ベーシック BGP の概要
Cisco NX-OS は BGP バージョン 4 をサポートします。BGP v4 に組み込まれているマルチプロトコル拡張機能を使用すると、IP マルチキャスト ルートおよび複数のレイヤ 3 プロトコル アドレス ファミリに関するルーティング情報を BGP に伝送させることができます。BGP では、他の BGP 対応デバイスとの間で TCP セッションを確立するための、信頼できるトランスポート プロトコルとして TCP を使用します。
BGP ではパスベクトル ルーティング アルゴリズムを使用して、BGP 対応ネットワーク デバイスまたは BGP スピーカ 間でルーティング情報を交換します。各 BGP スピーカはこの情報を使用して、特定の宛先までのパスを判別し、なおかつルーティング ループを伴うパスを検出して回避します。ルーティング情報には、宛先の実際のルート プレフィックス、宛先に対する自律システムのパス、およびその他のパス属性が含まれます。
BGP はデフォルトで、宛先ホストまたはネットワークへのベスト パスとして、1 つだけパスを選択します。各パスは、BGP ベストパス分析で使用される well-known mandatory、well-known discretionary、optional transitive の各属性を伝送します。BGP ポリシーを設定し、これらの属性の一部を変更することによって、BGP パス選択を制御できます。詳細については、「ルート ポリシーおよび BGP セッションのリセット」を参照してください。
BGP は、ロード バランシングまたは等コスト マルチパス(ECMP)もサポートします。詳細については、「ロード シェアリングおよびマルチパス」を参照してください。
MPLS ネットワークの BGP 設定の詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS MPLS Configuration Guide 』を参照してください。
この項では、次のトピックについて取り上げます。
• 「BGP 自律システム」
• 「アドミニストレーティブ ディスタンス」
• 「BGP ピア」
• 「BGP ルータ ID」
• 「BGP パスの選択」
• 「BGP およびユニキャスト RIB」
• 「BGP プレフィクス独立コンバージェンス」
• 「BGP の仮想化」
BGP 自律システム
自律システム (AS)とは、単一の管理エンティティにより制御されるネットワークです。 自律システムは 1 つまたは複数の IGP および整合性のある一連のルーティング ポリシーを使用して、ルーティング ドメインを形成します。BGP は 16 ビットおよび 32 ビットの自律システム番号をサポートします。詳細については、「自律システム」を参照してください。
個々の BGP 自律システムは外部 BGP(eBGP)ピアリング セッションを通じて、ルーティング情報をダイナミックに交換します。同じ自律システム内の BGP スピーカは、内部 BGP(iBGP)を通じて、ルーティング情報を交換できます。
4 バイトの AS 番号のサポート
BGP では、2 バイトまたは 4 バイトの AS 番号をサポートしています。Cisco NX-OS は、プレーンテキスト表記で 4 バイト(つまり 32 ビットの整数)の AS 番号を表示します。4 バイトの AS 番号は、プレーンテキスト表記(たとえば 1 ~ 4294967295)または AS ドット表記(たとえば 1.0)で設定できます。詳細については、「自律システム」を参照してください。
アドミニストレーティブ ディスタンス
アドミニストレーティブ ディスタンス は、ルーティング情報の送信元の信頼性のランクです。BGP はデフォルトで、 表 10-1 のアドミニストレーティブ ディスタンスを使用します。
表 10-1 デフォルトの BGP アドミニストレーティブ ディスタンス
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外部 |
20 |
eBGP から学習したルートに適用されます。 |
内部 |
200 |
iBGP から学習したルートに適用されます。 |
ローカル |
200 |
ルータを起点とするルートに適用されます。 |
(注) アドミニストレーティブ ディスタンスが BGP パス選択アルゴリズムに影響を与えることはありませんが、BGP で学習されたルートが IP ルーティング テーブルに組み込まれるかどうかを左右します。
詳細については、「アドミニストレーティブ ディスタンス」を参照してください。
BGP ピア
BGP スピーカが別の BGP スピーカを自動的に検出することはありません。ユーザ側で BGP スピーカ間の関係を設定する必要があります。 BGP ピア は、もう 1 つの BGP スピーカとの間にアクティブな TCP 接続が存在する BGP スピーカです。
BGP セッション
BGP は TCP ポート 179 を使用して、ピアとの TCP セッションを作成します。ピア間で TCP 接続が確立されると、各 BGP ピアは最初に相手と、それぞれのすべてのルートを交換し、BGP ルーティング テーブルを完成させます。初期交換以後、BGP ピアはネットワーク トポロジが変化したとき、またはルーティング ポリシーが変更されたときに、差分アップデートだけを送信します。このようなアップデートからアップデートまでの非アクティブ期間中に、ピアは キープアライブ という特殊なメッセージを交換します。 ホールド タイム は、次の BGP アップデートまたはキープアライブ メッセージを受信するまでに経過することが許容される、最大時間限度です。
Cisco NX-OS では、次のピア設定オプションをサポートしています。
• 個別の IPv4 または IPv4 アドレス:BGP は、リモート アドレスと AS 番号が一致する BGP スピーカとのセッションを確立します。
• 単一 AS 番号の IPv4 または IPv6 プレフィックス ピア:BGP は、プレフィックスおよび AS 番号が一致する BGP スピーカとのセッションを確立します。
• ダイナミック AS 番号プレフィックス ピア:BGP は、プレフィックスと、設定済み AS 番号のリストに載っている AS 番号と一致する BGP スピーカとのセッションを確立します。
プレフィックス ピアのダイナミック AS 番号
Cisco NX-OS では、BGP セッションを確立する AS 番号の範囲またはリストを受け入れます。たとえば IPv4 プレフィックス 192.0.2.0/8 および AS 番号 33、66、99 を使用するように BGP を設定する場合、BGP は 192.0.2.1 および AS 番号 66 を使用してセッションを確立しますが、192.0.2.2 および AS 番号 50 からのセッションは拒否します。
Cisco NX-OS では、セッションが確立されるまで内部 BGP(iBGP)または外部 BGP(eBGP)セッションとして、プレフィックス ピアをダイナミック AS 番号と関連付けません。iBGP および eBGP の詳細については、「拡張 BGP の設定」を参照してください。
(注) ダイナミック AS 番号プレフィックス ピア設定は、BGP テンプレートから継承した個々の AS 番号の設定よりも優先します。詳細については、「拡張 BGP の設定」を参照してください。
BGP ルータ ID
ピア間で BGP セッションを確立するには、BGP に ルータ ID を設定する必要があります。ルータ ID は BGP セッションの確立時に、OPEN メッセージで BGP ピアに送信されます。BGP ルータ ID は 32 ビット値であり、IPv4 アドレスで表すことがよくあります。ルータ ID はユーザ側で設定できます。ルータ ID はデフォルトで、Cisco NX-OS によってルータのループバック インターフェイスの IPv4 アドレスに設定されます。ルータ上でループバック インターフェイスが設定されていない場合は、ルータ上の物理インターフェイスに設定されている最大の IPv4 アドレスが BGP ルータ ID を表すものとして、ソフトウェアによって選択されます。BGP ルータ ID は、ネットワーク内の BGP ピアごとに一意である必要があります。
BGP にルータ ID が設定されていない場合、BGP ピアとのピアリング セッションを確立できません。
BGP パスの選択
BGP は複数の送信元から、同じルートのアドバタイズメントを受信する可能性がありますが、BGP はベスト パスとして、パスを 1 つだけ選択します。BGP は、そのパスを IP ルーティング テーブルに格納し、ピアにパスを伝達します。
