― 勝谷さんのそうした熱さを支える燃料とはいったい何なんでしょうか?
ボク個人でいえば、大事なのは「義」ということですね。目的は金や権力じゃないんです。世の中がただただよくなればいいなって思ってる。だから、不正やおかしなことが見逃せなくて、ついついいろんなところに首を突っ込んじゃうんですけど……。
ネットの世界って横のつながりがすごいでしょ。バカが集まってオマツリをやっていても仕方ないけど、ネットというのは優秀な人材の宝の山なんです。みんな言いたくて言う主体的な論客ばかりですしね。そこによい温度でオーガナイザーが入ると非常に効果的。実はね、ボクの本職は作家でもコラムニストでもなく、“アジテーター”なんですよ(笑)。どこかでそういう役割を自任してるところはあると思います。
― 最後に、勝谷さんの人生にとって最も大切なこととは何でしょう。
「楽しくないことはしない」ということかな。ボクはいつも愉快でいたいんですよ。大手出版社の編集者からフリーランスになったのも、そのため。大変そうに見えるかもしれないけど、毎日したいことをしてるし、今の生活に満足しています。いつも愉快でいたいから、それを邪魔しないでくれと思うんだけど、世間というのはそういうふうにできていないので、残念ながら不愉快な目にはしょっちゅう遭っています。しかも、ボクは切り替えベタで執念深いんだよね(笑)。
まあ、いくら覚悟を決めて好きなことをやっているといっても、死ぬときには必ず後悔が残るでしょう。時間は有限だからそれは仕方ないと思っています。とにかく成り行き全開で目前の仕事には全力を尽くすし、約束は守ります。その時々にやりたいと思うことをやっているので、人生の長期展望は立てようがないですね。いいと思って始めたことでも、ダメだと思ったら即撤退しますが、利害とか計算ずくで何かをしたりしなかったりということはないですね。とにかく、自分が正しいと思うことをやりたいようにやるだけ。ボクにとっては、今やってることが自己実現そのものといっていいと思いますよ。ただ、今の世の中、ボクの思う「真っ当」なところまで持っていくのにすごくパワーがいるんで、ちょっと疲れますけどね(笑)。