アラートの概要
アクティブになっているサービスが停止したときなど、あらかじめ設定されている条件が満たされると、その旨を管理者に通知するためのアラート メッセージが生成されます。アラートは、電子メールまたは電子ページとして送信できます。
RTMT は、アラートの定義、設定、表示をサポートし、あらかじめ設定されているアラートとユーザ定義のアラートが利用できます。両方のタイプのアラートを設定できますが、あらかじめ設定されているアラートの削除はできません(ユーザ定義のアラートの追加および削除は可能です)。[Alert] メニューは、次のメニュー オプションで構成されます。
• Alert Central:このオプションは、システム内のすべてのアラートの履歴と現在のステータスで構成されます。
(注) システム ドロワの階層ツリーにある [Alert Central] アイコンをクリックして [Alert Central] にアクセスすることもできます。
• Set Alert/Properties:アラートとアラート プロパティを設定できます。
• Remove Alert:アラートを削除できます。
• Enable Alert:アラートを使用可能にできます。
• Disable Alert:このカテゴリでアラートを使用不可にできます。
• Suspend cluster/node Alerts:特定の Cisco Unified Communications Manager ノードまたはクラスタ全体のアラートを一時停止できます。
• Clear Alerts:アラートをリセットして(アラート項目の色が赤から黒に変わります)、アラートが処理済みであると示すことができます。アラートが発生すると、RTMT でアラートの色が自動的に変わり、アラートを手動でクリアするまでそのままです。
• Clear All Alerts:すべてのアラートをクリアできます。
• Alert Detail:アラート イベントに関する詳細情報を表示します。
• Config Email Server:電子メール サーバを設定してアラートを有効にできます。
• Config Alert Action:特定のアラートに対するアクションの設定、および目的の電子メール受信者にアラートを送信するアクションの設定ができます。
RTMT では、perfmon カウンタのしきい値に対するアラート通知の設定と、しきい値、期間、頻度などのアラートのプロパティを設定します。
[Alert Central] は、Quick Launch Channel の [Tools] 階層ツリーの配下にあります。[Alert Central] には、システム内のすべてのアラートの現在のステータスと履歴が表示されます。
追加情報
「関連項目」を参照してください。
アラートの表示
RTMT の [Alert Central] には、あらかじめ設定されているアラートとカスタム アラートが表示されます。RTMT は、[System]、[CallManager]、[Custom] など、複数のタブの下でアラートを構成します。
[Alert Central] で、あらかじめ設定されているアラートとカスタム アラートを有効または無効にできます。ただし、あらかじめ設定されているアラートは削除できません。
システムであらかじめ設定されているアラートは、次のとおりです。
• AuthenticationFailed
• CoreDumpFileFound
• CpuPegging
• CriticalServiceDown
(注) CriticalServiceDown アラートは、サービスのステータスがダウンのときにのみ生成されます(それ以外の状態では生成されません)。
• HardwareFailure
• LogFileSearchStringFound
• LogPartitionHighWaterMarkExceeded
• LogPartitionLowWaterMarkExceeded
• LowActivePartitionAvailableDiskSpace
• LowAvailableVirtualMemory
• LowInactivePartitionAvailableDiskSpace
• LowSwapPartitionAvailableDiskSpace
• ServerDown
(注) ServerDown アラートは、現在「アクティブ」な AMC(プライマリ AMC、またはプライマリが使用不可の場合はバックアップ AMC)がクラスタ内の別のノードに到達できない場合に生成されます。このアラートは、サーバがダウンしている状況に加えてネットワーク接続に問題があることを示します。
• SDLLinkOutOfService
• SyslogSeverityMatchFound
• SyslogStringMatchFound
• SystemVersionMismatched
• ThreadCounterUpdateStopped
Cisco Unified Communications Manager であらかじめ設定されているアラートは、次のとおりです。
• BeginThrottlingCallListBLFSubscriptions
