IEEE CFM での ITU-T Y.1731 障害管理機能の設定
ここでは、IEEE Ethernet Connectivity Fault Management(CFM; 接続障害管理)プロトコルの一部として、ITU-Y.1731 障害管理機能である Ethernet Alarm Indication Signal(ETH-AIS; アラーム表示信号)および Ethernet Remote Defect Indication(ETH-RDI; リモート障害表示)の実装について説明します。
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。最新の機能情報と注意事項については、ご使用のプラットフォームとソフトウェア リリースに対応したリリース ノートを参照してください。この章に記載されている機能の詳細、および各機能がサポートされているリリースのリストについては、「ITU-T Y.1731 障害管理機能の設定に関する機能情報」 を参照してください。
プラットフォーム サポートと Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージ サポートに関する情報を入手するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
ITU-T Y.1731 障害管理機能の設定に関する前提条件
ビジネス上の要件
• ビジネス ポリシーおよびサービス ポリシーが確立されている。
• ネットワーク トポロジおよびネットワーク管理者が評価済みである。
技術上の要件
• CFM が設定され、Y.1731 障害管理機能が動作するように有効になっている必要があります。
• Server Maintenance Endpoint(SMEP; サーバ メンテナンス エンドポイント)が ETH-AIS 機能をサポートする必要があります。
• Maintenance Intermediate Point(MIP; メンテナンス中間ポイント)が AIS メッセージをサポートするように設定されている必要があります。AIS メッセージは、MIP が設定されたインターフェイス上でのみ生成されます。
ITU-T Y.1731 障害管理機能の設定に関する制約事項
• ポート ASIC のハードウェアの制約事項のため、IEEE CFM は Per VLAN Spanning Tree(PVST)プロトコルと共存できず、IEEE CFM は、同じシステム上で次のライン カードと連係できません。
– FI_WS_X6196_RJ21
– FI_WS_X6196_RJ45
– FI_WS_X6548_RJ21
– FI_WS_X6548_RJ45
• CFM loopback メッセージは、そのメンテナンス レベルに応じたメンテナンス ドメインのみに限定されません。CFM loopback メッセージがそのメンテナンス レベルのみに限定されないことは、次の各レベルに影響を与えます。
– アーキテクチャ:loopback メッセージについて、CFM レイヤリングに違反が発生します。
– 導入:ユーザがネットワークの設定を誤ったために、loopback メッセージが成功する可能性があります。
– セキュリティ:不正なデバイスが、デバイスの MAC アドレスとレベルを認識する場合、本来、透過的であるべきネットワーク トポロジが探索される可能性があります。
• ルーテッド インターフェイスは、Cisco IOS Release 12.4(11)T でのみサポートされます。
• IEEE CFM は、Multiprotocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)の Provider Edge(PE; プロバイダー エッジ)デバイスでは、全機能がサポートされません。IEEE CFM と Ethernet over MPLS(EoMPLS)疑似ワイヤ間で、相互作用は行われません。CFM パケットは、疑似ワイヤ経由でのみ、通常のデータ パケットと同様に透過的に渡されます。ただし、次の制限があります。
– MPLS アップリンク ポートとして Cisco Catalyst LAN カードを使用する Policy Feature Card(PFC; ポリシー フィーチャ カード)ベースの EoMPLS の場合、通常のデータ パケットと同様、EoMPLS 疑似ワイヤ経由で CFM パケットを透過的に渡すことができます。ただし、CFM MEP や MIP は通常のレイヤ 2 スイッチポート インターフェイス上でサポートできますが、EoMPLS エンドポイント インターフェイスを Maintenance Endpoint(MEP; メンテナンス エンドポイント)や MIP としては使用できません。
• CFM 設定は、EtherChannel や FastEthernet Channel(FEC)モードではサポートされていません。
ITU-T Y.1731 障害管理機能の設定に関する情報
ITU-T Y.1731 障害管理機能を設定するには、次の概念を理解しておく必要があります。
• 「連続性チェック メッセージ」
• 「Server MEP」
• 「MEP によって検出される障害状態」
• 「ETH-AIS 機能」
