他の Cisco Unified IP Telephony 製品とのやり取りの概要
IP テレフォニー ネットワークで Cisco Unified IP Phone が機能するためには、Cisco Catalyst スイッチなどのネットワーク デバイスに Cisco Unified IP Phone を接続する必要があります。また、コールを送受信する前に、Cisco Unified IP Phone を Cisco Unified Communications Manager システムに登録する必要があります。
この項では、次のトピックについて取り上げます。
• 「Cisco Unified IP Phone と Cisco Unified Communications Manager 間のやり取りの概要」
• 「Cisco Unified IP Phone と VLAN 間のやり取りの概要」
Cisco Unified IP Phone と VLAN 間のやり取りの概要
Cisco Unified IP Phone 7962G/7942G にはイーサネット スイッチが内蔵されており、パケットを電話機本体、電話機背面のアクセス ポートやネットワーク ポートに転送できます。
アクセス ポートにコンピュータが接続されている場合、そのコンピュータと電話機は、スイッチへの同じ物理リンクとスイッチ上の同じポートを共有します。この共有物理リンクは、ネットワーク上の VLAN 設定に次のような影響を及ぼします。
• 現在の VLAN は IP サブネットをベースに設定されている可能性があります。ただし、同じポートに接続されている他のデバイスと同じサブネットに電話機を割り当てるために、追加の IP アドレスを使用することはできません。
• VLAN 対応電話機でプリセットされるデータ トラフィックによって、Voice-over-IP トラフィックの品質が低下することがあります。
• ネットワーク セキュリティの観点から、VLAN 音声トラフィックを VLAN データ トラフィックから分離する必要が生じることがあります。
これらの問題は、音声トラフィックを別の VLAN に移すことで解決できます。電話機が接続されているスイッチ ポートに、次のトラフィックを伝送する別の VLAN を設定します。
• IP Phone で送受信される音声トラフィック(補助 VLAN。たとえば、Cisco Catalyst 6000 シリーズなど)
• IP Phone のアクセス ポートを介してスイッチに接続されている PC で送受信されるデータ トラフィック(ネイティブ VLAN)
電話機を別の補助 VLAN に分離すると、音声トラフィックの品質が向上し、個々の電話機に割り当てるだけの十分な IP アドレスがない既存のネットワークに多数の電話機を追加できます。
詳細については、シスコ スイッチに付属のマニュアルを参照してください。また、次の URL からもスイッチの情報を参照できます。
http://cisco.com/en/US/products/hw/switches/index.html
関連項目
• 「電話機の起動プロセスの概要」
• 「ネットワークの設定メニュー」
Cisco Unified IP Phone への電力供給
Cisco Unified IP Phone 7962G/7942G には、外部電源または Power over Ethernet(PoE)から電力を供給できます。外部電源は、個別の電源装置から供給されます。PoE は、スイッチを電源とし、電話機に接続したイーサネット ケーブル経由で供給されます。
(注) 外部電源を使用する場合、イーサネット ケーブルを電話機に接続する前に、電源装置を電話機に接続する必要があります。外部電源を使用する電話機を取り外す場合、イーサネット ケーブルを電話機から抜いてから、電源装置を取り外します。
次の項では、電話機への電力供給の詳細について詳しく説明します。
• 「電力供給のガイドライン」
• 「停電時の注意」
• 「電力に関する追加情報」
電力供給のガイドライン
表 2-1 は Cisco Unified IP Phone 7962G/7942G への電力供給に関するガイドラインを示しています。
表 2-1 Cisco Unified IP Phone 7962G/7942G への電力供給に関するガイドライン
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外部電源:CP-PWR-CUBE-3 外部電源経由で供給されます。 |
• Cisco Unified IP Phone 7962G、7942G、7961G、および 7941G は、CP-PWR-CUBE-3 電源を使用します。 • Cisco Unified IP Phone 7961G-GE および 7941G-GE は、CP-PWR-CUBE-3 外部電源だけを使用します。 |
外部電源:Cisco Unified IP Phone Power Injector 経由で供給されます。 |
Cisco Unified IP Phone Power Injector は、Cisco Unified IP Phone で使用できます。インジェクタは、ミッドスパン デバイスとして機能し、接続された電話機にインライン パワーを供給します。Cisco Unified IP Phone Power Injector は、スイッチ ポートと IP Phone の間に接続され、無通電のスイッチと IP Phone の間で最大 100 m のケーブル長をサポートします。 |
PoE 電力:スイッチを電源とし、電話機に接続したイーサネット ケーブル経由で供給されます。 |
