MLPP について
Multilevel Precedence and Preemption(MLPP)サービスでは、検証済みのユーザが優先順位の高いコールを発信でき、必要に応じて優先順位の低いコールをプリエンプション処理できます。優先順位は、コールのプライオリティ レベルを示します。プリエンプションは、優先順位の高いコールを処理できるように、優先順位の低いコールを終了するプロセスです。この機能により、国家の非常事態やネットワークの機能低下など、ネットワークに負荷がかかっている場合に、優先順位の高いユーザが重要な組織や担当者への通信を確実に行うことができます。
Cisco Unified CME で MLPP サービスを設定するには、次の概念を理解しておく必要があります。
• 「優先順位」
• 「基本優先コール セットアップ」
• 「プリエンプション」
• 「基本プリエンプション コール」
• 「DSN ダイヤル形式」
• 「MLPP サービス ドメイン」
• 「MLPP 表示」
• 「MLPP アナウンス」
• 「自動コール転送(アテンダント コンソール)」
優先順位
優先順位は、MLPP コールに関連付けられたプライオリティ レベルを示します。電話機ユーザは、コールするときに優先順位レベルを適用できます。
Cisco Unified CME で MLPP アクセス番号を定義し、個々の電話機に最高の優先順位レベルを割り当てます。電話機ユーザは、アクセス コード NP をダイヤルすることによって、優先コールを要求します。ここで、N は事前に設定されたアクセス番号を指定し、P は要求された優先順位レベル、それに続いて電話番号を指定します。
表 110 に、Defense Switched Network(DSN)ドメイン内で MLPP コールに関連付けることができる優先順位レベルを示します。
表 110 DSN の優先順位レベル
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|
0(高) |
フラッシュ オーバーライド |
1 |
フラッシュ |
2 |
緊急 |
3 |
プライオリティ |
4(低) |
ルーチン |
表 111 に、Defense Red Switched Network(DRSN)ドメイン内で MLPP コールに関連付けることができる優先順位レベルを示します。
表 111 DRSN の優先順位レベル
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|
0(高) |
フラッシュ オーバーライド オーバーライド |
1 |
フラッシュ オーバーライド |
2 |
フラッシュ |
3 |
緊急 |
4 |
プライオリティ |
5(低) |
ルーチン |
優先コールとは、優先レベルがルーチンよりも高いコールのことです。優先順位が特に指定されない場合、システムは通常のコール処理およびコール自動転送を使用してコールを処理します。
緊急の 911 コールは自動的に優先順位レベル 0 に割り当てられます。
優先コールの発信元と宛先のいずれかで MLPP の表示がイネーブルになっている場合、Cisco Unified CME はそれぞれの優先順位を表示します。発信元に対しては、この表示に優先順位リングバック トーンおよびコールの優先順位レベルの表示(デバイスで表示がサポートされる場合)が含まれます。宛先に対しては、この表示に優先呼び出し音およびコールの優先順位レベルの表示(デバイスで表示がサポートされる場合)が含まれます。
基本優先コール セットアップ
優先コールのセットアップ中は、次の順序でイベントが発生します。
1. 電話機ユーザがオフ フック状態で優先コールをダイヤルします。ダイヤル パターンは NP-xxxx です。ここで、N は優先順位アクセス番号、P はコールの優先順位レベル、xxx は着信側の内線番号または電話番号です。
2. 発信側がコールの処理中に、優先順位リングバック トーンと優先順位表示を受信します。
3. 着信側が優先呼び出し音と、優先コールを示す優先順位表示を受信します。
例
通話者 1000 は通話者 1001 に優先コールをかけます。それには、通話者 1000 は 80-1001 のような優先コールのパターンをダイヤルします。
コールの処理中、発信側(1000)は Cisco Unified IP Phone で優先順位リングバック トーンと優先順位表示を受信します。優先コールの確認応答後に、着信側(1001)は Cisco Unified IP Phone で優先呼び出し音と優先順位表示を受信します。
プリエンプション
プリエンプションは、優先順位の高いアクティブ コールを処理できるように、優先順位の低いコールを終了するプロセスです。プリエンプションには、プリエンプション処理されるユーザの通知と確認応答、プリエンプションの直後とコール終了前の共有リソースの予約が含まれています。プリエンプションは、次のいずれかの形式にすることができます。
• ユーザ アクセスのプリエンプション:このタイプのプリエンプションは、電話機やその他のエンドユーザ向けデバイスに適用されます。着信側が優先順位の低いコールでビジー状態の場合、着信側と接続先の両方がプリエンプションの通知を受信し、既存のコールがただちにクリアされます。
Cisco Unified IP Phone へのコールの場合、着信側はただちにコールを終了して新しい優先順位の高いコールに接続するか、または着信側がコールを終了しなかった場合、Cisco Unified CME は、設定されたプリエンプション トーン タイマーの期限が切れた後に電話機を強制的にオンフック状態にして、通話を接続します。
FXS ポートの場合、着信側は新しい優先の高いコールに接続する前にオンフック状態にすることによって、プリエンプションを確認する必要があります。
• 共通ネットワーク ファシリティ プリエンプション:このタイプのプリエンプションは、トランクに適用されます。PRI トランクのすべてのチャネルが優先順位の低いコールでビジー状態の場合、優先順位の高いコールを完了するために、優先順位の低いコールがプリエンプション処理されます。
Cisco Unified CME は、最初に(ダイヤルピア内の着信側番号との一致に基づいて)該当するすべてのトランク上のアイドル チャネルを検索し、トランクを選択します。
アイドル チャネルが見つからない場合、Cisco Unified CME はアイドル チャネルに対して一度に 1 つのトランクを検索することによって、プリエンプティブ検索を実行します。トランクに使用可能なアイドル チャネルがない場合、トランクに対応する優先順位の最も低いコールに対してプリエンプションが実行されます。トランクに対応する優先順位の低いコールが存在しない場合、次のトランクが順に検索されます。
SCCP 電話はディレクトリ番号ごとに最大 8 つのコールをサポートします。すべての回線がビジー状態で、より優先順位の高い MLPP コールが着信した場合、Cisco Unified CME はディレクトリ番号のいずれかのチャネルで優先順位の低いコールをプリエンプション処理します。
