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この章では、Cisco MobilityManager について説明します。次の項があります。
• 「Cisco MobilityManager ソリューション」
• 「使用例」
表1-1 に、このガイドで使用される重要用語の定義を示します。
Cisco MobilityManager は、Cisco CallManager、Unity、およびその他の IP 通信アプリケーションと連動して Mobile Connect 機能を提供するエンタープライズ アプリケーション サーバです。Mobile Connect とは、デスクの電話または携帯電話で着信コールに応答する機能、接続を失うことなく進行中のコールをデスクの電話または携帯電話でピックアップする機能、携帯電話からビジネス コールを発信する機能などが含まれた機能の集合です。
Cisco MobilityManager は Cisco CallManager と連動して、企業のデスクの IP 電話と携帯電話などのリモート電話の間のコール ルーティングおよびデバイス モビリティを制御します。Cisco MobilityManager は、互換性のあるシスコ サーバ上のソフトウェア アプリケーションとして提供されます。Web インターフェイスが用意されており、管理アクセス、およびユーザによる個人プロファイルの管理に使用できます。
Cisco MobilityManager は Cisco AVVID の構成要素で、Public Service Telephone Network(PSTN)、WAN、LAN、および無線 LAN といった企業インフラストラクチャと互換性があります。
完全な Cisco MobilityManager ソリューションを実装するには、次のコンポーネントが必要です。
• 音声対応の IP ネットワーク。これには、LAN および PSTN 音声ゲートウェイが含まれます。
• 企業向け CPE 対応の IP テレフォニーおよび管理システム。これには、Cisco CallManager、Cisco Unity ボイスメール アプリケーション、および Cisco IP Phone 79xx シリーズが含まれます。
• 既存の携帯電話デバイスおよびその他のリモート電話エンドポイント。
(注) 既存の携帯電話を Cisco MobilityManager と連動させることができます。電話機や携帯電話ネットワークに変更を加える必要はありません。Code Division Multiple Access(CDMA)方式および Global System for Mobile Communications(GSM)方式の携帯電話は、Cisco MobilityManager と互換性があります。
• 「使用例」
Cisco MobilityManager は、企業の電話通信および携帯電話通信の管理における柔軟性を高め、次のメリットを提供します。
• デスク電話の同時呼び出し:着信コールがあると、IP 電話の内線と指定の携帯電話で同時に呼び出し音が鳴ります。ユーザが電話に応答すると、応答しなかった回線の呼び出し音は自動的に停止します。ユーザは、コールが着信するたびに都合の良いデバイスを選択できます。
• デスク電話のコール ピックアップ:ユーザは、コール進行中に接続を失うことなく、デスクの電話と携帯電話を切り替えることができます。その時々のニーズに応じて、社内の有線電話の信頼性と携帯電話の機動性を活用できます。
• 企業のボイス メールボックスの統合:1 つに統合されたボイス メールボックスで、デスクのデバイスまたは設定済みのリモート デバイスへのコールを含むすべてのビジネス コールに対応できます。着信コールの発信者は、いつも決まった方法で従業員と連絡を取ることができ、ユーザは、複数のボイスメール システムを確認する時間を短縮できます。
• システム リモート アクセス:ユーザは、携帯電話がローカルの IP PBX 内線電話であるかのように、携帯電話からコールを発信できます。ユーザが発信したコールは、ローカルの音声ゲートウェイおよび WAN トランキングを利用でき、企業は従業員のコール発信を追跡できます。
• Allowed Caller フィルタおよび Blocked Caller フィルタ:ユーザは、指定のリモート宛先の呼び出し音を鳴らす着信コールの発信者の集合を制限できます(Allowed Caller フィルタ)。また、リモート宛先の呼び出し音を鳴らさ ない 着信コールの発信者の集合も制限できます(Blocked Caller フィルタ)。
• 発信者番号:すべてのコールについて発信者番号が保存され、表示されます。ユーザは、本来の IP 電話機能を損なうことなく Mobile Connect を利用できます。
• リモートのオン/オフ制御:ユーザは、Mobile Voice Access を使用して携帯電話から、またはユーザ設定ページから、モビリティ機能をオンまたはオフにできます。この操作により、モビリティの管理を柔軟に行うことができます。
• コール トレース:Mobile Connect コールが詳細に記録されます。企業がトランクの使用状況を最適化し、接続の問題をデバッグするために役立つ情報が提供されます。
• Mobile Connect コールのセキュリティとプライバシー:Mobile Connect コールがアクティブである間、関連付けられたデスクの IP 電話は保護されます。携帯電話の接続がアクティブになるとすぐに、デスクの電話からはコールにアクセスできなくなります。このため、携帯電話に渡されたコールが不正な人物に聞き取られる可能性が排除されます。
• 「Cisco MobilityManager ソリューション」
• 「使用例」
Cisco MobilityManager では、次の使用方法がサポートされます。
• デスクの電話または携帯電話で外部コールを受信する:外部の発信者がユーザのデスクの内線電話番号にダイヤルします。デスクの電話および携帯電話の呼び出し音が同時に鳴ります。ユーザがいずれかの電話で応答すると、もう一方の電話は停止します。デスクの電話で応答した場合、ユーザはコール中に接続を失うことなく、デスクの電話から携帯電話に切り替えることができます。切り替えは、着信コールと発信コールの両方に対してサポートされています。
• 携帯電話からデスクの電話に戻す:デスクの電話で発信または応答を開始し、その後携帯電話に切り替えた場合、そのコールをデスクの電話に戻すことができます。
• 携帯電話などのリモート電話からモビリティ コールを発信する:ユーザは Mobile Voice Access を使用して、デスクの電話からダイヤルしているかのように携帯電話からコールを発信できます。