• Cisco Unified IP Phone 7962G、7942G、7961G、および 7941G は Cisco インライン PoE に対応していますが、Cisco Unified IP Phone 7961G-GE および 7941G-GE は対応していません。 • Cisco Unified IP Phone 7962G/7942G は IEEE 802.3af Class 2 の電力供給(シグナル ペアおよびスペア ペア)に対応しています。Cisco Unified IP Phone 7961G-GE および 7941G-GE は IEEE に準拠していないシスコ製スイッチに非対応。 • 電話機の無停電運用を保証するために、必ずスイッチにバックアップ電源を用意します。 • スイッチ上で動作する CatOS または IOS のバージョンが、設置しようとする電話機に適合することを確認します。オペレーティング システムのバージョン情報については、スイッチのマニュアルを参照してください。 |
外部電源:インライン パワー パッチパネル WS-PWR-PANEL 経由で供給されます。 |
インライン パワー パッチパネル WS-PWR-PANEL は、Cisco Unified IP Phone 7962G/7942G で使用可能です。 |
停電時の注意
緊急時に電話連絡を行うためには、電話機に電力が供給されている必要があります。電源が切断されている場合は、電源供給が再開するまで、修理サービスや緊急連絡用番号にダイヤルできません。電力異常または停電の場合、修理サービスや緊急連絡用番号にダイヤルする前に、電話機のリセットや再設定が必要になることがあります。
電力に関する追加情報
電力に関する追加情報については、 表 2-2 に示すマニュアルを参照してください。これらのマニュアルでは、次のトピックについて説明します。
• Cisco Unified IP Phone 7962G/7942G に対応するシスコ製スイッチ
• 双方向の電力ネゴシエーションをサポートする Cisco IOS リリース
• 電力についてのその他の要件と制約
電話機の設定ファイルの概要
電話機の設定ファイルは、TFTP サーバに格納され、Cisco Unified Communications Manager との接続に関するパラメータを定義します。通常、電話機のリセットが必要となるような変更を Cisco Unified Communications Manager に加えると、その変更内容は、電話機の設定ファイルにも自動的に反映されます。
設定ファイルには、電話機がどのイメージのロードを実行するかに関する情報も含まれています。このイメージのロードが、電話機に現在ロードされているイメージと異なる場合、その電話機は、TFTP サーバと交信して、必要なロード ファイルを要求します(これらのファイルは、ファイルの発信元の正当性を保証するためにデジタル署名されています)。
また、設定ファイルのデバイス セキュリティ モードが Authenticated に設定されていて、その電話機の CTL ファイルに Cisco Unified Communications Manager の有効な証明書が設定されている場合、その電話機は Cisco Unified Communications Manager との Transport Layer Security(TLS; トランスポート層セキュリティ)接続を確立します。そうでない場合、電話機は Transmission Control Protocol(TCP; 伝送制御プロトコル)接続を確立します。Session Initiation Protocol(SIP; セッション開始プロトコル)電話機の場合、TLS 接続には、設定ファイルの転送プロトコルが TLS に設定されていることも必要です(Cisco Unified Communications Manager Administration の SIP セキュリティ プロファイルの転送タイプに対応)。
(注) 設定ファイルのデバイス セキュリティ モードが Authenticated または Encrypted に設定されているが、電話機が CTL ファイルまたは ITL ファイルを受信していない場合は、安全に登録できるように、電話機は 4 回、ファイルの取得を試みます。
(注) Cisco Extension Mobility Cross Cluster は例外です。この場合は、CTL ファイルがなくてもセキュアなシグナリングであるため、電話機は Cisco Unified Communications Manager に TLS 接続を許可します。
Cisco Unified CM の管理でセキュリティ関連の設定値を設定した場合は、電話機の設定ファイルに機密情報が含まれます。設定ファイルのプライバシーを確保するため、ファイルを暗号化するように設定する必要があります。詳細については、『Cisco Unified Communications Manager Security Guide』の「 Configuring Encrypted Phone Configuration Files 」を参照してください。電話機がリセットされ、Cisco Unified Communications Manager に登録されるたびに、設定ファイルが要求されます。
Cisco Unified Communications Manager および TFTP に割り当てられた証明書を含んだ有効な信頼リストを受信していない場合、電話機は、デフォルトの設定ファイル(XmlDefault.cnf.xml)にアクセスします。
自動登録が有効ではなく、かつ電話機が Cisco Unified Communications Manager データベースに追加されていない場合は、電話機は Cisco Unified Communications Manager への登録を試みません。自動登録を有効にするか、または電話機を Cisco Unified Communications Manager データベースに追加するまで、電話機は「IP を設定中(Configuring IP)」のメッセージを表示し続けます。