(注) Cisco NX-OS Release 6.1 以降では、BGP はプレフィクスごとの複数パスの送受信と、このパスのアドバタイジングをサポートします。追加 BGP パスの設定については、「拡張 BGP の設定」 を参照してください。
所定のネットワークでパスが追加または削除されるたびに、ベストパス アルゴリズムが実行されます。ベストパス アルゴリズムは、ユーザが BGP 設定を変更した場合にも実行されます。BGP は所定のネットワークで使用できる一連の有効パスの中から、最適なパスを選択します。
Cisco NX-OS は次の手順で、BGP ベストパス アルゴリズムを実行します。
ステップ 1
2 つのパスを比較し、どちらが適切かを判別します(
「ステップ 1:パス ペアの比較」を参照)。
ステップ 2 すべてのパスを探索し、全体として最適なパスを選択するためにパスを比較する順序を決定します(「ステップ 2:比較順序の決定」を参照)。
ステップ 3 新しいベスト パスを使用するに足るだけの差が新旧のベスト パスにあるかどうかを判別します(「ステップ 3:ベスト パス変更の抑制の決定」を参照)。
(注) 重要なのは、パート 2 で決定される比較順序です。A、B、C という 3 つのパスがあるとします。A と B を比較して Cisco NX-OS は A を選択します。B と C を比較して Cisco NX-OS は B を選択します。しかし、A と C を比較した場合、Cisco NX-OS は A を選択しません。これは一部の BGP メトリックが同じネイバー自律システムからのパスだけに適用され、すべてのパスにわたっては適用されないからです。
パス選択には、BGP AS パス属性が使用されます。AS パス属性には、アドバタイズされたパスでたどる自律システム番号(AS 番号)のリストが含まれます。BGP 自律システムを自律システムの集合または連合に細分化する場合は、AS パスにローカル定義の自律システムを指定した連合セグメントが含まれます。
ステップ 1:パス ペアの比較
BGP ベストパス アルゴリズムの最初のステップでは、より適切なパスを判別するために 2 つのパスを比較します。次に、Cisco NX-OS が 2 つのパスを比較して、より適切なパスを判別する基本的なステップについて説明します。
1. Cisco NX-OS は、比較する有効なパスを選択します (たとえば、到達不能なネクスト ホップがあるパスは無効です)。
2. Cisco NX-OS は、重み値が最大のパスを選択します。
3. Cisco NX-OS は、ローカル プリファレンスが最大のパスを選択します。
4. パスの一方がローカル起点の場合、Cisco NX-OS はそのパスを選択します。
5. Cisco NX-OS は、AS パスが短い方のパスを選択します。
(注) AS パス長を計算するときに、Cisco NX-OS は連合セグメントを無視し、AS セットを 1 として数えます。詳細については、「AS 連合」を参照してください。
6. Cisco NX-OS は、オリジンが低い方のパスを選択します。IGP は EGP よりも低いと見なされます。
7. Cisco NX-OS は、multi exit discriminator(MED)が小さい方のパスを選択します。
このステップが実行されるされないを左右する、一連のオプションを選択できます。Cisco NX-OS が両方のパスの MED を比較するのは、通常、同じ自律システムのピアからそれらのパスを受け取った場合です。それ以外の場合、Cisco NX-OS は MED の比較を省略します。
パスのピア自律システムに関係なく、ベストパス アルゴリズムの MED 比較が必ず実行されるように、Cisco NX-OS を設定することもできます。詳細については、「ベストパス アルゴリズムの調整」を参照してください。この設定を行わなかった場合、MED 比較が実行されるかどうかは、次のように比較する 2 つのパスの AS パス属性によって決まります。
a. パスに AS パスまたは AS_SET から始まる AS パスがない場合、パスは内部であり、Cisco NX-OS は他の内部パスに対して MED を比較します。
b. AS パスが AS_SEQUENCE から始まる場合、ピア自律システムがシーケンスで最初の AS 番号になり、Cisco NX-OS は同じピア自律システムを持つ他のパスに対して MED を比較します。
c. AS-path パス に連合セグメントだけが含まれている場合、または連合セグメントで始まり、AS_SET が続いている場合、パスは内部であり、Cisco NX-OS は他の内部パスに対して MED を比較します。
d. AS パスが連合セグメントで始まり、AS_SEQUENCE が続いている場合、ピア自律システムが AS_SEQUENCE で最初の AS 番号になり、Cisco NX-OS は同じピア自律システムを持つ他のパスに対して MED を比較します。
(注) Cisco NX-OS がパスの指定された MED 属性を受信しなかった場合、欠落 MED が使用可能な最大値になるように、ユーザがベストパス アルゴリズムを設定していない限り、Cisco NX-OS は MED を 0 と見なします。詳細については、「ベストパス アルゴリズムの調整」を参照してください。
e. 非決定性の MED 比較機能がイネーブルの場合、ベストパス アルゴリズムでは Cisco IOS スタイルの MED 比較が使用されます。詳細については、「ベストパス アルゴリズムの調整」を参照してください。
8. 一方のパスが内部ピアから、他方のパスが外部ピアからの場合、Cisco NX-OS は外部ピアからのパスを選択します。
9. ネクストホップ アドレスへの IGP メトリックが異なるバスの場合、Cisco NX-OS は IGP メトリックが小さい方のパスを選択します。
10. Cisco NX-OS は、最後に実行したベストパス アルゴリズムによって選択されたパスを使用します。
ステップ 1 ~ 9 のすべてのパス パラメータが同じ場合、ルータ ID を比較するようにベストパス アルゴリズムを設定できます。詳細については、「ベストパス アルゴリズムの調整」を参照してください。パスに発信元属性が含まれている場合、Cisco NX-OS はその属性をルータ ID として使用して比較します。発信もと属性が含まれていない場合、Cisco NX-OS はパスを送信したピアのルータ ID を使用します。パス間でルータ ID が異なる場合、Cisco NX-OS はルータ ID が小さい方のパスを選択します。
(注) 属性の送信元をルータ ID として使用する場合は、2 つのパスに同じルータ ID を設定することができます。また、同じピア ルータとの 2 つの BGP セッションが可能です。したがって、同じルータ ID で 2 つのパスを受信できます。
11. Cisco NX-OS は、クラスタ長が短いほうのパスを選択します。クラスタ リスト属性の指定されたパスを受け取らなかった場合、クラスタ長は 0 です。
12. Cisco NX-OS は、IP アドレスが小さいほうのピアから受信したパスを選択します。ローカル発生のパス(再配布のパスなど)は、ピア IP アドレスが 0 になります。
(注) ステップ 9 以降が同じパスは、マルチパスを設定している場合、マルチパスに使用できます。詳細については、「ロード シェアリングおよびマルチパス」を参照してください。
ステップ 2:比較順序の決定
BGP ベストパス アルゴリズム実装の 2 番めのステップでは、Cisco NX-OS がパスを比較する順序を決定します。
1. Cisco NX-OS は、パスをグループに分けます。各グループ内で、Cisco NX-OS はすべてのパスにわたって MED を比較します。Cisco NX-OS は、「ステップ 1:パス ペアの比較」と同じルールを使用して、2 つのパス間で MED を比較できるかどうかを決定します。この比較では通常、ネイバー自律システムごとに 1 つずつグループが選択されます。 bgp bestpath med always コマンドを設定すると、Cisco NX-OS はすべてのパスが含まれた 1 グループだけを選択します。
2. Cisco NX-OS は、常に最適な方を維持しながら、グループのすべてのパスを反復することによって、各グループのベスト パスを決定します。Cisco NX-OS は、各パスをそれまでの一時的なベスト パスと比較します。それまでのベスト パスよりも適切な場合は、そのパスが新しく一時的なベスト パスになり、Cisco NX-OS はグループの次のパスと比較します。
