レイヤ 3 仮想化
ここでは、次の内容について説明します。
• 「レイヤ 3 仮想化の概要」
• 「VRF およびルーティング」
• 「VRF 認識サービス」
レイヤ 3 仮想化の概要
Cisco NX-OS では仮想化の階層構造がサポートされており、物理システム リソースを複数の仮想デバイス コンテキスト(VDC)に分割できます。各 VDC は、レイヤ 2 サービスとレイヤ 3 サービスの両方が使用できる、独立型デバイスとして動作します。デフォルト VDC を含め、最大 4 の VDC を設定できます。VDC の詳細については、 『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Virtual Device Context Configuration Guide 』 を参照してください。
Cisco NX-OS は、各 VDC の仮想化をさらに進めて、VRF(仮想ルーティングおよびフォワーディング)インスタンスをサポートします。1 つの VDC に複数の VRF を設定できます。各 VRF には、IPv4 および IPv6 に対応するユニキャストおよびマルチキャスト ルート テーブルを備えた、独立したアドレス空間が 1 つずつあり、他の VRF と無関係にルーティングを決定できます。
図 15-1 に、2 つの異なる VDC にある複数の独立した VRF を示します。
図 15-1 VDC 内の複数の VRF
VRF 名は VDC ローカルなので、VRF が異なる VDC に存在する場合は、同じ名前で 2 つの VRF を設定できます。図 15-1 では、VDC 2 の VRF A は、VDC n の VRF B および VRF A と無関係です。
ルータごとに、デフォルト VRF および管理 VRF があります。
管理 VRF
• 管理 VRF は管理専用です。
• mgmt 0 インターフェイスのみが、管理 VRF にいることができます。
• mgmt 0 インターフェイスは、異なる VRF に割り当てられることはできません。
• mgmt 0 インターフェイスは複数の VDC 間で共有されます。
• ルーティング プロトコルは、管理 VRF(スタティックのみ)で動作できません。
デフォルト VRF
• すべてのレイヤ 3 インターフェイスは、別の VRF に割り当てられるまでデフォルト VRF に存在します。
• 異なる VRF コンテキストが指定されない限り、ルーティング プロトコルはデフォルトの VRF コンテキストで実行されます。
• デフォルト VRF は、すべての show コマンドにデフォルトのルーティング コンテキストを使用します。
• デフォルト VRF は、Cisco IOS のグローバル ルーティング テーブルの概念に似ています。
VRF およびルーティング
すべてのユニキャストおよびマルチキャスト ルーティング プロトコルは VRF をサポートします。VRF でルーティング プロトコルを設定する場合は、同じルーティング プロトコル インスタンスの別の VRF のルーティング パラメータに依存しないルーティング パラメータをその VRF に設定します。
VRF にインターフェイスおよびルーティング プロトコルを割り当てることによって、仮想レイヤ 3 ネットワークを作成できます。インターフェイスが存在する VRF は 1 つだけです。図 15-2 に、1 つの物理ネットワークが 2 つの VRF からなる 2 つの仮想ネットワークに分割されている例を示します。ルータ Z、A、および B は、VRF Red にあり、1 つのアドレス ドメインを形成しています。これらのルータは、Router C が含まれないルート更新を共有します。Router C は別の VRF で設定されているからです。
図 15-2 ネットワーク内の VRF
Cisco NX-OS はデフォルトで、着信インターフェイスの VRF を使用して、ルート検索に使用するルーティング テーブルを選択します。ルート ポリシーを設定すると、この動作を変更し、Cisco NX-OS が着信パケットに使用する VRF を設定できます。詳細については、「ポリシーベース ルーティングの設定」を参照してください。
Cisco NX-OS は、VRF Lite シナリオと MPLS VPN シナリオの両方で、VRF 間のルート リーク(インポートまたはエクスポート)をサポートしています。VRF Lite では、ルート リークに MPLS ライセンスは必要ありません。ルート リークの詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS MPLS Configuration Guide 』を参照してください。
VRF 認識サービス
Cisco NX-OS アーキテクチャの基本的な特徴として、すべての IP ベースの機能が VRF を認識することがあげられます。
次の VRF 認識サービスは、特定の VRF を選択することによって、リモート サーバに接続したり、選択した VRF に基づいて情報をフィルタリングすることができます。
• AAA:詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Security Configuration Guide 』を参照してください。
• Call Home:詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS System Management Configuration Guide, Release 6.x 』を参照してください。
• DNS(ドメイン ネーム システム):詳細については、「DNS の設定」を参照してください。
• GLBP:詳細については、「GLBP の設定」を参照してください。
• HSRP:詳細については、「HSRP の設定」を参照してください。
• HTTP:詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Fundamentals Configuration Guide, Release 6.x 』を参照してください。
• NetFlow:詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS System Management Configuration Guide, Release 6.x 』を参照してください。
• NTP:詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS System Management Configuration Guide, Release 6.x 』を参照してください。
• RADIUS:詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Security Configuration Guide 』を参照してください。
• ping および traceroute:詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Fundamentals Configuration Guide, Release 6.x 』を参照してください。