特定の電話機から発信された MLPP コールにユーザが割り当てることができる最大の優先順位レベルは、ephone テンプレートを使用して設定され、電話機ごとに適用されます。SCCP 電話と共有されるディレクトリ番号からのコールには、電話機の優先順位レベルに基づいて、複数の最高優先順位レベルを設定できます。
基本プリエンプション コール
図 61 に、ユーザ アクセス プリエンプションの例を示します。
図 61 ユーザ アクセス プリエンプションの例
この例では、次の一連のイベントが発生します。
1. ユーザ 1000 は優先順位レベル 1(フラッシュ)のコールをユーザ 1001 に対して発信し、ユーザ 1001 に対してプリエンプションがイネーブルになります。この例では、ユーザ 1000 が 81-1001 をダイヤルし、優先コールを発信します。
2. ユーザ 1002 は 80-1001 をダイヤルして、ユーザ 1001 に対して優先コールを発信します。このコールは優先順位レベルが 0(フラッシュ オーバーライド)で、アクティブ優先コールよりも優先順位の高いコールです。
3. 電話機 1002 は優先順位表示(フラッシュ オーバーライド表示)を受信し、既存の優先順位の低いコールが含まれる両方の電話機でプリエンプション トーンが再生されます(ユーザ 1000 および 1001)。
4. プリエンプションを完了するには、優先順位の低いコールに含まれる通話者がコールを終了します(ユーザ 1000 および 1001)。
5. 優先順位の高いコールは、優先呼び出し音を受信するユーザ 1001 に発信されます(MLPP 表示がイネーブルになっている場合)。発信側のユーザ 1002 は、優先順位リングバックを受信します。
DSN ダイヤル形式
表 112 に概要を示すように、Cisco Unified CME 8.0 以降のリリースでは、DSN ダイヤル形式が完全にサポートされます。
表 112 DSN ダイヤル形式
[Access-digit {Precedence-level | Service-digit}] |
[Route-code] |
[Area-code] |
Switch-code |
Line-number |
[N {P | S}] |
[1X] |
[KXX] |
KXX |
XXXX |
N は 2 ~ 9 |
P は 0 ~ 4 |
S は 5 ~ 9 |
X は 0 ~ 9 |
K は 2 ~ 8 |
サービス番号
サービス番号は、政府または公衆電話のサービスまたはネットワークへコールの接続に関する情報をスイッチに提供します。ダイヤルされた番号に基づいて選択されるトランクまたはサービスによって、サービスに到達します。電話機ユーザは、アクセス コード NS をダイヤルすることによって、サービスを要求します。ここで、N は事前に設定されたアクセス番号を指定し、S は要求されたサービス、それに続いて電話番号を指定します。
表 113 に、Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでサポートされるサービス番号を示します。
表 113 サービス番号
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5 |
オフネット 700 サービス |
6 |
割り当てなし |
7 |
DSN CONUS FTS |
8 |
割り当てなし |
9 |
ローカル PSTN |
Cisco Unified CME では、2 次ダイヤル トーンを再生するようにルート パターンが設定され、残りの番号が収集されて発信側番号として PSTN トランクに渡されます。アクセス番号およびサービス番号に続く番号は、NANP に準拠しています(E.164 番号)。
Cisco Unified CME では、2 桁の番号の後に 2 次ダイヤル トーンを再生してから、収集された残りの番号に基づいてコールがルーティングされます(ダイヤル プランの設定を使用します)。これらのサービスには、ダイヤルされた番号(ルート番号の後にダイヤルされる)に基づいて選択されたトランク(またはルート)を通じて到達すると見なされます。
ルート コード
ルート コードでは、電話機ユーザがスイッチに特別なルーティングまたは終了の要件を通知できます。ルート コードは、コールが回線交換されたデータまたは音声グレード トランキングを使用するかどうかを判断し、エコー サプレッサおよびエコー キャンセラをディセーブルにするために使用でき、衛星リンク コントロールをオーバーライドします。
ルート コードの最初の番号は 1 です。これはダイヤル プランでスイッチに次の番号であるルート番号を通知するために必要な部分であり、ネットワークに対して特別なルーティングのための指示を行います。電話機ユーザは 1X の形式でルート コードをダイヤルします。X はルート番号です。ユーザがダイヤルできるようにサポートされるルート番号は 0 と 1 です。
表 114 に、Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでサポートされるルート コードを示します。
表 114 ルート コード
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10 |
音声コール(デフォルト) |
G.711、G.729、または FAX あるいはモデムのパススルーなど、音声または音声帯域データを伝送するコーデック。 |
11 |
回線交換されたデータ |
変更なしの DS0 トラフィックを IP を介して伝送するコーデック(回線エミュレーション)。Cisco Unified CME では、audio/clearmode コーデックです(RFC-4040)。 |
ダイヤルの例
ユーザがダイヤルする最初の番号が、設定されたアクセス番号になっている場合は、次の番号が優先順位番号またはサービス番号のいずれかになるアクセス コードであることが示されます。次にダイヤルされる番号は、次のようになります。
• 0 ~4:優先コールです。Cisco Unified CME は優先順位表示を設定し、優先順位の値を保存し、番号を破棄します。
• 5 ~ 9:特定のサービスへのコールです。Cisco Unified CME はコールを指定されたトランクに渡し、番号を破棄し、2 次ダイヤル トーンを再生します。
ユーザが最初にダイヤルする番号またはアクセス コードの次にダイヤルする番号は、次のようになります。
• 1:これはルート コードであり、次の番号はルート番号です。ユーザがダイヤルできるようにサポートされるルート番号は 0 と 1 です。Cisco Unified CME は、後でルート選択に使用できるようにルート コードを保存し、トランクタイプの表示を設定し、ルート コード番号を破棄します。
ユーザが最初にダイヤルする番号、またはアクセス コードあるいはルート コードの次にダイヤルする番号は、次のようになります。
• 2 ~ 8:エリア コードまたはスイッチ コードの最初の番号です。DSN のエリア コードおよびスイッチ コードは、重複しないように割り当てられます。エリア コード/スイッチ コードはルートの選択に使用されます。