• 「ETH-RDI 機能」
Server MEP
Server MEP(SMEP)は、リンクまたはトランスポート レイヤで定義された CFM メンテナンス アソシエーションのサーバ レイヤ終端機能と、サーバ イーサネット アダプテーション機能という 2 つの機能を実行する仮想 MEP です。SMEP は、サーバ レイヤで障害状態を検出すると、ETH-AIS 情報が入ったフレームを発行します。
MEP によって検出される障害状態
MEP によって検出された後、処理される障害状態は、次のとおりです。
• AIS 状態:MEP は、AIS フレームを受信します。
• Dying Gasp:回復不能な、ベンダー固有の状態。Dying Gasp は、次の状況で生成されます。
– 管理上ディセーブルな 802.3ah
– 管理ダウンによるリンク ダウン
– 電源の故障
– リロード
(注) 管理上ディセーブルな 802.3ah は、トラフィックを中断させないので AIS を生成しません。ただし、Reason フィールドが空で、Cisco ルータと非 Cisco ルータのインターワーキングの場合、ディセーブルによって常に AIS が生成されます。
障害状態に関する通知は、即座に、継続的に送信することができます。
• Loss of Continuity(LOC; 連続性の喪失)状態:MEP は、ピアの MEP から CCM の受信を停止します。LOC 状態は、MEP ダウン エラーです。
LOC は、リモート MEP のライフタイム タイマーが期限切れになり、ローカル MEP に対して AIS 状態が発生したときに生成されます。接続が回復すると、LOC 状態が解除されます。
• 結合誤り状態:DDM でメンテナンス レベルは正しいが、メンテナンス ID が誤っている場合、異なるサービス インスタンスのフレームが、受信側 MEP のメンテナンス ID によって表されるサービス インスタンスと結合されています。結合誤りの状態は、相互接続エラーです。
• RDI 状態:MEP は、RDI フィールドが設定された CCM を受信します。
• 信号障害状態:MEP またはサーバ レイヤ終端機能により、サーバ レイヤでの障害状態について、SMEP に通知されます。信号障害状態は、次のとおりです。
– 設定エラー
– 相互接続エラー
– LOC
– ループ エラー
– MEP 喪失
– MEP 不明(予期しない MEP と同じ)
信号障害状態により、MEP に AIS 障害状態が発生し、その結果 MEP が AIS フレームを受信します。
MEP は信号障害状態を検出すると、各クライアント レイヤまたはサブレイヤのメンテナンス アソシエーションに、AIS フレームを送信します。
• 予期しない MEP 状態:正しいメンテナンス レベル、正しいメンテナンス ID、受信側の MEP MPID と同じ予期しない Maintenance Point ID(MPID; メンテナンス ポイント ID)の CCM です。予期しない MEP 状態は、クロスチェック エラーか、設定エラーのいずれかです。
MEP がピア MPID のリストを維持していれば、予期しない MPID の詳細を特定することは可能です。ピア MPID は、プロビジョニングの際に、各 MEP で設定する必要があります。
ETH-AIS 機能
ETH-AIS 機能は、サーバ レイヤまたはサーバ サブレイヤ(仮想 MEP)のいずれかで障害状態が検出されたときに、アラームを抑止します。ETH-AIS 情報を含むフレームの送信は、MEP または SMEP 上でイネーブルまたはディセーブルにでき、障害状態が検出されたときに、MEP または SMEP のいずれかによって、クライアント メンテナンス レベルで送信できます。
SMEP は物理リンク全体をモニタするので、AIS はネットワーク上の各 VLAN またはサーバに対して生成されます。MEP は、VLAN、Ethernet Virtual Circuit(EVC; イーサネット仮想回線)、およびリンク アップ、リンク ダウン、および 802.3ah インターワーキングがサポートされている SMEP をモニタします。MEP は特定のレベルで接続障害を検出すると、検出された障害と逆方向に、クライアント Maintenance Association(MA; メンテナンス アソシエーション)レベルで、AIS をマルチキャストします。
AIS によって受信側の MEP がトラップを抑止します。これにより、Network Management System(NMS; ネットワーク管理システム)が膨大な数のトラップを重複して受信することがなくなるとともに、クライアントが障害の通知を非同期的に受け取ります。
ポイントツーポイント トポロジでは、MEP のピア MEP は 1 つだけです。したがって、ETH-AIS 情報を受信した際に、アラームを抑制する対象のピア MEP は明白です。
しかしマルチポイント イーサネット トポロジの場合、MEP は ETH-AIS 情報が入ったフレームを受信した際に、接続が解除されたリモート ピアを特定できません。また MEP は、アラームを抑制する対象のピア MEP の関連するサブセットを特定できません。受信した ETH-AIS 情報に MEP 情報が含まれていないからです。MEP は対象のピア MEP を特定できないので、接続が存続するかどうかに関係なく、すべてのピア MEP のアラームが抑制されます。
