この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
このスイッチでは、IEEE802.1D および IEEE802.1Q で規定されている Spanning Tree Protocol(STP)がデフォルトで有効になっており、Rapid Spanning Tree Protocol(RSTP)モードになっています。ループの発生を防ぐために一部のリンクをスタンバイ モードに設定することで、レイヤ 2 ブロードキャスト ドメイン上でブロードキャスト ストームが発生するのを回避できます。スタンバイ モードになっているリンク上では、ユーザ データが一時的に送信されなくなります。トポロジが変更され、ユーザ データを転送しても問題ない状態になると、これらのリンクが再度アクティブ化されます。
• STP の種類
• RSTP の設定
ホスト間に代替ルートが存在する場合、ループが発生します。拡張ネットワーク上でループが発生した場合、レイヤ 2 スイッチによってトラフィックが無限に転送されるおそれがあります。この結果、トラフィック量が増大し、ネットワークの効率が低下します。
STP を使用すると、レイヤ 2 スイッチと相互接続リンクがツリー型トポロジになるため、ネットワーク上のエンド ステーション間に生成されるパスが 1 本のみになり、ループが解消されます。
このスイッチでサポートされている STP のバージョンは次のとおりです。
•従来の STPでは、任意の 2 台のエンド ステーション間に生成されるパスが 1 本のみになるため、ループが解消されます。
•Rapid STP(RSTP; 高速STP)では、ネットワーク トポロジが検出され、スパニング ツリーが構成されるまでの収束時間が短くなります。ネットワーク トポロジがもともとツリー構造になっている場合、RSTP は非常に効果的であり、収束に要する時間が短くなる可能性があります。RSTP はデフォルトで有効になっています。
従来の STP では、一般的なネットワーク トポロジにおけるレイヤ 2 転送ループは回避できますが、収束するまでの時間が長すぎる場合があります。つまり、ネットワーク上にあるそれぞれのブリッジやスイッチにおいて、各ポート上でトラフィックが順調に転送されているかどうかを判断する必要があります。
•Multiple STP(MSTP; 多重STP)でレイヤ 2 ループが検出された場合、そのループを解消するため、関連ポートでのトラフィック転送が停止されます。ループはレイヤ 2 ドメイン単位で発生するので、VLAN A ではループが発生しているが VLAN B ではループが発生していない、という状況が起こり得ます。どちらの VLAN もポート X 上にあり、ループを解消したい場合、停止する必要のない VLAN B 上のトラフィックも含め、ポート X でのトラフィック転送がすべて停止されます。
MSTP を使用すると、複数の STP インスタンスを定義し、各インスタンス内でループを個別に検出して解消することができるため、この問題を解決できます。VLAN をインスタンスにマッピングすると、各インスタンスはレイヤ 2 ドメインに関連付けられます。そのドメイン上でループが検出および解消されます。これにより、たとえば、ループが発生している VLAN A 上ではポートでのトラフィック転送を停止するが、ループが発生していない VLAN B 上ではトラフィックの転送を可能にしておくことができます。
MSTP を使用すると、任意の VLAN に割り当てられているパケットを確実に転送できます。MSTP は、RSTP に基づいて実行されます。さらに、MSTP では各種の VLAN に割り当てられたパケットが、別々の Multiple Spanning Tree(MST; 複数スパニング ツリー)リージョンを介して転送されます。MST リージョンは、1 台のブリッジのように動作します。
[STPステータス&グローバル設定] ページには、STP、RSTP、または MSTP を有効にするためのフィールドがあります。
各モードを設定するには、[STPインターフェイス設定] ページ、[RSTPインターフェイス設定] ページ、および [MSTPプロパティ] ページをそれぞれ使用します。
ステップ 1 [スパニングツリー] > [STPステータス&グローバル設定] をクリックします。[STPステータス&グローバル設定] ページが表示されます。
• [スパニングツリー状態] :このスイッチ上で STP を有効にするか無効にするかを選択します。
• [BPDU処理] :ポート上またはスイッチ上で STP が無効になっている場合の BPDU パケットの処理方法を選択します。Bridge Protocol Data Unit(BPDU; ブリッジ プロトコル データ ユニット)は、スパニング ツリー情報を送信する目的で使用されます。
– [フィルタリング] :インターフェイス上で STP が無効になっている場合、BPDU パケットはフィルタリングされます。