MLPP サービス ドメイン
Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでは、MLPP サービス ドメインがサポートされます。サービス ドメインは MLPP サブスクライバのグループおよびネットワーク リソースで構成されます。コールおよびリソースをプリエンプション処理できるのは、同じドメイン内の MLPP サブスクライバからのプライオリティの高いコールだけです。
DSN や DRSN のようなドメイン タイプ、およびドメイン識別子で各デバイスを設定できます。グローバル MLPP ドメイン タイプおよび識別子を Cisco Unified CME ルータに割り当て、さまざまなサービス ドメインを ephone テンプレートによって Cisco Unified CME に登録された個々の電話機に割り当てることができます。特定のサービス ドメインが設定されていない電話機からのコールでは、グローバル ドメイン タイプおよび識別子が使用されます。
MLPP 優先順位およびプリエンプションは、同じドメイン内だけで適用されます。プリエンプション処理できるのは、同じドメイン内のコールだけです。MLPP サービス ドメインが異なる 2 人の加入者間でコールが発信される場合、Cisco Unified CME はコールの発信側のサービス ドメインを割り当てます。
図 62 に、識別番号が異なるドメイン間において試行されたプリエンプションの例を示します。
図 62 識別子が異なるサービス ドメイン
図 62 に示す例では、次の順序でイベントが発生します。
1. サービス ドメイン 0100 からユーザ 1000 が優先順位レベル 1(フラッシュ)のコールを、サービス ドメイン 0200 のユーザ 1001 に発信します。コールは、ドメイン番号 0100 に割り当てられます。これは、コールの発信者のサービス ドメインであるためです。
2. ユーザ 1002 はドメイン番号 0200 から、ユーザ 1001 に対して優先コールを発信します。このコールは優先順位レベルが 0(フラッシュ オーバーライド)で、アクティブ優先コールよりも優先順位の高いコールです。
3. 着信コールがアクティブ コールとは別のサービス ドメインから発信されたため、アクティブ コールはプリエンプション処理されません。ドメイン 0200 からのコールは、ドメイン 0100 からのコールをプリエンプション処理できません。
図 63 に示す例では、着信コールがアクティブ コールとは別のドメイン タイプから発信されたため、アクティブ コールはプリエンプション処理されません。DSN からのコールは、DRSN からのコールをプリエンプション処理できません。
図 63 ドメイン タイプが異なるサービス ドメイン
図 64 に示す例では、着信コールのドメイン タイプおよび識別子がアクティブ コールと同じであるため、アクティブ コールが正常にプリエンプション処理されます。
図 64 タイプと識別子が同じサービス ドメイン
MLPP 表示
MLPP 表示がイネーブルになっている基本 MLPP コールの場合、Cisco Unified CME は SCCP 電話機に対して優先呼び出し音を再生し、優先順位レベルを表示するように指示します。
プリエンプションが含まれ、MLPP 表示がイネーブルになっている基本 MLPP コールの場合、Cisco Unified CME は発信者と宛先の両方の電話機に対してプリエンプション トーンを再生し、MLPP コールの優先順位レベルを表示するように指示します。
コール待機のある MLPP コールの場合、MLPP 表示がイネーブルになっていると、Cisco Unified CME は SCCP 電話機に対して、通常のコール待機トーンではなく、優先コール待機音を再生するように指示します。
ユーザが自分の電話機で許可されている最高の優先順位レベルよりも優先順位レベルの高いコールを発信しようとすると、エラー トーンが再生されます。
たとえば、ユーザ 1002 が 80 をダイヤルして優先コールを開始するとします。8 は優先順位アクセス番号を表し、0 はユーザが使用しようとしている優先順位レベルを表します。このユーザがレベル 0(フラッシュ オーバーライド)の優先コールを発信することを許可されていない場合、エラー トーンが再生されます。
MLPP アナウンス
MLPP コールを発信できないユーザには、コールが正常に発信できなかった理由を説明するアナウンスが再生されます。表 115 に、サポートされている MLPP アナウンスを示します。
表 115 MLPP アナウンス
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(スイッチ名と場所)。同等以上の優先順位のコールが行われているため、コールを完了できません。(Equal or higher precedence calls have prevented completion of your call.) 電話を切り、もう一度かけ直してください。(Please hang up and try again.) これは録音です。(This is a recording.) (スイッチ名と場所)。 |
優先順位が同じか高いコールが処理されます。 |
優先コールの宛先側がオフ フック状態であるか、宛先側が同じ優先順位か優先順位の高い優先コールでビジー状態である場合、ユーザに対して BPA が再生されます。 宛先側で [コール待機(Call Waiting)] または [コール転送(Call Forward)] が設定されているか、またはアテンダント コンソール サービスへの自動コール転送を使用している場合、BPA は再生されません。 Cisco Unified CME 7.1 以降のバージョンでサポートされています。 |
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(スイッチ名と場所)。ダイヤルした番号は通話中で、コール待機またはプリエンプションに対応していません。(The number you have dialed is busy and not equipped for call waiting or preemption.) 電話を切り、もう一度かけ直してください。(Please hang up and try again.) これは録音です。(This is a recording.) (スイッチ名と場所)。 |
プリエンプションに対応していないビジー状態のステーションです。 |
ダイヤルした番号がビジー状態で、プリエンプション処理できない場合、ユーザに対して BNEA が再生されます。 ダイヤルされた番号に [コール待機(Call Waiting)] または [コール転送(Call Forward)] が設定されている場合、または代替通話者が指定されている場合、BNEA は再生されません。 Cisco Unified CME 7.1 以降のバージョンでサポートされています。 |