• 携帯電話で発信したコールの進行中に携帯電話からデスクの電話に切り替える:ユーザが Mobile Voice Access を使用して携帯電話からコールを発信した場合、コール中に接続を失うことなくデスクの電話に切り替えることができます。また、必要に応じて携帯電話に戻すこともできます。
• 「Cisco MobilityManager ソリューション」
Cisco MobilityManager は、設定されたライン アピアランス(内線)ごとに、一度に最大 1 つのコールを管理するように設計されています。この項では、いくつかのコール シナリオに基づいて、システムの応答を説明します。ここでは、内線「A」、「B」、および「C」が使用されます。各シナリオにおいて、内線 A には Mobile Connect サービスおよび Mobile Voice Access が設定されており、携帯電話はリモート宛先として設定されています。
B が A にコールするとき、A はアイドル状態です。A は携帯電話でコールをピックアップできます。
A が C にコールします。このコールの進行中に、B が A にコールします。A はデスクの電話でそのコールに応答します。A は携帯電話で C のコールをピックアップできますが、Mobile Connect サービスが C のコールに使用されているため、B のコールを携帯電話でピックアップすることはできません。
B が A にコールします。A は携帯電話でこのコールをピックアップします。このコールの進行中に、C が A にコールします。A はデスクの電話でそのコールに応答します。A が B のコールを終了し、C とのコールを継続しています。Mobile Connect サービスは、A に対する次の着信コールが使用できる状態です。
B が A にコールします。A は携帯電話でこのコールをピックアップします。このコールの進行中に、C が A にコールします。A はデスクの電話でそのコールに応答します。A は C のコールを終了し、B とのコールを継続しています。B のコールがまだ Mobile Connect サービスを使用しているため、B のコールが終了するまで、他のコールはこのサービスを使用できません。
A は Mobile Voice Access コールを発信するために携帯電話を使用します。このコールの進行中に、C が A の内線にコールします。このコールは携帯電話に拡大されません。C のコールが着信したとき、A は Mobile Voice Access を使用していたためです。A が Mobile Voice Access コールを終了した後は、Mobile Connect サービスを次の着信コールに適用できます。
Cisco MobilityManager は、Cisco CallManager と連動します。ここで示す機能を除いて、Cisco CallManager の標準機能のほとんどは、Cisco MobilityManager および関連デバイスやサービスとの互換性があります。
• Mobile Connect 機能を使用するには、まず、Cisco CallManager の Auto Call Pickup 機能をディセーブルにする必要があります。
• Cisco CallManager Forced Authorization Code and Client Matter Code(FAC/CMC)機能は、Mobile Voice Access と連動しません。JAVA Telephony Programming Interface(JTAPI)は、FAC/CMC に必要なイベントをサポートしていません。
• Cisco MobilityManager がさまざまなタイプのコーデックをサポートするには、Cisco CallManager でトランスコーダが共用ライン CTI ポート用に設定されている必要があります。
• Mobile Connect は、Multilevel Precedence and Preemption(MLPP)と連動しません。コールが MLPP でプリエンプション処理された場合、Mobile Connect 機能はそのコールに対して無効になります。
• Mobile Connect サービスは、ビデオ コールには適用されません。デスクの電話で受信したビデオ コールを携帯電話でピックアップすることはできません。
• リモート宛先は、Time Division Multiplex(TDM; 時分割多重)デバイスである必要があります。IP 電話をリモート宛先として Cisco CallManager クラスタ内に設定することはできません。
• Mobile Connect サービスは、共用回線 CTI ユーザと同じパーティション内の Directory Number(DN; ディレクトリ番号)に対してのみ使用可能です。異なる 2 つのパーティションで同じ DN が使用された場合、サービスは、共用回線 CTI ユーザと同じパーティション内の DN にのみ適用されます。
• CDR Analysis and Reporting(CAR)サポートは、Cisco MobilityManager では使用できません。
• H.323 ゲートウェイは、Cisco CallManager のフェールオーバーをサポートしません。プライマリ Cisco CallManager が何らかの理由でアウト オブ サービスになり、セカンダリが代わりにサービスを実行した場合、進行中の Mobile Connect コールはドロップされます。
• 複数のユーザが同じ内線電話番号を使用する場合、Line Appearances ページに設定されるパラメータは、最新のアップデートに対応します。内線が複数のユーザによって共有されているかどうかにかかわらず、内線ごとに 1 つのパラメータ セットだけが Cisco MobilityManager に保存されます。
• Mobile Voice Access を使用して Meet-Me にアクセスすることはできません。
• Cisco MobilityManager は、QSIG(Q Signaling)パスの交換をサポートしていません。
• 発信コール用に CTI ポートを設定するときは、CTI ポートのメディア リソース グループに Music-On-Hold(MOH)サーバが含まれていないことを確認してください。
この項では、PC 上で実行されている Web ブラウザから Cisco MobilityManager 管理アプリケーションにアクセスする方法を説明します。
• 「Cisco MobilityManager ソリューション」
