拡張オブジェクト トラッキングの概要
拡張オブジェクト トラッキング機能を設定する前に、次の概念を理解しておく必要があります。
• 「拡張オブジェクト トラッキングの機能設計」
• 「拡張オブジェクト トラッキングおよび Embedded Event Manager」
• 「EOT によるキャリア遅延サポート」
• 「Mobile IP アプリケーションの拡張オブジェクト トラッキング」
• 「拡張オブジェクト トラッキングの利点」
拡張オブジェクト トラッキングの機能設計
拡張オブジェクト トラッキングでは、追跡対象のオブジェクトと、追跡対象のオブジェクトのステートが変化したときにクライアントがとるアクションを完全に分離します。このため、HSRP、VRRP、GLPB のようなクライアントは、対象とするトラッキング プロセスを登録し、同じオブジェクトを追跡して、オブジェクトが変更されたときにそれぞれ異なるアクションを実行できます。
各追跡対象オブジェクトには、トラッキング CLI(コマンドライン インターフェイス)で指定される一意の番号があります。クライアント プロセスは、この番号を使用して特定のオブジェクトを追跡します。
トラッキング プロセスは、追跡対象オブジェクトに値の変化がないかどうかを定期的にポーリングします。追跡対象オブジェクトに変化があれば登録されているクライアント プロセスに通知します。ただちに通知する場合と、指定された時間遅延後に通知する場合があります。オブジェクトの値は、アップまたはダウンとして報告されます。
複数のオブジェクトを組み合わせて 1 つのリストにして追跡することもできます。オブジェクトの組み合わせにはブール ロジックを使用して、柔軟性をもたせることができます。この機能性には、次の機能が含まれます。
• しきい値:追跡リストは、リストのステート判定に重みしきい値またはパーセントを使用するように設定できます。追跡リスト内の各オブジェクトに、重みしきい値を割り当てることができます。追跡リストのステートは、しきい値が満たされているかどうかで判断されます。
• 「AND」ブール関数:「AND」ブール関数を使用する追跡リストの場合、サブセット内に定義されている各オブジェクトがアップ ステートでないと追跡対象オブジェクトはアップになりません。
• 「OR」ブール関数:「OR」ブール関数を使用する追跡リストの場合、サブセット内に定義されている中で少なくとも 1 つのオブジェクトがアップ ステートであれば追跡対象オブジェクトはアップになります。
拡張オブジェクト トラッキングおよび Embedded Event Manager
Cisco IOS リリース 12.4(2)T 以降、拡張オブジェクト トラッキング(EOT)は Embedded Event Manager(EEM)と併用できるようになったため、追跡対象オブジェクトのステータス変更を EEM に報告させ、EOT に EEM オブジェクトを追跡させることができるようになりました。新たに導入されたタイプのトラッキング オブジェクト(スタブ オブジェクト)が作成されます。スタブ オブジェクトは、定義された Application Programming Interface(API; アプリケーション プログラミング インターフェイス)経由の外部プロセスによる変更が可能です。EOT がどのように EEM と連動するかの詳細については、『 Cisco IOS Network Management Configuration Guide 』の「 Embedded Event Manager Overview 」を参照してください。
EOT によるキャリア遅延サポート
EOT によるキャリア遅延サポート機能により、拡張オブジェクト トラッキング(EOT)はインターフェイスのステータスを追跡するときにキャリア遅延タイマーを考慮に入れることができます。
リンクがダウンした場合、デフォルトでは、2 秒タイマーが作動してから、インターフェイスおよび関連付けられたルートのダウンが宣言されます。リンクがダウンしても、キャリア遅延タイマーが切れる前に再度アップ ステートに戻った場合は、ダウン ステートは効率的にフィルタリングされ、スイッチ上の他のソフトウェアは発生したリンクダウン イベントを認識しません。インターフェイス コンフィギュレーション モードで carrier-delay seconds コマンドを設定し、タイマーを最大 60 秒まで延長できます。
インターフェイスに EOT が設定されている場合、追跡によって、設定済みのキャリア遅延タイマーが切れる前にダウンしたインターフェイスが検出されることがあります。この状況は、EOT がキャリア遅延タイマーを考慮せず、インターフェイス ステートを監視しているために発生します。このような場合は、トラッキング コンフィギュレーション モードで carrier-delay コマンドを使用して、インターフェイスに設定されているキャリア遅延タイマーが追跡で考慮されるようにします。
Mobile IP アプリケーションの拡張オブジェクト トラッキング
Enhanced Object Tracking Support for Mobile IP 機能を使用すると、EOT がルータ上にモバイル ワイヤレス アプリケーション用の Home Agent、Packet Data Serving Node(PDSN)、または Gateway GPRS Support Node(GGSN)トラフィックのプレゼンスをモニタできます。
ノード間で HSRP を実行している Home Agent の冗長ペアの接続が失われると、両方の HSRP ノードがアクティブになります。2 つのノード間の接続が復元すると、Home Agent のバインディングを失わずに適切な HSRP ステートを復元するための方法が必要になります。接続が失われている間は、一方のノードでは Home Agent、GGSN、または PDSN トラフィックの処理が継続して行われますが、もう一方のノードでの処理は行われません。トラフィック処理を継続するノードは、接続が復元された後もアクティブの状態を保つ必要があります。アクティブなノードが確実にアクティブ ステートを保持できるように、Home Agent トラフィック処理を行わない HSRP グループ メンバーのプライオリティは低く設定されます。Home Agent トラフィック処理を行わないノードのプライオリティを下げることで、このノードは、接続が復元するとスダンバイ モードになるように設定されます。接続が復元すると、通常の Home Agent ステート同期により、すべてのバインディングは非アクティブ ノードになります。プリエンプト コンフィギュレーションによっては、再び切り替えが生じることがあります。このステート同期により、Mobile IP、GGSN、または PDSN バインディングが失われなくなります。
Mobile IP サービスの設定の詳細については、以下の Cisco IOS コンフィギュレーション ガイドを参照してください。
『Cisco IOS Mobile Wireless Home Agent Configuration Guide』
『Cisco IOS Mobile Wireless Gateway GPRS Support Node Configuration Guide』
『Cisco IOS Mobile Wireless Packet Data Serving Node Configuration Guide』
『Cisco IOS IP Mobility Configuration Guide』
拡張オブジェクト トラッキングの利点
• ネットワークの可用性および復元速度を高める。
• ネットワークが停止する頻度が少なくなり、また、停止時間が短くなる。
• VRRP や GLBP などのクライアント プロセスがオブジェクトを個別に追跡したり、オブジェクトのリストとして追跡したりできるような、スケーラブルなソリューションを提供する。この機能を導入する前に、トラッキング プロセスは HSRP に組み込まれています。
拡張オブジェクト トラッキングの設定方法
ここでは、拡張オブジェクト トラッキングの設定方法を説明します。
• 「インターフェイスのライン プロトコル ステートの追跡」(任意)
• 「インターフェイスの IP ルーティング ステートの追跡」( 任意)
• 「IP ルートの到達可能性の追跡」(任意)
• 「IP ルート メトリックのしきい値の追跡」( 任意)
• 「IP SLA 動作の追跡」(任意)
• 「追跡リストおよびブール式の設定」(任意)
• 「追跡リストと重みしきい値の設定」(任意)
• 「追跡リストとパーセントしきい値の設定」(任意)
• 「追跡リストのデフォルトの設定」(任意)
• 「Mobile IP アプリケーションのトラッキングの設定」
インターフェイスのライン プロトコル ステートの追跡
インターフェイスのライン プロトコル ステートを追跡するには、次の手順を実行します。