3. Cisco NX-OS は、ステップ 2 の各グループで選択されたベスト パスからなる、パス セットを形成します。Cisco NX-OS は、このパス セットでもステップ 2 と同様にそれぞれの比較を繰り返すことによって、全体としてのベスト パスを選択します。
ステップ 3:ベスト パス変更の抑制の決定
実装の次のパートでは、Cisco NX-OS が新しい最適パスを使用するのか抑制するのかを決定します。新しいベスト パスが古いパスとまったく同じ場合、ルータは引き続き既存のベスト パスを使用できます(ルータ ID が同じ場合)。Cisco NX-OS では引き続き既存のベスト パスを使用することによって、ネットワークにおけるルート変更を回避できます。
抑制機能をオフにするには、ルータ ID を比較するようにベスト パス アルゴリズムを設定します。詳細については、「ベストパス アルゴリズムの調整」を参照してください。この機能を設定すると、新しいベスト パスが常にに既存のベスト パスよりも優先されます。
次の条件が発生した場合に、ベスト パス変更を抑制できません。
• 既存のベスト パスが無効になった。
• 既存または新しいベスト パスを内部(または連合)ピアから受信したか、またはローカルに発生した(再配布などによって)。
• 同じピアからパスを受信した(パスのルータ ID が同じ)。
• パス間で重み値、ローカル プリファレンス、オリジン、またはネクストホップ アドレスに対する IGP メトリックが異なっている。
• パス間で MED が異なっている。
BGP およびユニキャスト RIB
BGP はユニキャスト RIB(ルーティング情報ベース)と通信して、ユニキャスト ルーティング テーブルに IPv4 ルートを格納します。ベスト パスの選択後、ベスト パスの変更をルーティング テーブルに反映させる必要があると BGP が判別した場合、BGP はユニキャスト RIB にルート アップデートを送信します。
BGP はユニキャスト RIB における BGP ルートの変更に関して、ルート通知を受け取ります。さらに、再配布をサポートする他のプロトコル ルートに関するルート通知を受け取ります。
BGP はネクストホップの変更に関する通知も、ユニキャスト RIB から受け取ります。BGP はこれらの通知を使用して、ネクストホップ アドレスへの到達可能性および IGP メトリックを追跡します。
ユニキャスト RIB でネクストホップ到達可能性または IGP メトリックが変更されるたびに、BGP は影響を受けるルートについて、ベスト パス再計算を開始させます。
BGP は IPv6 ユニキャスト RIB と通信し、IPv6 ルートについて、これらの動作を実行します。
BGP プレフィクス独立コンバージェンス
BGP Prefix Independent Convergence(PIC)機能は、BGP ネクストホップ ネットワークの到達可能性に関する障害がある場合に、BGP IP およびレイヤ 3 VPN ルートのフォワーディング プレーンにおけるサブセカンド コンバージェンスを実現します。
BGP PIC には 2 つのカテゴリがあります。
• PIC コア
• PIC エッジ
PIC コアは、リモート BGP ネクストホップ アドレスへの IGP の到達可能性の変化をもたらすコア内のリンクまたはノードの障害がある場合に、BGP ルートの高速コンバージェンスを保証します。
PIC エッジは、外部(eBGP)エッジ リンクまたは外部ネイバー ノードに障害が発生した場合に、BGP バックアップ パスへの高速コンバージェンスを保証します。
BGP PIC の機能サポート マトリクス
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コア ユニキャスト |
Yes |
なし |
なし |
なし |
Yes |
なし |
エッジ ユニキャスト |
Yes |
なし |
なし |
なし |
なし |
なし |
マルチパス同等のコア |
Yes |
なし |
なし |
なし |
Yes |
なし |
エッジ マルチパス同等(マルチアクティブ ECMP、バックアップ 1 つのみ) |
Yes |
なし |
なし |
なし |
なし |
なし |
BGP PIC コア
BGP PIC コア機能は Cisco NX-OS Release 5.2 以降でサポートされています。この機能を使用すると、ネットワークのコア部分で障害が発生した場合に、同じリモート ネクスト ホップを共有する BGP プレフィクス宛てのトラフィックの高速コンバージェンスが可能になります。MPLS と純粋な IP トラフィックの両方がこの機能の利点を活用できます。デフォルトでイネーブルであり、ディセーブルにすることはできません。
IPv4、VPNv4、6PE および VPNv6(6VPE)は、次の制約がある PIC コアをサポートしています。
• IP コアと MPLS コアの両方について、インターネット ルートの収束は BGP ネクスト ホップの順序に対してプレフィクスに依存しません。
• VRF 単位のラベル割り当てを行うと、VPN ルートの収束も BGP ネクスト ホップの順序に対してプレフィクスに依存しません。つまり、リモート PE へのパスが変更されると、その PE の VRF の数によりコンバージェンスが決まります。
• プレフィクス単位のラベル割り当てを行うと、ルートの収束はプレフィクスに依存します。コンバージェンスは、PE への到達可能性に障害や変更が発生すると、そのリモート PE によってアドバタイズされる VPN ルートの順序に移動します。
BGP PIC コアを MPLS ネットワークで使用する際のその他の考慮事項については、『Cisco Nexus 7000 Series NX-OS MPLS Configuration Guide』を参照してください。
BGP PIC エッジ
エッジ向け BGP PIC 機能により、ネットワーク障害後の BGP コンバージェンスが向上します。このコンバージェンスは、IP ネットワークのエッジ障害に適用されます。BGP PIC エッジ機能は、ルーティング情報ベース(RIB)および転送情報ベース(FIB)にバックアップ パスを作成および保存し、SP への eBGP リンクの障害が検出されると(プライマリ パスが失敗)、バックアップ パスがすぐに引き継ぐことができ、フォワーディング プレーンの迅速なフェールオーバーを可能にします。
(注) BGP PIC エッジ機能は、IPv4 アドレス ファミリのみをサポートします。
IPv4 ユニキャスト アドレス ファミリ下のプレフィクスの場合、BGP PIC エッジが設定されていれば、BGP はプライマリ ベストパスとともに追加の 2 番目のベストパス(バックアップ パス)を計算します。BGP は、PIC サポートを持つプレフィクスのベスト パスとバックアップ パスの両方を BGP RIB にインストールします。また BGP は、API を介して RNH とともにバックアップ パスを URIB にダウンロードし、その後バックアップとしてマークされたネクスト ホップで FIB を更新します。バックアップ パスにより、単一のネットワーク障害に対処する高速再ルーティング機能が提供されます。
BGP PIC エッジ ユニパス
BGP PIC エッジ ユニパス トポロジを次の図に示します。
上記の図で、
• eBGP セッションは S2-S4 と S3-S5 です。
• iBGP セッションは S2-S3 です。
• S1 からのトラフィックは S2 を使用し、また e1 インターフェイスを使用して Z1..Zn に到達します。
• S2 には Z1...Zn に到達するための 2 つのパスがあります。
– S4 を経由するプライマリ パス
– S5 を経由するバックアップ/代替
この例では、S3 が S2 にアドバタイズし、プレフィクス Z1...Zn がネクスト ホップとしてそれ自身に到達します。S2 上の BGP は BGP PIC 機能がイネーブルの場合、AS6500 へのベストバス(S4 経由)とバックアップ バス(S3/S5 経由)の両方を RIB にインストールし、次に RIB が両方のルートを FIB にダウンロートします。
