しかし、「実はこれだけでは不十分です」と竹村氏は続ける。プロジェクトを遂行しようとしても、重要な会議、クレーム対応、上司からの割り込み仕事、突然の来客や余計な電話への対応などに振り回され、思うように進まないことが多いからだ。そのための解決法として時間管理のマトリックス (図 1 参照) の活用を推奨する。特に第2領域に時間を割いて自己の能力を上げることで、他の領域に取られる時間を減らすことができ、その結果、プロジェクトの成功につながる。
さらにもう一つのコツとして竹村氏は、「大きな石」の活用も勧める。時間管理は、バケツという限られた容積の容器に、大きさの異なる石を、どの順番で入れると沢山入るかということに似ている。もし重要ではない活動 (砂利のような「小さな石」) を先に入れて、それから「大きな石」を入れようとしても入らない。しかし、大きな石を最初に入れれば、「石」と「石」の隙間に沢山の「小さな石」を入れることができる。大切なことは「大きな石」を最初に入れることなのだ。週間予定表を見て、まずその中に自分にとっての重要事項、つまり「大きな石」のための時間をスケジュールに入れる。そうすれば、最優先事項を実行することができ、プロジェクトやビジネスの成功につながる。
最後に、リーダーシップを発揮し、実行するには、パーソナル・リーダーシップの育成のほか、組織にもリーダーシップを発揮させる仕組みと環境が求められる。せっかく社員がリーダーシップを発揮しようとしても、組織がそれを阻んでいたのではパワーが落ちてしまうからだ。詳細を紹介する余裕はないが、竹村氏は実行力に関する 6つの原則を上げる (図 2 参照、興味のある方は同社に問い合わせされたい) 。また、リーダーシップを発揮し生産性を上げるにはコラボレーション力の強化が必要となるが、それは社内のナレッジの共有、コミュニケーションの活性化を実現するネットワーク環境の整備が不可欠となる。これらを活用して、パーソナル・リーダーシップを発揮して、今取り組んでいるプロジェクトやビジネスを成功させ、個人の評価を上げると同時に、会社の競争力強化に役立てていただきたい。
フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社 |
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