track interface ip routing コマンドを使用してインターフェイスの IP ルーティング ステートを追跡する方法は、 track interface line-protocol コマンドを使用してライン プロトコル ステートを追跡する方法と比較して、状況によっては、より効果的になることがあります。アドレスのネゴシエーションが行われるインターフェイスでは、特に役立ちます。詳細については、「インターフェイスの IP ルーティング ステートの追跡」を参照してください。
また、インターフェイスのライン プロトコル ステートを追跡する場合に、トラッキング コンフィギュレーション モードで carrier-delay コマンドを使用することで、EOT がキャリア遅延タイマーを考慮するように設定することもできます。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. track timer interface seconds
4. track object-number interface type number line-protocol
5. carrier-delay
6. delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
7. end
8. show track object-number
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
track timer interface seconds
Router(config)# track timer interface 5 |
(任意)トラッキング プロセスが追跡対象オブジェクトをポーリングする間隔を指定します。 • トラッキング プロセスがインターフェイス オブジェクトをポーリングするデフォルトのインターバルは 1 秒です。 |
ステップ 4 |
track object-number interface type number line-protocol
Router(config)# track 3 interface ethernet 0/1 line-protocol |
インターフェイスのライン プロトコル ステートを追跡し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 5 |
carrier-delay
Router(config-track)# carrier-delay |
(任意)インターフェイスのステータスを追跡するときに、EOT がキャリア遅延タイマーを考慮するように設定します。 |
ステップ 6 |
delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
Router(config-track)# delay up 30 |
(任意)追跡対象オブジェクトのステート変更の通信を遅延させる時間(秒)を指定します。 |
ステップ 7 |
end
Router(config-track)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 8 |
show track object-number
Router# show track 3 |
(任意)トラッキング情報を表示します。 • このコマンドを使用して、設定を確認します。「例」の出力を参照してください。 |
例
次に、インターフェイスでライン プロトコルのステートを追跡した場合の例を示します。
Interface Ethernet0/1 line-protocol
1 change, last change 00:00:05
インターフェイスの IP ルーティング ステートの追跡
インターフェイスの IP ルーティング ステートを追跡するには、次の手順を実行します。次の条件が満たされる場合、IP ルーティング オブジェクトはアップ ステートにあると見なされます。
• IP ルーティングがインターフェイス上でイネーブルになっていてアクティブである。
• インターフェイス ライン プロトコル ステートがアップである。
• インターフェイス IP アドレスが認識されている。IP アドレスが Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)または IP Control Protocol(IPCP)ネゴシエーションを通して設定または受信されている。
次のいずれかの条件が満たされると、インターフェイス IP ルーティングはダウンになります。
• IP ルーティングがグローバルにディセーブルになっている。
• インターフェイス ライン プロトコル ステートがダウンである。
• インターフェイス IP アドレスが不明である。IP アドレスが DHCP または IPCP ネゴシエーションを通して設定または受信されていない。
track interface ip routing コマンドを使用してインターフェイスの IP ルーティング ステートを追跡する方法は、 track interface line-protocol コマンドを使用してライン プロトコル ステートを追跡する方法と比較して、状況によっては、より効果的になることがあります。アドレスのネゴシエーションが行われるインターフェイスでは、特に役立ちます。たとえば、Point-to-Point Protocol(PPP; ポイントツーポイント プロトコル)を使用するシリアル インターフェイス上では、ライン プロトコルはアップになることができます(リンク制御プロトコル [LCP] は成功裏にネゴシエーションされます)が、IP はダウンになることがあります(IPCP ネゴシエーションは失敗します)。
track interface ip routing コマンドでは、次のいずれかの方法で取得した IP アドレスを持つインターフェイスの追跡がサポートされます。
• 従来の IP アドレス設定
• PPP/IPCP
• DHCP
• 番号付けされていないインターフェイス
また、インターフェイスの IP ルーティング ステートを追跡する場合に、トラッキング コンフィギュレーション モードで carrier-delay コマンドを使用することで、EOT がキャリア遅延タイマーを考慮するように設定することもできます。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. track timer interface seconds
4. track object-number interface type number ip routing
5. carrier-delay
6. delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
7. end
8. show track object-number
手順の詳細
|
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
track timer interface seconds
Router(config)# track timer interface 5 |
(任意)トラッキング プロセスが追跡対象オブジェクトをポーリングする間隔を指定します。 • トラッキング プロセスがインターフェイス オブジェクトをポーリングするデフォルトのインターバルは 1 秒です。 |
ステップ 4 |
track object-number interface type number ip routing
Router(config)# track 1 interface ethernet 0/1 ip routing |
インターフェイスの IP ルーティング ステートを追跡し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。 • IP ルート トラッキングは、ルーティング テーブルの IP ルートと、IP パケットをルーティングするインターフェイスの機能を追跡します。 |
ステップ 5 |
carrier-delay
Router(config-track)# carrier-delay |
(任意)インターフェイスのステータスを追跡するときに、EOT がキャリア遅延タイマーを考慮するように設定します。 |
ステップ 6 |
delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
Router(config-track)# delay up 30 |
(任意)追跡対象オブジェクトのステート変更の通信を遅延させる時間(秒)を指定します。 |
ステップ 7 |
end
Router(config-track)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 8 |
show track object-number
Router# show track 1 |
トラッキング情報を表示します。 • このコマンドを使用して、設定を確認します。「例」の出力を参照してください。 |
例
次に、インターフェイスで IP ルーティングのステートを追跡した場合の例を示します。
Interface Ethernet0/1 ip routing
1 change, last change 00:01:08
