テンプレートの作成
この章では、Cisco Unified Communications Manager Express(Cisco Unified CME)で使用可能なテンプレートのサポートについて説明します。
このモジュールで紹介する機能情報の入手方法
お使いの Cisco Unified CME のバージョンが、このモジュールで説明されている機能の一部をサポートしていないことがあります。 各機能がサポートされているバージョンのリストについては、「テンプレート作成の機能情報」を参照してください。
テンプレートについて
テンプレートをイネーブルにするには、次の概念について理解しておく必要があります。
• 「電話機テンプレート」
• 「ephone-dn テンプレート」
電話機テンプレート
ephone テンプレートまたは音声レジスタ テンプレートは、単一のコマンドを使用して 1 台以上の個々の電話機に適用できる機能のセットです。
ephone テンプレートは、IP Phone でソフトキーの表示と順序を操作するために、Cisco CME 3.2 で導入されました。
Cisco Unified CME 4.0 では、多数の追加の電話機能を含めるため ephone テンプレートが大幅に拡張されました。テンプレートを使用すると、電話機のセットに対して、選択した機能を統一的かつ簡単に実装できます。Cisco Unified CME システムでは、最大 20 の ephone テンプレートを作成できます。ただし、ephone に適用できるテンプレートは、一度に 1 つだけです。
Cisco Unified CME 4.3 以降のバージョンでは、設定ファイルに MAC アドレスが含まれている場合を除いて、ephone テンプレートを特定の電話機に適用することはできません。MAC アドレスが設定されていない電話機にテンプレートを適用しようとすると、メッセージが表示されます。
ephone テンプレートを使用して電話機にコマンドを適用し、同じ電話機に対して ephone コンフィギュレーション モードで同じコマンドを使用した場合は、ephone コンフィギュレーション モードの値セットが優先されます。
音声レジスタ テンプレートは、Cisco Unified CME に直接接続される個々の SIP IP Phone 用の機能セットを適用できるようにするため、Cisco CME 3.4 で導入されました。一般的に、音声レジスタ テンプレートを使用してイネーブルにされる機能は、他のコンフィギュレーション モードで設定できません。Cisco Unified CME では、最大 10 の音声レジスタ テンプレートを定義できます。ただし、電話機に適用できるテンプレートは、一度に 1 つだけです。
ephone テンプレートまたは音声レジスタ テンプレート コンフィギュレーション モードで ? と入力すると、テンプレートを使用して実装できる機能のリストが表示されます。
設定については、「SCCP:ephone テンプレートのイネーブル化」を参照してください。
ephone-dn テンプレート
ephone-dn テンプレートによって、ephone-dn に標準機能セットを適用できます。Cisco Unified CME システムでは、最大 15 の ephone-dn テンプレートを作成できます。ただし、ephone-dn に適用できるテンプレートは、一度に 1 つだけです。
ephone-dn テンプレートを使用して ephone-dn にコマンドを適用し、同じ ephone-dn に対して ephone-dn コンフィギュレーション モードで同じコマンドを使用した場合は、ephone-dn コンフィギュレーション モードで設定した値が優先されます。
ephone-dn テンプレート コンフィギュレーション モードで ? を入力すると、テンプレートを使用して実装できる機能のリストが表示されます。
設定については、「SCCP:ephone-dn テンプレートのイネーブル化」を参照してください
テンプレートの設定方法
ここでは、次の作業について説明します。
• 「SCCP:ephone テンプレートのイネーブル化」
• 「SCCP:ephone-dn テンプレートのイネーブル化」
• 「SCCP:テンプレートの確認」
• 「SIP:SIP 電話機用テンプレートの作成と適用」
SCCP:ephone テンプレートのイネーブル化
ephone テンプレートを作成し、電話機に適用するには、次の手順を実行します。
前提条件
• Cisco Unified CME 4.3 以降のバージョンでは、ephone テンプレートを電話機に適用するには、あらかじめ特定の電話機のコンフィギュレーション ファイルにその MAC アドレスが含まれていること。MAC アドレスを明示的に設定するには、ephone コンフィギュレーション モードで mac-address コマンドを使用します。設定情報については、を参照してください。
• ephone に基づいて ephone テンプレートを追加する前に、電話機ごとに cnf-file を設定しておくことを推奨します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ephone-template template-tag
4. command
5. exit
6. ephone phone-tag
7. ephone-template template-tag
8. restart
9. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
ephone-template template-tag
Router(config)# ephone-template 15 |
ephone テンプレート コンフィギュレーション モードを開始して、ephone テンプレートを作成します。 • template-tag :作成される ephone テンプレートの固有識別子。範囲は 1 ~ 20 です。 |
ステップ 4 |
command
Router(config-ephone-template)# features blocked Park Trnsfer |
