デフォルトの AAR ポリシーと QoS ポリシーについて
ネットワーク内のデバイスに対し、 AAR ポリシー、データポリシー、および QoS ポリシーを作成しておくと、役立つことがよくあります。これらのポリシーは、トラフィックのルーティングと優先順位付けを行い、最善のパフォーマンスを実現します。これらのポリシーを作成する場合は、アプリケーションのビジネス関連性に基づいてネットワークトラフィックを生成するアプリケーション同士を区別し、ビジネス関連アプリケーションに高い優先順位を与えるとうまくいきます。
Cisco SD-WAN Manager は、ネットワーク内のデバイスに適用する AAR ポリシー、データポリシー、および QoS ポリシーのデフォルトセットを作成する際のワークフローを効率化します。このワークフローでは、1000 を超えるアプリケーションのセットが表示され、それらは Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN デバイスに組み込まれたアプリケーション認識テクノロジーである Network-Based Application Recognition(NBAR)によって識別されるようになっています。アプリケーションは、ワークフローを通じて、次の 3 つのビジネス関連カテゴリのいずれかにグループ化されます。
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[Business-relevant]:Webex ソフトウェアなど、事業運営にとって重要になりそうなもの。
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[Business-irrelevant]:ゲームソフトウェアなど、事業運営にとって重要ではなさそうなもの。
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[Default]:事業運営との関連性についての判断はなし。
アプリケーションは、ワークフローを通じて、各ビジネス関連カテゴリ内のアプリケーションリスト(ブロードキャストビデオ、マルチメディア会議、VoIP テレフォニーなど)にグループ化されます。
この分類に関しては、ワークフローを使用して、各アプリケーションのビジネス関連性について事前定義したものを受け入れることも、特定のアプリケーションの場合はビジネス関連性のカテゴリから別のカテゴリに移動してカスタマイズすることもできます。たとえば、デフォルトでは、ワークフローによって特定のアプリケーションがビジネスに無関連と事前定義されたとしても、そのアプリケーションが自社の事業運営にとって重要な場合は、ビジネス関連として再分類できます。
ビジネスとの関連性、パス設定、およびサービスレベル契約(SLA)カテゴリを設定するための手順は、このワークフローの中で順を追って説明します。
ワークフローを完了すると、Cisco SD-WAN Manager によって次のデフォルトセットが生成されます。
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AAR ポリシー
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QoS ポリシー
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データポリシー
これらのポリシーは一元管理型ポリシーにアタッチすると、デフォルトポリシーとして、ネットワーク内の Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN デバイスに適用できます。
NBAR に関する基本情報
NBAR は、Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN デバイスに含まれるアプリケーションを認識するテクノロジーです。NBAR は、プロトコルと呼ばれるアプリケーションの定義一式を使用して、トラフィックを識別および分類します。トラフィックに割り当てるカテゴリの 1 つは、ビジネス関連属性です。この属性の値には、[Business-relevant]、[Business-irrelevant]、および [Default] があります。アプリケーションを識別するためのプロトコルを開発する際、シスコは、アプリケーションが一般的な事業運営にとって重要となりそうかどうかを推定し、ビジネス関連の値をアプリケーションに割り当てます。デフォルトの AAR および QoS ポリシー機能は、NBAR によって提供されるビジネス関連の分類を使用します。
デフォルトの AAR ポリシーと QoS ポリシーの利点
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帯域幅の割り当てを管理およびカスタマイズします。
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ビジネスとの関連性に基づいてアプリケーションの優先順位付けを行います。