CMC および FAC の設定チェックリスト
表 8-1 は、BAT を使用して CMC と FAC を実装する手順を示しています。
BAT の重要な考慮事項
BAT を使用して CMC または FAC を設定する前に、次の情報を確認します。
• CMC と FAC で別々の CSV ファイルを作成します。1 つの CSV ファイルにこの 2 つの機能を混在させないでください。
• CMC または FAC の設定を初めて追加する場合は、BAT.xlt を使用して CSV ファイルを作成するか、カスタムのテキストベース CSV ファイルを作成することができます。
• CMC または FAC の設定を更新、削除、または追加する(初めての追加ではない)場合は、既存の CSV ファイルを編集するか、カスタムのテキストベース CSV ファイルを作成することができます。
• ファイルおよびスプレッドシートでは、1 行に 2 つ以上のコード(およびそれに対応する設定値)を入力しないでください。各コード(およびそれに対応する設定値)に 1 行を指定します。たとえば、FAC 用のコードを入力する場合は、次の形式になります。
(Authorization Code, Authorization Code Name, Authorization Level)
1234,John Smith,20
1235,Lisa Mendez,10
5551,Debbie Dunn,30
• 既存の CSV ファイルで新規コードの追加やコードの更新を行う場合は、必要な情報をすべて入力してください。新規コードを追加する場合は、すべての必須フィールド(たとえば、Forced Authorization Code、Authorization Code Name、Authorization Level、Client Matter Code など)を入力する必要があります。手順で特定のエントリが必須として指定されている場合は、ファイルにその情報を指定する必要があります。
• ファイルから情報を削除して情報をブランクにしても、その情報は Cisco
CallManager データベースから削除されません。つまり、ブランクの値ではデータベース内の既存の値は上書きされません。データベース内の既存の値は、値を更新すると上書きされます。
• パブリッシャ データベース サーバで、BAT は、C:\BATFiles\CMC\Insert と C:\BATFiles\FAC\Insert のように、CMC と FAC に個別のディレクトリを指定します。該当する CSV ファイルを正しいディレクトリにコピーするようにしてください。
• CSV ファイルは、BAT が特定の操作用に指定するディレクトリに保存する必要があります。たとえば、認証コードの設定を削除する場合は、CSV ファイルをパブリッシャ データベース サーバの C:\BATFiles\FAC\Delete にコピーする必要があります。
• CSV ファイルを作成または変更する際には、「BAT を使用した Cisco CallManager データベースの更新」で説明されているように、必ずその CSV ファイルを BAT に挿入する必要があります。
BAT.xlt を使用した CSV ファイルの作成
BAT.xlt を使用して CMC 用または FAC 用の CSV ファイルを作成するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 BAT.xlt ファイルはパブリッシャ データベース サーバにありますが、通常、パブリッシャ データベース サーバには Microsoft Excel がインストールされていません。その場合は、パブリッシャ データベース サーバからこのファイルをコピーして、Microsoft Excel がインストールされているローカル マシンに移動する必要があります。
ステップ 2 パブリッシャ データベース サーバで、 C:\CiscoWebs\BAT\ExcelTemplate を参照します。
ステップ 3 BAT.xlt を Microsoft Excel がインストールされているローカル マシンにコピーします。
ステップ 4 Microsoft Excel で BAT.xlt を開きます。
ヒント 個別に 2 つの CSV ファイル(CMC 用と FAC 用の CSV ファイル)を作成する必要があることに注意してください。
ステップ 5 次のタブのいずれかをクリックします。
• Insert CMC :CMC 用の CSV ファイルを作成する場合
• Insert FAC :FAC 用の CSV ファイルを作成する場合
ステップ 6 表 8-2 に従って、各カラムに CMC または FAC の設定値を入力します。
ステップ 7 ステップ 6 を繰り返し、すべてのコードを入力します。
ステップ 8 Excel スプレッドシート形式を CSV ファイルに変換するために、 Export to BAT
Format をクリックします。
CSV ファイルが自動的にローカル マシンの C:\XlsDatafiles に保存されます。別のロケーションを選択するには、Browse をクリックします。
ステップ 9 CSV ファイルをパブリッシャ データベース サーバの次のディレクトリにコピーします。
• CMC の場合: C:\BATFiles\CMC\Insert
• FAC の場合: C:\BATFiles\FAC\Insert
ステップ 10 CSV ファイルを BAT に追加します。CSV ファイルを BAT に挿入する方法については、「BAT を使用した Cisco CallManager データベースの更新」を参照してください。
既存の CMC 用または FAC 用の CSV ファイルの編集
既存のコードを更新する場合は、Notepad で既存の CSV ファイルを手動で更新するか、または Notepad で新規のファイルを作成します。
次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 以前にコードを挿入した既存の CSV ファイルを編集するには、パブリッシャ データベース サーバの次のディレクトリを参照します。