• SSH:詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Fundamentals Configuration Guide, Release 6.x 』を参照してください。
• SNMP:詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS System Management Configuration Guide, Release 6.x 』を参照してください。
• Syslog:詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS System Management Configuration Guide, Release 6.x 』を参照してください。
• TACACS+:詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Security Configuration Guide 』を参照してください。
• TFTP:詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Fundamentals Configuration Guide, Release 6.x 』を参照してください。
• VRRP(仮想ルータ冗長プロトコル):詳細については、「VRRP の設定」を参照してください。
• XML:詳細については、『 Cisco NX-OS XML Interface User Guide 』を参照してください。
各サービスで VRF サポートを設定する詳細については、各サービスの適切なコンフィギュレーション ガイドを参照してください。
ここでは、次の内容について説明します。
• 「到達可能性」
• 「フィルタリング」
• 「到達可能性とフィルタリングの組み合わせ」
到達可能性
到達可能性は、サービスを提供するサーバに到達するために必要なルーティング情報がどの VRF にあるかを示します。たとえば、管理 VRF で到達可能な SNMP サーバを設定できます。ルータ上でサーバ アドレスを設定する場合は、サーバに到達するために Cisco NX-OS が使用しなければならない VRF も設定します。
図 15-3 に、管理 VRF を介して到達できる SNMP サーバを示します。SNMP サーバ ホスト 192.0.2.1 には管理 VRF を使用するように、Router A を設定します。
図 15-3 サービス VRF の到達可能性
フィルタリング
フィルタリングによって、VRF に基づいて VRF 認識サービスに渡す情報のタイプを制限できます。たとえば、Syslog サーバが特定の VRF をサポートするように設定できます。図 15-4 に示す 2 つの Syslog サーバは、それぞれ 1 つの VRF をサポートしています。Syslog サーバ A は VRF Red で設定されているので、Cisco NX-OS は VRF Red で生成されたシステム メッセージだけを Syslog サーバ A に送信します。
図 15-4 サービス VRF のフィルタリング
到達可能性とフィルタリングの組み合わせ
VRF 認識サービスの到達可能性とフィルタリングを組み合わせることができます。そのサービスに接続するために Cisco NX-OS が使用する VRF とともに、サービスがサポートする VRF も設定できます。デフォルト VRF でサービスを設定する場合は、任意で、すべての VRF をサポートするようにサービスを設定できます。
図 15-5 に、管理 VRF 上で到達できる SNMP サーバを示します。たとえば、SNMP サーバが VRF Red からの SNMP 通知だけをサポートするように設定できます。
図 15-5 サービス VRF の到達可能性とフィルタリング
VRF に関する注意事項と制限事項
VRF 設定時の注意事項と制約事項は次のとおりです。
• インターフェイスを既存の VRF のメンバにすると、Cisco NX-OS はあらゆるレイヤ 3 設定を削除します。VRF にインターフェイスを追加したあとで、すべてのレイヤ 3 パラメータを設定する必要があります。
• 管理 VRF に mgmt0 インターフェイスを追加し、そのあとで mgmt0 の IP アドレスおよびその他のパラメータを設定します。
• VRF が存在しないうちに VRF のインターフェイスを設定した場合は、VRF を作成するまで、そのインターフェイスは運用上のダウンになります。
• Cisco NX-OS はデフォルトで、デフォルト VRF および管理 VRF を作成します。mgmt0 は管理 VRF のメンバにする必要があります。
• write erase boot コマンドを実行しても、管理 VRF の設定は削除されません。 write erase コマンドを使用してから write erase boot コマンドを使用する必要があります。
VRF の設定
ここでは、次の内容について説明します。
• 「VRF の作成」
• 「インターフェイスへの VRF メンバーシップの割り当て」
• 「ルーティング プロトコルに関する VRF パラメータの設定」
• 「VRF 認識サービスの設定」
• 「VRF スコープの設定」
(注) Cisco IOS の CLI に慣れている場合、この機能に対応する Cisco NX-OS コマンドは通常使用する Cisco IOS コマンドと異なる場合があるので注意してください。
VRF の作成
VDC に VRF を作成できます。
はじめる前に
正しい VDC を使用していることを確認します(または switchto vdc コマンドを使用します)。
手順の概要
1. configure terminal
2. vrf context vrf-name
3. (任意)ip route {ip-prefix | ip-addr ip-mask} {[next-hop | nh-prefix] | [interface next-hop | nh-prefix]} [tag tag-value [pref]
4. (任意)show vrf [ vrf-name ]
5. (任意)copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
vrf context name 例: switch(config)# vrf context Enterprise switch(config-vrf)# |
新しい VRF を作成し、VRF コンフィギュレーション モードを開始します。 name には最大 32 文字の英数字を使用できます。大文字と小文字は区別されます。 |
ステップ 3 |
ip route { ip-prefix | ip-addr ip-mask } {[ next-hop | nh-prefix ] | [ interface next-hop | nh-prefix ]} [ tag tag-value [ pref ] 例: switch(config-vrf)# ip route 192.0.2.0/8 ethernet 1/2 192.0.2.4 |