• CallProcessingNodeCpuPegging
• CDRAgentSendFileFailed
• CDRFileDeliveryFailed
• CDRHighWaterMarkExceeded
• CDRMaximumDiskSpaceExceeded
• CodeYellow
• DBReplicationFailure
(注) DBReplicationFailure はレプリケーション状況の perfmon カウンタ(以前のように
DBReplicationFailure アラームではありません)に基づいていることに注意してください。このアラートは、対応するレプリケーション状況の perfmon カウンタが 0(init)または 2(success)以外の値になると必ずトリガーされます。
• ExcessiveVoiceQualityReports
• LowAttendantConsoleServerHeartbeatRate
• LowCallManagerHeartbeatRate
• LowTFTPServerHeartbeatRate
• MaliciousCallTrace
• MediaListExhausted
• MgcpDChannelOutOfService
• NumberOfRegisteredGatewaysDecreased
• NumberOfRegisteredGatewaysIncreased
• NumberOfRegisteredMediaDevicesDecreased
• NumberOfRegisteredMediaDevicesIncreased
• NumberOfRegisteredPhonesDropped
• RouteListExhausted
追加情報
「関連項目」を参照してください。
アラートのフィールド
RTMT で、あらかじめ設定されているアラートとユーザ定義のアラートを設定できます。また、あらかじめ設定されているアラートとユーザ定義のアラートの両方を無効にすることもできます。パフォーマンス モニタリング ウィンドウでは、ユーザ定義のアラートを追加および削除できます。ただし、あらかじめ設定されているアラートは削除できません。
表6-1 は、各アラートの設定に使用できるフィールドのリストです。特に記載がない限り、あらかじめ設定されているフィールドはユーザ設定が可能です。
表6-1 アラートのカスタマイズ
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Alert Name |
RTMT がアラートに関連付けるモニタリング項目の高レベル名 |
説明的な名前。あらかじめ設定されているアラートの場合、このフィールドは変更できません。あらかじめ設定されているアラートのリストについては、「アラートの表示」を参照してください。 |
Description |
アラートの説明 |
あらかじめ設定されているアラートの場合、このフィールドは編集できません。あらかじめ設定されているアラートのリストについては、「アラートの表示」を参照してください。 |
Performance Counter(s) |
パフォーマンス カウンタのソース |
このフィールドは変更できません。 |
Threshold |
アラートの生成条件(値) |
上限 < - > 下限(#、%、レートより小さい、#、%、レートより大きい)を指定します。 |
Value Calculated As |
しきい値条件を確認する方法 |
評価する値を絶対値、差分(現在と前回)、または差分(%)で指定します。 |
Duration |
アラートの生成条件(アラートを生成するまでのしきい値の持続時間) |
すぐにアラートを送信させるオプション、またはアラートが指定時間持続した後に送信させるオプションがあります。 |
Number of Events Threshold |
設定可能なイベント数が、設定可能な時間間隔(分)の中でしきい値を超えたときに限りアラートを生成します。 |
ExcessiveVoiceQualityReports の場合、デフォルトのしきい値は 60 分以内に 10 件です。RouteListExhausted と MediaListExhausted の場合、デフォルトは 60 分以内に 0 件です。 |
Node IDs |
監視するクラスタまたはノードのリスト。 |
Cisco Unified Communications Manager ノード、Cisco TFTP ノード、または最初のノード。
(注) ノードの Cisco CallManager と Cisco TFTP の両方のサービスを非アクティブにすると、現在の監視対象ノード リストからそのノードが削除されたものと見なされます。Cisco CallManager と Cisco TFTP の両方のサービスを再度アクティブにすると、そのノードが再度追加されて、設定がデフォルト値に復元されます。
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Alert Action ID |
実行するアラート アクションの ID(どのようなアラート アクションでも、システムは常にアラートを記録します)。 |
