トレースの概要
Cisco Unity Connection Serviceability トレースは、次のような方法で、問題のトラブルシューティングに役立てることができます。
• コンポーネントに対してトレースを実行したときに作成できるログ ファイルの最大数や最大ファイル サイズなどのログ ファイル パラメータを、Connection コンポーネントごとに指定できます。
• 必要なマイクロ トレースおよびマイクロ トレース情報のレベルを有効にできます。
• 必要なマクロ トレース(事前に選択されたマクロ トレースのグループ)およびマクロ トレース情報のレベルを有効にできます。
ログ ファイルを設定してトレースを有効にした後は、Real-Time Monitoring Tool(RTMT)で Trace and Log Central オプションを使用してトレース ログ ファイルを収集できます。トレース収集の詳細については、『 Cisco Unified Real-Time Monitoring Tool アドミニストレーション ガイド 』の「Trace and Log Central の使用」の章を参照してください。
(注) マクロ トレースまたはマイクロ トレースを有効にすると、システムのパフォーマンスが低下します。トレースを有効にするのは、トラブルシューティングの場合だけです。
トレース ログ ファイルの設定
Cisco Unity Connection サービスのトレース ログ ファイルを設定するには、この項の手順を実行します。
(注) トレース情報がログ ファイルに書き込まれるようにするには、まず、選択した領域でトラブルシューティング情報を提供するマイクロ トレースまたはマクロ トレースを有効にする必要があります。
トレース ログ ファイルを設定する
ステップ 1 Cisco Unity Connection Serviceability で、 [Trace] >[Configuration] をクリックします。
[Trace Configuration]ページが表示されます。
ステップ 2 [Server]ドロップダウン ボックスで、該当する Connection サーバまたは Cisco Unified CMBE サーバをクリックし、 [Go] をクリックします。
ステップ 3 [Component]ドロップダウン ボックスから、トレース ログ ファイルを設定するコンポーネントを選択し、 [Go] をクリックします。
(注) ドロップダウン ボックスにすべてのコンポーネント(アクティブおよび非アクティブ)が表示されます。
ステップ 4 [Maximum No. of Files]フィールドに、このコンポーネントに対して作成するトレース ログ ファイルの最大数を入力します。
ステップ 5 [Maximum File Size]フィールドに、このコンポーネントに対して作成するトレース ログ ファイルのサイズの上限(メガバイト単位)を入力します。
ステップ 6 デフォルト設定に戻す場合は、 [Set Default] をクリックします。それ以外の場合は、次のステップに進みます。
ステップ 7 [Save] をクリックします。
ステップ 8 このコンポーネントの古いトレース ログ ファイルを新しいトレース ログ ファイルに替えたい場合は、 [Restart Log Files] をクリックします。
マイクロ トレースの有効化
マイクロ トレースは、特定の Cisco Unity Connection コンポーネントの問題をトラブルシューティングする場合に有効にします。たとえば、Real-Time Monitoring Tool(RTMT)の Alert Central ツールでエラーが発生した場合は、Notifier トレースを有効にします。ただし、トレースを実行すると、システム パフォーマンスとハード ディスク スペースに影響を及ぼす可能性があることに留意してください。
(注) マイクロ トレースを有効にすると、システムのパフォーマンスが低下します。トレースを有効にするのは、トラブルシューティングの場合だけです。
マイクロ トレースを有効にする
ステップ 1 Cisco Unity Connection Serviceability で、 [Trace] >[Micro Traces] を選択します。
[Micro Traces]ページが表示されます。
ステップ 2 [Server]ドロップダウン ボックスで、該当する Connection サーバまたは Cisco Unified CMBE サーバをクリックし、 [Go] をクリックします。
ステップ 3 [Micro Trace]ドロップダウン ボックスで、有効にするマイクロ トレースをクリックし、 [Go] をクリックします。
ステップ 4 [Micro-Trace Levels]の下で、有効にするマイクロ トレース レベルのチェックボックスをオンにします。
ステップ 5 [Save] をクリックします。