• 「Cisco MobilityManager Administration での Internet Explorer の使用」
Cisco MobilityManager 管理アプリケーションは、次の Microsoft Windows オペレーティング システム ブラウザをサポートします。
• Microsoft Internet Explorer、バージョン 6.0 以降
• Netscape Navigator バージョン 7.2 以降
管理インターフェイスには、ネットワーク内の任意の PC からアクセスできます。ログインの詳細については、「Cisco MobilityManager 管理へのアクセス」を参照してください。
• 「Cisco MobilityManager ソリューション」
• 「Cisco MobilityManager Administration での Internet Explorer の使用」
Certificate Authority(CA; 認証局)ルート証明書を trusted フォルダに保存できます。保存すると、Web アプリケーションにアクセスするたびに Security Alert ダイアログボックスが表示されることを回避できます。管理者またはユーザが Cisco MobilityManager Administration に初めてアクセスすると、サーバを信頼するかどうかを確認する Security Alert ダイアログが表示されます。次のオプションの いずれか を選択する必要があります。
• 現在の Web セッションのためだけに証明書を信頼するには、 Yes をクリックします。現在のセッションのためだけに証明書を信頼した場合、証明書を trusted フォルダにインストールしない限り、アプリケーションにアクセスするたびに Security Alert ダイアログボックスが開きます。
• 証明書インストール タスクを実行するには、 View Certificate > Install Certificate を選択します。証明書を trusted フォルダにインストールすると、Web アプリケーションにアクセスするたびに Security Alert ダイアログボックスが表示されることを回避できます。
• 操作をキャンセルするには、 No をクリックします。認証が行われないため、Web アプリケーションにアクセスすることはできません。
ステップ 1 Cisco MobilityManager Administration Web ページを表示します(「Cisco MobilityManager 管理へのアクセス」を参照)。
ステップ 2 Security Alert ダイアログボックスが表示されたら、 View Certificate をクリックします。
ステップ 3 Certificate ペインで、 Install Certificate をクリックします。
ステップ 5 Place all certificates in the following store オプション ボタンをクリックしてから、 Browse をクリックします。
ステップ 6 Trusted Root Certification Authorities を見つけます。
ステップ 9 Yes をクリックして証明書をインストールします。
ステップ 11 ダイアログボックスの右下にある OK をクリックします。
ステップ 12 今後ダイアログボックスが表示されないように証明書を信頼するには、 Yes をクリックします。
(注) HTTPS をサポートするアプリケーションにアクセスするための URL で localhost、IP アドレス、または hostname を使用している場合、各タイプの URL(ローカルホストが使用された URL、IP アドレスが使用された URL など)の証明書を trusted フォルダに保存する必要があります。そのようにしないと、Security Alert ダイアログボックスがタイプごとに表示されます。
Netscape を使用して、証明書のクレデンシャルを表示すること、1 回のセッションのために証明書を信頼すること、有効期限切れになるまで証明書を信頼すること、証明書を信頼しないことができます。
ヒント 1 回のセッションのためだけに証明書を信頼する場合、HTTPS 対応のアプリケーションにアクセスするたびに次の手順を繰り返す必要があります。証明書を信頼しない場合は、アプリケーションにアクセスできません。
証明書を trusted フォルダに保存するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 Netscape でアプリケーションにアクセスします。
ステップ 2 New Site Certificate ウィンドウが表示されたら、 Next をクリックします。
ステップ 3 次の New Site Certificate ウィンドウが表示されたら、 Next をクリックします。
ヒント Next をクリックする前に証明書のクレデンシャルを表示するには、More Info をクリックします。クレデンシャルを確認し、OK をクリックします。その後、New Site Certificate ウィンドウの Next をクリックします。
ステップ 4 次のいずれかのオプション ボタンをクリックします。
• Accept this certificate for this session
• Do not accept this certificate and do not connect
• Accept this certificate forever (until it expires)
ステップ 6 Do not accept this certificate... オプション ボタンをクリックした場合は、ステップ 8 に進みます。
ステップ 7 他のサイトに情報を送信する前に Netscape によって警告が表示されるようにするには、 Warn me before I send information to this site チェックボックスをオンにしてから、 Next をクリックします。
• 「Cisco MobilityManager ソリューション」
• 「Cisco MobilityManager Administration での Internet Explorer の使用」
Cisco MobilityManager および Cisco CallManager にアクセスする Web インターフェイスの追加情報については、次の文書を参照してください。
• Cisco CallManager System Guide
• Cisco IP Telephony Solution Reference Network Design Guide