S2-S4 のリンクがダウンすると、S2 上の FIB がリンク障害を検出します。これにより、プライマリ パスからバックアップ/代替に自動的に切り替わり、新しいネクスト ホップ S3 に向かいます。トラフィックは、FIB 内のローカルの高速再コンバージェンスにより迅速に再ルーティングされます。リンク障害イベントを学習した後、S2 上の BGP はベストパス(以前のバックアップ パス)を再計算し、RIB からネクスト ホップ S4 を削除し、S3 をプライマリ ネクスト ホップとして RIB に再インストールします。また、新しいバックアップ/代替パスがあればそれも計算し、RIB に通知します。BGP PIC 機能のサポートにより、FIB はプライマリ ルートでのリンク障害の検出時に、BGP が新しいベストパスを選択してコンバージェンスするまで待機することなく、使用可能なバックアップ ルートに瞬時に切り替え高速再ルーティングを実現できます。
マルチパスを持つ BGP PIC エッジ
等コスト マルチパス(ECMP)の存在下で、BGP PIC エッジのサポートがイネーブルになっている場合、バックアップ パスとしてマルチパスを選択することはできません。
上記のトポロジでは、次のように所定のプレフィックスに 6 つのパスがあります。
• eBGP パス:e1、e2、e3
• iBGPパス:i1、i2、i3
優先順位は、e1 > e2 > e3 > i1 > i2 > i3 です。
考えられるマルチパスの状況は次のとおりです。
設定されたマルチパスなし
• ベストパス = e1
• multipath-set = []
• バックアップ パス = e2
• PIC 挙動:e1 が失敗すると、e2 がアクティブになります。
双方向の eBGP マルチパスが設定されている
• ベストパス = e1
• multipath-set = [e1, e2]
• バックアップ パス = e3
• PIC 挙動:アクティブなマルチパスが相互にバックアップされます。すべてのマルチパスが失敗すると、e3 がアクティブになります。
3 方向の eBGP マルチパスが設定されている
• ベストパス = e1
• multipath-set = [e1, e2, e3]
• バックアップ パス = i1
• PIC 挙動:アクティブなマルチパスが相互にバックアップされます。すべてのマルチパスが失敗すると、i1 がアクティブになります。
4 方向の eiBGP マルチパスが設定されている
• ベストパス = e1
• multipath-set = [e1, e2, e3, i1]
• バックアップ パス = i2
• PIC 挙動:アクティブなマルチパスが相互にバックアップされます。すべてのマルチパスが失敗すると、i2 がアクティブになります。
BGP の仮想化
BGP は、仮想ルーティングおよび転送(VRF)インスタンスをサポートします。VRF は仮想化デバイス コンテキスト(VDC)内にあります。デフォルトでは、特に別の VDC および VRF を設定しない限り、Cisco NX-OS によりデフォルト VDC およびデフォルト VRF が使用されます。詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Virtual Device Context Configuration Guide 』および「レイヤ 3 仮想化の設定」 を参照してください。
BGP に関する注意事項および制限事項
BGP 設定時の注意事項および制約事項は、次のとおりです。
• ダイナミック AS 番号プレフィックス ピア設定は、BGP テンプレートから継承した個々の AS 番号の設定よりも優先します。
• AS 連合でプレフィックス ピアにダイナミック AS 番号を設定した場合、BGP はローカル連合の AS 番号のみでセッションを確立します。
• ダイナミック AS 番号プレフィックス ピアで作成された BGP セッションは、設定済みの eBGP マルチホップ存続可能時間(TTL)値や直接接続ピアに対するディセーブル済みのチェックを無視します。
• ルータ ID の自動変更およびセッション フラップを避けるために、BGP 用のルータ ID を設定します。
• ピアごとに最大プレフィックス設定オプションを使用し、受信するルート数および使用するシステム リソース数を制限してください。
• update-source を設定し、BGP/eBGP マルチホップ セッションでセッションを確立します。
• 再配布を設定する場合は、BGP ポリシーを指定します。
• VRF 内で BGP ルータ ID を定義します。
• キープアライブおよびホールド タイマーの値を小さくすると、BGP セッション フラップが発生する可能性があります。
• すべての iBGP および eBGP セッションの BGP の最小ルート アドバタイズメント インターバル(MRAI)値はゼロであり、設定できません。
• VDC を設定する場合は、適切なライセンスをインストールし、所定の VDC を開始します( 設定情報については 、 『Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Virtual Device Context Configuration Guide 』 を、 ライセンス情報については 、『 Cisco NX-OS Licensing Guide 』 を参照してください)。
• VRF を設定する場合は、Advanced Services ライセンスをインストールし、所定の VRF を開始してください(「レイヤ 3 仮想化の設定」を参照)。
• BGP Prefix-Independent Convergence(PIC)エッジ機能は、IPv4 アドレス ファミリのみをサポートします。
• BGP PIC エッジ機能でサポートされる修復パス(バックアップ パス)は 1 つだけです。
ベーシック BGP の設定
ベーシック BGP を設定するには、BGP を有効にして、BGP ピアを設定する必要があります。ベーシック BGP ネットワークの設定は、いくつかの必須作業と多数の任意の作業からなります。BGP ルーティング プロセスおよび BGP ピアの設定は必須です。
この項では、次のトピックについて取り上げます。
• 「BGP の有効化」
• 「BGP インスタンスの作成」
• 「BGP インスタンスの再起動」
• 「BGP のシャットダウン」
• 「BGP ピアの設定」
• 「AS-4 ドット表記の設定」
• 「プレフィックス ピアのダイナミック AS 番号の設定」
• 「BGP PIC エッジの設定」
• 「BGP 情報の消去」
(注) Cisco IOS の CLI に慣れている場合、この機能に対応する Cisco NX-OS コマンドは通常使用する Cisco IOS コマンドと異なる場合があるので注意してください。
BGP の有効化
BGP を設定する前に、BGP をイネーブルにする必要があります。
はじめる前に
正しい VDC を使用していることを確認します(または switchto vdc コマンドを使用します)。
手順の概要
1. configure terminal
2. feature bgp
3. (任意)show feature
4. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
feature bgp 例: switch(config)# feature bgp |
BGP をイネーブルにします。 |
ステップ 3 |
show feature 例: switch(config)# show feature |
(任意)イネーブルおよびディセーブルにされた機能を表示します。 |
ステップ 4 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)この設定の変更を保存します。 |
BGP をディセーブルにして、関連するすべての設定を削除する場合は、 no feature bgp コマンドを使用します。
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no feature bgp 例: switch(config)# no feature bgp |
BGP をディセーブルにして、関連するすべての設定を削除します。 |
BGP インスタンスの作成
BGP インスタンスを作成し、BGP インスタンスにルータ ID を割り当てることができます。詳細については、「BGP ルータ ID」を参照してください。 Cisco NX-OS は、2 バイトまたは 4 バイトのプレーンテキスト表記または AS ドット表記による自律システム(AS)番号をサポートします。詳細については、「4 バイトの AS 番号のサポート」を参照してください。
はじめる前に
BGP をイネーブルにします(「BGP の有効化」を参照)。
BGP はルータ ID(設定済みループバック アドレスなど)を取得できなければなりません。
正しい VDC を使用していることを確認します(または switchto vdc コマンドを使用します)。