– [フラッディング] :インターフェイス上で STP が無効になっている場合、BPDU パケットはフラッディングされます。
• [パスコストデフォルト値] :STP ポートにデフォルト パス コストを割り当てる際に使用する方法を選択します。インターフェイスに割り当てられるデフォルトのパス コストは、このフィールドで選択した方法によって変わります。
– [ショート] :ポートのパス コストとして 1 ~ 65,535 の範囲の値を入力します。
– [ロング] :ポートのパス コストとして 1 ~ 200,000,000 の範囲の値を入力します。
• [プライオリティ] :ブリッジ プライオリティを入力します。スイッチ間で BPDU が交換された後、プライオリティ値が最も小さいデバイスがルート ブリッジになります。すべてのスイッチのプライオリティ値が同じである場合は、MAC アドレスに基づいてルート ブリッジが決まります。このプライオリティ値は、4096 の倍数にしてください。たとえば、4096、8192、12288 などの値を入力します。
• [ハロータイム] :ルート ブリッジが設定メッセージを待機する時間を秒数で入力します。1 ~ 10 秒の範囲で入力します。
• [最大経過時間] :このスイッチが設定メッセージを待機する時間を秒数で入力します。この時間内に設定メッセージが届かない場合、スイッチ自体の設定情報が再定義されます。
• [転送遅延] :スイッチがラーニング ステートを維持する時間を秒数で入力します。この時間を過ぎると、スイッチからパケットが転送されます。詳細については、「 スパニング ツリー インターフェイス設定の定義 」を参照してください。
• [ブリッジID] :このスイッチのブリッジ プライオリティ値と MAC アドレスを結合した値。
• [ルートブリッジID] :ルート ブリッジのプライオリティ値と MAC アドレスを結合した値。
• [ルートポート] :このスイッチからルート ブリッジまでのコスト パスが最も小さいポート (この値は、ブリッジがルートでない場合に重要です)。
• [ルートパスコスト] :このブリッジからルートまでのパスのコスト。
• [トポロジ変更回数] :STP トポロジが今までに変更された回数。
• [最後のトポロジ変更からの経過時間] :最後にトポロジが変更されてからの経過時間。日/時間/分/秒の形式で表示されます。
ステップ 3 [適用] をクリックします。実行コンフィギュレーション ファイルが更新されます。このとき STP グローバル設定が使用されます。
[STPインターフェイス設定] ページでは、ポート単位の STP 情報を設定すること、および、代表ブリッジなどの STP によって学習された情報を表示することができます。
このページで指定した情報は、すべての種類の STP プロトコルに適用されます。
ステップ 1 [スパニングツリー] > [STPインターフェイス設定] をクリックします。[STPインターフェイス設定] ページが表示されます。
ステップ 2 インターフェイスを選択し、[編集] をクリックします。[インターフェイス設定の編集] ページが表示されます。
• [インターフェイス] :STP 情報を設定するポート番号または LAG を選択します。
• [STP] :このポートに対して STP を有効にするか無効にするかを選択します。
• [エッジポート] :このポートに対してファスト リンクを有効にするか無効にするかを選択します。ポートに対してファスト リンク モードを有効にした場合、そのポートはリンクアップすると自動的にフォワーディング状態になります。ファスト リンクを有効にすると、STP プロトコルにおける収束処理が最適化されます。次のオプションがあります。
– [自動] :このポートがアクティブになってから数秒後に、ファスト リンクを有効にします。この場合、ファスト リンクが有効になる前にループが解消されます。
• [BPDUガード] :有効にすると、STP が無効になっている場合、BPDU メッセージを受け取り、SNMP トラップが生成されると、ポートはシャットダウンされます。
• [BPDU処理] :ポート上またはスイッチ上で STP が無効になっている場合の BPDU パケットの処理方法を選択します。Bridge Protocol Data Unit(BPDU; ブリッジ プロトコル データ ユニット)は、スパニング ツリー情報を送信する目的で使用されます。
– [グローバル設定を使用] :[STPステータス&グローバル設定] ページで定義した設定の使用を選択します。
– [フィルタリング] :インターフェイス上で STP が無効になっている場合、BPDU パケットはフィルタリングされます。
– [フラッディング] :インターフェイス上で STP が無効になっている場合、BPDU パケットはフラッディングされます。
• [パスコスト] :ルート パス コストにおけるこのポートのコストを入力するか、または、このシステムによって生成されたデフォルトのコストを使用します。