作成している ephone テンプレートに対して、指定したコマンドを適用します。 • ? を入力すると、この手順で使用できるコマンドのリストが表示されます。 • ephone テンプレートに追加するコマンドごとに、この手順を繰り返します。 |
ステップ 5 |
exit
Router(config-ephone-template)# exit |
ephone テンプレート コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 6 |
ephone phone-tag
Router(config)# ephone 36 |
ephone コンフィギュレーション モードを開始します。 • phone-tag :設定タスク中にこの ephone を識別する一意のシーケンス番号。 |
ステップ 7 |
ephone-template template-tag
Router(config-ephone)# ephone-template 15 |
ephone テンプレートを、設定する ephone に適用します。 |
ステップ 8 |
restart
Router(config-ephone)# restart |
この ephone の高速リブートを実行します。DHCP または TFTP サーバに接続して、最新情報を取得することは行われません。 コマンドを使用して、すべての ephone を再起動します。 |
ステップ 9 |
end
Router(config-ephone)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
SCCP:ephone-dn テンプレートのイネーブル化
ephone-dn テンプレートを作成し、ephone-dn に適用するには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ephone-dn-template template-tag
4. command
5. exit
6. ephone-dn dn-tag
7. ephone-dn-template template-tag
8. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
ephone-dn-template template-tag
Router(config)# ephone-dn-template 3 |
ephone-dn テンプレート コンフィギュレーション モードを開始して、ephone-dn テンプレートを作成します。 • template-tag :作成される ephone-dn テンプレートの固有識別子。範囲は 1 ~ 20 です。 |
ステップ 4 |
command
Router(config-ephone-dn-template)# call-forwarding busy 4000 |
作成している ephone-dn テンプレートに対して、指定したコマンドを適用します。 • ? を入力すると、この手順で使用できるコマンドのリストが表示されます。 • テンプレートにさらにコマンドを追加するには、この手順を繰り返します。 |
ステップ 5 |
exit
Router(config-ephone-dn-template)# exit |
ephone-dn テンプレート コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 6 |
ephone-dn dn-tag
Router(config)# ephone-dn 23 |
ephone-dn コンフィギュレーション モードを開始します。 • dn-tag :設定タスク中にこの ephone-dn を識別する一意のシーケンス番号。 |
ステップ 7 |
ephone-dn-template template-tag
Router(config-ephone-dn)# ephone-dn-template 3 |
ephone-dn テンプレートを、設定する ephone-dn に適用します。 |
ステップ 8 |
end
Router(config-ephone-dn)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
SCCP:テンプレートの確認
テンプレートの設定を表示し、テンプレートが適用されている電話機またはディレクトリ番号を確認するには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. show telephony-service ephone
2. show telephony-service ephone-template
3. show telephony-service ephone-dn
4. show telephony-service ephone-dn-template
手順の詳細
ステップ 1 show telephony-service ephone
このコマンドを使用すると、電話機のコンフィギュレーションでイネーブルになっている template-tag など、Cisco Unified CME の SCCP 電話機に関する情報が表示されます。
Router# show telephony-service ephone 1
description Call Center Line 1
call-forward noan 500 timeout 10
ステップ 2 show telephony-service ephone-template
このコマンドを使用すると、コンフィギュレーションでイネーブルになっている機能のリストなど、Cisco Unified CME の ephone テンプレートに関する情報が表示されます。
ステップ 3 show telephony-service ephone-dn
このコマンドを使用すると、ディレクトリ番号用にコンフィギュレーションでイネーブルになっている template-tag など、ディレクトリ番号に関する情報が表示されます。