手順の概要
1. configure terminal
2. router bgp autonomous-system-number
3. (任意) router-id ip-address
4. (任意) address-family { ipv4 | ipv6 | vpnv4 | vpnv6 } { unicast | multicast }
5. (任意) network ip-prefix [ route-map map-name ]
6. (任意)show bgp all
7. (任意)copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
router bgp autonomous-system-number 例: switch(config)# router bgp 64496 switch(config-router)# |
BGP をイネーブルにして、ローカル BGP スピーカに AS 番号を割り当てます。AS 番号は 16 ビット整数または 32 ビット整数にできます。上位 16 ビット 10 進数と下位 16 ビット 10 進数による xx.xx という形式です。 |
ステップ 3 |
router-id ip-address 例: switch(config-router)# router-id 192.0.2.255 |
(任意)BGP ルータ ID を設定します。この IP アドレスによって、この BGP スピーカを特定します。 |
ステップ 4 |
address-family { ipv4 | ipv6 | vpnv4 | vpnv6 }{ unicast | multicast } 例: switch(config-router)# address-family ipv4 unicast switch(config-router-af)# |
(任意)IP または VPN アドレス ファミリに対応するグローバル アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 5 |
network ip-prefix [ route-map map-name ] 例: switch(config-router-af)# network 192.0.2.0 |
(任意)この自律システムにローカルとしてネットワークを指定し、BGP ルーティング テーブルに追加します。 エクステリア プロトコルの場合、network コマンドでアドバタイズするネットワークを制御します。内部プロトコルは network コマンドを使用して、アップデートの送信先を判断します。 |
ステップ 6 |
show bgp all 例: switch(config-router-af)# show bgp all |
(任意)すべての BGP アドレス ファミリに関する情報を表示します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config 例: switch(config-router-af)# copy running-config startup-config |
(任意)この設定の変更を保存します。 |
BGP プロセスおよび関連するすべての設定を削除するには、 no router bgp コマンドを使用します。
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no router bgp autonomous-system-number 例: switch(config)# no router bgp 201 |
BGP プロセスおよび関連する設定を削除します。 |
次に、IPv4 ユニキャスト アドレス ファミリを指定して BGP をイネーブルに設定し、アドバタイズするネットワークを 1 つ追加する例を示します。
switch# configure terminal
switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-af)# network 192.0.2.0
switch(config-router-af)# copy running-config startup-config
BGP インスタンスの再起動
BGP インスタンスを再起動し、そのインスタンスのすべてのピア セッションをクリアできます。
BGP インスタンスを再起動し、関連付けられたすべてのピアを削除するには、次のコマンドを使用します。
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restart bgp instance-tag 例: switch(config)# restart bgp 201 |
BGP インスタンスを再起動し、すべてのピアリング セッションをリセットまたは再確立します。 |
BGP のシャットダウン
設定を維持しながら、BGP をシャット ダウンして BGP を正常にディセーブルにできます。
BGP をシャットダウンするには、ルータ コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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shutdown 例: switch(config-router)# shutdown |
BGP を正常にシャットダウンします。 |
BGP ピアの設定
BGP プロセス内で BGP ピアを設定できます。BGP ピアごとに、関連付けられたキープアライブ タイマーとホールド タイマーがあります。これらのタイマーは、グローバルに設定することも、BGP ピアごとに設定することもできます。ピア設定はグローバル設定を上書きします。
(注) ピアごとに、ネイバー コンフィギュレーション モードでアドレス ファミリを設定する必要があります。
はじめる前に
BGP をイネーブルにします(「BGP の有効化」を参照)。
正しい VDC を使用していることを確認します(または switchto vdc コマンドを使用します)。
手順の概要
1. configure terminal
2. router bgp autonomous-system-number
3. neighbor { ip-address | ipv6-address } remote-as as-number
4. (任意) description text
5. (任意) timers keepalive-time hold-time
6. (任意)shutdown
7. address-family { ipv4 | ipv6 | vpnv4 | vpnv6} { unicast | multicast }
8. (任意)weight value
9. (任意)show bgp { ipv4 | ipv6 | vpnv4 | vpnv6 } { unicast | multicast } neighbors
10. (任意)copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
router bgp autonomous-system-number 例: switch(config)# router bgp 64496 switch(config-router)# |
BGP をイネーブルにして、ローカル BGP スピーカに AS 番号を割り当てます。AS 番号は 16 ビット整数または 32 ビット整数にできます。上位 16 ビット 10 進数と下位 16 ビット 10 進数による xx.xx という形式です。 |
ステップ 3 |
neighbor { ip-address | ipv6-address } remote-as as-number 例: switch(config-router)# neighbor 209.165.201.1 remote-as 64497 switch(config-router-neighbor)# |
リモート BGP ピアの IPv4 アドレスまたは IPv6 アドレスおよび AS 番号を設定します。 ip-address の形式は x.x.x.x です。 ipv6-address の形式は A:B::C:D です。 |
ステップ 4 |
description text 例: switch(config-router-neighbor)# description Peer Router B switch(config-router-neighbor)# |
(任意)ネイバーの説明を追加します。最大 80 文字の英数字ストリングを使用できます。 |