IP ルートの到達可能性の追跡
IP ルートの到達可能性を追跡するには、次の手順を実行します。ルーティング テーブル エントリがルートに存在し、そのルートがアクセス可能であると、追跡対象オブジェクトはアップ ステートにあると見なされます。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. track timer ip route seconds
4. track object-number ip route ip-address / prefix-length reachability
5. delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
6. ip vrf vrf-name
7. end
8. show track object-number
手順の詳細
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|
ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
track timer ip route seconds
Router(config)# track timer ip route 20 |
(任意)トラッキング プロセスが追跡対象オブジェクトをポーリングする間隔を指定します。 • トラッキング プロセスが IP ルート オブジェクトをポーリングするデフォルトのインターバルは 15 秒です。 |
ステップ 4 |
track object-number ip route ip-address / prefix-length reachability
Router(config)# track 4 ip route 10.16.0.0/16 reachability |
IP ルートの到達可能性を追跡し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 5 |
delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
Router(config-track)# delay up 30 |
(任意)追跡対象オブジェクトのステート変更の通信を遅延させる時間(秒)を指定します。 |
ステップ 6 |
ip vrf vrf-name
Router(config-track)# ip vrf VRF2 |
(任意)VPN Routing and Forwarding(VRF)テーブルを設定します。 |
ステップ 7 |
end
Router(config-track)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 8 |
show track object-number
Router# show track 4 |
(任意)トラッキング情報を表示します。 • このコマンドを使用して、設定を確認します。「例」の出力を参照してください。 |
例
次に、IP ルートの到達可能性のステートを追跡した場合の例を示します。
IP route 10.16.0.0 255.255.0.0 reachability
1 change, last change 00:02:04
First-hop interface is Ethernet0/1
IP ルート メトリックのしきい値の追跡
IP ルート メトリックのしきい値を追跡するには、次の手順を実行します。
数値化ルート メトリック
track ip route コマンドを使用すると、ルーティング テーブルのルートの追跡がイネーブルになります。ルートがテーブルに存在する場合、メトリック値が数値に変換されます。追跡クライアントに共通インターフェイスを提供するため、ルート メトリック値が 0 ~ 255 の範囲に正規化されます。ここで、0 は接続されていることを示し、255 はアクセス不可であることを示します。数値化メトリックは、しきい値を設定することで追跡できます。しきい値を超えると、アップ/ダウン ステートの通知が行われます。結果として求められた値は、しきい値と比較され、次のようにトラッキング ステートが決定されます。
• 対象ルートの数値化メトリックがアップ ステートのしきい値より小さいか等しいときは、ステートはアップになります。
• 対象ルートの数値化メトリックがダウン ステートのしきい値より大きいか等しいときは、ステートはダウンになります。
追跡では、プロトコルごとに設定可能な解析値を使用して、実メトリックを数値化メトリックに変換します。 表 1 に、この変換に使用されるデフォルト値を示します。 track resolution コマンドを使用して、メトリック解析のデフォルト値を変更できます。
表 1 メトリック変換
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Static |
10 |
Enhanced IGRP(EIGRP) |
2560 |
Open Shortest Path First(OSPF) |
1 |
Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS) |
10 |
たとえば、IS-IS メトリックの変更分が 10 である場合、数値化メトリックの変更分は 1 になります。デフォルトの解析方法は、パス内のおおよそ 2-Mbps リンク 1 つ で 255 の数値化メトリックを提供することを見込んで設計されています。
EIGRP のメトリック範囲を大きく設定し、IS-IS のメトリック範囲を 0 ~ 255 に設定することで、調整を行っています。デフォルトの解析方法により、数値化メトリックは 2-Mbps リンクという上限を超えることになります。ただし、この数値化により、3 つのファスト イーサネット リンクで構成されるルートと、4 つのファスト イーサネット リンクで構成されるルートを区別できます。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. track timer ip route seconds
4. track resolution ip route { eigrp resolution-value | isis resolution-value | ospf resolution-value | static resolution-value }
5. track object-number ip route ip-address / prefix-length metric threshold
6. delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
7. ip vrf vrf-name
8. threshold metric { up number [ down number ] | down number [ up number ] }
9. end
10. show track object-number
手順の詳細
|
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
track timer ip route seconds
Router(config)# track timer ip route 20 |
(任意)トラッキング プロセスが追跡対象オブジェクトをポーリングする間隔を指定します。 • トラッキング プロセスが IP ルート オブジェクトをポーリングするデフォルトのインターバルは 15 秒です。 |
ステップ 4 |
track resolution ip route { eigrp resolution-value | isis resolution-value | ospf resolution-value | static resolution-value }
Router(config)# track resolution ip route eigrp 300 |
(任意)追跡対象オブジェクトの解析パラメータを指定します。 • このコマンドを使用して、デフォルトのメトリック解析値を変更します。 |
ステップ 5 |
track object-number ip route ip-address / prefix-length metric threshold
Router(config)# track 6 ip route 10.16.0.0/16 metric threshold |
IP ルートの数値化メトリック値を追跡し、その値がしきい値を超えているかどうかを判断します。 • ダウン ステートのデフォルト値は 255 です。アクセス不可なルートであると見なされます。 • アップ ステートのデフォルト値は、254 です。 |
ステップ 6 |
delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
Router(config-track)# delay up 30 |
(任意)追跡対象オブジェクトのステート変更の通信を遅延させる時間(秒)を指定します。 |