ヒント Connection の問題をトラブルシューティングするには、Cisco Unity Connection Serviceability および Cisco Unified Serviceability でトレースを有効にする必要がある場合もあります。Connection コンポーネントをトラブルシューティングするには、Cisco Unity Connection Serviceability でトレースを有効にします。同様に、Cisco Unified Serviceability でサポートされているサービスをトラブルシューティングするには、Cisco Unified Serviceability でトレースを有効にします。Cisco Unified Serviceability でトレースを有効にする方法については、『Cisco Unified Serviceability アドミニストレーション ガイド』を参照してください。
使用可能なマイクロ トレース
表3-1 で、使用可能なマイクロ トレースのリストを示し、それぞれのマイクロ トレースの分析内容を説明します。
表3-1 マイクロ トレース
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Arbiter |
コールに使用されるカンバセーション、ポート、およびコール ルーティング ルール |
AudioStore |
Media Master を使用してオーディオ ストリームを再生または録音する Web ベースのアプリケーションによって使用されるオーディオ録音サービス |
AxlAccess |
電話関連のプロパティを取得および設定するための AXL サーバとの対話 |
BulkAdministrationTool |
複数のユーザまたはシステム連絡先の作成、更新、および削除に使用される Bulk Administration Tool |
CCL |
カレンダー機能に関する会議情報の取得 |
CDE |
カンバセーション エンジンおよびカンバセーション イベント |
CDL |
データベースからの情報の取得 |
CML |
Cisco Unity Connection メッセージ ストアからのメッセージの取得。テキスト/スピーチ機能を使用して電子メール メッセージを読み取るための Exchange サーバからのメッセージの取得(IMAP を使用)。 |
CiscoPCA |
Cisco Personal Communications Assistant(Cisco PCA) |
Common |
Cisco Unity Connection サービスによって共有されるコンポーネント用の低レベル アクティビティ |
ConfigData |
データベース内で更新された設定データの検出 |
ConvRoutingRules |
Arbiter によるコールの転送先となるカンバセーション |
ConvSub |
ユーザ アクティビティおよび使用状況 |
CsLicense |
ライセンスの処理に関連する機能 |
CsMalUmss |
CML、Notifier、および IMAP サーバによるメッセージ ストアへのアクセス |
CsWebDav |
Exchange に関連するカレンダー アクティビティ |
CuCcmSynchronizationTasks |
Cisco Unified CM からのユーザ データの同期化 |
CuCmDbEventListener |
Cisco Unified CM データベースに対する変更の検出 |
CuCsMgr |
Cisco Unity Connection の主要プロセス。Connection の起動と停止。 |
CuDbProxy |
Cisco Unity Connection クラスタ用のデータベース レプリケーション |
CuESD |
Cisco Unity Connection の外部サービス診断ツールのアクティビティ |
CuEncrypt |
暗号化(メッセージングを除く)と暗号化監査ログ |
CuFileSync |
Cisco Unity Connection クラスタ用のファイル レプリケーション |
CuGal |
Exchange からのカレンダーおよび連絡先情報の取得 |
CuImapSvr |
IMAP クライアントによるボイス メッセージへのアクセス |
CuReplicator |
デジタル ネットワーク用のレプリケーション
(注) Debug Traces および Debug Statistics のマイクロ トレース レベルでは大量のログ エントリが生成される場合があるので、これらのマイクロ トレース レベルを有効にする期間は 1 時間以内にすることをお勧めします。
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CuService |
Cisco Unity Connection Serviceability のアクティビティ |
CuSnmpAgt |
Cisco Unity Connection SNMP サブエージェントのアクティビティ |
Cuca |
Cisco Unity Connection の管理のアクティビティ |
DataSysAgentTasks |
Data SysAgent タスク |
DbEvent |
データベース変更のコンポーネント通知 |
FailureConv |
システム エラーが発生した場合の失敗カンバセーションのアクティベーション |
LicenseClient |
ライセンス管理に関連する機能 |
Logger |
トレース、ログ、およびイベントの書き込み |
MTA |
メッセージ ストアへのボイス メッセージの送信 |
MediaMasterControl |
クライアント ワークステーションでの Media Master |
MediaMasterUMS |
