モデム DM ログ収集の設定
Diagnostic Monitor(DM)は、Qualcomm の独自プロトコルです。Sierra Wireless SwiLog や Qualcomm QXDM などの診断ソフトウェア ツールは、DM プロトコルに基づいています。これらのツールは、RF インターフェイスによるモデムとネットワーク間のデータ トランザクションのキャプチャに使用できるため、3G および 4G データ接続やパフォーマンスに関する問題のトラブルシューティングに役立ちます。
次の例で、DM ログ収集を有効にする方法を示します。
Router(config-controller)# lte modem dm-log enable
次の例で、ログ ファイルの最大サイズを指定する方法を示します。
Router(config-controller)# lte modem dm-log filesize 8
次の例で、フィルタ ファイルを指定する方法を示します。
Router(config-controller)# lte modem dm-log filter flash:SwiLogPlus_generic_filter_6.3.sqf
次の例で、DM ログ出力ファイルが保存されるパスを指定する方法を示します。
Router(config-controller)# lte modem dm-log output path ftp://@172.25.211.175/
次の例で、DM ログ ローテーションを有効にする方法を示します。
Router(config-controller)# lte modem dm-log rotation
次の例で、ログの最大サイズを指定する方法を示します。
Router(config-controller)# lte modem dm-log size 128
出力例については、次を参照してください。例:cellular logs modem-crashdump コマンドの出力例
モデムの crashdump 収集の有効化
モデムの crashdump の収集は、ファームウェア クラッシュのデバッグに役立ちます。クラッシュ データを収集するには、クラッシュ後に memdump モードのままになるようにモデムを事前設定する必要があります。memdump モードは、クラッシュ データを収集する memdump ユーティリティの特殊なブート アンド ホールド モードです。
モデムの crashdump の収集を有効にするには、次の手順を実行します。
前提条件
crashdump ロギングの有効化を試みる前に、次の前提条件が満たされていることを確認してください。
- モデムは、モデムの crashdump の収集用にプロビジョニングする必要があります。テスト モードで動作するように設定する必要があります。デバッグ ブートローダもインストールする必要があります。詳細については、Cisco TAC にお問い合わせください。
- モデムはクラッシュ状態である必要があります。モデムのファームウェア クラッシュを発生させるテストを実行します。ルータのコンソールまたは syslog の "MODEM_DOWN" メッセージは、モデムのファームウェア クラッシュを示しています。
(注) モデムのファームウェアがクラッシュした後、そのモデムは crashdump ログの収集のみに使用できます。データ コールは実行できません。
次の例で、クラッシュ後に memdump モードを維持するようにモデムを事前設定する方法を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# controller cellular 0
Router(config-controller)# lte modem crash-action boot-and-hold
Router(config-controller)# end
次の例で、crashdump ログの収集を有効にする方法を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# service internal
Router(config)# test cell-host 0 modem-crashdump off
次の例で、FTP サーバに保存されているログを使用した crashdump ログの収集を有効にする方法を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# service internal
Router(config)# test cell-host 0 modem-crashdump on ftp://@172.25.211.175/
モデム ログ エラーとダンプ情報の表示
ログ エラーとダンプ情報を取得するには、次のコマンドを使用します。
- show cellular unit log error
4G LTE の設定例
例:基本セルラー インターフェイスの設定
次の例で、プライマリとして使用されるようにセルラー インターフェイスを設定し、デフォルト ルートとして設定する方法を示します。
Router# show running-config
chat-script lte "" "AT!CALL" TIMEOUT 20 "OK"
ip route 172.22.1.10 255.255.255.255 cellular 0
dialer-list 1 protocol ip permit
常時接続のセルラー インターフェイスの設定
ここでは、次の設定例について説明します。
外部ダイヤラ インターフェイスを使用しないダイヤラウォッチの設定
次の例で、外部ダイヤラ インターフェイスを使用せずに dialer-watch を設定する方法を示します。太字テキストはダイヤラウォッチに固有の重要なコマンドを示します。
chat-script lte "" "AT!CALL" TIMEOUT 20 "OK"
dialer watch-list 1 ip 5.6.7.8 0.0.0.0
dialer watch-list 1 delay route-check initial 60
dialer watch-list 1 delay connect 1
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 cellular 0
外部ダイヤラ インターフェイスを使用する dialer-persistent の設定
次の例で、外部ダイヤラ インターフェイスを使用して dialer-persistent を設定する方法を示します。太字テキストは dialer-persistent に固有の重要なコマンドを示します。