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(スイッチ名と場所)。サービスが中断されたため、コールを完了できません。(A service disruption has prevented the completion of your call.) 30 分待ってから、もう一度試してください。(Please wait 30 minutes and try again.) 緊急の場合は、オペレータに電話してください。(In case of emergency call your operator.) これは録音です。(This is a recording.) (スイッチ名と場所)。 |
動作または機器の問題が発生しました。 |
すべてのルートが含まれる完全なトランク グループは、回線の一端またはすべてのルートが含まれるトランク グループ全体が通信事業者グループのアラーム状態(たとえば、信号消失、リモート アラーム表示、アラーム表示信号など)になると、手動でビジー状態になります。 Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでサポートされています。 |
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-- |
コールが DSN から発信されます。 |
コールがトランク上の Cisco Unified CME ルータから発信されるか、またはユーザが別のドメインへのコールを発信すると、LOC2 アナウンスが再生されます。 たとえば、オフネット終了を許可する場所へのコールを発信する DSN 発信者には、DSN から発信されたことを通知するアナウンスが再生される場合があります。 Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでサポートされています。 |
許可されていない優先順位レベルアナウンス(UPA)
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(スイッチ名と場所)。使用した優先順位は、回線で許可されていません。(The precedence used is not authorized for your line.) 許可された優先順位を使用するか、担当者にお問い合わせください。(Please use an authorized precedence or ask your attendant for assistance.) これは録音です。(This is a recording.) (スイッチ名と場所)。 |
許可されていない優先順位レベルが試行されました。 |
ユーザが自分の回線で許可されている最高の優先順位レベルよりも高い優先順位レベルを使用して優先コールを発信しようとすると、UPA が再生されます。 Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでサポートされています。 |
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(スイッチ名と場所)。ダイヤルしたコールを完了できません。(Your call cannot be completed as dialed.) ディレクトリを調べてかけ直すか、オペレータに連絡してください。(Please consult your directory and call again or ask your operator for assistance.) これは録音です。(This is a recording.) (スイッチ名と場所)。 |
そのようなサービスは提供されていないか、またはコードが無効です。 |
ユーザが無効な番号または割り当てられていない番号をダイヤルすると、VCA が再生されます。 Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでサポートされています。 |
自動コール転送(アテンダント コンソール)
Cisco Unified CME は、選択した期間の経過後に、応答のないすべてのルーチン以上の優先コールを、指定されたディレクトリ番号またはアテンダント コンソールへ自動転送する機能がサポートされています。
MLPP コールの自動コール転送が Cisco Unified CME で設定されている場合、電話機で着信する優先順位がルーチン以上のすべての優先コールのコール転送設定がオーバーライドされ、これらのコールが MLPP コンフィギュレーションで指定されたアテンダント コンソール アプリケーションに転送されます。Cisco Unified CME は優先順位レベルがルーチンの MLPP コールを通常のコールとして扱い、電話機で設定されたコール自動転送設定に従います。
Cisco Unified CME が転送された MLPP コールをどのように処理するかは、次のコール自動転送オプションによって異なります。
• すべてのコールの転送(CFA):優先コールがただちにアテンダント コンソールの宛先番号にルーティングされます。CFA の宛先は MLPP コールに使用されません。
• 話中のコール転送(CFB):優先コールが設定された CFB の宛先に転送されます。CFB の宛先がボイスメールまたはオフネット エンドポイントの場合、コールはアテンダント コンソール サービスの宛先番号に転送されます。
• 応答なしのコール転送(CFNA):優先コールが設定された CFNA の宛先に転送されます。CFNA タイマーが期限切れになる前に CFNA の宛先が応答しないか、ボイスメールまたはオフネット エンドポイントである場合、コールはアテンダント コンソール サービスの宛先番号に転送されます。
アテンダント コンソールに転送されるコールは視覚的に表示され、優先順位および間隔ごとに受付サービスのキューに配置されます。最大の優先順位と最長の保持時間のコールが最初に応答されます。キュー内で受付サービスを待機しているコールに対して、受付キュー アナウンスが再生されます。コール分配が実行されて長すぎる待機時間が短縮され、共通キューから各アテンダント ポジションが動作します。Cisco Unified CME では、基本自動コール分配の設定(B-ACD)および自動受付(AA)サービスを使用する MLPP に対するアテンダント コンソール サービスがサポートされます。
MLPP の設定方法
ここでは、次の作業について説明します。
• 「Cisco Unified CME での MLPP サービスのグローバルなイネーブル化」
• 「SCCP 電話機での MLPP サービスのイネーブル化」
• 「アナログ FXS ポートでの MLPP サービスのイネーブル化」
• 「発信ダイヤルピアに対する MLPP サービス ドメインの設定」
• 「MLPP オプションの設定」
• 「MLPP サービスのトラブルシューティング」
Cisco Unified CME での MLPP サービスのグローバルなイネーブル化
Cisco Unified CME で MLPP をグローバルにイネーブルにするには、次の手順を実行します。この作業では、ルータで MLPP をイネーブルにするために必要な基本的なステップについて説明します。