アラート アクションは最初に定義されます(「追加情報」を参照)。このフィールドが空白の場合は、電子メールが使用不可であることを示しています。 |
Enable Alerts |
アラートを有効または無効にします。 |
オプションは、使用可能または使用不可です。 |
Clear Alert |
アラートをリセットして(アラート項目の色が赤から黒に変わります)、アラートが解決されたことを示します。 |
アラートが発生すると、アラートの色が自動的に変わり、アラートを手動でクリアするまでそのままです。すべてのアラートをクリアするには、[Clear All] を使用します。 |
Alert Details |
アラートの詳細を表示します(設定不可)。 |
ExcessiveVoiceQualityReports、RouteListExhausted、および MediaListExhausted については、現在の間隔でアラートが発生していた場合、現在のモニタリング間隔の 30 までの現在のイベントの詳細が表示されます。そうでない場合は、前回の間隔の 30 までのイベントの詳細が表示されます。DChannel OOS アラートについては、アラートが発生した時点で未解決であった OOS デバイスのリストが表示されます。 |
Alert Generation Rate |
アラート条件が持続したときにアラートを生成する頻度 |
X 分ごとに指定します(条件が持続した場合には、X 分ごとに 1 回アラートが生成されます)。 X 分ごとに最大 Y 回と指定します(条件が持続した場合には、X 分ごとに Y 回アラートが生成されます)。 |
User Provide Text |
あらかじめ設定されているアラート テキストの先頭にテキストを付加する管理者 |
該当なし |
Severity |
表示用(たとえば、シビラティ 1 のアラートだけを表示する) |
あらかじめ設定されているアラート(Error、Warning、Information など)に割り当てられるデフォルトを指定します。 |
追加情報
「関連項目」を参照してください。
アラート アクションの設定
RTMT では、生成されるアラートごとにアラート アクションを設定して、アラート アクション リストで指定した電子メール受信者にアラート アクションを送信できます。
表6-2 は、アラート アクションの設定に使用するフィールドのリストです。特に記載がない限り、ユーザはすべてのフィールドを設定できます。
表6-2 アラート アクションの設定
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Alert Action ID |
実行するアラート アクションの ID。 |
説明的な名前を指定します。 |
Mail Recipients |
電子メール アドレスのリスト。リスト内の個別の電子メールを選択的に使用可能/使用不可にできます。 |
該当なし |
追加情報
「関連項目」を参照してください。
トレース ダウンロードの有効化
あらかじめ設定されているアラートの中には、イベントが発生するとトレース ダウンロードを開始できるアラートがあります。次のアラートで [Set Alert/Properties] の [Enable Trace Download] チェックボックスをオンにすることにより、特定のイベントが発生したときに、トレースを自動的に取り込めます。
• CriticalServiceDown
• CodeYellow
• CoreDumpFileFound
注意 トレース ダウンロードを有効にすると、サーバのサービスに影響する場合があります。多数のダウンロードを設定すると、サーバのサービス品質に悪影響が出ます。
追加情報
「関連項目」を参照してください。
アラート ログの概要
アラートは、アラート ログに保存されます。また、メモリにも保存されます。メモリは一定間隔でクリアされ、メモリには、最後の 30 分間のデータが残されます。サービスが開始または再開されると、クラスタ内のすべてのサーバに存在するアラート ログから最後の 30 分間のアラート データが読み込まれ、メモリにロードされます。メモリ内のアラート データは、要求に応じて RTMT クライアントに送信されます。
RTMT の起動時に、RTMT は、最後の 30 分間に発生したすべてのログを Alert Central ログ履歴に表示します。アラート ログは定期的に更新され、新しいログがログ履歴ウィンドウに挿入されます。ログ件数が 100 に達すると、RTMT は最も古い 40 件のログを削除します。
アラート ログのファイル名の形式は、AlertLog_MM_DD_YYYY_hh_mm.csv です。
アラート ログの属性は次のとおりです。
• Time Stamp:RTMT がデータを記録した時刻
• Alert Name:説明的なアラート名
• Node:RTMT がアラートを生成した場所のノード名
• Alert Message:アラートに関する詳細説明
• Description:監視されるオブジェクトの説明
• Severity:アラートのシビラティ
• PollValue:アラート条件が発生した監視対象オブジェクトの値
