ヘッドセット自動応答の設定
この章では、Cisco Unified Communications Manager Express(Cisco Unified CME)のヘッドセット自動応答機能について説明します。
このモジュールで紹介する機能情報の入手方法
お使いの Cisco Unified CME のバージョンが、このモジュールで説明されている機能の一部をサポートしていないことがあります。 各機能がサポートされているバージョンのリストについては、「ヘッドセット自動応答の機能情報」を参照してください。
ヘッドセット自動応答について
ヘッドセット自動応答機能をイネーブルにするには、次の概念を理解しておく必要があります。
• 「ヘッドセットを使用したコールへの自動応答」
• 「回線とボタンとの違い」
ヘッドセットを使用したコールへの自動応答
Cisco Unified CME 4.0 以降のバージョンでは、ヘッドセット キーがアクティブになっているときに着信コールに自動的に接続するよう、特定の電話機の回線を設定できます。電話機がアクティブ コールでビジー状態になることはなく、コールに自動応答するようヘッドセット キーを接続しておく必要があります。ヘッドセット ランプが点灯状態であれば、着信コールは電話機で 1 つずつ自動的に応答されます。ephone ごとに、1 つ以上の回線をヘッドセット自動応答用に指定できます。
電話機をヘッドセット自動応答用に設定したら、電話機ユーザがヘッドセット キーを押して自動応答を開始する必要があります。ヘッドセット ライトの点灯は、設定で指定された回線に対して自動応答がアクティブであることを示します。電話機がコールに自動応答すると、 ジップ トーンが再生されて、電話機ユーザにコールの存在が通知されます。自動応答を停止するには、電話機ユーザがヘッドセット キーを再び押すと、ヘッドセット ライトが消灯します。このとき、電話機ユーザはヘッドセットを使用して通常の方法でコールに応答できます。
回線とボタンとの違い
回線は電話機のボタンと似ていますが、まったく同じではありません。回線とは、コール接続を行う電話機の機能を表しているため、コール接続を行うことができる各ボタンは回線になります。(たとえば、機能が設定されていないボタンや短縮ダイヤル ボタンは回線ではありません)。また、回線は ephone-dn と同じでないことにも注意してください。オーバーレイされた ephone-dn を持つボタンは、それに関連付けられた複数の ephone-dn(内線番号)があるかどうかに関係なく、1 つの回線にすぎません。ほとんどの場合、ephone の回線番号はそのボタン番号と一致しますが、一致しないこともあります。
図 59 に、さまざまなタイプの ephone 設定における回線番号とボタン番号の比較を示します。
図 59 回線がボタンと同じになる場合
ヘッドセット自動応答の設定方法
ここでは、次の作業について説明します。
• 「SCCP:ヘッドセット自動応答のイネーブル化」(必須)
• 「ヘッドセット自動応答の確認」(任意)
SCCP:ヘッドセット自動応答のイネーブル化
ヘッドセット自動応答をイネーブルにするには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ephone phone-tag
4. headset auto-answer line line-number
5. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
ephone phone-tag
Router(config)# ephone 25 |
ephone コンフィギュレーション モードを開始します。 • phone-tag :設定タスク中にこの ephone を識別する一意のシーケンス番号。実際の Cisco Unified CME システムの ephone の最大数は、バージョンとプラットフォームに固有です。値の範囲については、CLI のヘルプを参照してください。 |
ステップ 4 |
headset auto-answer line line-number
Router(config-ephone)# headset auto-answer line 1 |
ヘッドセット ボタンが押されたときに自動的に応答される ephone 上の回線を指定します。 • line-number :自動的に応答すべき電話回線の番号。 (注) さらに回線を追加するには、このコマンドを繰り返します。 |
ステップ 5 |
end
Router(config-ephone)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ヘッドセット自動応答の確認
ステップ 1 show running-config コマンドを使用して、設定を確認します。ヘッドセット自動応答が出力の telephony-service 部分にリストされます。
Router# show running-config
ephone 1
headset auto-answer line 1
headset auto-answer line 2
headset auto-answer line 3
headset auto-answer line 4
username "Front Desk"
mac-address 011F.92B0.BE03
speed-dial 1 330 label "Billing"
type 7960 addon 1 7914
no dnd feature-ring
keep-conference
button 1f40 2f41 3f42 4:30
button 5:405 7m20 8m21 9m22
button 10m23 11m24 12m25 13m26
button 14m499 15:1 16m31 17f498
button 18s500
night-service bell
ステップ 2 show telephony-service ephone コマンドを使用して、実行コンフィギュレーションの ephone 設定部分のみを表示します。
ヘッドセット自動応答の設定例
次の例では、回線 1(ボタン 1)および回線 4(ボタン 4)の ephone 3 でヘッドセット自動応答がイネーブルになります。
ephone 3
button 1:2 2:4 3:6 4o21,22,23,24,25
headset auto-answer line 1
headset auto-answer line 4
次の例では、オーバーレイされた ephone-dn を持つ回線 2(ボタン 2)およびオーバーレイ ロールオーバー回線である回線 3(ボタン 3)の ephone 17 でヘッドセット自動応答がイネーブルになります。
ephone 17
button 1:2 2o21,22,23,24,25 3x2
headset auto-answer line 2
headset auto-answer line 3
次の例では、回線 2(ボタン 3)および回線 3(ボタン 5)の ephone 25 でヘッドセット自動応答がイネーブルになります。この場合、ボタン 2 および 4 が使用されないため、ボタン番号は回線番号と一致しません。
ephone 25
button 1:2 3:4 5:6
headset auto-answer line 2
headset auto-answer line 3
その他の参考資料
次の各項では、Cisco Unified CME 機能に関連するその他の資料について説明します。
シスコのテクニカル サポート
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右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。 以下を含むさまざまな作業にこの Web サイトが役立ちます。 ・テクニカル サポートを受ける ・ソフトウェアをダウンロードする ・セキュリティの脆弱性を報告する、またはシスコ製品のセキュリティ問題に対する支援を受ける ・ツールおよびリソースへアクセスする - Product Alert の受信登録 - Field Notice の受信登録 - Bug Toolkit を使用した既知の問題の検索 ・Networking Professionals(NetPro)コミュニティで、技術関連のディスカッションに参加する ・トレーニング リソースへアクセスする ・TAC Case Collection ツールを使用して、ハードウェアや設定、パフォーマンスに関する一般的な問題をインタラクティブに特定および解決する この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。 |
http://www.cisco.com/en/US/support/index.html |
ヘッドセット自動応答の機能情報
表 106 に、このモジュールで説明した機能、およびバージョンごとの拡張機能を示します。
特定の Cisco Unified CME バージョンをサポートするための適切な Cisco IOS リリースを判断するには、 http://www.cisco.com/en/US/docs/voice_ip_comm/cucme/requirements/guide/33matrix.htm にある『 Cisco Unified CME and Cisco IOS Software Version Compatibility Matrix 』を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator では、特定のソフトウェア リリース、フィーチャ セット、またはプラットフォームをサポートしている Cisco IOS ソフトウェア イメージを確認できます。Cisco Feature Navigator にアクセスするには、 http://www.cisco.com/go/cfn に移動します。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
(注) 表 106 には、特定の機能に対するサポートを導入した Cisco Unified CME のバージョンが示されています。特に明記されていない限り、Cisco Unified CME ソフトウェアの後続のバージョンでもこの機能をサポートします。
表 106 ヘッドセット自動応答の機能情報
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ヘッドセット自動応答 |
4.0 |
ヘッドセット自動応答が導入されました。 |