Router# show telephony-service ephone-dn 4
ステップ 4 show telephony-service ephone-dn-template
このコマンドを使用すると、コンフィギュレーションでイネーブルになっている機能のリストなど、Cisco Unified CME の ephone-dn テンプレートに関する情報が表示されます。
SIP:SIP 電話機用テンプレートの作成と適用
個々の Cisco SIP IP Phone に適用できる共通の機能とソフトキーのテンプレートを作成するには、この項の手順を実行します。
前提条件
• Cisco CME 3.4 以降のバージョン。
• Cisco Unified CME で mode cme コマンドがイネーブルになっていること。
手順の概要
1. enable
2. configure termina l
3. voice register template template-tag
4. command
5. exit
6. voice register pool pool-tag
7. template template-tag
8. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
voice register template template-tag
Router(config)# voice register template 1 |
音声レジスタ テンプレート コンフィギュレーション モードを開始して、Cisco Unified CME の SIP 電話機の共通パラメータのテンプレートを定義します。 • 範囲は 1 ~ 5 です。 |
ステップ 4 |
command
Router(config-register-template)# anonymous block |
指定したコマンドをこのテンプレートに適用し、このコマンドを設定するテンプレートが使用されるサポート対象 SIP 電話機で、対応する機能をイネーブルにします。 • ? を入力すると、音声レジスタ テンプレートで使用できるコマンドのリストが表示されます。 • この音声レジスタ テンプレートに追加する機能ごとに、この手順を繰り返します。 |
ステップ 5 |
exit
Router(config-register-template)# exit |
コンフィギュレーション モードを終了して、コンフィギュレーション モード階層で次に高いレベルのモードを開始します。 |
ステップ 6 |
voice register pool pool-tag
Router(config)# voice register pool 3 |
音声レジスタ プール コンフィギュレーション モードを開始して、SIP 電話機の電話機固有パラメータを設定します。 • pool-tag :設定する Cisco SIP 電話機の一意のシーケンス番号。範囲は 1 ~ 100、または max-pool コマンドで定義された上限までです。 |
ステップ 7 |
template template-tag
Router(config-register-pool)# voice register pool 1 |
voice register template コマンドで、作成されたテンプレートを適用します。 • template-tag : voice register pool コマンドで指定された、SIP 電話機に適用するテンプレートの一意のシーケンス番号。範囲は 1 ~ 5 です。 |
ステップ 8 |
end
Router(config-register-pool)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
例
次の例は、テンプレート 1 および 2 と、次の操作を実行する方法を示しています。
• SIP 電話機 1 ~ 3 にテンプレート 1 を適用する
• SIP 電話機 4 にテンプレート 2 を適用する
• SIP 電話機 5 から、以前作成したテンプレート 5 を削除する
Router(config)# voice register template 1
Router(config-register-temp)# anonymous block
Router(config-register-temp)# caller-id block
Router(config-register-temp)# voicemail 5001 timeout 15
Router(config)# voice register template 2
Router(config-register-temp)# anonymous block
Router(config-register-temp)# caller-id block
Router(config-register-temp)# no conference
Router(config-register-temp)# no transfer-attended
Router(config-register-temp)# voicemail 5005 timeout 15
Router(config)# voice register pool 1
Router(config-register-pool)# template 1
Router(config)# voice register pool 2
Router(config-register-pool)# template 1
Router(config)# voice register pool 3
Router(config-register-pool)# template 1
Router(config)# voice register pool 4
Router(config-register-pool)# template 2
Router(config)# voice register pool 5
Router(config-register-pool)# no template 5
テンプレートを作成するための設定例
この項では、次の例について説明します。