Media Master と AudioStore の間でストリーム オーディオ録音を処理する UMS サービス |
MediaMasterWeb |
Media Master を持つ Web ベースのアプリケーションで使用される Web ページ レンダリング モジュール |
MessageEventService |
メッセージの到着または削除の検出 |
MiuAdm |
ボイス メッセージ ポートのテストおよび証明書の生成に関連する Cisco Unity Connection の管理内の機能 |
MiuCall |
Miu とカンバセーションの間のプロセス |
MiuDatatbase |
データベースへのアクセスに関連するメディア アクティビティ |
MiuGeneral |
電話ユーザ インターフェイス(TUI)によるコールのトラッキング、コール コントロール機能、メッセージ ウェイティング インジケータ(MWI)のオンとオフの切り替え、通知機能とアウトダイヤル機能、基本メディアまたは WAV ファイル使用量 |
MiuIO |
TAPI(回線交換または Cisco Unified CallManager)連動でのメディアまたは WAV ファイルの使用量 |
MiuMethods |
着信コールの受け渡し、コール コントロール、メッセージ ウェイティング インジケータ(MWI)のオンとオフの切り替え、通知機能とアウトダイヤル機能、メディアまたは WAV ファイル使用量 |
MiuSIP |
SIP コール コントロール |
MiuSIPStack |
コール コントロールのための低レベル SIP 対話 |
MiuSkinny |
SCCP コール コントロール |
MiuTranscode |
トランスコーディングに関連する低レベル メディア機能 |
Mixer |
メディアおよびテキスト/スピーチ機能に関連する低レベル アクティビティ |
Monitor |
コール中のボイス メッセージ ポートおよびコール処理のステータスの監視。Real-Time Monitoring Tool にポート ステータスを表示するためのサーバ側の機能。 |
Notifier |
メッセージおよび選択されたイベントの通知、メッセージ ウェイティング インジケータ(MWI)のオンとオフの切り替え |
PCAMeetingPlace |
カレンダー機能用の MeetingPlace に関連する Cisco Personal Communications Assistant のアクティビティ |
PCAUnifiedCM |
Cisco Unified Communications Manager 連動に関連する Cisco Personal Communications Assistant のアクティビティ |
PerfMonitor |
Cisco Unity Connection が使用するパフォーマンス モニタ システム オブジェクトのアクティビティ |
PhoneManager |
IP Phone アプリケーションの管理 |
PhraseServer |
再生するプロンプトおよびユーザ DTMF 入力。ログはファイルに書き込まれます。 |
PhraseServerToMonitor |
再生するプロンプトおよびユーザ DTMF 入力。ログはモニタに書き込まれます。 |
RSS |
RSS クライアントからのボイスメールの確認に使用される RSS フィード |
ReportDataHarvester |
レポート データベース内のエントリに対するデータ ログ ファイル内の内容のカンバセーション |
ResourceLoader |
GUI での選択された言語の使用、製品またはメッセージ情報でのストリングの埋め込み |
ResourceManager |
使用可能なリソースを監視し、必要に応じて Arbiter に提供 |
RoutingRules |
コール ルーティングの決定 |
RulesEngine |
コール中にサブスクライバのパーソナル着信転送ルールを評価 |
SMTP |
SMTP 機能 |
SRM |
クラスタ管理に関連する機能 |
Scheduler |
現在アクティブな Cisco Unity Connection スケジュール(通常の業務時間内または業務時間外)または休日 |
SocketPoolHelper |
IMAP サーバへのソケット接続 |
SslInit |
OpenSSL を使用するコンポーネントの初期化手順 |
SysAgent |
管理者が入力するシステム タスク(MWI の再同期化など)をスケジュールするシステム エージェント コンポーネント |
TRaP |
クライアントが電話機を録音および再生デバイスとして使用できるようにする Telephone Record and Playback(TRaP; 電話での録音と再生) |
TaskRequest |
タスク管理ツールに関連する機能 |
TextToSpeech |
テキスト/スピーチ機能のアクティビティ |
ThreadPool |
プロセッサによるスレッドの使用 |
TimerHelper |
Conversation Manager コンポーネントが使用するタイマー |
TranscodeWeb |
着信オーディオ ストリームを、Cisco Unity Connection が使用するオーディオ形式に変換する Web サーバ オーディオ形式変換ユーティリティ |
