システムは IP トラフィックを分析する際、ネットワークで一般的に使用されているアプリケーションを識別および分類できます。このディスカバリベースのアプリケーション認識は、アプリケーション制御、つまりアプリケーション トラフィック制御機能の基本です。
システム提供のアプリケーション フィルタは、アプリケーションの基本特性(タイプ、リスク、ビジネスとの関連性、カテゴリ、およびタグ)にしたがってアプリケーションを整理することで、アプリケーション制御に役立ちます。システム提供のフィルタの組み合わせやアプリケーションの任意の組み合わせをもとに、ユーザー定義の再利用可能フィルタを作成できます。
ポリシーのアプリケーション ルール条件ごとに、少なくとも 1 つのディテクタが有効にされている必要があります。有効になっているディテクタがないアプリケーションについては、システム提供のすべてのディテクタが自動的に有効になります。ディテクタが存在しない場合は、そのアプリケーションについて最後に変更されたユーザー定義ディテクタが有効になります。アプリケーション
ディテクタの詳細については、アプリケーション ディテクタの基本を参照してください。
アプリケーション フィルタと個別に指定されたアプリケーションの両方を使用することで、完全なカバレッジを確保できます。ただし、アクセス コントロール ルールの順序を指定する前に、次の注意事項を確認してください。
アプリケーション フィルタの利点
アプリケーション フィルタにより、迅速にアプリケーション制御を設定できます。たとえば、システム提供のフィルタを使って、リスクが高く、ビジネスとの関連性が低いアプリケーションをすべて認識してブロックするアクセス コントロール ルールを簡単に作成できます。ユーザがそれらのアプリケーションの
1 つを使用しようとすると、システムがセッションをブロックします。
アプリケーション フィルタを使用することで、ポリシーの作成と管理は簡単になります。この方法によりアプリケーション トラフィックが期待どおりに制御されます。シスコは、システムと脆弱性データベース(VDB)の更新を通して、頻繁にアプリケーション ディテクタを更新しています。このため、アプリケーション
トラフィックは常に最新のディテクタによってモニタされます。また、独自のディテクタを作成し、どのような特性のアプリケーションを検出するかを割り当て、既存のフィルタを自動的に追加することもできます。
アプリケーションの特性
システムは、次の表に示す基準を使用して、検出された各アプリケーションの特性を判別します。これらの特性をアプリケーション フィルタとして使用します。
表 1. アプリケーションの特性
特性
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説明
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例
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タイプ
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アプリケーション プロトコルは、ホスト間の通信を意味します。
クライアントは、ホスト上で動作しているソフトウェアを意味します。
Web アプリケーションは、HTTP トラフィックの内容または要求された URL を意味します。
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HTTP と SSH はアプリケーション プロトコルです。
Web ブラウザと電子メール クライアントはクライアントです。
MPEG ビデオと Facebook は Web アプリケーションです。
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リスク(Risk)
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アプリケーションが組織のセキュリティ ポリシーに違反することがある目的で使用される可能性。
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ピアツーピア アプリケーションはリスクが極めて高いと見なされます。
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ビジネスとの関連性(Business Relevance)
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アプリケーションが、娯楽目的ではなく、組織のビジネス活動の範囲内で使用される可能性。
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ゲーム アプリケーションはビジネスとの関連性が極めて低いと見なされます。
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カテゴリ(Category)
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アプリケーションの最も不可欠な機能を表す一般的な分類。各アプリケーションは、少なくとも 1 つのカテゴリに属します。
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Facebook はソーシャル ネットワーキングのカテゴリに含まれます。
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タグ(Tag)
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アプリケーションに関する追加情報。アプリケーションには任意の数のタグを付けることができます(タグなしも可能)。
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ビデオ ストリーミング Web アプリケーションには、ほとんどの場合、high bandwidth と displays ads というタグが付けられます。
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