chat-script lte "" "AT!CALL" TIMEOUT 20 "OK"
dialer-list 1 protocol ip permit
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 dialer 1
NAT および IPsec を使用したバックアップとしての 4G LTE ワイヤレス WAN
次の例で、NAT および IPSec を使用して、ルータで 4G-LTE ワイヤレス WAN をバックアップとして設定する方法を示します。
(注) 送受信速度は設定できません。実際のスループットは、セルラー ネットワーク サービスによって異なります。
ip dhcp excluded-address 10.4.0.254
network 10.4.0.0 255.255.0.0
default-router 10.4.0.254
chat-script lte "" "AT!CALL" TIMEOUT 20 "OK"
crypto isakmp key address a.b.c.d
crypto ipsec transform-set ah-sha-hmac esp-3des
crypto map gsm1 10 ipsec-isakmp
interface ATM0.1 point-to-point
backup interface Cellular0
pppoe-client dial-pool-number 2
description used as default gateway address for DHCP clients
ip address 10.4.0.254 255.255.0.0
ppp authentication chap callin
ppp chap hostname cisco@dsl.com
ppp chap password 0 cisco
ip local policy route-map track-primary-if
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 Dialer2 track 234
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 Cellular0/3/0 254
ip nat inside source route-map nat2cell interface Cellular0/3/0 overload
ip nat inside source route-map nat2dsl interface Dialer2 overload
icmp-echo 2.2.2.2 source-interface Dialer2
ip sla schedule 1 life forever start-time now
access-list 101 deny ip 10.4.0.0 0.0.255.255 10.0.0.0 0.255.255.255
access-list 101 permit ip 10.4.0.0 0.0.255.255 any
access-list 102 permit icmp any host 2.2.2.2
access-list 103 permit ip 10.4.0.0 0.0.255.255 10.0.0.0 0.255.255.255
dialer-list 1 protocol ip list 1
dialer-list 2 protocol ip permit
route-map track-primary-if permit 10
route-map nat2dsl permit 10
route-map nat2cell permit 10
match interface Cellular0/3/0
(注) プライベート IP アドレスを使用するサービス プロバイダーに対して、crypto ipsec transform-set esp コマンド(つまり、esp-aes esp-sha256-hmac…)を使用します。
SIM カードのロック:例
次の例で、SIM をロックする方法を示します。この設定例内で斜体で記載されたテキストはコメントを示すために使用されており、通常のコンソール出力を表示した場合には表示されません。
Router# show cellular 0 security
Card Holder Verification (CHV1) = Disabled
SIM User Operation Required = None
Number of CHV1 Retries remaining = 3
! SIM is in unlocked state.
Router# cellular 0 lte sim lock 1111
!!!WARNING: SIM will be locked with pin=1111(4).
Do not enter new PIN to lock SIM. Enter PIN that the SIM is configured with.
Call will be disconnected!!!
Are you sure you want to proceed?[confirm]
Apr 26 19:35:28.339: %CELLWAN-2-MODEM_DOWN: Modem in HWIC slot 0/0 is DOWN
Apr 26 19:35:59.967: %CELLWAN-2-MODEM_UP: Modem in HWIC slot 0/0 is now UP
Router# sh cellular 0 security
Card Holder Verification (CHV1) = Enabled
SIM User Operation Required = Enter CHV1
Number of CHV1 Retries remaining = 3
! SIM is in locked state.
SIM カードのロック解除:例
次の例で、SIM のロックを解除する方法を示します。この設定例内で斜体で記載されたテキストはコメントを示すために使用されており、通常のコンソール出力を表示した場合には表示されません。
Router# show cellular 0 security
Card Holder Verification (CHV1) = Enabled
SIM User Operation Required = Enter CHV1
Number of CHV1 Retries remaining = 3
! SIM is in locked state.