ステップ 7 |
ip vrf vrf-name
Router(config-track)# ip vrf VRF1 |
(任意)VRF テーブルを設定します。 |
ステップ 8 |
threshold metric { up number [ down number ] | down number [ up number ]}
Router(config-track)# threshold metric up 254 down 255 |
(任意)メトリックのしきい値に、デフォルト値以外の値を設定します。 |
ステップ 9 |
end
Router(config-track)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 10 |
show track object-number
Router# show track 6 |
(任意)トラッキング情報を表示します。 • このコマンドを使用して、設定を確認します。「例」の出力を参照してください。 |
例
次に、IP ルートのメトリックのしきい値を追跡した場合の例を示します。
IP route 10.16.0.0 255.255.0.0 metric threshold
Metric threshold is Up (RIP/6/102)
1 change, last change 00:00:08
Metric threshold down 255 up 254
First-hop interface is Ethernet0/1
IP SLA 動作の追跡
Cisco IOS IP Service Level Agreement(SLA; サービス レベル契約)動作を追跡するには、次の手順を実行します。
• 「IP SLA 動作のステートの追跡」
• 「IP SLA IP ホストの到達可能性の追跡」
IP SLA 動作のオブジェクト トラッキングでは、追跡クライアントが IP SLA オブジェクトからの出力を追跡し、提供された情報を使用してアクションを発生させることができます。
Cisco IOS IP SLA は、アクティブ モニタリングを使用してネットワーク パフォーマンスの測定および診断を行うツールです。アクティブ モニタリングは信頼性のある予測可能な方法でトラフィックを生成し、ネットワーク パフォーマンスを測定します。Cisco IOS ソフトウェアは IP SLA を使用して、応答時間、ネットワーク リソースの可用性、アプリケーション パフォーマンス、ジッタ(パケット内遅延の分散)、接続時間、スループット、パケット損失などのリアルタイム メトリックを収集します。
これらのメトリックは、トラブルシューティング、問題発生前の予防的分析、ネットワーク トポロジの設計などに使用できます。
動作の戻りコード値は、すべての IP SLA 動作で保持されます。この戻りコードは、トラッキング プロセスによって解釈されます。返される戻りコードには、OK、OverThreshold などがあります。戻りコードの値は動作によって異なる場合があるため、すべての動作タイプに共通する値だけが使用されます。
IP SLA 動作の 2 つの側面(状態および到達可能性)をトラッキングできます。両者の違いは、OverThreshold 戻りコードを受信できるかどうかです。 表 2 に、トラッキング可能な IP SLA 動作の状態および到達可能性を示します。
表 2 状態動作と到達可能性動作の比較
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状態 |
OK (その他のすべての戻りコード) |
アップ ダウン |
到達可能性 |
OK または OverThreshold (その他のすべての戻りコード) |
アップ ダウン |
IP SLA 動作のステートの追跡
IP SLA 動作のステートを追跡するには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. track object - number rtr operation-number state
または
track object - number ip sla operation-number state
4. delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
5. end
6. show track object-number
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
12.4(20)T、12.2(33)SXI1、および 12.2(33)SRE よりも前の Cisco IOS リリース track object-number rtr operation-number state Cisco IOS リリース 12.4(20)T、12.2(33)SXI1、12.2(33)SRE、または以降のリリース track object-number ip sla operation-number state
12.4(20)T、12.2(33)SXI1、および 12.2(33)SRE よりも前の Cisco IOS リリース
Router(config)# track 2 rtr 4 state
Cisco IOS リリース 12.4(20)T、12.2(33)SXI1、12.2(33)SRE、または以降のリリース
Router(config)# track 2 ip sla 4 state |
IP SLA オブジェクトのステートを追跡し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。 コマンド用に更新するために使用できるようになっています。 |
ステップ 4 |
delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
Router(config-track)# delay up 60 down 30 |
(任意)追跡対象オブジェクトのステート変更の通信を遅延させる時間(秒)を指定します。 |
ステップ 5 |
end
Router(config-track)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show track object-number
Router# show track 2 |
(任意)トラッキング情報を表示します。 • このコマンドを使用して、設定を確認します。「例」で、このタスクの出力を参照してください。 |
例
次に、IP SLA トラッキングのステートの例を示します。
1 change, last change 00:00:47
Latest operation return code: over threshold
IP SLA IP ホストの到達可能性の追跡
IP ホストの到達可能性を追跡するには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. track object-number rtr operation-number reachability
または
track object-number ip sla operation-number reachability
4. delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
5. end
6. show track object-number
手順の詳細
|
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
12.4(20)T、12.2(33)SXI1、および 12.2(33)SRE よりも前の Cisco IOS リリース track object-number rtr operation-number reachability Cisco IOS リリース 12.4(20)T、12.2(33)SXI1、12.2(33)SRE、または以降のリリース track object-number ip sla operation-number reachability
12.4(20)T、12.2(33)SRE、および 12.2(33)SXI1 よりも前の Cisco IOS リリース
Router(config)# track 2 rtr 4 reachability
Cisco IOS リリース 12.4(20)T、12.2(33)SXI1、12.2(33)SRE、または以降のリリース
Router(config)# track 2 ip sla 4 reachability |
IP SLA IP ホストの到達可能性を追跡し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。 コマンド用に更新するために使用できるようになっています。 |
ステップ 4 |
delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
Router(config-track)# delay up 30 down 10 |