• [プライオリティ] :このポートのプライオリティ値を入力します。このスイッチの 2 つのポートがループに接続されている場合、このプライオリティ値がポートの選択に影響を及ぼします。0 ~ 240 の範囲の、16 の倍数を入力します。
• [ポート状態] :このポートの現在の STP 状態が表示されます。
– [無効] :このポートに対して STP は現在無効になっています。トラフィックが転送され、MAC アドレスが学習されます。
– [ブロッキング] :このポートは現在ブロックされており、BPDU データ以外のトラフィックを転送したり、MAC アドレスを学習したりすることはできません。
– [リスニング] :このポートはリスニング モードになっています。トラフィックを転送したり、MAC アドレスを学習したりすることはできません。
– [ラーニング] :このポートはラーニング モードになっています。トラフィックを転送することはできませんが、新しい MAC アドレスを学習することはできます。
– [フォワーディング] :このポートはフォワーディング モードになっています。トラフィックを転送したり、新しい MAC アドレスを学習したりすることができます。
• [代表ブリッジID] :代表ブリッジのブリッジ プライオリティ値と MAC アドレスが表示されます。
• [指定ポートID] :選択したポートのプライオリティ値とインターフェイスが表示されます。
• [指定コスト] :STP トポロジに属しているポートのコストが表示されます。コストが小さいポートは、STP でループが検出されたときにブロックされる可能性が低くなります。
• [フォワーディングへの移行] :このポートが ブロッキング 状態から フォワーディング 状態に移行した回数が表示されます。
• [LAG] :このポートが所属している LAG が表示されます。ポートが LAG のメンバである場合、ポートの設定情報よりも LAG の設定情報が優先されます。
ステップ 4 [適用] をクリックします。インターフェイス設定が修正され、実行コンフィギュレーション ファイルが更新されます。
RSTP を使用した場合、ネットワーク トポロジが検出され、転送ループが解消されるため、通常の STP 収束処理がより高速になります。
[RSTPインターフェイス設定] ページでは、ポート単位の RSTP 情報を設定できます。このページで設定した情報は、グローバル STP モードが RSTP または MSTP に設定されている場合に有効になります。
ステップ 1 [スパニングツリー] > [STPステータス&グローバル設定] をクリックします。[STPステータス&グローバル設定] ページが表示されます。[高速STP] を有効にします。
ステップ 2 [スパニングツリー] > [RSTPインターフェイス設定] をクリックします。[RSTPインターフェイス設定] ページが開きます。
ステップ 3 ポートを選択します ([プロトコル移行の実行] は、テスト対象のブリッジに接続しているポートを選択した場合にのみ使用可能になります)。
ステップ 4 STP によってリンク相手が検出された場合、[プロトコル移行の実行] ボタンをクリックし、プロトコル移行テストを実行します。このテストにより、まだ STP を使用しているリンク相手が存在しているかどうか、また、存在する場合は RSTP または MSTP に移行したかどうかが判明します。リンク相手が STP リンクにまだ存在している場合、引き続き STP を使用してそのリンク相手と通信します。リンク相手が RSTP に移行した場合は、RSTP を使用してそのリンク相手と通信します。リンク相手が MSTP に移行した場合は、MSTP を使用してそのリンク相手と通信します。
ステップ 5 インターフェイスを選択し、[編集] をクリックします。[RSTPインターフェイス設定の編集] ページが表示されます。
• [インターフェイス] :RSTP 情報を設定するインターフェイス(ポートまたは LAG)を指定します。
• [ポイントツーポイント管理ステータス] :ポイントツーポイント リンクのステータスを指定します。全二重と定義されているポートは、ポイントツーポイント ポート リンクであると見なされます。
–[有効]:RSTP が有効になっている場合、このポートは RSTP エッジ ポートになり、通常 2 秒以内にフォワーディング状態に移行します。
–[無効]:このポートは、RSTP においてポイントツーポイントとは見なされません。つまり、このポート上では、STP は高速ではなく通常速度で動作します。
–[自動]:このスイッチのステータスは、RSTP の BPDU によって自動的に決まります。
• [ポイントツーポイント動作ステータス] :[ポイントツーポイント管理ステータス] フィールドで [自動] を選択した場合、ポイントツーポイント リンクの動作ステータスが表示されます。