前提条件
トランクがトランク グループに属し、プリエンプションがイネーブルになっていること。設定については、『 Integrating Data and Voice Services for ISDN PRI Interfaces on Multiservice Access Routers 』の 「Enabling Preemption on the Trunk Group」 を参照してください。
制約事項
• SIP 電話機はサポートされません。
• Cisco Unified IP Phone 6900 シリーズの電話機はサポートされません。
• SRST フォールバック モードの Cisco Unified CME はサポートされません。
• ISDN PRI E1 および T1 インターフェイスだけがサポートされます。
• ローカル Cisco Unified CME ルータ内だけで MLPP サービスがサポートされます。
• Cisco Unified CME 7.1 では、基本コール、コール自動転送、コールの保留と復帰、打診コール転送、コール待機がサポートされます。ブラインド転送はサポートされません。
• Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでは、3 者間アドホック会議およびコール ピックアップがサポートされます。
• 優先順位レベルに基づくコール パーク取得はサポートされません。パーク スロットごとに 1 つのコールだけに応答するように Cisco Unified CME を設定する必要があります。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. voice mlpp
4. access-digit digit
5. bnea audio-url
6. bpa audio-url
7. upa audio-url
8. service-domain { drsn | dsn } identifier domain-number
9. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
voice mlpp
Router(config)# voice mlpp |
音声 MLPP コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
access-digit digit
Router(config-voice-mlpp)# access-digit 8 |
電話機ユーザが MLPP コールを発信するためにダイヤルするアクセス番号を定義します。 • digit :ユーザがダイヤルする 1 桁の番号。範囲:0 ~ 9。デフォルト:0。 (注) 使用しているドメイン タイプで、選択したアクセス番号がサポートされている必要があります。たとえば、DNS の有効範囲は 2 ~ 9 です。 |
ステップ 5 |
bnea audio-url
Router(config-voice-mlpp)# bnea flash:bnea.au |
プリエンプションに対応していないビジー状態のステーション アナウンスを再生するためのオーディオ ファイルを指定します。 • audio-url :アナウンスのオーディオ ファイルの場所(URL 形式)。有効な保存場所は、TFTP、FTP、HTTP、およびフラッシュ メモリです。 |
ステップ 6 |
bpa audio-url
Router(config-voice-mlpp)# bpa flash:bpa.au |
ブロックされた優先順位アナウンスを再生するためのオーディオ ファイルを指定します。 |
ステップ 7 |
upa audio-url
Router(config-voice-mlpp)# upa flash:upa.au |
許可されていない優先順位アナウンスを再生するためのオーディオ ファイルを指定します。 • このコマンドは Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでサポートされます。 |
ステップ 8 |
service-domain { drsn | dsn } identifier domain-number
Router(config-voice-mlpp)# service-domain dsn 0010 |
(任意)グローバル MLPP ドメインのタイプと番号を設定します。 • drsn :Defense Red Switched Network(DRSN)。 • dsn :Defense Switched Network(DSN)。これがデフォルト値です。 • domain-number :3 オクテットの形式でグローバル ドメインを指定する番号。範囲:0x000000 ~ 0xFFFFFF。デフォルト:0。 • mlpp service-domain コマンドで設定されていない場合、電話機で MLPP コールにこのグローバル ドメインを使用します。 • このコマンドは Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでサポートされます。 |
ステップ 9 |
end
Router(config-voice-mlpp)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
例
次に、Cisco Unified CME ルータで MLPP がイネーブルになっている例を示します。
voice mlpp
access-digit 8
bpa flash:bpa.au
bnea flash:bnea.au
upa flash:upa.au
service-domain dsn identifier 000010
SCCP 電話機での MLPP サービスのイネーブル化
SCCP 電話機で MLPP 機能をイネーブルにするには、次の手順を実行します。
制約事項
Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでは、 mlpp max-precedence コマンドはサポートされていません。 mlpp service-domain コマンドに置き換えられました。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ephone-template template-tag
4. mlpp service-domain { drsn | dsn } identifier domain-number max-precedence level
5. mlpp preemption
6. mlpp indication
7. exit
8. ephone phone-tag
9. ephone-template template-tag
10. restart
11. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
ephone-template template-tag