ステップ 5 |
timers keepalive-time hold-time 例: switch(config-router-neighbor )# timers 30 90 |
(任意)ネイバーのキープアライブおよびホールド タイムを表す BGP タイマー値を追加します。指定できる範囲は 0 ~ 3600 秒です。デフォルトは、キープアライブ タイムで 60 秒、ホールド タイムで 180 秒です。 |
ステップ 6 |
shutdown 例: switch(config-router-neighbor)# shutdown |
(任意)この BGP ネイバーを管理目的でシャットダウンします。このコマンドによって、BGP ネイバー セッションの自動通知およびセッション リセットが開始されます。 |
ステップ 7 |
address-family { ipv4 | ipv6 | vpnv4 | vpnv6 }{ unicast | multicast } 例: switch(config-router-neighbor)# address-family ipv4 unicast switch(config-router-neighbor-af)# |
ユニキャスト IPv4 アドレス ファミリに対応するネイバー アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 8 |
weight value 例: switch(config-router-neighbor-af)# weight 100 |
(任意)このネイバーからのルートのデフォルトの重みを設定します。指定できる範囲は 0 ~ 65535 です。 このネイバーから学習したすべてのルートに、まず重みが割り当てられます。特定のネットワークへのルートが複数ある場合、最大の重みを持つルートが優先ルートとして選ばれます。 set weight route-map コマンドで割り当てられた重みは、このコマンドで割り当てられた重みを上書きします。 BGP ピア ポリシー テンプレートを指定した場合、テンプレートのメンバーすべてが、このコマンドで設定された特性を継承します。 |
ステップ 9 |
show bgp { ipv4 | ipv6 | vpnv4 | vpnv6 }{ unicast | multicast } neighbors 例: switch(config-router-neighbor-af)# show bgp ipv4 unicast neighbors |
(任意)BGP ピアの情報を表示します。 |
ステップ 10 |
copy running-config startup-config 例: switch(config-router-neighbor-af) copy running-config startup-config |
(任意)この設定の変更を保存します。 |
次に、BGP ピアを設定する例を示します。
switch# configure terminal
switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)# neighbor 192.0.2.1 remote-as 64497
switch(config-router-neighbor)# description Peer Router B
switch(config-router-neighbor)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-neighbor-af)# weight 100
switch(config-router-neighbor-af)# copy running-config startup-config
AS-4 ドット表記の設定
asdot 表記で 4 バイトの自律システム(AS)番号を設定できます。デフォルト値は asplain です。自律システム(AS)番号の詳細については、「自律システム」を参照してください。
はじめる前に
正しい VDC を使用していることを確認します(または switchto vdc コマンドを使用します)。
手順の概要
1. configure terminal
2. as-format asdot
3. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
as-format asdot 例: switch(config)# as-format asdot |
ASN 表記を asdot に設定します。 |
ステップ 3 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)この設定の変更を保存します。 |
プレフィックス ピアのダイナミック AS 番号の設定
BGP プロセス内で複数の BGP ピアを設定できます。BGP セッションの確立をルート マップの単一の AS 番号または複数の AS 番号に制限できます。
プレフィックス ピアのダイナミック AS 番号を使用して設定された BGP セッションでは、 ebgp-multihop コマンドおよび disable-connected-check コマンドを無視します。
ルート マップの AS 番号のリストを変更できますが、ルート マップ名を変更するには no neighbor コマンドを使用する必要があります。設定されたルート マップの AS 番号に変更を加えた場合、新しいセッションのみに影響します。
はじめる前に
BGP をイネーブルにします(「BGP の有効化」を参照)。
正しい VDC を使用していることを確認します(または switchto vdc コマンドを使用します)。
手順の概要
1. configure terminal
2. router bgp autonomous-system-number
3. neighbor prefix remote-as route-map map-name
4. (任意)show bgp { ipv4 | ipv6 | vpnv4 | vpnv6 } { unicast | multicast } neighbors
5. (任意)copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
router bgp autonomous-system-number 例: switch(config)# router bgp 64496 switch(config-router)# |
BGP をイネーブルにして、ローカル BGP スピーカに AS 番号を割り当てます。AS 番号は 16 ビット整数または 32 ビット整数にできます。上位 16 ビット 10 進数と下位 16 ビット 10 進数による xx.xx という形式です。 |
ステップ 3 |
neighbor prefix remote-as route-map map-name 例: switch(config-router)# neighbor 192.0.2.0/8 remote-as routemap BGPPeers switch(config-router-neighbor)# |
IPv4 プレフィックスまたは IPv6 プレフィックス、およびリモート BGP ピアの受け付けられた AS 番号のリストのルート マップを設定します。IPv4 の場合の prefix の形式は「x.x.x.x/長さ」です。長さの範囲は 1 ~ 32 です。IPv6 の場合の prefix の形式は「A:B::C:D/長さ」です。長さの範囲は 1 ~ 128 です。 map-name には最大 63 文字の英数字文字列を指定します。大文字と小文字は区別されます。 |
ステップ 4 |
show bgp { ipv4 | ipv6 | vpnv4 | vpnv6 }{ unicast | multicast } neighbors 例: switch(config-router-neighbor-af)# show bgp ipv4 unicast neighbors |
(任意)BGP ピアの情報を表示します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config 例: switch(config-router-neighbor-af)# copy running-config startup-config |
(任意)この設定の変更を保存します。 |
次に、プレフィックス ピアのダイナミック AS 番号を設定する例を示します。
switch# configure terminal
switch(config)# route-map BGPPeers