(任意)追跡対象オブジェクトのステート変更の通信を遅延させる時間(秒)を指定します。 |
ステップ 5 |
end
Router(config-track)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show track object-number
Router# show track 3 |
(任意)トラッキング情報を表示します。 • このコマンドを使用して、設定を確認します。「例」で、このタスクの出力を参照してください。 |
例
次に、ルートが到達可能であるかどうかを調べる例を示します。
1 change, last change 00:00:47
Latest operation return code: over threshold
追跡リストおよびブール式の設定
オブジェクトの追跡リストとブール式を設定し、リストのステートを判断するには、次の手順を実行します。追跡リストには、1 つまたは複数のオブジェクトが含まれます。ブール式を使用すると、「and」または「or」演算子を使って 2 種類の計算を行うことができます。たとえば、「and」演算子を使用して 2 つのインターフェイスを追跡する場合、「up」は両方のインターフェイスがアップ ステートであることを意味し、「down」はいずれかのインターフェイスがダウン ステートであることを意味します。
重みしきい値またはパーセントしきい値を使用して、測定対象とする追跡リスト ステートを設定することもできます。「追跡リストと重みしきい値の設定」および「追跡リストとパーセントしきい値の設定」を参照してください。
(注) 「not」演算子は、1 つまたは複数のオブジェクトに指定し、オブジェクトのステートを否定します。
前提条件
追跡リストに追加するオブジェクトは、存在している必要があります。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. track track-number list boolean { and | or }
4. object object-number [ not ]
5. delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
6. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
track track-number list boolean { and | or }
Router(config-track)# track 100 list boolean and |
追跡リストのオブジェクトを設定し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。次のキーワードがあります。 • boolean:追跡リストのステートがブール計算に基づくことを指定します。次のキーワードがあります。 – and:すべてのオブジェクトがアップ ステートの場合にリストをアップとするか、または 1 つまたは複数のオブジェクトがダウン ステートの場合にリストをダウンとするかを指定します。たとえば、2 つのインターフェイスを追跡する場合、「up」は両方のインターフェイスがアップ ステートであることを意味し、「down」はいずれかのインターフェイスがダウン ステートであることを意味します。 – or:少なくとも 1 つのオブジェクトがアップ ステートである場合にリストをアップとすることを指定します。たとえば、2 つのインターフェイスを追跡する場合、「up」はいずれかのインターフェイスがアップ ステートであることを意味し、「down」は両方のインターフェイスがダウン ステートであることを意味します。 |
ステップ 4 |
object object-number [not]
Router(config-track)# object 3 not |
追跡対象のオブジェクトを指定します。object-number 引数の有効範囲は 1 ~ 500 です。デフォルトはありません。オプションの not キーワードは、オブジェクトのステートを否定します。 (注) 例では、object 3 がアップのときに、追跡リストでは object 3 はダウンとして検出されることを示しています。 |
ステップ 5 |
delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
Router(config-track)# delay up 3 |
(任意)アップ ステートとダウン ステートの追跡の遅延を秒単位で指定します。 |
ステップ 6 |
end
Router(config-track)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
追跡リストと重みしきい値の設定
追跡対象オブジェクトのリストの設定、しきい値として使用する重みしきい値の指定、および各オブジェクトの重みしきい値の設定を行うには、次の手順を実行します。追跡リストには、1 つまたは複数のオブジェクトが含まれます。重みしきい値を使用すると、各オブジェクトのステートは、各オブジェクトの重みしきい値に対してアップ ステートにあるすべてのオブジェクトの全体的な重みしきい値を比較することで決定されます。
ブール計算またはパーセントしきい値を使用して、測定対象とする追跡リスト ステートを設定することもできます。「追跡リストおよびブール式の設定」および「追跡リストとパーセントしきい値の設定」を参照してください。
前提条件
追跡リストに追加するオブジェクトは、存在している必要があります。
制約事項
重みしきい値またはパーセントしきい値のリストでは、ブールの「not」演算子は使用できません。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. track track-number list threshold weight
4. object object-number [ weight weight-number]
5. threshold weight { up number down number | up number | down number }
6. delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
7. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
track track-number list threshold weight
Router(config-track)# track 100 list threshold weight |
追跡リストのオブジェクトを設定し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。次のキーワードがあります。 • threshold:追跡リストのステートがしきい値に基づくことを指定します。 • weigh:しきい値が、指定の重みしきい値に基づくことを指定します。 |
ステップ 4 |
object object-number [weight weight-number]
Router(config-track)# object 3 weight 30 |
追跡対象のオブジェクトを指定します。object-number 引数の有効範囲は 1 ~ 500 です。デフォルトはありません。オプションの weight キーワードで、各オブジェクトの重みしきい値を指定します。 |
ステップ 5 |
threshold weight { up number down number | up number | down number }
Router(config-track)# threshold weight up 30 |
重みしきい値を指定します。次のキーワードと引数があります。 • up number:有効範囲は 1 ~ 255 です。 • down number:範囲は、up キーワードでの選択に応じて異なります。たとえば、up に 25 を設定した場合、ダウンの範囲は 0 ~ 24 になります。 |
ステップ 6 |
delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
Router(config-track)# delay up 3 |
(任意)アップ ステートとダウン ステートの追跡の遅延を秒単位で指定します。 |
ステップ 7 |
end
Router(config-track)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
追跡リストとパーセントしきい値の設定
オブジェクトの追跡リストの設定、しきい値として使用するパーセンテージの指定、およびリスト内の各オブジェクトのパーセンテージの指定を行うには、次の手順を実行します。追跡リストには、1 つまたは複数のオブジェクトが含まれます。パーセントしきい値を使用すると、リストのステートは、各オブジェクトに割り当てられたパーセンテージを比較することで決定されます。