Router(config)# ephone-template 15 |
ephone テンプレート コンフィギュレーション モードを開始して、ephone テンプレートを作成します。 • template-tag :作成される ephone テンプレートの固有識別子。範囲:1 ~ 20。 |
ステップ 4 |
mlpp service-domain { drsn | dsn } identifier domain-number max-precedence level
Router(config-ephone-template)# mlpp service-domain dsn identifier 0010 max-precedence 0 |
この電話機からの LPP コールのサービス ドメインおよび最大優先順位(プライオリティ)レベルを設定します。 • drsn :電話機が Defense Red Switched Network(DRSN)に属しています。 • dsn :電話機が Defense Switched Network(DSN)に属しています。これがデフォルト値です。 • domain-number :3 オクテットの形式でグローバル ドメインを指定する番号。範囲:0x000000 ~ 0xFFFFFF。 • level :最高優先順位レベル。電話機ユーザがこの値と等しいか、それ以下の優先順位レベルを指定できます。 – DSN:範囲:0 ~ 4 で、0 が最高プライオリティです。 – DRSN:範囲:0 ~ 5 で、0 が最高プライオリティです。 • このコマンドは Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでサポートされます。 |
ステップ 5 |
mlpp preemption
Router(config-ephone-template)# no mlpp preemption |
(任意)電話機でコールがプリエンプション処理されるようにします。 • プリエンプトはデフォルトでイネーブルです。 no mlpp プリエンプション コマンドでプリエンプションをディセーブルする場合を除いて、このステップはスキップしてください。 |
ステップ 6 |
mlpp indication
Router(config-ephone-template)# no mlpp indication |
(任意)電話機で優先順位トーンおよびプリエンプション トーンの再生、およびコールのプリエンプション レベルの表示をイネーブルにします。 • MLPP 表示は、デフォルトでイネーブルになっています。 no mlpp indication コマンドで MLPP 表示をディセーブルにする場合を除いて、このステップはスキップしてください。 |
ステップ 7 |
exit
Router(config-ephone-template)# exit |
ephone テンプレート コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 8 |
ephone phone-tag
Router(config)# ephone 36 |
ephone コンフィギュレーション モードを開始します。 • phone-tag :設定タスク中にこの ephone を識別する一意のシーケンス番号。 |
ステップ 9 |
ephone-template template-tag
Router(config-ephone)# ephone-template 15 |
ephone テンプレートを、設定する ephone に適用します。 |
ステップ 10 |
restart
Router(config-ephone)# restart |
この ephone の高速リブートを実行します。DHCP または TFTP サーバに接続して、最新情報を取得することは行われません。 コマンドを使用して、すべての ephone を再起動します。 |
ステップ 11 |
end
Router(config-ephone)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
例
次に、定義された MLPP でテンプレート 1 を使用する 3 台の電話機の基本コンフィギュレーションの例を示します。図 65 に、このコンフィギュレーションを使用する優先コールの例を示します。
voice mlpp
access-digit 8
bpa flash:BPA.au
bnea flash:BNEA.au
upa flash:UPA.au
ephone-template 1
mlpp service-domain dsn identifier 000000 max-precedence 0
!Configures MLPP domain as DSN, identifier as 000000, and max-precedence set to 0
ephone-dn 1
number 1001
ephone-dn 2
number 1002
ephone-dn 3 dual-line
number 1003
huntstop channel
ephone 1
description Phone-A
mac-address 1111.2222.0001
button 1:1
ephone-template 1
! MLPP configuration inherited from ephone-template 1
ephone 2
description Phone-B
mac-address 1111.2222.0002
button 1:2
ephone-template 1
ephone-3
description Phone-C
mac-address 1111.2222.0003
button 1:3
ephone-template 1
(注) これらのタイプの回線でコールをプリエンプション処理するように、デュアルラインおよびオクトラインのディレクトリ番号で huntstop channel コマンドを設定する必要があります。そうしないと、デュアルラインまたはオクトラインでコール待機が表示され、コールがプリエンプション処理されません。
図 65 プリエンプション コールの例
この例では、次の一連のイベントが発生します。
1. 電話機 A が 831003(アクセス番号 8 + 優先順位レベル 3 + 宛先番号 1003)をダイヤルして電話機 C に対して優先コールを発信します。
電話機 C に対して優先呼び出し音が再生され、電話機 A に対して優先順位リングバックが再生されます。
2. 電話機 C がコールに応答します。
3. 電話機 B が 821003 をダイヤルして電話機 C に対して優先コールを発信します。電話機 A と電話機 C の両方に対して preemption tone timer コマンドの期間(デフォルト値は 3 秒)にプリエンプション トーンが再生されます。
4. 3 秒後に電話機 A がプリエンプション処理されます。
5. 電話機 C が呼び出し(優先呼び出し音)を開始し、電話機 B に対して優先順位リングバックが再生されます。
6. 電話機 C がコールに応答します。
