Cisco Mobile VoiP Client の概要
Cisco Mobile VoiP Client が備える機能には、Cisco Unified Communications Manager の管理 の特殊な設定が必要であることに注意してください。
この項では、次のトピックについて説明します。
• 「定義」
• 「Cisco Mobile VoiP Client 機能の一覧」
• 「プロキシ サーバを必要としない Cisco Unified Communications Manager からモバイル クライアントへの直接接続」
• 「通話料金削減に向けた DVO 最適化設定」
• 「携帯電話からのモバイル コネクトの有効化/無効化」
追加情報
「関連項目」を参照してください。
定義
表 16-1 に、Cisco Mobile VoiP Client を使用する Cisco Unified Mobility に関連する用語の定義を示します。
表 16-1 定義
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Cisco Mobile 8.x |
このような直接接続デュアル モード クライアントは、携帯電話に加え(コスト削減のため)Voice-over-Wi-Fi もサポートします。プロキシ サーバを必要とせず、Cisco Unified Communications Manager に直接接続されます。 |
追加情報
「関連項目」を参照してください。
Cisco Mobile VoiP Client 機能の一覧
この項では、Cisco Mobile VoiP Client の設定が行われている場合に、携帯電話ユーザに提供される Cisco Unified Mobility 機能のリストを示します。ここでは、Cisco Unified Communications Manager の管理ページ内での設定について説明します。
次のエンティティと機能を使用するには、Cisco Unified Communications Manager の管理ページでの Cisco Unified Mobility の設定が必要になります。
• プロキシ サーバを必要としない Cisco Unified Communications Manager からモバイル クライアントへの直接接続:この機能により、Cisco Mobile VoiP Client の Cisco Unified Communications Manager への直接接続をサーバ側でサポートできるため、Cisco Unified Mobility Advantage を配置する必要がありません。Cisco Unified Communications Manager は、Cisco Mobile VoiP Client との直接接続をサポートするように調整されます。詳細については、「プロキシ サーバを必要としない Cisco Unified Communications Manager からモバイル クライアントへの直接接続」を参照してください。
• 通話料金削減に向けた DVO 最適化設定:この機能は、どのモバイル発信コール(DVO-R または DVO-F)が企業にとってコストが最小になるかを決定する事前設定済みのポリシーをサポートします。この決定は、一般にロケーションに基づいて行われます。管理者は、ユーザ ロケーションおよびそれ以外の使用可能な情報に基づいて、プロファイルを割り当てます。最小限コストのルーティングは、Cisco Unified Communications Manager とネゴシエーションして、DVO-R と DVO-F のいずれが最小限コストを生成するかを判断し、コールの発信にコストのかからない方法を選択します。詳細については、「通話料金削減に向けた DVO 最適化設定」を参照してください。
• 携帯電話からのモバイル コネクトの有効化/無効化:この機能により、Cisco Mobile VoiP Client はモバイル コネクト ステータスを動的に変更して、Cisco Unified Communications Manager とクライアントとの間でモバイル コネクト ステータスを同期させることができます。この機能は、エンド ユーザに柔軟性をもたらします。エンド ユーザは、ユーザのモバイル コネクト ステータスを GUI Web サイトからだけでなく自身の携帯電話からも変更できます。詳細については、「携帯電話からのモバイル コネクトの有効化/無効化」を参照してください。モバイル コネクト ステータスを更新するさまざまな方法が記載されたリストについては、 「Cisco Unified Mobility」 の章の「モバイル コネクトを有効化および無効化する方法」を参照してください。
次に示す機能は、元々は Cisco Unified MobilityManager の一部でしたが、現在は Cisco Unified Communications Manager の機能となっています。
• モバイル コネクト:詳細については、 「Cisco Unified Mobility」 の章を参照してください。
• デスクトップ コール ピックアップ:詳細については、 「Cisco Unified Mobility」 の章を参照してください。
• アクセス リスト:詳細については、 「Cisco Unified Mobility」 の章を参照してください。
Cisco Unified Communications Manager は、次の Cisco Unified Mobility 機能もサポートしています。
• DTMF でのコール中のエンタープライズ機能のサポート:詳細については、 「Cisco Unified Mobility」 の章を参照してください。
• デュアル モード フォンのサポート:詳細については、 「Cisco Unified Mobility」 の章を参照してください。
• デュアル モード フォンでのコールの手動ハンドオフ:詳細については、 「Cisco Unified Mobility」 の章を参照してください。
• Time-of-Day アクセス:詳細については、 「Cisco Unified Mobility」 の章を参照してください。
• DTMF を介したダイレクト コール パーク:詳細については、 「Cisco Unified Mobility」 の章を参照してください。
• SIP URI ダイヤル:詳細については、 「Cisco Unified Mobility」 の章を参照してください。
デスクトップ同時呼び出し、企業のボイスメールボックスの統合、システム リモート アクセス、発信者 ID、リモートのオン/オフ制御、コール トレース、モバイル コネクト コールのセキュリティとプライバシー、スマートフォンのサポートなど、Cisco Unified Mobility 機能のその他の利点については、「Cisco Unified Mobility 機能のその他の利点」を参照してください。
追加情報
「関連項目」を参照してください。
プロキシ サーバを必要としない Cisco Unified Communications Manager からモバイル クライアントへの直接接続