電話機が登録済みの場合、電話機は SEPmac_address.cnf.xml(mac_address は電話機の Media Access Control(MAC; メディア アクセス制御)アドレス)という設定ファイルにアクセスします。
TFTP サーバは、次の SIP 設定ファイルを生成します。
• SIP IP Phone:
– 署名も暗号化もされていないファイル:SEP< mac >.cnf.xml
– 署名されているファイル:SEP< mac >.cnf.xml.sgn
– 署名され、暗号化されているファイル:SEP< mac >.cnf.xml.enc.sgn
• ダイヤル プラン:< dialplan >.xml
• ソフトキー テンプレート:< softkey_template >.xml
ファイル名は、Cisco Unified CM の管理の [電話の設定(Phone Configuration)] ウィンドウにある [MAC アドレス(MAC Address)] フィールドと [説明(Description)] フィールドから得られます。MAC アドレスは、電話機を一意に識別します。詳細については、『 Cisco Unified Communications Manager Administration Guide 』を参照してください。
電話機の起動プロセスの概要
Cisco Unified IP Phone 7962G/7942G を VoIP ネットワークに接続すると、 表 2-3 で説明している標準起動プロセスが開始されます。ご使用の Cisco Unified IP Phone では、個々のネットワークの設定に応じて、これらのステップの一部が省略される場合があります。
表 2-3 Cisco Unified IP Phone 起動プロセス
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1. |
スイッチからの電源の確保 電話機が外部電源を使用していない場合、電話機に接続されているイーサネット ケーブル経由でスイッチからのインライン パワーが供給されます。 |
• 「Cisco Unified Communications Manager データベースへの電話機の追加」 • 「起動時の問題の解決」(P.9-1) |
2. |
保存されている電話機イメージのロード Cisco Unified IP Phone には、ファームウェア イメージとユーザ定義プリファレンスを保存する、不揮発性のフラッシュ メモリがあります。起動時に、電話機はブートストラップ ローダーを実行して、フラッシュ メモリに保存されている電話イメージをロードします。このイメージを使用して、電話機はそのソフトウェアとハードウェアを初期化します。 |
• 「起動時の問題の解決」(P.9-1) |
3. |
VLAN の設定 Cisco Unified IP Phone が Cisco Catalyst スイッチに接続されると、このスイッチは、スイッチ上に定義されているボイス VLAN を電話機に通知します。電話機は、事前にその VLAN メンバーシップを認識しなければ、IP アドレスに対するダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル(DHCP)要求を処理することができないためです。 |
• 「ネットワークの設定メニュー」(P.4-6) • 「起動時の問題の解決」(P.9-1) |
4. |
IP アドレスの取得 Cisco Unified IP Phone は、DHCP を使用して IP アドレスを取得する場合、DHCP サーバに問い合せます。ネットワークで DHCP を使用しない場合は、各電話機にローカルでスタティック IP アドレスを割り当てる必要があります。 |
• 「ネットワークの設定メニュー」(P.4-6) • 「起動時の問題の解決」(P.9-1) |
5. |
TFTP サーバへのアクセス DHCP サーバは、IP アドレスの割り当てに加えて、Cisco Unified IP Phone を TFTP サーバに経路指定します。電話機に IP アドレスが静的に定義されている場合は、その電話機にローカルで TFTP サーバを設定する必要があります。この設定によって、その電話機は TFTP サーバと直接交信します。 (注) また、DHCP で割り当てられたものを使用しないで、代替 TFTP サーバを割り当てることもできます。 |
• 「ネットワークの設定メニュー」(P.4-6) • 「起動時の問題の解決」(P.9-1) |
6. |
CTL ファイルの要求 TFTP サーバには、Certificate Trust List(CTL)ファイルが保存されています。このファイルには、電話機と Cisco Unified Communications Manager の間の安全な接続を確立するために必要な証明書も含まれています。 |
『Cisco Unified Communications Manager Security Guide』の「 Configuring the Cisco CTL Client 」を参照してください。 |
7. |
ITL ファイルの要求 電話機は、まず CTL ファイルを要求し、次に ITL ファイルを要求します。ITL ファイルは電話機が信頼できるエンティティの証明書を含んでいます。証明書は、サーバとの安全な接続の認証、またはサーバによるデジタル署名の認証に使用されます。 |
『Cisco Unified Communications Manager Security Guide』の「 Configuring the Cisco CTL Client 」を参照してください。 |
8. |
