PfR EIGRP mGRE DMVPN ハブアンドスポーク サポート機能により、PfR で EIGRP ルートを制御できるようになっています。 この機能がイネーブルの場合、既存の BGP およびスタティック ルート データベースのほか、EIGRP データベースで、PfR プレフィックスおよびルートを制御する親ルート チェックが実行されます。
PfR では、プレフィックスのパスの最適化だけが行われます。ルーティング プロトコルには完全一致ルートと、それよりも一致度が低いルート(親ルートとも呼ばれます)があります。 PfR によって制御されるのは、親ルートと完全一致するルートまたは一致度が高いルートです。 たとえば、PfR で 10.1.1.0/24 を制御するとき、EIGRP ルーティング テーブルに存在するルートが 10.1.0.0/16 だけの場合、親ルートは 10.1.0.0/16 となり、PfR は 10.1.1.0/24 を EIGRP ルーティング テーブルに追加します。
完全一致の親ルートが EIGRP ルーティング テーブルで見つかった場合、PfR はメトリックに影響を与え、マスター コントローラが選択した出口にルートを設定しようとします。 完全一致の親ルートが見つからなかった場合、PfR は親の属性に一致する新しいルートを EIGRP テーブルに追加します。 そのルートが EIGRP テーブルに正常に設定されると、PfR はその EIGRP の親を保存し、親ルートへの更新をすべて登録します。 親ルートが削除されると、PfR はこの親ルートに基づいて EIGRP テーブルに追加したすべてのルートを制御しなくなります。
PfR は、制御しているプレフィックスのトラフィック パフォーマンスを、NetFlow を使用してパッシブに、または IP SLA プローブを使用してアクティブに監視します。 遅延、損失、到達可能性などのパフォーマンス統計情報が収集され、プレフィックスに設定された一連のポリシーと比較されます。 トラフィックのパフォーマンスがポリシーに従っていない場合、そのプレフィックスはポリシー違反(OOP)と呼ばれます。 プレフィックスが OOP の状態になった場合、PfR は代替パスを検索します。
BGP とスタティック ルートの両方の制御がデフォルトでイネーブルになっている場合は、EIGRP ルート制御を設定する必要があります。 PfR は常に、最初に BGP を使用してプレフィックスを制御しようとします。 BGP ルート制御が失敗すると、スタティック ルート制御が試行されます。 EIGRP ルート制御がイネーブルな場合、PfR は最初に BGP を使用してプレフィックスを制御しようとします。 親ルートが見つからない場合、EIGRP ルート制御が試行されます。 EIGRP ルート制御が失敗すると、スタティック ルート制御が試行されます。
プレフィックスの代替パスを検索するため、PfR は境界ルータにあるすべての外部インターフェイスから送信先プレフィックス ネットワークの一連のホストに、アクティブ プローブを送信します。 外部インターフェイスでアクティブ プローブが送信される前に、ルーティング プロトコル テーブルで親ルートが検索されます。 PfR EIGRP mGRE DMVPN ハブアンドスポーク サポート機能がイネーブルの場合、PfR は BGP およびスタティック ルーティング テーブルのほか、EIGRP ルーティング テーブルでも、親ルートをチェックしてから外部インターフェイスでアクティブ プローブを送信します。 EIGRP ルーティング テーブルに親ルートを持つすべての外部インターフェイスで、アクティブ プローブが開始されます。 プローブのアクティビティが完了してタイマーの期限が切れると、境界ルータからマスター コントローラへ統計情報が送信され、ポリシーの決定と最適な出口の選択が行われます。
出口が選択されると、その出口を持った境界ルータにプレフィックス制御コマンドが送信され、ルートのインストールまたは変更用プロトコルとして EIGRP が指定されます。 境界ルータはコマンドを受信すると、EIGRP テーブルをチェックして親ルートを検索します。 親ルートが見つかった場合は、PfR が EIGRP テーブルでルートをインストールまたは変更し、ルート制御の状態をマスター コントローラに通知します。
EIGRP ルートが正常にインストールされてドメインにアドバタイズされた場合、PfR はこのプレフィックスのトラフィック パフォーマンスを引き続き監視し、プレフィックスが OOP になった場合は前述したアクションを実行します。
PfR 制御モードの詳細と、BGP、スタティック ルート、ポリシーベース ルーティング、Protocol Independent Route Optimization(PIRO)などのその他の PfR 出口リンクの選択制御の詳細については、「パフォーマンス ルーティングの理解」モジュールおよび「パフォーマンス ルーティング:Protocol Independent Route Optimization(PIRO)」モジュールを参照してください。