• CMC の場合: C:\BATFiles\CMC\Insert
• FAC の場合: C:\BATFiles\FAC\Insert
ステップ 2 Notepad で既存の CSV ファイルを開いて編集します。 表 8-2 のテキストベースの表現を使用して、既存の設定の削除、新規コードの追加、または既存の設定の更新を行います。
CMC 用 CSV ファイルを更新する場合は、たとえば、5555,Acme Toys のように入力することができます。ここで、5555 は必須の Client Matter Code、Acme Toys は Description にそれぞれ相当します。
FAC 用 CSV ファイルを更新する場合は、たとえば、1234,John Smith,20 のように入力することができます。ここで、1234 は Forced Authorization Code、John Smith は Authorization Code Name、20 は Authorization Level にそれぞれ相当します。
注意 新規コードの追加やコードの更新を行う場合は、必要な情報をすべて入力してください。既存のレコードでは、任意の部分を変更できますが、認証に必要な FAC や CMC などは必ず含めなければなりません。情報を削除したりブランクにしたりしても、その情報はデータベースから削除されません。データベース内の既存の値は、ブランクの値では上書きされませんが、前述の例にある値を Acme Toys, Inc. や John L. Smith などに更新すると上書きされます。
ステップ 3 CSV ファイルをパブリッシャ データベース サーバの次のディレクトリにコピーします。
• CMC の追加または更新の場合: C:\BATFiles\CMC\Insert
• CMC の削除の場合: C:\BATFiles\CMC\Delete
• FAC の追加または更新の場合: C:\BATFiles\FAC\Insert
• FAC の削除の場合: C:\BATFiles\FAC\Delete
ステップ 4 CSV ファイルを BAT に追加します。CSV ファイルを BAT に挿入する方法については、「BAT を使用した Cisco CallManager データベースの更新」を参照してください。
コードの設定の削除
システムからコードを削除するには、削除対象のコードが含まれるカスタム ファイルを使用します。以前に認証コードを挿入または更新したカスタム ファイルを編集するか、または、新規の CSV ファイルを作成して削除対象のコードを手動で入力することができます。
既存の CSV ファイルを編集する場合は、削除対象のコードが含まれる行だけを残すようにファイルを更新する必要があります。
CMC の例(既存の CSV ファイル)
次の情報が含まれるファイルを取得し、CMC 5550、5551、および 5555 を削除するとします。
• 5550,Phil Jones DDS
• 5551,Southwest Shades
• 5552,Happy Pharmaceuticals
• 5553,Weddings by Joyce
• 5554,Peterson Plumbing
• 5555,Acme Toys
• 5556,Chicago Paralegals
エントリを削除するには、次のように削除対象のエントリだけをファイルに残します。
• 5550,Phil Jones DDS
• 5551,Southwest Shades
• 5555,Acme Toys
CMC の例(新規の CSV ファイル)
新規ファイルを作成してコードを削除する場合は、次のように各行にコードだけをリストします。
5550
5551
5555
FAC の例(既存の CSV ファイル)
次の情報が含まれるファイルを取得し、John、Dave、および Bill に割り当てられている認証コードを削除するとします。
• 1233,Sandy Brown,30
• 1234,John Smith,20
• 1235,Dave Green,30
• 1236,John David,20
• 1237,Alex Anderson,30
• 1238,Bill Jones,20
• 1239,Jennifer Summers,20
John、Dave、および Bill のエントリを削除するには、次のように削除対象のエントリだけをファイルに残します。
• 1234,John Smith,20
• 1235,Dave Green,30
• 1238,Bill Jones,20
FAC の例(新規の CSV ファイル)
新規ファイルを作成してコードを削除する場合は、次のように各行にコードだけをリストします。
1234
1235
1238
複数のコードを一括して削除するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 次のタスクのいずれかを実行します。
• 削除対象のコード用に新規ファイルを作成する場合(「CMC の例(新規の CSV ファイル)」および 「FAC の例(新規の CSV ファイル)」を参照)は、CSV ファイルを BAT に挿入した後に、ステップ 4 ~ステップ 11 を参照してください。
• 既存の CSV ファイルから既存のコードを削除する場合は、ステップ 2 ~ステップ 11 を参照してください。
ステップ 2 パブリッシャ データベース サーバで、次のディレクトリを参照します。
• CMC の場合: C:\BATFiles\CMC\Insert
• FAC の場合: C:\BATFiles\FAC\Insert
ステップ 3 Notepad で既存の CSV ファイルを開いて編集し、エントリを削除します。
ステップ 4 CSV ファイルを保存し、パブリッシャ データベース サーバの次のディレクトリにコピーします。
• CMC の場合: C:\BATFiles\CMC\Delete\
• FAC の場合: C:\BATFiles\FAC\Delete\