Router# cellular 0 lte sim unlock 1111
!!!WARNING: SIM will be unlocked with pin=1111(4).
Do not enter new PIN to unlock SIM. Enter PIN that the SIM is configured with.
Call will be disconnected!!!
Are you sure you want to proceed?[confirm]
Router# sh cellular 0 security
Card Holder Verification (CHV1) = Disabled
SIM User Operation Required = None
Number of CHV1 Retries remaining = 3
! SIM is in unlocked state.
自動 SIM 認証:例
次の例で、自動 SIM 認証を設定する方法を示します。この設定例内で斜体で記載されたテキストはコメントを示すために使用されており、通常のコンソール出力を表示した場合には表示されません。
Router# show cellular 0 security
Card Holder Verification (CHV1) = Disabled
SIM User Operation Required = None
Number of CHV1 Retries remaining = 3
! SIM is in unlocked state.
Router# cellular 0 lte sim lock 1111
!!!WARNING: SIM will be locked with pin=1111(4).
Do not enter new PIN to lock SIM. Enter PIN that the SIM is configured with.
Call will be disconnected!!!
Are you sure you want to proceed?[confirm]
Apr 26 21:22:34.555: %CELLWAN-2-MODEM_DOWN: Modem in HWIC slot 0/0 is DOWN
Apr 26 21:23:06.495: %CELLWAN-2-MODEM_UP: Modem in HWIC slot 0/0 is now UP
Router# sh cellular 0 security
Card Holder Verification (CHV1) = Enabled
SIM User Operation Required = Enter CHV1
Number of CHV1 Retries remaining = 3
! SIM is in locked state. SIM needs to be in locked state for SIM authentication to
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config)# controller cellular 0
Router(config-controller)# lte sim authenticate 0 1111
CHV1 configured and sent to modem for verification
Router(config-controller)# end
Apr 26 21:23:50.571: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by console
Router# sh cellular 0 security
Card Holder Verification (CHV1) = Enabled
SIM User Operation Required = None
Number of CHV1 Retries remaining = 3
! SIM is now in locked state but it can be used for connectivity since authentication is
! good. Authentication can be saved in the router configuration so that when you boot up
! the router with the same locked SIM, connection can be established with the correct
! Cisco IOS configuration.
PIN コードの変更:例
次の例で、割り当てられた PIN コードを変更する方法を示します。この設定例内で斜体で記載されたテキストはコメントを示すために使用されており、通常のコンソール出力を表示した場合には表示されません。
Router# show cellular 0 security
Card Holder Verification (CHV1) = Disabled
SIM User Operation Required = None
Number of CHV1 Retries remaining = 3
! SIM is in unlocked state.
Router# cellular 0 lte sim lock 1111
!!!WARNING: SIM will be locked with pin=1111(4).
Do not enter new PIN to lock SIM. Enter PIN that the SIM is configured with.
Call will be disconnected!!!
Are you sure you want to proceed?[confirm]
Apr 26 21:58:11.903: %CELLWAN-2-MODEM_DOWN: Modem in HWIC slot 0/0 is DOWN
Apr 26 21:58:43.775: %CELLWAN-2-MODEM_UP: Modem in HWIC slot 0/0 is now UP
Router# sh cellular 0 security
Card Holder Verification (CHV1) = Enabled
SIM User Operation Required = Enter CHV1
Number of CHV1 Retries remaining = 3
! SIM is in locked state. SIM needs to be in locked state to change its PIN.
Router# cellular 0 lte sim change-pin 1111 0000
!!!WARNING: SIM PIN will be changed from:1111(4) to:0000(4)
Call will be disconnected. If old PIN is entered incorrectly in 3 attempt(s), SIM will be blocked!!!
Are you sure you want to proceed?[confirm]
Resetting modem, please wait...