ブール計算または重みしきい値を使用して、測定対象とする追跡リスト ステートを設定することもできます。「追跡リストおよびブール式の設定」および「追跡リストと重みしきい値の設定」を参照してください。
前提条件
追跡リストに追加するオブジェクトは、存在している必要があります。
制約事項
重みしきい値またはパーセントしきい値のリストでは、ブールの「not」演算子は使用できません。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. track track-number list threshold percentage
4. object object-number
5. threshold percentage { up number [ down number ] | down number [ up number ]}
6. delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
7. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
track track-number list threshold percentage
Router(config-track)# track 100 list threshold percentage |
追跡リストのオブジェクトを設定し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。次のキーワードがあります。 • threshold:追跡リストのステートがしきい値に基づくことを指定します。 • percentage:しきい値がパーセンテージに基づくことを指定します。 |
ステップ 4 |
object object-number
Router(config-track)# object 3 |
追跡対象のオブジェクトを指定します。object-number 引数の有効範囲は 1 ~ 500 です。デフォルトはありません。 |
ステップ 5 |
threshold percentage { up number [ down number ] | down number [ up number ]}
Router(config-track)# threshold percentage up 30 |
パーセントしきい値を指定します。次のキーワードと引数があります。 • up number:有効範囲は 1 ~ 100 です。 • down number:範囲は、up キーワードでの選択に応じて異なります。たとえば、up に 25 を設定した場合、down キーワードの範囲には 26 ~ 100 が表示されます。 |
ステップ 6 |
delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }
Router(config-track)# delay up 3 |
(任意)アップ ステートとダウン ステートの追跡の遅延を秒単位で指定します。 |
ステップ 7 |
end
Router(config-track)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
追跡リストのデフォルトの設定
追跡リストのデフォルトの遅延値、デフォルト オブジェクト、および追跡リストのデフォルトのしきい値パラメータの設定を行うには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. track track-number
4. default { delay | object object-number | threshold percentage }
5. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
track track-number
Router(config)# track 3 |
トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
default {delay | object object-number | threshold percentage}
Router(config-track)# default delay |
追跡リストのデフォルトの遅延値、デフォルト オブジェクト、および追跡リストのデフォルトのしきい値パラメータを指定します。次のキーワードと引数があります。 • delay:デフォルトの遅延値に戻します。 • object object-number :追跡リストのデフォルト オブジェクトを指定します。有効範囲は 1 ~ 500 です。 • threshold percentage:デフォルトのパーセントしきい値を指定します。 |
ステップ 5 |
end
Router(config-track)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
Mobile IP アプリケーションのトラッキングの設定
Mobile IP アプリケーション オブジェクトの追跡リストを設定するには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. track track-number application home-agent
4. exit
5. track track-number application pdsn
6. exit
7. track track-number application ggsn
8. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
track track-number application home-agent
Router(config)# track 100 application home-agent |
(任意)ルータ上の Home Agent トラフィックのプレゼンスを追跡します。 |
ステップ 4 |
exit
Router(config-track)# exit |
グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
track track-number application pdsn
Router(config)# track 100 application pdsn |
(任意)ルータ上の PDSN トラフィックのプレゼンスを追跡します。 |
ステップ 6 |
exit
Router(config-track)# exit |
グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
track track-number application ggsn
Router(config)# track 100 application ggsn |
(任意)ルータ上の GGSN トラフィックのプレゼンスを追跡します。 |
ステップ 8 |
end
Router(config)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
拡張オブジェクト トラッキングの設定例
ここでは、次の設定例について説明します。
• 「インターフェイス ライン プロトコル:例」
• 「インターフェイス IP ルーティング:例」
• 「IP ルートの到達可能性:例」
• 「IP ルートのしきい値メトリック:例」
• 「IP SLA IP ホスト トラッキング:例」
• 「追跡リストのブール式:例」
• 「追跡リストの重みしきい値:例」
• 「追跡リストのパーセントしきい値:例」
• 「Mobile IP アプリケーション トラッキング:例」
インターフェイス ライン プロトコル:例
次の例は、IP ルーティングの例に類似しています。ただし、トラッキング プロセスはシリアル インターフェイス 1/0 のライン プロトコル ステートを追跡するように設定されています。イーサネット インターフェイス 0/0 の HSRP は、シリアル インターフェイス 1/0 のライン プロトコル ステートに何らかの変更が生じた場合には通知されるように、トラッキング プロセスに登録します。シリアル インターフェイス 1/0 のライン プロトコルがダウンすると、HSRP グループのプライオリティは 10 だけ引き下げられます。
ルータ A の設定
track 100 interface serial1/0 line-protocol
ip address 10.1.0.21 255.255.0.0
standby 1 track 100 decrement 10
ルータ B の設定
track 100 interface serial1/0 line-protocol
ip address 10.1.0.22 255.255.0.0
standby 1 track 100 decrement 10
インターフェイス IP ルーティング:例