• 「ephone テンプレートを使用した [パーク(Park)] ソフトキーと [転送(Transfer)] ソフトキーの使用のブロック」
• 「ephone-dn テンプレートを使用したコール自動転送の設定」
ephone テンプレートを使用した [パーク(Park)] ソフトキーと [転送(Transfer)] ソフトキーの使用のブロック
次の例では、ephone テンプレートを作成して、[パーク(Park)] ソフトキーと [転送(Transfer)] ソフトキーの使用をブロックします。これは、ephone 36 と内線番号 2333 に適用されます。
ephone-template 15
features blocked Park Trnsfer
ephone-dn 2
number 2333
ephone 36
button 1:2
ephone-template 15
ephone-dn テンプレートを使用したコール自動転送の設定
次の例では、ephone-dn テンプレート 3 を作成します。このテンプレートは、内線番号 4000 にコールを転送するように、話中および無応答時のコール自動転送を設定し、ピックアップ グループを 4 に設定します。次に、ephone-dn テンプレート 3 は、それぞれ ephone 13 および 14 に表示される ephone-dn 23 と ephone-dn 33 に適用されます。
ephone-dn-template 3
call-forwarding busy 4000
call-forwarding noan 4000 timeout 30
pickup group 4
ephone-dn 23
number 2323
ephone-dn-template 3
ephone-dn 33
number 3333
ephone-dn-template 3
ephone 13
button 1:23
次の作業
ソフトキー表示
さまざまなコール状態中のソフトキーの表示は、ephone テンプレートを使用して管理されます。詳細については、を参照してください。
その他の参考資料
次の各項では、Cisco Unified CME 機能に関連するその他の資料について説明します。
シスコのテクニカル サポート
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右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。 以下を含むさまざまな作業にこの Web サイトが役立ちます。 ・テクニカル サポートを受ける ・ソフトウェアをダウンロードする ・セキュリティの脆弱性を報告する、またはシスコ製品のセキュリティ問題に対する支援を受ける ・ツールおよびリソースへアクセスする - Product Alert の受信登録 - Field Notice の受信登録 - Bug Toolkit を使用した既知の問題の検索 ・Networking Professionals(NetPro)コミュニティで、技術関連のディスカッションに参加する ・トレーニング リソースへアクセスする ・TAC Case Collection ツールを使用して、ハードウェアや設定、パフォーマンスに関する一般的な問題をインタラクティブに特定および解決する この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。 |
http://www.cisco.com/en/US/support/index.html |
テンプレート作成の機能情報
表 136 に、このモジュールで説明した機能、およびバージョンごとの拡張機能を示します。
特定の Cisco Unified CME バージョンをサポートするための適切な Cisco IOS リリースを判断するには、 http://www.cisco.com/en/US/docs/voice_ip_comm/cucme/requirements/guide/33matrix.htm にある『 Cisco Unified CME and Cisco IOS Software Version Compatibility Matrix 』を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator では、特定のソフトウェア リリース、フィーチャ セット、またはプラットフォームをサポートしている Cisco IOS ソフトウェア イメージを確認できます。Cisco Feature Navigator にアクセスするには、 http://www.cisco.com/go/cfn に移動します。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
(注) 表 136 には、特定の機能に対するサポートを導入した Cisco Unified CME のバージョンが示されています。特に明記されていない限り、Cisco Unified CME ソフトウェアの後続のバージョンでもこの機能をサポートします。
表 136 テンプレートの機能情報
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ephone テンプレート |
4.0 |
• 作成できる ephone テンプレートの数が、5 から 20 に増加しました。 • ephone テンプレートに、より多くのコマンドを追加できるようになりました。 |
3.2 |
ソフトキーを管理するための ephone テンプレートが導入されました。ephone テンプレートで使用できるコマンドは、 softkeys コマンドだけです。 |
ephone-dn テンプレート |
4.0 |
ephone-dn テンプレートが導入されました。 |
SIP 電話機用の電話テンプレート |
4.1 |
設定できるテンプレートの最大数が、5 から 10 に増加しました。 |
3.4 |
Cisco Unified CME ルータに直接接続される SIP IP Phone 用の、音声レジスタ テンプレートが導入されました。 |