アナログ FXS ポートでの MLPP サービスのイネーブル化
アナログ FXS ポートで MLPP 機能をイネーブルにするには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. voice-port port
4. mlpp service-domain { drsn | dsn } identifier domain-number max-precedence level
5. mlpp preemption
6. mlpp indication
7. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
voice-port port
Router(config)# voice-port 0/1/0 |
音声ポート コンフィギュレーション モードを開始します。 • Port 引数はプラットフォームに依存します。構文を表示するには、 ? と入力します。 |
ステップ 4 |
mlpp service-domain { drsn | dsn } identifier domain-number max-precedence level
Router(config-voiceport)# mlpp service-domain dsn identifier 0020 max-precedence 0 |
このポートからの LPP コールのサービス ドメインおよび最大優先順位(プライオリティ)レベルを設定します。 • drsn :ポートが Defense Red Switched Network(DRSN)に属しています。 • dsn :ポートが Defense Switched Network(DSN)に属しています。 • domain-number :3 オクテットの形式でグローバル ドメインを指定する番号。範囲:0x000000 ~ 0xFFFFFF。 • level :最高優先順位レベル。電話機ユーザがこの値と等しいか、それ以下の優先順位レベルを指定できます。 – DSN:範囲:0 ~ 4 で、0 が最高プライオリティです。 – DRSN:範囲:0 ~ 5 で、0 が最高プライオリティです。 • このコマンドは Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでサポートされます。 |
ステップ 5 |
mlpp preemption
Router(config-voiceport)# no mlpp preemption |
(任意)ポートでコールがプリエンプション処理されるようにします。 • プリエンプトはデフォルトでイネーブルです。 no mlpp プリエンプション コマンドでプリエンプションをディセーブルする場合を除いて、このステップはスキップしてください。 |
ステップ 6 |
mlpp indication
Router(config-voiceport)# no mlpp indication |
(任意)電話機で優先順位トーンおよびプリエンプション トーンの再生、およびコールのプリエンプション レベルの表示をイネーブルにします。 • MLPP 表示は、デフォルトでイネーブルになっています。 no mlpp indication コマンドで MLPP 表示をディセーブルにする場合を除いて、このステップはスキップしてください。 |
ステップ 7 |
end
Router(config-voiceport)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
例
次に、音声ポート 0/1/0 に接続されたアナログ FXS 電話機で最大優先順位の MLPP コールを発信できるものの、コールをプリエンプション処理できない例を示します。
voice-port 0/1/0
mlpp service-domain dsn identifier 000020 max-precedence 0
no mlpp preemption
station-id name uut1-fxs1
caller-id enable
発信ダイヤルピアに対する MLPP サービス ドメインの設定
トランクを介して Cisco Unified CME ルータから発信する必要がある MLPP コールにサービス ドメインを割り当てるには、対応するダイヤルピアに対して次の手順を実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. voice class mlpp tag
4. service-domain { drsn | dsn }
5. exit
6. dial-peer voice tag { pots | voip }
7. voice-class mlpp tag
8. exit
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
voice class mlpp tag
Router(config)# voice class mlpp 1 |
MLPP サービスの音声クラスを作成します。 • tag :音声クラスを識別する一意の番号。範囲:1 ~ 10000。 |
ステップ 4 |
service-domain { drsn | dsn }
Router(config-voice-class)# service-domain dsn
|
MLPP 音声クラスでネットワーク ドメインを設定します。 • drsn :Defense Red Switched Network(DRSN)。 • dsn :Defense Switched Network(DSN)。 |
ステップ 5 |
exit
Router(config-voice-class)# exit |
voice-class コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 6 |
dial-peer voice tag { pots | voip }
Router(config)# dial-peer voice 101 voip |
ダイヤルピア音声コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 7 |
voice-class mlpp tag
Router(config-dial-peer)# voice-class mlpp 1 |
以前に設定された MLPP 音声クラスを POTS ダイヤルピアまたは VoIP ダイヤルピアに割り当てます。 • tag :ステップ 3 で作成した音声クラスの一意の番号。 |
ステップ 8 |
end
Router(config-dial-peer)# end |
ダイヤルピア音声コンフィギュレーション モードを終了します。 |
例
次に、DSN サービス ドメインに対して定義された MLPP 音声クラスの例を示します。この音声クラスは、ポート 0/1/0 から発信されるコールが DSN プロトコルを使用するように、POTS ダイヤルピアに割り当てられます。
voice class mlpp 1
service-domain dsn
!