設定ファイルの要求 TFTP サーバには、設定ファイルがあります。この設定ファイルには、Cisco Unified Communications Manager との接続に関するパラメータ、および電話機に関するその他の情報が定義されています。 |
• 「Cisco Unified Communications Manager データベースへの電話機の追加」 • 「起動時の問題の解決」(P.9-1) |
9. |
Cisco Unified Communications Manager との交信 設定ファイルは、Cisco Unified IP Phone と Cisco Unified Communications Manager との間の通信方法、およびロード ID を電話機に提供する方法を定義します。設定ファイルを TFTP サーバから取得した後、電話機は、リスト上で最も優先順位が高い Cisco Unified Communications Manager との接続を試みます。セキュリティが実装されている場合に、電話機のセキュリティ プロファイルがセキュアなシグナリング(暗号化または認証された)に設定されており、Cisco Unified Communications Manager がセキュアなモードに設定されている場合、その電話機は TLS 接続を実行します。セキュリティが実装されていない場合、電話機は非セキュア TCP 接続を実行します。 電話機がデータベースに手動で追加された場合、Cisco Unified Communications Manager はその電話機を識別します。電話機がデータベースに手動で追加されていない場合、自動登録が Cisco Unified Communications Manager で有効になっていれば、その電話機は、Cisco Unified Communications Manager データベースに対してその電話機自体の自動登録を試みます。 (注) CTL クライアントを設定している場合、自動登録は無効になっています。この場合、Cisco Unified Communications Manager データベースに電話機を手動で追加する必要があります。 |
• 「起動時の問題の解決」(P.9-1) |
Cisco Unified Communications Manager データベースへの電話機の追加
Cisco Unified IP Phone を設置する前に、Cisco Unified Communications Manager データベースに電話機を追加する方法を選択する必要があります。この項では、その方法について説明します。
• 「自動登録による電話機の追加」
• 「自動登録と TAPS による電話機の追加」
• 「Cisco Unified CM の管理による電話機の追加」
• 「BAT による電話機の追加」
表 2-4 は、Cisco Unified Communications Manager データベースに電話機を追加する方法の概要を説明しています。
表 2-4 Cisco Unified Communications Manager データベースに電話機を追加する方式
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自動登録 |
なし |
• 電話番号は自動的に割り当てられます。 • セキュリティまたは暗号化が有効になっている場合は、使用できません。 |
Tool for Auto-Registered Phones Support(TAPS)を使用した自動登録 |
なし |
自動登録および一括管理ツール(BAT)が必要です。Cisco Unified IP Phone および Cisco Unified CM の管理の情報を更新します。 |
Cisco Unified CM の管理の使用 |
あり |
電話機を個々に追加する必要があります。 |
BAT の使用 |
あり |
複数の電話機を同時に登録できます。 |
自動登録による電話機の追加
電話機を設置する前に自動登録を有効にすることによって、次のことが可能になります。
• 事前に電話機から MAC アドレスを収集することなく電話機を追加できます。
• 電話機を IP テレフォニー ネットワークへ物理的に接続したときに、Cisco Unified IP Phone を Cisco Unified Communications Manager データベースに自動的に追加できす。自動登録時に、Cisco Unified Communications Manager は、連番の電話番号から次に使用可能な番号を電話機に割り当てます。
• 電話機を Cisco Unified Communications Manager データベースにすばやく入力でき、電話番号などの設定を Cisco Unified Communications Manager から変更できます。
• 自動登録された電話機を新しい場所に移動したり、別のデバイス プールに割り当てたりしても、その電話番号が変更されることはありません。
(注) ネットワークに追加する電話機が 100 台未満の場合は、自動登録を使用することをお勧めします。ネットワークに追加する電話機が 100 台を超える場合は、一括管理ツール(BAT)を使用します。「BAT による電話機の追加」 を参照してください。
自動登録は、デフォルトで無効になっています。自動登録を使用しない場合(たとえば特定の電話番号を電話に割り当てるなど)、または、『Cisco Unified Communications Manager Security Guide』に説明されているように、Cisco Unified Communications Manager による安全な接続の使用を計画している場合。自動登録の有効化および設定については、『Cisco Unified Communications Manager Administration Guide』の「Enabling Auto-Registration」を参照してください。