Cisco Mobile VoiP Client と Cisco Unified Communications Manager 間の登録は、独立した TCP ポート経由で行われます(Cisco Unified Mobility Advantage サーバで使用された共有された接続またはプールされた接続は使用されません)。Cisco Mobile VoiP Client と Cisco Unified Communications Manager 間のキープアライブ メッセージは、Cisco Unified Communications Manager と Cisco Unified Mobility Advantage 間で渡されたものと同じままになります。Cisco Unified Communications Manager への Cisco Mobile VoiP Client の登録に新たなアラームは導入されず、登録は SIP チャネル経由で行われます。
クライアントが iPhone で実行中で、Cisco Mobile VoiP Client が SIP ダイアログを完了できない場合、Cisco Unified Communications Manager は PSTN コールを保持します(SIP ステータスがタイムアウトした場合でも、PSTN コールは終了しません)。たとえば、Cisco Unified Communications Manager が 200 OK メッセージを送信した後で ACK メッセージを受信しない場合、PSTN コールは保持されます。
Cisco Unified Communications Manager からモバイル クライアントへの直接接続に関する制限
この機能には、次の制限があります。
• Cisco Unified Communications Manager と Cisco Mobile VoiP Client 間の SIP ダイアログが完了しない場合、そのダイアログを使用してコール中の機能をさらに呼び出すことはできません。ただし、DTMF インターフェイス経由でコール中の機能を呼び出すことができます。
追加情報
「関連項目」を参照してください。
通話料金削減に向けた DVO 最適化設定
この機能は、どのモバイル発信コール(DVO-R または DVO-F)が企業にとってコストが最小になるかを決定する事前設定済みのポリシーをサポートします。この決定は、一般にロケーションに基づいて行われます。モバイル ユーザにとっては、モバイル コールを発信するときに最小限コストを見つけることができるため便利です。DNIS プールでは Direct Inward Dialing(DID; ダイヤルイン)番号のリストを参照できるようになっているため、ローミング時にはモバイル コール用に国際番号以外の番号を選択できます。最小限コストのルーティングは、Cisco Unified Communications Manager とネゴシエーションして、DVO-R と DVO-F のいずれが最小限コストを生成するかを判断し、コールの発信にコストのかからない方法を選択します。
最小限コストのルーティングおよび DNIS プールが望ましい理由
次に挙げる理由から、この機能をお勧めします。
• 管理者が、最小限コストのコール ルーティングに適した DVO コール タイプ(DVO-F または DVO-R)を決めることができます。リージョンやサービス プロバイダーによっては、DVO-F の方がモバイル ユーザにとって経済的である場合もあれば、DVO-R の方が経済的である場合もあります。たとえば、携帯電話ユーザの着信コールが無料であるリージョンでは、携帯電話ユーザに DVO-R コールを設定すると、最小限コストのコール ルーティングを実現できます。
• スケーラビリティ:特定のリージョンの複数のユーザが、リージョン、サービス プロバイダー、ロケーションなどで構成されている 1 つのモビリティ プロファイルを使用できます。ここでいう「ユーザ」とは、実際のエンド ユーザのクライアントのことです。管理者は、各エンド ユーザのモビリティ プロファイルを作成する必要がありません。
• すべての DVO-F コールを対象とするクラスタ内の単一の DID:このような DVO-F コールの場合、クライアントは特定の DID を使用して Cisco Unified Communications Manager に着信コールを発信します。
• 複数サイト クラスタ:複数サイト クラスタの場合、クラスタ A(英国など)のクライアントは、DVO-F コールにクラスタ B(サンノゼなど)の DID を使用します。これにはコストがかかります。
• DVO-R:トランクは、ローカル DID から発信されるコールを許可します。クライアントが発信 DVO-R コールを発信したとき、発信者 ID が特定の範囲内にない場合には、クライアントのトランクが発信コールを許可しないことがあります。たとえば、英国のクライアントが DVO-R を呼び出した場合、サンノゼのクラスタにあるトランクからのコールバック コールは 408 を表示します。このコールが英国に到達したとき、サービス プロバイダーのトランクが 408 を認識しないことがあり、そうなるとコールは許可されません。このため、発信者 ID には、ローカルに識別可能な値を指定する必要があります。
通話料金削減に向けた DVO 最適化設定の特性
この機能では、管理者が Cisco Unified Communications Manager の管理ページで [コールルーティング(Call Routing)] > [モビリティ(Mobility)] > [モビリティプロファイル(Mobility Profile)] メニュー パスを使用して設定するモビリティ プロファイルを使用します。モビリティ プロファイルの詳細については、「[モビリティプロファイル設定(Mobility Profile Configuration)]」を参照してください。
通話料金削減に向けた DVO 最適化設定機能は、DVO-R コールが使用する代替コールバック メカニズムを変更しません。クライアントが引き続き代替コールバックを制御します。
通話料金削減に向けた DVO 最適化設定に関する制限
通話料金削減に向けた DVO 最適化設定機能には、次の制限があります。
• アプリケーション ダイヤル ルールの後に、最小限コストのルーティング(LCR)ルールが適用されます。LCR については、着信側トランスフォーメーションおよび自動転送シナリオが考慮されません。
追加情報
「関連項目」を参照してください。
携帯電話からのモバイル コネクトの有効化/無効化
Cisco Unified Communications Manager の Release 8.5(1) よりも前では、Cisco Unified Communications Manager は AXL メッセージで Cisco Unified Mobility Advantage を介してモバイル コネクト ステータスの更新を Cisco Unified Mobile Communicator クライアントに送信していました。現在は、Cisco Mobile VoiP Client と Cisco Unified Communications Manager 間の直接 SIP メッセージにより、クライアントが自身のモバイル コネクト ステータスを変更できます。
Cisco Unified Communications Manager の Release 8.5(1) から、Cisco Mobile VoiP Client は自身のモバイル コネクト ステータスを直接更新できます。
追加情報
「関連項目」を参照してください。