(任意)スタティック ルートおよびこのスタティック ルート用のインターフェイスを設定します。任意でネクストホップ アドレスを設定できます。 preference 値でアドミニストレーティブ ディスタンスを設定します。指定できる範囲は 1 ~ 255 です。デフォルトは 1 です。 |
ステップ 4 |
show vrf [ vrf-name ] 例: switch(config-vrf)# show vrf Enterprise |
(任意)VRF 情報を表示します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)この設定の変更を保存します。 |
VRF および関連する設定を削除するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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no vrf context name 例: switch(config)# no vrf context Enterprise |
VRF および関連するすべての設定を削除します。 |
グローバル コンフィギュレーション モードで使用できるコマンドはすべて、VRF コンフィギュレーション モードでも使用できます。
次に、VRF を作成し、VRF にスタティック ルートを追加する例を示します。
switch# configure terminal
switch(config)# vrf context Enterprise
switch(config-vrf)# ip route 192.0.2.0/8 ethernet 1/2
switch(config-vrf)# exit
switch(config)# copy running-config startup-config
インターフェイスへの VRF メンバーシップの割り当て
インターフェイスを VRF のメンバにできます。
はじめる前に
正しい VDC を使用していることを確認します(または switchto vdc コマンドを使用します)。
VRF 用のインターフェイスを設定したあとで、インターフェイスに IP アドレスを割り当てます。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface interface-type slot/port
3. vrf member vrf-name
4. ip-address ip-prefix/length
5. (任意)show vrf vrf-name interface interface-type number
6. (任意)copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-type slot/port 例: switch(config)# interface ethernet 1/2 switch(config-if)# |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
vrf member vrf-name 例: switch(config-if)# vrf member RemoteOfficeVRF |
このインターフェイスを VRF に追加します。 |
ステップ 4 |
ip address ip-prefix/length 例: switch(config-if)# ip address 192.0.2.1/16 |
このインターフェイスの IP アドレスを設定します。このステップは、このインターフェイスを VRF に割り当てたあとに行う必要があります。 |
ステップ 5 |
show vrf vrf-name interface interface-type number 例: switch(config-vrf)# show vrf Enterprise interface ethernet 1/2 |
(任意)VRF 情報を表示します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)この設定の変更を保存します。 |
次に、VRF にインターフェイスを追加する例を示します。
switch# configure terminal
switch(config)# interface ethernet 1/2
switch(config-if)# vrf member RemoteOfficeVRF
switch(config-if)# ip address 192.0.2.1/16
switch(config-if)# copy running-config startup-config
ルーティング プロトコルに関する VRF パラメータの設定
1 つまたは複数の VRF にルーティング プロトコルを関連付けることができます。ルーティング プロトコルに関する VRF の設定については、該当する章を参照してください。ここでは、詳細な設定手順の例として、OSPFv2 プロトコルを使用します。
はじめる前に
正しい VDC を使用していることを確認します(または switchto vdc コマンドを使用します)。
手順の概要
1. configure terminal
2. router ospf instance-tag
3. vrf vrf-name
4. (任意)maximum-paths paths
5. interface interface-type slot/port
6. vrf member vrf-name
7. ip address ip-prefix/length
8. ip router ospf instance-tag area area-id
9. (任意)copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
router ospf instance-tag 例: switch(config-vrf)# router ospf 201 switch(config-router)# |
新規 OSPFv2 インスタンスを作成して、設定済みのインスタンス タグを割り当てます。 |
ステップ 3 |
vrf vrf-name 例: switch(config-router)# vrf RemoteOfficeVRF switch(config-router-vrf)# |
VRF コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
maximum-paths paths 例: switch(config-router-vrf)# maximum-paths 4 |
(任意)この VRF のルート テーブル内の宛先への、同じ OSPFv2 パスの最大数を設定します。ロード バランシングに使用されます。 |
ステップ 5 |
interface interface-type slot/port 例: switch(config)# interface ethernet 1/2 switch(config-if)# |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 6 |
vrf member vrf-name 例: switch(config-if)# vrf member RemoteOfficeVRF |
このインターフェイスを VRF に追加します。 |