CHV1 code change has been completed. Please enter the new PIN in controller configuration for verfication
Apr 26 21:59:16.735: %CELLWAN-2-MODEM_DOWN: Modem in HWIC slot 0/0 is DOWN
Apr 26 21:59:48.387: %CELLWAN-2-MODEM_UP: Modem in HWIC slot 0/0 is now UP
Router# sh cellular 0 security
Card Holder Verification (CHV1) = Enabled
SIM User Operation Required = Enter CHV1
Number of CHV1 Retries remaining = 3
! SIM stays in locked state, as expected, but with new PIN.
Router# cellular 0 lte sim unlock 0000
!!!WARNING: SIM will be unlocked with pin=0000(4).
Do not enter new PIN to unlock SIM. Enter PIN that the SIM is configured with.
Call will be disconnected!!!
Are you sure you want to proceed?[confirm]
Router# show cellular 0 security
Card Holder Verification (CHV1) = Disabled
SIM User Operation Required = None
Number of CHV1 Retries remaining = 3
! Unlock with new PIN is successful. Hence, changing PIN was successful.
暗号化された PIN の設定:例
次の例で、暗号化された PIN を使用して自動 SIM 認証を設定する方法を示します。この設定例内で斜体で記載されたテキストはコメントを示すために使用されており、通常のコンソール出力を表示した場合には表示されません。
Router# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config)# service password-encryption
Router(config)# username SIM privilege 0 password 1111
Router(config)# do sh run | i SIM
username SIM privilege 0 password 7 055A575E70.
! Copy the encrypted level 7 PIN. Use this scrambled PIN in the SIM authentication
Router(config)# controller cellular 0
Router(config-controller)# lte sim authenticate 7 055A575E70
CHV1 configured and sent to modem for verification
Router(config-controller)# exit
Router(config)# no username SIM
May 14 20:20:52.603: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by console
4G 有用性強化の設定例
ここでは、次の内容について説明します。
例:show cellular logs dm-log コマンドの出力例
次に、 show cellular logs dm-log コマンドの出力例を示します。
Router# show cellular 0 logs dm-log
Integrated DM logging is on
filter = MC74xx generic - GSM_GPRS_EDGE_WCDMA_LTE_EVDO.sqf
maximum log size = 67108864
maximum file size = 20971520
33 packets sent to the modem, 4663 bytes, 0 errors
262 packets received from the modem, 374428 bytes, 0 input drops
262 packets stored in file system, 374428 bytes, 0 errors, 0 aborts
current file size = 374428
current log size = 374428
flash:dmlog19560707-032507.bin size 374428
例:cellular logs modem-crashdump コマンドの出力例
次に、 show cellular logs modem-crashdump コマンドの出力例を示します。
Router# show cellular 0 logs modem-crashdump
Modem crashdump logging: off
Last known State = Getting memory chunks
Total consecutive NAKs = 0
1: Full SDRAM [Base:0x0, Length:0x2000000]
2: MDSP RAM A region [Base:0x91000000, Length:0x8000]
3: MDSP RAM B region [Base:0x91200000, Length:0x8000]
4: MDSP RAM C region [Base:0x91400000, Length:0xC000]
5: MDSP Register region [Base:0x91C00000, Length:0x28]
6: ADSP RAM A region [Base:0x70000000, Length:0x10000]
7: ADSP RAM B region [Base:0x70200000, Length:0x10000]
8: ADSP RAM C region [Base:0x70400000, Length:0xC000]
9: ADSP RAM I region [Base:0x70800000, Length:0x18000]
10: CMM Script [Base:0x6A350, Length:0x310]
例:show cellular log error コマンドの出力例
次に、 show cellular log error コマンドの出力例を示します。
Router# show cellular 0 log error
00 4E hsu_conf_sel_nv 00536
例:test cellular modem-error-clear コマンドの出力例
次に、 test cellular modem-error-clear コマンドの出力例を示します。
Router# test cellular 0 modem-error-clear
Cellular0/1/0 Dump/Error info before clear command
00 4E hsu_conf_sel_nv 00536
Cellular0/1/0 Dump/Error registers cleared
PLMN の検索および選択
この機能を使用すると、利用可能なパブリック ランド モバイル ネットワーク(PLAMN)を検索し、その PLMN の 1 つに接続できます。
制約事項
次の制約事項が、PLMN の検索と選択に適用されます。
- LTE 2.0 および MC76XX モデム シリーズ以上でサポートされます。
- お使いのセルラー サービスが、ローミングをサポートしているかどうかを確認する必要があります。
- ローミングをサポートする SIM カードを使用している必要があります。
- この機能は 4G+WiFi プラットフォームではサポートされません。
- サポート対象のファームウェア バージョンは 02.18.05.00 以降です。
コマンド
PLMN 機能には、次のコマンドを使用します。
- cellular < unit > lte plmn search
- cellular < unit > lte plmn select < mode > < mcc > < mnc > < rat > < duration >
- show cellular < unit > network
ネットワークの検索
cellular 0 lte plmn search コマンドを使用して、使用可能な PLMN を検索できます。次の例で、ネットワークを検索する方法を示します。
router#cellular 0 lte plmn search
Searching for available PLMNs.This may take up to 3 minutes.