• [ロール] :STP パスを構成するために、STP によってこのポートに割り当てられているロールが表示されます。表示されるロールは次のとおりです。
–[ルート]:パケットをルート ブリッジに転送するためのコスト パスが最も低いロール。
–[指定]:このスイッチを LAN に接続するためのインターフェイス。LAN からルート ブリッジまでのコスト パスが最小です。
–[代替]:ルート インターフェイスからルート ブリッジへの代替パスに使用されます。
–[バックアップ]:スパニング ツリーのリーフへの指定ポート パスに対するバックアップ パスに使用されます。バックアップ ロールは、2 つのポートがポイントツーポイント リンクによってループに接続されている場合に割り当てられます。また、バックアップ ロールは、共有セグメントに接続されている箇所が LAN 上に複数存在する場合にも割り当てられます。
–[無効]:このポートはスパニング ツリーに属していません。
• [モード] :現在のスパニング ツリー モード(従来の STP または RSTP)が表示されます。
• [ファストリンク動作ステータス] :このインターフェイスに対するファスト リンク(エッジ ポート)のステータス(有効、無効、または自動)が表示されます。表示される値は次のとおりです。
–[自動]:このインターフェイスがアクティブになってから数秒後に、ファスト リンクが有効になります。
• [ポートステータス] :このポートの RSTP ステータスが表示されます。
–[無効]:このポートに対して STP は現在無効になっています。
–[ブロッキング]:このポートは現在ブロックされており、トラフィックを転送したり、MAC アドレスを学習したりすることはできません。
–[リスニング]:このポートはリスニング モードになっています。トラフィックを転送したり、MAC アドレスを学習したりすることはできません。
–[ラーニング]:このポートはラーニング モードになっています。トラフィックを転送することはできませんが、新しい MAC アドレスを学習することはできます。
–[フォワーディング]:このポートはフォワーディング モードになっています。トラフィックを転送したり、新しい MAC アドレスを学習したりすることができます。
MSTP を使用した場合、さまざまなロード バランシングを行うことができます。たとえば、STP インスタンスでポート A をブロックすると同時に、別の STP インスタンスでそのポート A をフォワーディング状態にすることができます。[MSTPプロパティ] ページでは、MSTP のグローバル情報を設定できます。
1. 「 STP のステータスとグローバル情報の設定 」の説明に従って、STP 動作モードを MSTP に設定します。
2. MSTP インスタンスを定義します。各 MST インスタンスで計算が実行され、ループのないトポロジが形成されます。このトポロジで、インスタンスにマッピングされている VLAN 上のパケットがブリッジングされます。「 VLAN の MST インスタンスへのマッピング 」を参照してください。
3. これらの MST インスタンスに VLAN をマッピングします。これにより、どの VLAN でどの MST インスタンスがアクティブになるかが決まります。
MSTP を使用する場合、各 VLAN グループに対してスパニング ツリーが設定されます。また、各スパニング ツリー内の 1 つを除くすべての代替パスがブロックされます。MSTP を使用する場合、複数の MST instance(MSTI; MST インスタンス)を実行可能な MST リージョンを形成できます。複数の MST リージョンを他の STP ブリッジと相互接続するには、1 つの Common Spanning Tree(CST)を使用します。
MSTP は RSTP ブリッジと完全互換です。つまり、RSTP ブリッジ上では、MSTP の BPDU は RSTP の BPDU として解釈することができます。RSTP ブリッジとの互換性を確保する際に、設定変更は不要です。さらに、MST リージョンの外部にある RSTP ブリッジ上で、その MST リージョンが 1 台の RSTP ブリッジとして扱われます。その MST リージョン内に MSTP ブリッジが何台あるかは関係ありません。
複数台のスイッチを同じ MST リージョンに配置するには、各スイッチの VLAN/MST インスタンス マッピング、設定リビジョン番号、およびリージョン名を同じにする必要があります。
同じ MST リージョンに配置する各スイッチが、別の MST リージョン内のスイッチによって分割されることはありません。分割された場合、そのリージョンは 2 つの別々のリージョンになります。
このマッピングを行うには、[MSTPインスタンスへのVLAN] ページを使用します。
このページの設定情報が適用されるのは、システムの STP モードが MSTP である場合です。