switch(config-route-map)# match as-number 64496, 64501-64510
switch(config-route-map)# match as-number as-path-list List1, List2
switch(config-route-map)# exit
switch(config)# router bgp 64496
switch(config-router)# neighbor 192.0.2.0/8 remote-as route-map BGPPeers
switch(config-router-neighbor)# description Peer Router B
switch(config-router-neighbor)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-neighbor-af)# copy running-config startup-config
ルート マップについては、「Route Policy Manager の設定」を参照してください。
BGP PIC エッジの設定
(注) BGP PIC エッジ機能は、IPv4 アドレス ファミリのみをサポートします。
はじめる前に
BGP をイネーブルにします(「BGP の有効化」を参照)。
正しい VDC を使用していることを確認します(または switchto vdc コマンドを使用します)。
手順の概要
1. configure terminal
2. router bgp autonomous-system-number
3. address-family ipv4 unicast
4. additional paths install backup
5. exit
6. exit
7. ip adjacency notify interval interval
手順の詳細
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ステップ 1 |
switch# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(config)# router bgp autonomous-system-number |
BGP をイネーブルにして、ローカル BGP スピーカに AS 番号を割り当てます。 |
ステップ 3 |
switch(config-router)# address-family ipv4 unicast |
IPv4 ユニキャスト アドレス ファミリに対応するルータ アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
switch(config-router-af)# additional paths install backup |
ルーティング テーブルにバックアップ パスをインストールする BGP をイネーブルにします。 |
ステップ 5 |
switch(config-router-af)# exit |
ルータ アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 6 |
switch(config-router)# exit |
ルータ コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 7 |
switch(config)# ip adjacency notify interval interval |
IP 隣接マネージャの通知間隔を指定します。デフォルトの間隔は 500 ミリ秒です。BGP PIC コンバージェンスを最適にするには、100 ミリ秒を使用します。 |
次に、BGP PIC エッジをサポートするようデバイスを設定する例を示します。
address-family ipv4 unicast
additional-paths install backup
neighbor 1.1.1.6 remote-as 200
address-family ipv4 unicast
neighbor 2.2.2.6 remote-as 100
address-family ipv4 unicast
ip adjacency notify interval 100
BGP が 2 つのネイバー 1.1.1.6 および 2.2.2.6 から同じプレフィクス(たとえば 99.0.0.0/24)を受信した場合、両方のパスが URIB にインストールされます。1 つはプライマリ パスとして、もう 1 つはバックアップ パスとなります。
BGP 出力:
switch(config)# show ip bgp 99.0.0.0/24
BGP routing table information for VRF default, address family IPv4 Unicast
BGP routing table entry for 99.0.0.0/24, version 4
Paths: (2 available, best #2)
Flags: (0x00001a) on xmit-list, is in urib, is best urib route
Path type: internal, path is valid, not best reason: Internal path, backup path
AS-Path: 200 , path sourced external to AS
2.2.2.6 (metric 0) from 2.2.2.6 (2.2.2.6)
Origin IGP, MED not set, localpref 100, weight 0
Path type: external, path is valid, is best path
AS-Path: 200 , path sourced external to AS
1.1.1.6 (metric 0) from 1.1.1.6 (99.0.0.1)
Origin IGP, MED not set, localpref 100, weight 0
Path-id 1 advertised to peers:
URIB 出力:
switch(config)# show ip route 99.0.0.0/24
IP Route Table for VRF "default"
'*' denotes best ucast next-hop
'**' denotes best mcast next-hop
'[x/y]' denotes [preference/metric]
'%<string>' in via output denotes VRF <string>
99.0.0.0/24, ubest/mbest: 1/0
*via 1.1.1.6, [20/0], 14:34:51, bgp-100, external, tag 200
via 2.2.2.6, [200/0], 14:34:51, bgp-100, internal, tag 200 (backup)
UFIB 出力:
switch# show forwarding route 123.1.1.0 detail module 8
Prefix 123.1.1.0/24, No of paths: 1, Update time: Fri Feb 7 19:00:12 2014
Vobj id: 141 orig_as: 65002 peer_as: 65100 rnh: 10.3.0.2
10.4.0.2 Ethernet8/4 DMAC: 0018.bad8.4dfd
packets: 2 bytes: 3484 Repair path 10.3.0.2 Ethernet8/3
BGP 情報の消去
BGP 情報をクリアするには、次のコマンドを使用します。
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clear bgp all { neighbor | * | as-number | peer-template name | prefix } [ vrf vrf-name ] |