(注) Cisco CTL クライアントを介してクラスタを混合モードに設定すると、自動登録は自動的に無効になります。Cisco CTL クライアントを介してクラスタを非セキュア モードに設定すると、自動登録は自動的に有効になりません。
関連項目
• 「自動登録と TAPS による電話機の追加」
• 「Cisco Unified CM の管理による電話機の追加」
• 「BAT による電話機の追加」
自動登録と TAPS による電話機の追加
自動登録と Tool for Auto-Registered Phones Support(TAPS)を使用して電話機を追加する場合、事前に電話機から MAC アドレスを収集する必要はありません。
TAPS は、一括管理ツール(BAT)と連携し、すでに Cisco Unified Communications Manager データベースにダミーの MAC アドレスで追加されている電話機の一群を更新します。TAPS を使用すると、MAC アドレスが更新され、電話機に定義済みの設定がダウンロードされます。
(注) ネットワークに追加する電話機が 100 台未満の場合は、自動登録および TAPS を使用することをお勧めします。ネットワークに追加する電話機が 100 台を超える場合は、一括管理ツール(BAT)を使用します。「BAT による電話機の追加」 を参照してください。
TAPS を実行するには、管理者またはエンド ユーザが TAPS の電話番号をダイヤルし、ボイス プロンプトに従います。このプロセスが完了すると、電話機にその電話番号などの設定値がダウンロードされ、Cisco Unified CM の管理で電話機の MAC アドレスが正しい値に更新されます。
TAPS が機能するためには、Cisco Unified CM の管理([システム(System)] > [Cisco Unified CM])で自動登録を有効にする必要があります。
(注) Cisco CTL クライアントを介してクラスタを混合モードに設定すると、自動登録は自動的に無効になります。Cisco CTL クライアントを介してクラスタを非セキュア モードに設定すると、自動登録は自動的に有効になります。
BAT および TAPS の詳細については、『 Cisco Unified Communications Manager Bulk Administration Guide 』を参照してください。
関連項目
• 「自動登録による電話機の追加」
• 「Cisco Unified CM の管理による電話機の追加」
• 「BAT による電話機の追加」
Cisco Unified CM の管理による電話機の追加
Cisco Unified CM の管理を使用すると、各電話機を個別に Cisco Unified Communications Manager データベースに追加できます。そのためには、事前に各電話機の MAC アドレスを取得する必要があります。
MAC アドレスの確認方法については、「Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスの確認」を参照してください。
MAC アドレスを収集できたら、Cisco Unified CM の管理で [デバイス(Device)] > [電話(Phone)] の順に選択し、[新規追加(Add New)] をクリックして開始します。
Cisco Unified Communications Manager の詳しい説明と概念については、『 Cisco Unified Communications Manager Administration Guide 』および『 Cisco Unified Communications Manager System Guide 』を参照してください。
関連項目
• 「自動登録による電話機の追加」
• 「自動登録と TAPS による電話機の追加」
• 「BAT による電話機の追加」
BAT による電話機の追加
Cisco Unified Communications Manager の一括管理ツール(BAT)は、標準の Cisco Unified Communications Manager アプリケーションです。このアプリケーションを使用すると、複数の電話機に対して、登録などのバッチ操作を実行できます。
TAPS を使用せずに BAT だけを使用して電話機を追加するには、まず対象の各電話機の MAC アドレスを取得する必要があります。
MAC アドレスの確認方法については、「Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスの確認」を参照してください。
Cisco Unified Communications Manager へ電話を追加するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco Unified Communications Manager から [一括管理(Bulk Administration)] > [電話(Phone)] > [電話テンプレート(Phone Template)] を選択します。
ステップ 2 [新規追加(Add New)] をクリックします。
ステップ 3 [電話のタイプ(Phone Type)] を選択し、[次へ(Next)] をクリックします。
ステップ 4 [デバイス プール(Device Pool)]、[電話ボタン テンプレート(Phone Button Template)]、[デバイス セキュリティ プロファイル(Device Security Profile)] などの電話機固有のパラメータの詳細を入力します。
ステップ 5 [保存(Save)] をクリックします。