Please wait...........................
PLMN search done. Please use "show cellular 0 network" to see available PLMNS
検索後、 show cellular 0 network コマンドを使用して使用可能なネットワークを参照します。
router#show cellular 0 network
Current System Time = Fri Sep 18 18:49:24 2015
Current Service Status = Normal
Current Service = Packet switched
Current Roaming Status = Roaming
Network Selection Mode = Manual
Mobile Country Code (MCC) = 234
Mobile Network Code (MNC) = 10
Packet switch domain(PS) state = Attached
Location Area Code (LAC) = 4931
ネットワークの選択
使用可能なネットワークの選択方法には、自動モード、強制モード、手動モードの 3 つのタイプがあります。自動モードでは、ルータは SIM の選択するネットワークに自動的に接続します。強制モードでは、ネットワークの検索をせずに、使用可能なネットワークか既知のネットワークを、ルータに強制的に選択させます。ネットワークが使用できないか、ルータがネットワークに接続できない場合は、ルータは「未接続」状態のままとなります。 cellular x lte plmn select auto コマンドを使用して、SIM の選択するネットワークに接続できます。手動モードでは、検索結果から使用可能なネットワークを選択できます。
次の例で、手動でネットワークを検索する方法を示します。
router#cellular 0 lte plmn select manual ?
<0-999> Mobile Country Code (MCC)
router#cellular 0 lte plmn select manual 234 ?
<0-999> Mobile Network Code (MNC)
router#cellular 0 lte plmn select manual 234 10 ?
router#cellular 0 lte plmn select manual 234 10 gsm ?
router#cellular 0 lte plmn select manual 234 10 gsm power-cycle ?
router#cellular 0 lte plmn select manual 234 10 gsm power-cycle
次の例で、ネットワーク選択を強制する方法を示します。
router#cellular 0 lte plmn select force ?
<0-999> Mobile Country Code (MCC)
router#cellular 0 lte plmn select force 310 ?
<0-999> Mobile Network Code (MNC)
router#cellular 0 lte plmn select force 310 410 ?
<2-3> MNC Digits Ex 23 means 2 Digits, 023 Means 3 Digits
router#cellular 0 lte plmn select force 310 410 2 ?
router#cellular 0 lte plmn select force 310 410 2 lte ?
Router#cellular 0 lte plmn select force 310 410 2 lte power-cycle ?
Router#cellular 0 lte plmn select force 310 410 2 lte power-cycle
PLMN の選択の確認
show cellular 0 network コマンドを使用して、PLMN の選択を確認できます。
router#show cellular 0 network
Current System Time = Fri Sep 18 18:53:25 2015
Current Service Status = Normal
Current Service = Packet switched
Current Roaming Status = Roaming
Network Selection Mode = Manual
Mobile Country Code (MCC) = 234
Mobile Network Code (MNC) = 10
Packet switch domain(PS) state = Attached
Location Area Code (LAC) = 4931
router#show cellular 0 radio
Current Band = GSM 900 Extended
Radio Access Technology(RAT) Preference = GSM
Radio Access Technology(RAT) Selected = EDGE
(注) ネットワークによっては、ルータの接続が許可されない場合があります。このような場合は、別のネットワークを選択する必要があります。
(注) ルータがネットワークに接続できない場合は、モデムを再起動します。