ステップ 1 [スパニングツリー] > [STPステータス&グローバル設定] をクリックします。[STPステータス&グローバル設定] ページが表示されます。[多重STP] を有効にします。
ステップ 2 [スパニングツリー] > [MSTPプロパティ] をクリックします。[MSTPプロパティ] ページが表示されます。
• [リビジョン] :現在の MST 設定のリビジョンを表す、符号なし 16 ビット数値を入力します。入力できる値は 0 ~ 65535 です。
• [最大ホップ] :特定の MST リージョン内における最大ホップ数を入力します。このホップ数を超えた BPDU は破棄されます。BPDU が破棄されると、ポート情報が期限切れになります。入力できる値は 1 ~ 40 です。
• [ISTマスター] :リージョンのマスターが表示されます。
ステップ 4 [適用] をクリックします。MSTP プロパティが定義され、実行コンフィギュレーション ファイルが更新されます。
[MSTPインスタンスへのVLAN] ページでは、各 VLAN を MST インスタンスにマッピングできます。複数のスイッチを同じ MST リージョンに配置するには、各スイッチの VLAN と MST インスタンスのマッピングを同じにする必要があります。
(注) 複数の VLAN を同じ MST インスタンスにマッピングすることはできますが、1 つの VLAN を複数の MST インスタンスにマッピングすることはできません。このページ(およびすべての MSTP 関連ページ)で設定した情報は、システムの STP モードが MSTP である場合に適用されます。
Cisco Small Business 300 シリーズ スイッチ上で定義できる MST インスタンスは、インスタンス 0 の他に最大 7 個(1 ~ 7 個で事前定義済み)です。MST インスタンスに明示的にマッピングされていない VLAN は、Core and Internal Spanning Tree(CIST)インスタンスに自動マッピングされます。CIST インスタンスは MST インスタンス 0 です。
ステップ 1 [スパニングツリー] > [MSTPインスタンスへのVLAN] をクリックします。[MSTPインスタンスへのVLAN] ページが表示されます。
[MSTPインスタンスへのVLAN] ページにあるフィールドは次のとおりです。
• [MSTPインスタンスID] :すべての MST インスタンスが表示されます。
• [VLAN] :各 MST インスタンスにマッピングされているすべての VLAN が表示されます。
ステップ 2 MST インスタンスに VLAN をマッピングするには、その MST インスタンスを選択し、[編集] をクリックします。[VLANへのMSTPインスタンスの編集] ページが表示されます。
• [MSTPインスタンスID] :MST インスタンスを選択します。
• [VLAN] :この MST インスタンスにマッピングする VLAN を指定します。
• [アクション] :MST インスタンスに VLAN をマッピングする場合は、[追加] を選択します。MST インスタンスと VLAN のマッピングを解除する場合は、[削除] を選択します。
ステップ 4 [適用] をクリックします。MST インスタンスと VLAN のマッピングが定義され、実行コンフィギュレーション ファイルが更新されます。
[MSTPインスタンス設定] ページでは、各 MST インスタンスの情報を設定および表示できます。このページの情報は、「 STP のステータスとグローバル情報の設定 」とインスタンス単位では同じです。
ステップ 1 [スパニングツリー] > [MSTPインスタンス設定] をクリックします。[MSTPインスタンス設定] ページが開きます。
• [インスタンスID] :情報を表示および設定する MST インスタンスを選択します。
• [含まれるVLAN] :この MST インスタンスにマッピングされている VLAN が一覧表示されます。デフォルトのマッピングでは、すべての VLAN が CIST インスタンス(インスタンス 0)にマッピングされます。
• [ブリッジプライオリティ] :この MST インスタンスに対するこのブリッジのプライオリティを入力します。
• [代表ルートブリッジID] :この MST インスタンスに対するルート ブリッジのプライオリティ値と MAC アドレスが表示されます。
• [ルートポート] :選択したインスタンスのルート ポートが表示されます。
• [ルートパスコスト] :選択したインスタンスのルート パス コストが表示されます。
• [ブリッジID] :選択したインスタンスに対する、このスイッチのブリッジ プライオリティと MAC アドレスが表示されます。
• [残存ホップ] :次の宛先までの間に残っているホップの数が表示されます。
ステップ 3 [適用] をクリックします。MST インスタンス設定が定義され、実行コンフィギュレーション ファイルが更新されます。