ステップ 6 Cisco Unified Communications Manager から [デバイス(Device)] > [電話(Phone)] > [新規追加(Add New)] を選択し、すでに作成済みの BAT 電話テンプレートを使用して、電話を追加します。
BAT の詳細な手順については、『Cisco Unified Communications Manager Bulk Administration Guide』を参照してください。BAT 電話テンプレート作成の詳細については、『Cisco Unified Communications Manager Bulk Administration Guide』の「 Phone Template 」を参照してください。
関連項目
• 「自動登録による電話機の追加」
• 「自動登録と TAPS による電話機の追加」
• 「Cisco Unified CM の管理による電話機の追加」
さまざまなプロトコルを用いた Cisco Unified IP Phone の使用
Cisco Unified IP Phone は、Skinny Client Control Protocol(SCCP)または SIP(セッション開始プロトコル)を用いて使用できます。あるプロトコルを使用している電話機を、別のプロトコルを使用するように変更することができます。
この項では、次の項目について説明します。
• 「新しい電話機での SCCP から SIP へのプロトコルの変更」
• 「使用中の電話機でのあるプロトコルから別のプロトコルへの変更」
• 「SCCP と SIP が混在する環境への電話機の導入」
新しい電話機での SCCP から SIP へのプロトコルの変更
新しい未使用の電話機は、デフォルトでは SCCP を使用するように設定されます。この電話機を SIP を使用するように変更するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 次のどちらかの操作を行います。
• 電話機を自動登録するには、Cisco Unified CM の管理の自動登録電話プロトコル エンタープライズ パラメータに SIP を設定します。
• 一括管理ツール(BAT)を使用して電話機を設定するには、該当の電話機モデルを選択し、BAT から SIP を選択します。
• 電話機を手動で設定するには、Cisco Unified CM の管理の [電話の設定(Phone Configuration)] ウィンドウで、SIP に関する該当の変更を行います。
Cisco Unified Communications Manager の設定の詳細については、『 Cisco Unified Communications Manager Administration Guide 』を参照してください。BAT の使用方法の詳細については、『 Cisco Unified Communications Manager Bulk Administration Guide 』を参照してください。
ステップ 2 ネットワークで DHCP を使用していない場合は、電話機のネットワーク パラメータを設定します。
「起動時のネットワーク設定値の設定」 を参照してください。
ステップ 3 設定の更新を保存するには、[設定情報の適用(Apply Configuration Information)] ウィンドウの [設定の適用(Apply Config)] をクリックし、[OK] をクリックして、電話機のユーザ電源投入サイクルを実行します。
使用中の電話機でのあるプロトコルから別のプロトコルへの変更
使用中の電話機でプロトコルを別のプロトコルに変更する方法については、『 Cisco Unified Communications Manager Administration Guide 』の「 Cisco Unified IP Phone Configuration 」の章、「Migrating Existing Phone Configuration to a Different Phone」セクションを参照してください。
SCCP と SIP が混在する環境への電話機の導入
SCCP と SIP が混在する環境で、Cisco Unified Communications Manager の自動登録パラメータに SCCP を設定して Cisco Unified IP Phone を導入するには、次の手順を実行します。
1. Cisco Unified Communications Manager 自動登録プロトコル エンタープライズ パラメータに SCCP を設定します。
Cisco Unified CM の管理で、[システム(System)] > [エンタープライズ パラメータ(Enterprise Parameters)] を選択します。
2. 電話機を設置します。
3. Cisco Unified Communications Manager 自動登録プロトコル エンタープライズ パラメータを SIP に変更します。
4. SIP 電話機を自動登録します。
Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスの確認
このマニュアルで説明されている手順の中には、Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスの確認が必要になるものがいくつかあります。電話機の MAC アドレスは、次の方法で確認できます。
• 電話機の [設定(Settings)] ボタンを押し、[モデル情報(Model Information)] を選択して [MAC アドレス(MAC Address)] フィールドを確認する。
• 電話機の背面にある MAC ラベルを調べる。
• 電話機の Web ページを表示し、[デバイス情報(Device Information)] ハイパーリンクをクリックする。
Web ページへのアクセス方法については、「電話機の Web ページへのアクセス」を参照してください。