Spanning Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)環境内での独立した復元機能のため、STP 環境で ETH-AIS は適用されません。ただし、ネットワーク管理者が STP 環境で ETH-AIS 送信を設定することができます。
ETH-AIS の送信、受信、および処理
ETH-AIS 情報が入ったフレームを送信するように設定できるのは、MEP と SMEP のみです。MEP は障害状態を検出すると、設定されたクライアントのメンテナンス レベルで、ETH-AIS 情報が入ったフレームの送信をただちに開始します。フレームは、障害と反対の方向で、ピア MEP に送信されます。最初の AIS フレームは、常に障害状態の検出直後に送信する必要がありますが、それ以降、設定された AIS 送信時間に基づいた頻度で送信されます。送信側の MEP は、障害状態が取り除かれるまで、ETH-AIS 情報の入ったフレームを送信し続けます。フレームのヘッダー内のピリオド フラグは、送信間隔を示します。デフォルトでは、AIS フレームが、設定された送信間隔の 3.5 倍の時間以内に受信されない場合のみ、MEP によって障害状態がクリアされます。
(注) AIS 送信周期は 1 秒に設定することが推奨されますが、IEEE CFM によってサポートされるすべての VLAN で ETH-AIS をイネーブルにするために、1 分という AIS 送信周期がサポートされています。
MEP は、ETH-AIS 情報が入ったフレームを受信すると、フレームを検査して、メンテナンス アソシエーション レベルがそれ自体のメンテナンス アソシエーション レベルに対応していることを確認します。MEP は AIS 状態を検出すると、すべてのピア MEP に関連する loss-of-continuity(連続性の喪失)アラームを抑止します。ピア MEP は、受信側の MEP の AIS 状態が終了した場合のみ、loss-of-continuity アラームの生成を再開できます。
クライアント レイヤまたはクライアント サブレイヤが複数のメンテナンス アソシエーションで構成され、サーバ レイヤまたはサーバ サブレイヤ MEP が障害状態を検出したときに、それらのメンテナンス アソシエーションにも、アラーム抑止の通知が必要な場合があります。最初の AIS フレームは、すべてのクライアント レイヤまたはサブレイヤ メンテナンス アソシエーションに対し、障害状態の検出から 1 秒以内に送信する必要があります。
AIS と 802.3ah のインターワーキング
次の状態は、SMEP AIS の状態に影響を与えます。
• デフォルトでは、リンク ダウン イベントが発生すると、SMEP は AIS 状況を開始し、直接のクライアント メンテナンス アソシエーション レベルのすべてのサービスに対して AIS フレームを生成します。
• リンク アップ イベントが発生すると、SMEP は、AIS 状態を終了し、AIS フレームの生成を停止します。
• ローカルの障害検出は、Dying Gasp、リンク障害、または重大な 802.3ah Remote Fault Indication(RFI; リモート障害検出)によって生じます。802.3ah が再度確立されると、SMEP は AIS 状態を終了し、AIS フレームの生成を停止します。
• インターフェイスをエラー ディセーブルにする設定可能なアクションで、上限しきい値を超えたために生じるローカルの障害検出
• Dying Gasp、リンク障害、または重大なイベントによって送信された RFI
検出された障害の原因が Dying Gasp の場合、リンクは両方向でダウンし、図 1 に示すように AIS および RDI フレームが作成されます。
図 1 RX と TX の両方の障害に伴う AIS/R フレーム フロー
ETH-RDI 機能
MEP は ETH-RDI 機能を使用して、障害状態が発生したことをピア MEP に通知することができます。ETH-RDI が使用されるのは、ETH-CC 送信がイネーブルになっている場合のみです。
ETH-RDI には、次の 2 種類の用途があります。
• 片終端障害管理:受信側の MEP が RDI 障害状態を検出した場合、その障害がこの MEP の他の障害状態と関連し合い、故障の原因となることがあります。1 つの MEP で ETH-RDI 情報が受信されない場合は、その MA 全体に障害が存在しません。
• 遠端パフォーマンス モニタリングへの寄与:遠端に障害状態があったことを表し、パフォーマンス モニタリング プロセスに対する 1 つの入力情報として使用されます。
障害状態にある MEP は、ETH-RDI 情報を含む CCM を送信します。MEP は、ETH-RDI 情報を含む CCM を受信すると、そのメンテナンス アソシエーション レベルが、設定されたメンテナンス アソシエーション レベルに対応することを確認した後、RDI が設定されている場合は、RDI 状態を検出します。受信側 MEP は、CCM の RDI フィールドで障害状態の時間の長さを設定します。また MEP で CCM 送信がイネーブルな場合、設定された送信間隔に基づいて CCM を送信します。障害状態が解消すると、MEP は後続の送信について、CCM の RDI フィールドをクリアします。
