UDLD の設定
この章では、Catalyst 4000 ファミリ スイッチ上で UniDirectional Link Detection(UDLD; 単一方向リンク検出)および単一方向イーサネットを設定する方法について説明します。設定上の注意事項、設定手順、および設定例についても示します。
この章の主な内容は、次のとおりです。
• 「UDLD の概要」
• 「UDLD のデフォルト設定」
• 「スイッチ上での UDLD の設定」
(注) この章のスイッチ コマンドの構文および使用方法の詳細については、『Catalyst 4500 Series Switch Cisco IOS Command Reference』および次の URL の関連マニュアルを参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/ps6350/index.html
UDLD の概要
UDLD により、光ファイバまたは銅製イーサネット ケーブル(カテゴリ 5 ケーブルなど)を使用して接続されたデバイスで、ケーブルの物理構成を監視し、単方向リンクの存在を検出できます。リンク上でローカル デバイスから送信されたトラフィックはネイバーで受信されるのに対し、ネイバーから送信されたトラフィックはローカル デバイスで受信されない場合には常に、単方向リンクが発生します。単方向リンクが検出されると、UDLD が関係のあるインターフェイスをシャットダウンし、ユーザに通知します。単方向リンクは、スパニングツリー トポロジ ループをはじめ、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。
UDLD は、レイヤ 1 メカニズムとともに作用し、リンクの物理的ステータスを判別するレイヤ 2 プロトコルです。レイヤ 1 では、物理的シグナリングおよび障害検出は、自動ネゴシエーションによって処理されます。UDLD は、ネイバーの ID の検知、誤って接続されたインターフェイスのシャットダウンなど、自動ネゴシエーションでは実行不可能な処理を実行します。自動ネゴシエーションと UDLD の両方をイネーブルにすると、レイヤ 1 とレイヤ 2 の検知機能が連動し、物理的および論理的な単一方向接続、および他のプロトコルの誤動作を防止します。
対になったファイバ ケーブルのうち一方の接続が切断された場合、自動ネゴシエーションがアクティブである限り、そのリンクはアップ状態が維持されなくなります。この場合、論理リンクは不定であり、UDLD は何の処理も行いません。レイヤ 1 から見て両方のファイバが正常に稼働していれば、レイヤ 2 の UDLD はそれらのファイバが正しく接続されているかどうか、トラフィックが正しい近接デバイス間で双方向に流れているかどうかを判別します。自動ネゴシエーションはレイヤ 1 の機能なので、このチェックは自動ネゴシエーションでは不可能です。
スイッチは、近接デバイスの UDLD がイネーブルのインターフェイスに、UDLD パケットを定期的に送信します。このパケットが一定時間内にエコー バックされるのに、特定の確認応答(エコー)が欠落している場合には、そのリンクは単方向リンクとしてフラグ付けされ、インターフェイスがシャットダウンされます。UDLD プロトコルにより単方向リンクが正しく識別されその使用が禁止されるようにするためには、リンクの両端のデバイスで UDLD がサポートされている必要があります。
(注) デフォルトでは、UDLD は銅製インターフェイス上ではローカルでディセーブルに設定されています。この種類のメディアは、アクセス インターフェイスに使用されることが多いので、メディアに不要な制御トラフィックを送信しないようにするためです。
図 24-1 に、単一方向リンク条件の例を示します。各スイッチは、近接スイッチにパケットを送信しますが、これと同じスイッチからのパケットを受信できません。UDLD は単方向接続を検出し、ディセーブルにします。
図 24-1 単方向リンク
UDLD のデフォルト設定
表 24-1 に、UDLD のデフォルト設定を示します。
表 24-1 UDLD のデフォルト設定
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UDLD グローバル イネーブル ステート |
グローバルにディセーブル |
インターフェイス別の UDLD イネーブル ステート(光ファイバ メディア用) |
すべてのイーサネット光ファイバ インターフェイスでイネーブル |
インターフェイス別の UDLD イネーブル ステート(ツイストペア(銅製)メディア用) |
インターフェイス Ethernet 10/100 と 1000BASE-TX でディセーブル |
スイッチ上での UDLD の設定
ここでは、UDLD の設定手順について説明します。
• 「UDLD のグローバルなイネーブル化」
• 「インターフェイス上で UDLD をイネーブルにする方法」
• 「光ファイバ以外のインターフェイス上での UDLD のディセーブル化」
• 「光ファイバ インターフェイス上での UDLD のディセーブル化」
• 「ディセーブルになったインターフェイスのリセット」
UDLD のグローバルなイネーブル化
スイッチ上のすべての光ファイバ インターフェイス上で UDLD をグローバルにイネーブルにするには、次の作業を行います。
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Switch(config)# [ no ] udld enable |
スイッチの光ファイバ インターフェイス上で UDLD をグローバルにイネーブルにします。 光ファイバ インターフェイス上で UDLD をグローバルにディセーブルにするには、 no キーワードを使用します。 (注) このコマンドは、光ファイバ インターフェイスだけを設定します。このコマンドによる設定は、個々のインターフェイスの設定によって上書きされます。 |
インターフェイス上で UDLD をイネーブルにする方法
各インターフェイス上で UDLD をイネーブルにするには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch(config-if)# udld enable |
特定のインターフェイス上で UDLD をイネーブルにします。光ファイバ インターフェイスの場合、このコマンドは udld enable グローバル コンフィギュレーション コマンドによる設定を上書きします。 |
ステップ 2 |
Switch# show udld interface |
設定を確認します。 |
光ファイバ以外のインターフェイス上での UDLD のディセーブル化
個々の光ファイバ以外のインターフェイス上で UDLD をディセーブルにするには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch(config-if)# no udld enable |
光ファイバ以外のインターフェイス上で UDLD をディセーブルにします。 グローバル コンフィギュレーション コマンドによる設定に戻ります。 |
ステップ 2 |
Switch# show udld interface |
設定を確認します。 |
光ファイバ インターフェイス上での UDLD のディセーブル化
特定の光ファイバ インターフェイス上で UDLD をディセーブルにするには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch(config-if)# udld disable |
光ファイバ インターフェイス上で UDLD をディセーブルにします。 (注) このコマンドは、光ファイバ以外のインターフェイス上ではサポートされていません。 udld enable グローバル コンフィギュレーション コマンドの設定に戻すには、 no キーワードを使用します。 |
ステップ 2 |
Switch# show udld interface |
設定を確認します。 |
ディセーブルになったインターフェイスのリセット
UDLD によってシャットダウンされたすべてのインターフェイスをリセットするには、次の作業を行います。
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UDLD によってシャットダウンされたすべてのインターフェイスをリセットします。 |