[MSTPインターフェイス設定] ページでは、各 MST インスタンスに対するポート MSTP 設定情報を設定したり、各 MST インスタンスにおける代表ブリッジなど、現在学習されている情報を表示したりすることができます。
ステップ 1 [スパニングツリー] > [MSTPインターフェイス設定] をクリックします。[MSTPインターフェイス設定] ページが表示されます。
• [インスタンスが次に等しい] :設定する MSTP インスタンスを選択します。
• [インターフェイスタイプが次に等しい] :ポートまたは LAG のどちらのリストを表示するかを選択します。
この MST インスタンス内のこのインターフェイスに対する MSTP 情報が表示されます。
ステップ 3 インターフェイスを選択し、[編集] をクリックします。[インターフェイス設定の編集] ページが表示されます。
• [インスタンスID] :設定する MST インスタンスを選択します。
• [インターフェイス] :MST インスタンスを定義するためのインターフェイスを選択します。
• [インターフェイスプライオリティ] :このインターフェイスおよび MST インスタンスに対するポート プライオリティを 入力します。
• [パスコスト] :ルート パス コストにおけるこのポートのコストを入力するか、または、デフォルト値を使用します。ルート パス コストは、指定した MST インスタンスのルート ブリッジに対するスイッチのコストです。
• [ポート状態] :特定の MST インスタンス内の特定のポートの MSTP ステータスが表示されます。表示される値は次のとおりです。
– [ブロッキング] :このインスタンス内のポートは現在ブロックされており、BPDU データ以外のトラフィックを転送したり、MAC アドレスを学習したりすることはできません。
– [リスニング] :このインスタンス内のポートはリスニング モードになっています。トラフィックを転送したり、MAC アドレスを学習したりすることはできません。
– [ラーニング] :このインスタンス内のポートはラーニング モードになっています。トラフィックを転送することはできませんが、新しい MAC アドレスを学習することはできます。
– [フォワーディング] :このインスタンス内のポートはフォワーディング モードになっています。トラフィックを転送したり、新しい MAC アドレスを学習したりすることができます。
• [ポートロール] :STP パスを形成するために MSTP アルゴリズムによって割り当てられている、ポートごと、またはインスタンスごとの LAG のポート ロールまたは LAG ロールが表示されます。
– [ルート] :このインターフェイス上でルート デバイスにパケットを転送すると、パス コストが最小になります。
– [指定] :ブリッジを LAN に接続するためのインターフェイスで、LAN からこの MST インスタンスのルート ブリッジまでのルート パス コストが最小になります。
– [代替] :ルート インターフェイスからルート デバイスへの代替パスに使用されます。
– [バックアップ] :スパニング ツリーのリーフへの指定ポート パスに対するバックアップ パスに使用されます。バックアップ ロールは、2 つのポートがポイントツーポイント リンクによってループに接続されている場合に割り当てられます。また、バックアップ ロールは、共有セグメントに接続されている箇所が LAN 上に複数存在する場合にも割り当てられます。
– [無効] :このインターフェイスはスパニング ツリーに属してしません。
• [モード] :現在のスパニング ツリー モードが表示されます。
– [従来の STP] :このポートで従来の STP が有効になっています。
– [高速STP] :このポートで RSTP が有効になっています。
– [MSTP] :このポートで MSTP が有効になっています。
• [タイプ] :このポートの MST タイプが表示されます。
–[境界]:境界ポートは、MST ブリッジと外部の MST リージョンを接続します。このポートが境界ポートである場合、リンクの相手側デバイスが RSTP モードまたは STP モードで動作していることを意味します。
• [代表ブリッジID] :リンクまたは共有 LAN をルートに接続するためのブリッジ ID が表示されます。
• [指定ポートID] :リンクまたは共有 LAN をルートに接続している代表ブリッジのポート ID が表示されます。
• [指定コスト] :STP トポロジに属しているポートのコストが表示されます。コストが小さいポートは、STP でループが検出されたときにブロックされる可能性が低くなります。
• [残存ホップ] :次の宛先までの間に残っているホップの数が表示されます。
• [フォワーディングへの移行] :このポートがフォワーディング状態からブロッキング状態に移行した回数が表示されます。
ステップ 5 [適用] をクリックします。実行コンフィギュレーション ファイルが更新されます。