すべてのアドレス ファミリから 1 つ以上のネイバーをクリアします。 * は、すべてのアドレス ファミリのすべてのネイバーをクリアします。引数は次のとおりです。 • neighbor :ネイバーの IPv4 または IPv6 アドレス。 • as-number :自律システム番号。AS 番号は 16 ビット整数または 32 ビット整数にできます。上位 16 ビット 10 進数と下位 16 ビット 10 進数による xx.xx という形式です。 • name :ピア テンプレート名。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。 • prefix :IPv4 または IPv6 プレフィックス。そのプレフィックス内のすべてのネイバーがクリアされます。 • vrf-name :VRF 名。その VRF 内のすべてのネイバーがクリアされます。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。 |
clear bgp all dampening [ vrf vrf-name ] |
すべてのアドレス ファミリのルート フラップ ダンプニング ネットワークをクリアします。 vrf-name には最大 64 文字の英数字文字列を指定します。大文字と小文字は区別されます。 |
clear bgp all flap-statistics [ vrf vrf-name ] |
すべてのアドレス ファミリのルート フラップ統計情報をクリアします。 vrf-name には最大 64 文字の英数字文字列を指定します。大文字と小文字は区別されます。 |
clear bgp { ipv4 | ipv6 | vpnv4 | vpnv6 } { unicast | multicast } dampening [ vrf vrf-name ] |
選択したアドレス ファミリのルート フラップ ダンプニング ネットワークをクリアします。 vrf-name には最大 64 文字の英数字文字列を指定します。大文字と小文字は区別されます。 |
clear bgp { ipv4 | ipv6 | vpnv4 | vpnv6 } { unicast | multicast } flap-statistics [ vrf vrf-name ] |
選択したアドレス ファミリのルート フラップ統計情報をクリアします。 vrf-name には最大 64 文字の英数字文字列を指定します。大文字と小文字は区別されます。 |
clear bgp { ipv4 | ipv6 | vpnv4 | vpnv6 } { unicast | multicast } { neighbor | * | as-number | peer-template name | prefix } [ vrf vrf-name ] |
選択したアドレス ファミリから 1 つ以上のネイバーをクリアします。 * は、アドレス ファミリのすべてのネイバーをクリアします。引数は次のとおりです。 • neighbor :ネイバーの IPv4 または IPv6 アドレス。 • as-number :自律システム番号。AS 番号は 16 ビット整数または 32 ビット整数にできます。上位 16 ビット 10 進数と下位 16 ビット 10 進数による xx.xx という形式です。 • name :ピア テンプレート名。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。 • prefix :IPv4 または IPv6 プレフィックス。そのプレフィックス内のすべてのネイバーがクリアされます。 • vrf-name :VRF 名。その VRF 内のすべてのネイバーがクリアされます。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。 |
clear ip bgp { ip { unicast | multicast }} { neighbor | * | as-number | peer-template name | prefix } [ vrf vrf-name ] |
1 つ以上のネイバーをクリアします。 * は、アドレス ファミリのすべてのネイバーをクリアします。引数は次のとおりです。 • neighbor :ネイバーの IPv4 または IPv6 アドレス。 • as-number :自律システム番号。AS 番号は 16 ビット整数または 32 ビット整数にできます。上位 16 ビット 10 進数と下位 16 ビット 10 進数による xx.xx という形式です。 • name :ピア テンプレート名。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。 • prefix :IPv4 または IPv6 プレフィックス。そのプレフィックス内のすべてのネイバーがクリアされます。 • vrf-name :VRF 名。その VRF 内のすべてのネイバーがクリアされます。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。 |
clear ip bgp dampening [ ip-neighbor | ip-prefix ] [ vrf vrf-name ] |
1 つ以上のネットワークのルート フラップ ダンプニングをクリアします。引数は次のとおりです。 • ip-neighbor :ネイバーの IPv4 アドレス。 • ip-prefix :IPv4。そのプレフィックス内のすべてのネイバーがクリアされます。 • vrf-name :VRF 名。その VRF 内のすべてのネイバーがクリアされます。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。 |
clear ip bgp flap-statistics [ ip-neighbor | ip-prefix ] [ vrf vrf-name ] |
1 つ以上のネットワークのルート フラップ統計情報をクリアします。引数は次のとおりです。 • ip-neighbor :ネイバーの IPv4 アドレス。 • ip-prefix :IPv4。そのプレフィックス内のすべてのネイバーがクリアされます。 • vrf-name :VRF 名。その VRF 内のすべてのネイバーがクリアされます。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。 |
clear ip mbgp { ip { unicast | multicast }} { neighbor | * | as-number | peer-template name | prefix } [ vrf vrf-name ] |
1 つ以上のネイバーをクリアします。 * は、アドレス ファミリのすべてのネイバーをクリアします。引数は次のとおりです。 • neighbor :ネイバーの IPv4 または IPv6 アドレス。 • as-number :自律システム番号。AS 番号は 16 ビット整数または 32 ビット整数にできます。上位 16 ビット 10 進数と下位 16 ビット 10 進数による xx.xx という形式です。 • name :ピア テンプレート名。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。 • prefix :IPv4 または IPv6 プレフィックス。そのプレフィックス内のすべてのネイバーがクリアされます。 • vrf-name :VRF 名。その VRF 内のすべてのネイバーがクリアされます。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。 |
clear ip mbgp dampening [ ip-neighbor | ip-prefix ] [ vrf vrf-name ] |
1 つ以上のネットワークのルート フラップ ダンプニングをクリアします。引数は次のとおりです。 • ip-neighbor :ネイバーの IPv4 アドレス。 • ip-prefix :IPv4。そのプレフィックス内のすべてのネイバーがクリアされます。 • vrf-name :VRF 名。その VRF 内のすべてのネイバーがクリアされます。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。 |
clear ip mbgp flap-statistics [ ip-neighbor | ip-prefix ] [ vrf vrf-name ] |
1 つ以上のネットワークのルート フラップ統計情報をクリアします。引数は次のとおりです。 • ip-neighbor :ネイバーの IPv4 アドレス。 • ip-prefix :IPv4。そのプレフィックス内のすべてのネイバーがクリアされます。 • vrf-name :VRF 名。その VRF 内のすべてのネイバーがクリアされます。名称は 64 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。 |