次の例では、トラッキング プロセスはシリアル インターフェイス 1/0 の IP ルーティング機能を追跡するように設定されています。イーサネット インターフェイス 0/0 の HSRP は、シリアル インターフェイス 1/0 の IP ルーティング ステートに何らかの変更が生じた場合には通知されるように、トラッキング プロセスに登録します。シリアル インターフェイス 1/0 の IP ルーティング ステートがダウンになると、HSRP グループのプライオリティは 10 だけ引き下げられます。
次の例では、シリアル インターフェイス 1/0 のステートを追跡するときに EOT がキャリア遅延タイマーを考慮するように設定しています。
両方のシリアル インターフェイスが動作している場合は、ルータ A はルータ B よりもプライオリティが高いので、ルータ A が HSRP アクティブ ルータになります。ただし、ルータ A でシリアル インターフェイス 1/0 の IP が失敗すると、HSRP グループ プライオリティは下がり、ルータ B がアクティブ ルータを引き継いで、10.1.0.0 サブネット上のホストに対するデフォルトの仮想ゲートウェイ サービスが維持されます。
サンプル トポロジについては、図 1 を参照してください。
図 1 IP ルーティング サポートのトポロジ
ルータ A の設定
track 100 interface serial1/0 ip routing
ip address 10.1.0.21 255.255.0.0
standby 1 track 100 decrement 10
ルータ B の設定
track 100 interface serial1/0 ip routing
ip address 10.1.0.22 255.255.0.0
standby 1 track 100 decrement 10
IP ルートの到達可能性:例
次の例では、トラッキング プロセスは IP ルート 10.2.2.0/24 の到達可能性を追跡するように設定されています。
ルータ A の設定
track 100 ip route 10.2.2.0/24 reachability
ip address 10.1.1.21 255.255.255.0
standby 1 track 100 decrement 10
ルータ B の設定
track 100 ip route 10.2.2.0/24 reachability
ip address 10.1.1.22 255.255.255.0
standby 1 track 100 decrement 10
IP ルートのしきい値メトリック:例
次の例では、トラッキング プロセスは IP ルート 10.2.2.0/24 のしきい値メトリックを追跡するように設定されています。
ルータ A の設定
track 100 ip route 10.2.2.0/24 metric threshold
ip address 10.1.1.21 255.255.255.0
standby 1 track 100 decrement 10
ルータ B の設定
track 100 ip route 10.2.2.0/24 metric threshold
ip address 10.1.1.22 255.255.255.0
standby 1 track 100 decrement 10
IP SLA IP ホスト トラッキング:例
次に、12.4(20)T、12.2(33)SXI1、および 12.2(33)SRE より以前の Cisco IOS リリースで IP SLA 動作 1 の IP ホスト トラッキングを設定する方法の例を示します。
ip sla schedule 1 start-time now life forever
track 3 rtr 1 reachability
ip address 10.21.0.4 255.255.0.0
standby 3 track 2 decrement 10
standby 3 track 3 decrement 10
次に、Cisco IOS リリース 12.4(20)T、12.2(33)SXI1、12.2(33)SRE、および以降のリリースで IP SLA 動作 1 の IP ホスト トラッキングを設定する方法の例を示します。
ip sla schedule 1 start-time now life forever
track 3 ip sla 1 reachability
ip address 10.21.0.4 255.255.0.0
standby 3 track 2 decrement 10
standby 3 track 3 decrement 10
追跡リストのブール式:例
次の例では、追跡リスト オブジェクトは、両方のシリアル インターフェイスがアップであるときと、いずれかのシリアル インターフェイスがダウンであるときに、2 つのシリアル インターフェイスを追跡するように設定されています。
track 1 interface serial2/0 line-protocol
track 2 interface serial2/1 line-protocol
track 100 list boolean and
次の例では、追跡リスト オブジェクトは、いずれかのシリアル インターフェイスがアップであるときと、両方のシリアル インターフェイスがダウンであるときに、2 つのシリアル インターフェイスを追跡するように設定されています。
track 1 interface serial2/0 line-protocol
track 2 interface serial2/1 line-protocol
track 101 list boolean or
次の設定例では、追跡リスト 4 に 2 つのオブジェクトがあり、1 つのオブジェクト ステートが否定されています(リストがアップのとき、このリストでは object 2 はダウンしていると検出します)。
追跡リストの重みしきい値:例
次の例では、追跡リスト 100 にある 3 つのシリアル インターフェイスに、それぞれ重みしきい値 20 が設定されています。ダウンのしきい値は 0 に設定され、アップのしきい値は 40 に設定されています。
track 1 interface serial2/0 line-protocol
track 2 interface serial2/1 line-protocol
track 3 interface serial2/2 line-protocol
track 100 list threshold weight
threshold weight down 0 up 40
上記の例は、track-list オブジェクトは 3 つのすべてのシリアル インターフェイスがダウン ステートになり、少なくとも 2 つのシリアル インターフェイスがアップするとアップ ステートに戻ることを意味します(20+20 >= 40 であるため)。この設定には、2 つのインターフェイスがダウンしていて、3 つ目のインターフェイスがフラッピングしているときに track-list オブジェクトがアップ ステートに戻ることを回避できるというメリットがあります。
次の設定例では、object 1 と object 2 がダウンしている場合に、追跡リスト 4 がアップすることを示しています。これは、object 3 が up 30 というアップのしきい値を満たすためです。ただし、object 3 がダウンであると、重みしきい値を満たすようにするため、object 1 と object 2 はアップになる必要があります。
track 4 list threshold weight
threshold weight up 30 down 10
この設定は、帯域幅の小さい 2 つの接続(object 1 と object 2)と、帯域幅の大きい 1 つの接続(object 3)がある場合に役立つことがあります。また、down 10 という値は、追跡対象オブジェクトが一度アップになると、しきい値が 10 以下にならない限りダウン ステートにならないことを意味します。この例では、すべての接続がダウンしないとダウン ステートにならないことを意味します。
追跡リストのパーセントしきい値:例
次の例では、追跡リスト 100 の 4 つのシリアル インターフェイスはアップのパーセントしきい値が 75 に設定されています。シリアル インターフェイスの 75 パーセントがアップになると追跡リストはアップし、アップしているシリアル インターフェイスが 75 パーセント未満であると追跡リストはダウンになります。
track 1 interface serial2/0 line-protocol
track 2 interface serial2/1 line-protocol
track 3 interface serial2/2 line-protocol
track 4 interface serial2/3 line-protocol
track 100 list threshold percentage
threshold percentage up 75
Mobile IP アプリケーション トラッキング:例
次に、ルータ上の Mobile IP、GGSN、および PDSN トラフィックを EOT が追跡するように設定する方法の例を示します。