ステップ 5 Client Matter Code(CMC)と Forced Authorization Code(FAC)のどちらを削除するかに応じて、BAT で次のオプションのいずれかを選択します。
• CMC の場合: Configure > Client Matter Codes
• FAC の場合: Configure > Forced Authorization Codes
ステップ 6 Client Matter Code(CMC)と Forced Authorization Code(FAC)のどちらを削除するかに応じて、次のオプションのいずれかを選択します。
• CMC の場合: Delete Client Matter Codes
• FAC の場合: Delete Forced Authorization Codes
ステップ 7 ドロップダウン リスト ボックスからカスタム ファイルを選択して、 Add to Query をクリックします。
ステップ 8 システムによって削除されるレコードを表示するには、 View Query Result をクリックします。ファイルに目的のレコードが含まれていない場合は、 Clear Query をクリックしてステップ 1 に戻ります。
ステップ 9 ファイルに削除対象のレコードが含まれている場合は、 Delete をクリックします。
ステップ 10 確認のダイアログボックスに、処理の所要時間が表示されます。 OK をクリックします。
ヒント 処理の進行状況を表示するには、Show Latest Status ボタンをクリックします。
ステップ 11 トランザクションが完了したら、 View Latest Log File をクリックしてログ ファイルを表示し、すべてのファイルが正常に追加されたかどうかを確認します。
CMC 用および FAC 用の CSV ファイルの設定値
次の各項と 表 8-2 を併せて参照してください。
• 「BAT.xlt を使用した CSV ファイルの作成」
• 「テキスト エディタを使用した Client Matter Codes および Forced Authorization Codes の CSV データ ファイルの作成」
• 「既存の CMC 用または FAC 用の CSV ファイルの編集」
• 「コードの設定の削除」
表 8-2 CMC および FAC の設定値
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For CMC CSV file(CMC 用 CSV ファイル)
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Client Matter Code |
ユーザがコールを発信するときに入力する 16 桁以内の固有のコードを入力します。CMC は、このコードを使用するコールの CDR に表示されます。 |
Description |
50 文字以内の名前を入力します。このフィールドでは &(アンパーサンド)も使用できます。このオプションのフィールドは、クライアント コードとクライアントの関連付けに役立ちます。 |
For FAC CSV File(FAC 用 CSV ファイル)
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Authorization Code |
16 桁以内の固有の認証コードを入力します。ユーザは FAC 対応のルート パターンでコールを発信するときにこのコードを入力します。 |
Authorization Code Name |
Authorization Level |
0 ~ 255 の範囲内の 3 桁の認証レベルを入力します(デフォルトは 0)。認証コードに割り当てるレベルによって、ユーザが FAC 対応のルート パターンでコールをルーティングできるかどうかが決まります。コールを正常にルーティングするには、ユーザの認証レベルがそのコールのルート パターンに指定された認証レベル以上である必要があります。 |
BAT を使用した Cisco CallManager データベースの更新
Cisco CallManager データベースを更新するには、BAT に CMC 用または FAC 用の CSV ファイルを挿入する必要があります。データベースを更新するには、次の手順を実行します。
始める前に
Cisco CallManager を更新する前に、CMC 用または FAC 用の CSV ファイルを作成または編集する必要があります。
手順
ステップ 1 CMC 用と FAC 用のどちらの CSV ファイルを使用したかに応じて、BAT で次のいずれかのオプションを選択します。
• CMC の場合: Configure > Client Matter Codes
• FAC の場合: Configure > Forced Authorization Codes
ステップ 2 CMC 用と FAC 用のどちらの CSV ファイルを使用したかに応じて、次のいずれかのオプションを選択します。
• CMC の場合: Insert Client Matter Codes
• FAC の場合: Insert Forced Authorization Codes
ステップ 3 File Name ドロップダウン リスト ボックスで、更新されたコードが含まれる CSV ファイルを選択します。
ヒント 挿入するファイルの内容を表示するには、View File をクリックします。
ステップ 4 既存のコードのリストを更新した場合は、 表 8-3 で説明されているように、 Override the existing configuration チェックボックスをオンにします。
ステップ 5 Insert をクリックします。
ステップ 6 確認のダイアログボックスに、処理の所要時間が表示されます。 OK をクリックします。
ヒント 処理の進行状況を表示するには、Show Latest Status ボタンをクリックします。
ステップ 7 トランザクションが完了したら、 View Latest Log File をクリックしてログ ファイルを表示し、すべてのファイルが正常に追加されたかどうかを確認します。