ステップ 7 |
ip address ip-prefix/length 例: switch(config-if)# ip address 192.0.2.1/16 |
このインターフェイスの IP アドレスを設定します。このステップは、このインターフェイスを VRF に割り当てたあとに行う必要があります。 |
ステップ 8 |
ip router ospf instance-tag area area-id 例: switch(config-if)# ip router ospf 201 area 0 |
このインターフェイスを OSPFv2 インスタンスおよび設定エリアに割り当てます。 |
ステップ 9 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)この設定の変更を保存します。 |
次に、VRF を作成して、その VRF にインターフェイスを追加する例を示します。
switch# configure terminal
switch(config)# vrf context RemoteOfficeVRF
switch(config-vrf)# exit
switch(config)# router ospf 201
switch(config-router)# vrf RemoteOfficeVRF
switch(config-router-vrf)# maximum-paths 4
switch(config-router-vrf)# interface ethernet 1/2
switch(config-if)# vrf member RemoteOfficeVRF
switch(config-if)# ip address 192.0.2.1/16
switch(config-if)# ip router ospf 201 area 0
switch(config-if)# exit
switch(config)# copy running-config startup-config
VRF 認識サービスの設定
VRF 認識サービスの到達可能性およびフィルタリングを設定できます。VRF 用サービスの設定手順を扱っている、該当する章またはコンフィギュレーション ガイドへのリンクについては、「VRF 認識サービス」を参照してください。ここでは、サービスの詳細な設定手順の例として、SNMP および IP ドメイン リストを使用します。
はじめる前に
正しい VDC を使用していることを確認します(または switchto vdc コマンドを使用します)。
手順の概要
1. configure terminal
2. snmp-server host ip-address [filter-vrf vrf-name] [use-vrf vrf-name]
3. vrf context [ vrf-name ]
4. ip domain-list domain-name [ all-vrfs ][ use-vrf vrf-name ]
5. (任意)copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
snmp-server host ip-address [ filter-vrf vrf-name ] [ use-vrf vrf-name ] 例: switch(config)# snmp-server host 192.0.2.1 use-vrf Red switch(config-vrf)# |
グローバル SNMP サーバを設定し、サービスに到達するために Cisco NX-OS が使用する VRF を設定します。選択された VRF からこのサーバへの情報をフィルタリングするには、 filter-vrf キーワードを使用します。 |
ステップ 3 |
vrf context vrf-name 例: switch(config)# vrf context Blue switch(config-vrf)# |
新しい VRF を作成します。 |
ステップ 4 |
ip domain-list domain-name [ all-vrfs ][ use-vrf vrf-name ] 例: switch(config-vrf)# ip domain-list List all-vrfs use-vrf Blue switch(config-vrf)# |
VRF でドメイン リストを設定し、さらに任意で、指定されたドメイン名に接続するために Cisco NX-OS が使用する VRF を設定します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)この設定の変更を保存します。 |
次に、VRF Red で到達可能な SNMP ホスト 192.0.2.1 に、すべての VRF の SNMP 情報を送信する例を示します。
switch# configure terminal
switch(config)# snmp-server host 192.0.2.1 for-all-vrfs use-vrf Red
switch(config)# copy running-config startup-config
次に、VRF Red で到達可能な SNMP ホスト 192.0.2.12 に対して、VRF Blue の SNMP 情報をフィルタリングする例を示します。
switch# configure terminal
switch(config)# vrf context Blue
switch(config-vrf)# snmp-server host 192.0.2.12 use-vrf Red
switch(config)# copy running-config startup-config
VRF スコープの設定
すべての EXEC コマンド( show コマンドなど)に対応する VRF スコープを設定できます。VRF スコープを設定すると、EXEC コマンド出力のスコープが設定された VRF に自動的に限定されます。このスコープは、一部の EXEC コマンドで使用できる VRF キーワードによって上書きできます。
VRF スコープを設定するには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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routing-context vrf vrf-name 例: switch# routing-context vrf red switch%red# |
すべての EXEC コマンドに対応するルーティング コンテキストを設定します。デフォルトのルーティング コンテキストはデフォルト VRF です。 |
デフォルトの VRF スコープに戻すには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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routing-context vrf default 例: switch%red# routing-context vrf default switch# |
デフォルトのルーティング コンテキストを設定します。 |