track 1 application home-agent
用語集
DHCP :Dynamic Host Configuration Protocol。DHCP は、ネットワーク クライアントに IP アドレスと設定情報を伝送するプロトコルです。
GLBP :Gateway Load Balancing Protocol。IEEE 802.3 LAN 上の単一のデフォルト ゲートウェイを使用して設定されている IP ホストの自動ルータ バックアップを提供します。LAN 上の複数のファーストホップ ルータを連結し、IP パケットの転送負荷を共有しながら単一の仮想ファーストホップ IP ルータを提供します。LAN 上にあるその他のルータは、冗長化された(GLBP)ルータとして動作できます。このルータは、既存のフォワーディング ルータが機能しなくなった場合にアクティブになります。
GGSN :Gateway GPRS Support Node。携帯電話ユーザがパブリック データ ネットワーク(PDN)や指定のプライベート IP ネットワークにアクセスできるようにするワイヤレス ゲートウェイ。GGSN 機能は、シスコのルータに実装されています。
GPRS :General Packet Radio Service。モバイル ワイヤレス サービス プロバイダーがモバイル加入者に対し、GSM ネットワーク上でパケットベースのデータ サービスを提供することを可能にする 2.5G モバイル通信テクノロジー。
GSM ネットワーク :Global System for Mobile Communications ネットワーク。世界中で(主に欧州とアジアで)使用されているデジタル携帯電話テクノロジー。GSM は、デジタル ワイヤレス通信の世界標準です。
Home Agent :Home Agent は Mobile Node(MN; 移動ノード)のホーム ネットワーク上のルータで、MN のホーム IP アドレスと気付アドレス(外部ネットワークや訪問先ネットワークでの MN の現在の場所)間のアソシエーションを保持します。HA は、ホーム ネットワークから離れている間は、パケットを MN にトンネリングしてリダイレクトします。
HSRP :Hot Standby Router Protocol(ホット スタンバイ ルータ プロトコル)。高いネットワーク可用性と透過的なネットワーク トポロジ変更を提供します。HSRP は、Hot Standby アドレスに送信されるすべてのパケットにサービスを提供するリード ルータとともに、Hot Standby ルータ グループを作成します。リード ルータはグループ内の他のルータによってモニタされ、その機能が停止すると、いずれかのスタンバイ ルータがリード ルータの役割と Hot Standby グループ アドレスを引き継ぎます。
IPCP :IP Control Protocol。IP over PPP の確立と設定に使用するプロトコル。
LCP :Link Control Protocol(リンク制御プロトコル)。PPP によって使用されるデータリンク接続の確立、設定、およびテストに使用するプロトコル。
PDSN :Packet Data Serving Node。Cisco PDSN は、Code Division Multiplex Access(CDMA; 符号分割多重接続)環境でのパケット データ サービスを使用可能にする、標準準拠のワイヤレス ゲートウェイです。アクセス ゲートウェイとして動作する Cisco PDSN は、シンプルな IP および Mobile IP アクセス、外部エージェントのサポート、Virtual Private Network(VPN; バーチャル プライベート ネットワーク)用のパケット送信を提供します。
PPP :Point-to-Point Protocol(ポイントツーポイント プロトコル)。同期回路および非同期回路上での、ルータ間およびホストとネットワーク間の接続を提供します。PPP は、ダイヤルアップ インターネット アクセスに最も一般的に使用されています。その機能には、アドレス通知、CHAP や PAP での認証、複数のプロトコルのサポート、リンク モニタリングなどが含まれます。
VRF :VPN ルーティングおよび転送インスタンス。VRF は、IP ルーティング テーブル、取得された転送テーブル、その転送テーブルを使用する一連のインターフェイス、転送テーブルに登録されるものを決定する一連のルールおよびルーティング プロトコルで構成されています。一般に、VRF には、Provider Edge(PE; プロバイダー エッジ)ルータに付加されるカスタマー VPN サイトが定義されたルーティング情報が格納されています。
VRRP :Virtual Router Redundancy Protocol。スタティックにデフォルトでルーティングされる環境に内在する単一障害点をなくします。VRRP は、LAN 上のいずれかの VRRP ルータに、仮想ルータとしての役割を動的に割り当てる選択プロトコルを指定します。仮想ルータに関連付けされた IP アドレスを制御し、これらの IP アドレスに送信されたパケットを転送する VRRP ルータは、「マスター」と呼ばれます。マスターが使用できなくなったとき、選択プロセスにより、転送処理のダイナミック フェールオーバーが行われます。この場合、エンド ホストにより、LAN 上のいずれかの仮想ルータ IP アドレスがデフォルトのファーストホップ ルータとして使用可能となります。
CCDE, CCENT, CCSI, Cisco Eos, Cisco Explorer, Cisco HealthPresence, Cisco IronPort, the Cisco logo, Cisco Nurse Connect, Cisco Pulse, Cisco SensorBase, Cisco StackPower, Cisco StadiumVision, Cisco TelePresence, Cisco TrustSec, Cisco Unified Computing System, Cisco WebEx, DCE, Flip Channels, Flip for Good, Flip Mino, Flipshare (Design), Flip Ultra, Flip Video, Flip Video (Design), Instant Broadband, and Welcome to the Human Network are trademarks; Changing the Way We Work, Live, Play, and Learn, Cisco Capital, Cisco Capital (Design), Cisco:Financed (Stylized), Cisco Store, Flip Gift Card, and One Million Acts of Green are service marks; and Access Registrar, Aironet, AllTouch, AsyncOS, Bringing the Meeting To You, Catalyst, CCDA, CCDP, CCIE, CCIP, CCNA, CCNP, CCSP, CCVP, Cisco, the Cisco Certified Internetwork Expert logo, Cisco IOS, Cisco Lumin, Cisco Nexus, Cisco Press, Cisco Systems, Cisco Systems Capital, the Cisco Systems logo, Cisco Unity, Collaboration Without Limitation, Continuum, EtherFast, EtherSwitch, Event Center, Explorer, Follow Me Browsing, GainMaker, iLYNX, IOS, iPhone, IronPort, the IronPort logo, Laser Link, LightStream, Linksys, MeetingPlace, MeetingPlace Chime Sound, MGX, Networkers, Networking Academy, PCNow, PIX, PowerKEY, PowerPanels, PowerTV, PowerTV (Design), PowerVu, Prisma, ProConnect, ROSA, SenderBase, SMARTnet, Spectrum Expert, StackWise, WebEx, and the WebEx logo are registered trademarks of Cisco and/or its affiliates in the United States and certain other countries.
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