ポイントツーポイント イーサネット接続の場合、MEP は、ピア MEP から RDI フィールドがクリアされた CCM を最初に受信したときに、RDI 状態をクリアすることができます。マルチポイント イーサネット接続の場合、デフォルト状態で MEP はピア MEP を特定できません。したがって、各ピア MEP から RDI フィールドがクリアされた CCM を受信した場合のみ RDI 状態をクリアすることができます。
ETH-RDI 機能は、連続性チェックの一部であり、デフォルトでイネーブルです。連続性チェックの詳細については、『 Configuring IEEE Standard-Compliant Ethernet CFM in a Service Provider Network 』設定モジュールを参照してください。
ITU-T Y.1731 障害管理機能の設定方法
ETH-AIS と ETH-RDI は、CFM が設定されている場合、いずれもデフォルトでイネーブルですが、CFM の設定時に、別々にコマンドを実行して手動でイネーブルにすることができます。この機能をディセーブルまたはイネーブルにするには、次のタスクを実行します。
• 「ETH-AIS 機能のディセーブル化」(任意)
• 「シングル インターフェイス SMEP での ETH-AIS のイネーブル化と他のすべてのポートでの ETH-AIS のディセーブル化」(任意)
ETH-AIS 機能のディセーブル化
ETH-AIS 機能をディセーブルにするには、次のタスクを実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ethernet cfm ais link-status global
4. disable
5. exit
6. ethernet cfm domain domain-name level level-id [ direction outward ]
7. service { ma-name | ma-num | vlan-id vlan-id | vpn-id vpn-id } [ port | vlan vlan-id [ direction down ]]
8. no ais [ expiry-threshold | level | period | suppress-alarms ]
9. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
ethernet cfm ais link-status global
Router(config)# ethernet cfm ais link-status global |
AIS の生成をグローバルにイネーブルにし、CLI を CFM SMEP AIS コンフィギュレーション モードにします。 |
ステップ 4 |
disable
Router(config-ais-link-cfm)# disable |
AIS 送信をディセーブルにします。 |
ステップ 5 |
exit
Router(config-ais-link-cfm)# exit |
CLI をグローバル コンフィギュレーション モードに戻します。 |
ステップ 6 |
ethernet cfm domain domain-name level level-id [ direction outward ]
Router(config)# ethernet cfm domain PROVIDERDOMAIN level 4 |
特定のメンテナンス レベルで CFM メンテナンス ドメインを定義し、CLI をイーサネット CFM コンフィギュレーション モードにします。 |
ステップ 7 |
service { ma-name | ma-num | vlan-id vlan-id | vpn-id vpn-id } [ port | vlan vlan-id [ direction down ]]
Router(config-ecfm)# service customer101provider evc customer101provider@101 vlan 101 |
メンテナンス ドメイン内にメンテナンス アソシエーションを設定し、CLI をイーサネット CFM サービス コンフィギュレーション モードにします。 |
ステップ 8 |
no ais [ expiry-threshold | level | period | suppress-alarms ]
Router(config-ecfm-srv)# no ais |
特定のメンテナンス アソシエーションで、AIS 機能をディセーブルにします。 |
ステップ 9 |
end
Router(config-ecfm-srv)# end |
CLI を特権 EXEC モードに戻します。 |
シングル インターフェイス SMEP での ETH-AIS のイネーブル化と他のすべてのポートでの ETH-AIS のディセーブル化