!
dial-peer voice 1011 pots
destination-pattern 19101
voice-class mlpp 1
port 0/1/0
MLPP オプションの設定
オプションの MLPP 機能を設定するか、またはデフォルト設定を変更するには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. voice mlpp
4. preemption trunkgroup
5. preemption user
6. preemption tone timer seconds
7. preemption reserve timer seconds
8. service-domain midcall-mismatch { method1 | method2 | method3 | method4 }
9. service-digit
10. route-code
11. attendant-console number redirect-timer seconds
12. ica audio-url
13. loc2 audio-url
14. vca audio-url voice-class cause-code tag
15. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
voice mlpp
Router(config)# voice mlpp |
音声 MLPP コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
preemption trunkgroup
Router(config-voice-mlpp)# preemption trunkgroup |
トランク グループでプリエンプション機能をイネーブルにします。 |
ステップ 5 |
preemption user
Router(config-voice-mlpp)# preemption user |
サポートされるすべての電話機で、コールのプリエンプション処理をイネーブルにします。 |
ステップ 6 |
preemption tone timer seconds
Router(config-voice-mlpp)# preemption tone timer 15 |
優先順位の低いコールがプリエンプション処理される場合に、コールされた電話でプリエンプション トーンを再生する時間を設定します。 • seconds :有効期限(秒単位)。範囲:3 ~ 30。デフォルト:0(ディセーブル)。 |
ステップ 7 |
preemption reserve timer seconds
Router(config-voice-mlpp)# preemption reserve timer 10 |
プリエンプション コールのためにチャネルを予約しておく時間を設定します。 • seconds :範囲:3 ~ 30。デフォルト:0(ディセーブル)。 |
ステップ 8 |
service-domain midcall-mismatch { method1 | method2 | method3 | method4 }
Router(config-voice-mlpp)# service-domain midcall-mismatch method2 |
コールの 2 つのレッグ間でドメインが一致していない場合の動作を定義します。 • method1 :各接続のドメインは変更されず、プライオリティの低いコールの優先順位レベルがプライオリティの高いコールの優先順位レベルに変更されます。これがデフォルト値です。 • method2 :プライオリティの低いコールのドメインおよび優先順位レベルがプライオリティの高いコールのドメインおよび優先順位レベルに変更されます。 • method3 :各接続のドメインは変更されず、両方のコールの優先順位レベルがルーチンに変更されます。 • method4 :ドメインが、補足サービスが呼び出された接続のドメインに変更されます(たとえば、転送の場合は転送元)。両方のコールの優先順位レベルがルーチンに変更されます。 • このコマンドは Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでサポートされます。 |
ステップ 9 |
service-digit
Router(config-voice-mlpp)# service-digit |
電話機ユーザがサービス番号をダイヤルしてオフネット サービスを要求することをイネーブルにします。 • このコマンドは Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでサポートされます。 |
ステップ 10 |
route-code
Router(config-voice-mlpp)# route-code |
電話機ユーザがルート コードをダイヤルしてコールに特別なルーティングを指定することをイネーブルにします。 • このコマンドは Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでサポートされます。 |
ステップ 11 |
attendant-console number redirect-timer seconds
Router(config-voice-mlpp)# attendant-console 8100 redirect-timer 10 |
電話機が応答しない場合にコールがリダイレクトされる MLPP アテンダント コンソール サービスの電話番号を指定します。 • number :Cisco Unified CME 基本自動コール分配(B-ACD)および自動受付(AA)サービスの内線番号または E.164 電話番号。 • seconds :コールをリダイレクトする前に、電話機からの応答を待機する秒数。 |
ステップ 12 |
ica audio-url
Router(config-voice-mlpp)# ica flash:ica.au |
(任意)独立コード アナウンスを再生するためのオーディオ ファイルを指定します。 • このコマンドは Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでサポートされます。 |
ステップ 13 |
loc2 audio-url
Router(config-voice-mlpp)# loc2 flash:loc2.au |
(任意)C2 機能の喪失アナウンスを再生するためのオーディオ ファイルを指定します。 • このコマンドは Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでサポートされます。 |
ステップ 14 |
vca audio-url voice-class cause-code tag
Router(config-voice-mlpp)# vca flash:vca.au voice-class cause-code 29 |
(任意)空白コード アナウンスを再生するためのオーディオ ファイルを指定します。 • tag :VCA が再生される原因コードを定義する音声クラスの番号。範囲:1 ~ 64。 • このコマンドは Cisco Unified CME 8.0 以降のバージョンでサポートされます。 |
ステップ 15 |
end
Router(config-voice-mlpp)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
例
次に、オプション パラメータによる MLPP コンフィギュレーションの例を示します。
voice mlpp
preemption trunkgroup
preemption user
preemption tone timer 15
preemption reserve timer 10
access-digit 8
attendant-console 8100 redirect-timer 10
service-digit
route-code
bpa flash:bpa.au
bnea flash:bnea.au
upa flash:upa.au
ica flash:ica.au
loc2 flash:loc2.au
vca flash:vca.au voice-class cause-code 29
service-domain midcall-mismatch method2
service-domain dsn identifier 000010
MLPP サービスのトラブルシューティング
MLPP サービスのトラブルシューティングを行うには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. enable
2. debug ephone mlpp
3. debug voice mlpp
4. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
debug ephone mlpp
Router# debug ephone mlpp |
Cisco Unified CME システム内の電話機への MLPP コールのデバッグ情報を表示します。 |
ステップ 3 |
debug voice mlpp
Router# debug voice mlpp |
MLPP サービスに関するデバッグ情報を表示します。 |