UmssSysAgentTasks |
システム エージェント コンポーネントのメッセージ タスク |
UnityAssistant |
Cisco Personal Communications Assistant での Cisco Unity Assistant Web ツールのアクティビティ |
UnityInbox |
Cisco Personal Communications Assistant での Cisco Unity Inbox Web ツールのアクティビティ |
UnityPCTR |
Cisco Personal Communications Assistant での Cisco Unity パーソナル着信転送ルール Web ツールのアクティビティ |
VUI |
ボイス ユーザ インターフェイス |
VirtualQueue |
コール キューイング |
マクロ トレースの有効化
マクロ トレースは、特定の Cisco Unity Connection コンポーネントの問題をトラブルシューティングする場合に有効にします。たとえば、MWI に問題が発生した場合は、Traces for MWI Problems マクロ トレースを有効にします。ただし、トレースを実行すると、システム パフォーマンスとハード ディスク スペースに影響を及ぼす可能性があることに留意してください。
(注) マクロ トレースを有効にすると、システムのパフォーマンスが低下します。トレースを有効にするのは、トラブルシューティングの場合だけです。
マクロ トレースを有効にする
ステップ 1 Cisco Unity Connection Serviceability で、 [Trace] >[Macro Traces] をクリックします。
[Macro Traces]ページが表示されます。
ステップ 2 [Server]ドロップダウン ボックスで、該当する Connection サーバまたは Cisco Unified CMBE サーバをクリックし、 [Go] をクリックします。
ステップ 3 有効にするマクロ トレースのチェックボックスをオンにします。
ステップ 4 マクロ トレースを展開し、有効にするレベルのチェックボックスをオンにします。
ステップ 5 [Save] をクリックします。
ヒント Connection の問題をトラブルシューティングするには、Cisco Unity Connection Serviceability および Cisco Unified Serviceability でトレースを有効にする必要がある場合もあります。Connection コンポーネントをトラブルシューティングするには、Cisco Unity Connection Serviceability でトレースを有効にします。同様に、Cisco Unified Serviceability でサポートされているサービスをトラブルシューティングするには、Cisco Unified Serviceability でトレースを有効にします。Cisco Unified Serviceability でトレースを有効にする方法については、『Cisco Unified Serviceability アドミニストレーション ガイド』を参照してください。
使用可能なマクロ トレース
表3-2 で、使用可能なマクロ トレースのリストを示し、それぞれのマクロ トレースの分析内容を説明します。
表3-2 マクロ トレース
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Call Flow Diagnostics |
Cisco Unity Connection を通じてのコールのフロー |
Message Objectid Tracking Traces |
メッセージ処理。送信から削除までメッセージを処理するオブジェクト。 |
Call Control (Miu) Traces |
コール コントロール機能 |
Traces for MWI Problems |
メッセージ ウェイティング インジケータ(MWI)のオンとオフの切り替え |
Traces for Other Notification Problems |
通知機能とアウトダイヤル機能 |
Unity Startup |
Cisco Unity Connection 起動機能 |
Conversation Traces |
カンバセーションの使用状況 |
Voice User Interface/Speech Recognition Traces |
ボイス ユーザ インターフェイス(VUI) |
Media (Wave) Traces |
メディアおよび WAV ファイル使用量 |
Text to Speech (TTS) Traces |
テキスト/スピーチ(TTS)機能。TTS と対話する別の Cisco Unity Connection コンポーネントにトレースを記録することもできます。 |
Connection Serviceability Web Service |
Cisco Unified Serviceability のアクティビティ |
ViewMail for Outlook |
Cisco Unity Connection ViewMail for Microsoft Outlook クライアントのアクティビティ |
Digital Networking |
デジタル ネットワーク機能 |