• Action:実行されたアラート アクション
• Group ID:アラートの生成元を特定
各ログ ファイルの最初の行はヘッダーです。各アラートの詳細は 1 行に書き込まれ、カンマで区切られています。
追加情報
「関連項目」を参照してください。
Log Partition Monitoring
Log Partition Monitoring は、システムとともに自動的にインストールされ、設定可能なしきい値を使用して、サーバ上のログ パーティションのディスク使用状況を監視します。Cisco Log Partitioning Monitoring Tool サービスは、Cisco Unified Communications Manager のインストール後に自動的に開始されます。
Log Partition Monitoring は、次の設定済みのしきい値を使用して、サーバ上のログ パーティションのディスク使用状況を 5 分ごとに監視します。
• LogPartitionLowWaterMarkExceeded(ディスク スペース使用率):ディスク使用率が指定のパーセンテージを超えると、LPM はすべてのアラーム メッセージを syslog に送信し、RTMT Alert Central にアラートを送信します。ログ ファイルを保存し、ディスク スペースを回復するには、RTMT の [Trace and Log Central] オプションを使用します。
• LogPartitionHighWaterMarkExceeded(ディスク スペース使用率):ディスク使用率が指定のパーセンテージを超えると、LPM はすべてのアラーム メッセージを syslog に送信し、RTMT Alert Central にアラートを送信します。
さらに、Cisco Log Partitioning Monitoring Tool サービスは、5 秒ごとにサーバをチェックして、新たに作成されたコア ダンプ ファイルの有無をチェックします。新しいコア ダンプ ファイルが存在した場合には、Cisco Log Partitioning Monitoring Tool サービスにより、CoreDumpFileFound アラームとアラートが新しいコア ファイルに関する情報とともに Alert Central に送信されます。
ログ パーティション モニタを利用するには、ネットワーク サービスである Cisco Log Partitioning Monitoring Tool サービスが Cisco Unified Serviceability 上のクラスタ内の各ノードで稼働していることを確認します。サービスを停止すると、機能が失われます。
Log Partition Monitoring サービスは、システム起動時に開始されたときに、現在のディスク使用状況をチェックします。ディスク使用率が最低水準点を上回っていても、最高水準点を下回っている場合には syslog にアラーム メッセージが送信され、RTMT Alert Central で対応するアラートが生成されます。
Log Partitioning Monitoring を設定するには、Alert Central で LogPartitionLowWaterMarkExceeded アラートと LogPartitionHighWaterMarkExceeded アラートのアラート プロパティを設定します。詳細については、「アラート プロパティの設定」を参照してください。
ログ ファイルをオフロードし、サーバ上のディスク スペースを元の状態に戻すには、Real-Time Monitoring Tool を使用して、保存するトレースを収集する必要があります。
ディスク使用率が設定した最高水準点より高い場合には、syslog にアラーム メッセージが送信され、RTMT の Alert Central で対応するアラートが生成され、値が最低水準点に達するまでログ ファイルが自動的に削除されます。
(注) Log Partition Monitoring は、アクティブなディレクトリと非アクティブなディレクトリを含む共通のパーティションを自動的に識別します。アクティブなディレクトリは、現在の Cisco Unified Communications Manager のログ ファイルを格納しており、非アクティブなディレクトリは、以前にインストールされたバージョンの Cisco Unified Communications Manager のログ ファイルを格納しています。必要に応じて、このサービスは非アクティブなディレクトリのログ ファイルを先に削除します。次に、すべてのアプリケーションの最も古いログ ファイルから順に、ディスク スペースのパーセンテージが設定された最低水準点を下回るまで、アクティブなディレクトリのログ ファイルを削除します。Log Partition Monitoring によってログ ファイルが削除されても、システムは電子メールを送信しません。
システムがディスク使用状況を判断し、必要なタスク(アラームの送信、アラートの生成、ログの削除)を実行した後は、Log Partition Monitoring が通常の 5 分間隔で行われます。