ETH-AIS 機能を手動でイネーブルにするには、次のタスクを実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ethernet cfm domain domain-name level level-id [ direction outward ]
4. service { ma-name | ma-num | vlan-id vlan-id | vpn-id vpn-id } [ port | vlan vlan-id [ direction down ]]
5. continuity-check [ interval time | loss-threshold threshold | static rmep ]
6. ais [ expiry-threshold threshold | level level-id | period seconds | suppress-alarms ]
7. ais [ expiry-threshold threshold | level level-id | period seconds | suppress-alarms ]
8. exit
9. service { ma-name | ma-num | vlan-id vlan-id | vpn-id vpn-id } [ port | vlan vlan-id [ direction down ]]
10. continuity-check [ interval time | loss-threshold threshold | static rmep ]
11. ethernet cfm ais link-status global
12. disable
13. interface type number
14. ethernet oam remote-loopback { supported | timeout seconds }
15. ethernet cfm mip level level-id [ vlan { vlan-id | vlan-id - vlan-id | , vlan-id - vlan-id }]
16. ethernet cfm ais link-status [ level level-id | period seconds ]
17. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
ethernet cfm domain domain-name level level-id [ direction outward ]
Router(config)# ethernet cfm domain PROVIDERDOMAIN level 4 |
特定のメンテナンス レベルで CFM メンテナンス ドメインを定義し、CLI をイーサネット CFM コンフィギュレーション モードにします。 |
ステップ 4 |
service { ma-name | ma-num | vlan-id vlan-id | vpn-id vpn-id } [ port | vlan vlan-id [ direction down ]]
Router(config-ecfm)# service customer101provider evc customer101provider@101 vlan 101 |
メンテナンス ドメイン内にメンテナンス アソシエーションを設定し、CLI をイーサネット CFM サービス コンフィギュレーション モードにします。 |
ステップ 5 |
continuity-check [ interval time | loss-threshold threshold | static rmep ]
Router(config-ecfm-srv)# continuity-check |
CCM の送信をイネーブルにします。 |
ステップ 6 |
ais [ expiry-threshold threshold | level level-id | period seconds | suppress-alarms ]
Router(config-ecfm-srv)# ais period 1 |
特定のメンテナンス アソシエーションで、AIS 機能をイネーブルにします。 |
ステップ 7 |
ais [ expiry-threshold threshold | level level-id | period seconds | suppress-alarms ]
Router(config-ecfm-srv)# ais level 7 |
特定のメンテナンス アソシエーションで、AIS 機能をイネーブルにします。 |
ステップ 8 |
exit
Router(config-ecfm-srv)# exit |
CLI をイーサネット CFM コンフィギュレーション モードに戻します。 |
ステップ 9 |
service { ma-name | ma-num | vlan-id vlan-id | vpn-id vpn-id } [ port | vlan vlan-id [ direction down ]]
Router(config-ecfm)# service customer110provider evc customer110provider@110 vlan 110 |
メンテナンス ドメイン内にメンテナンス アソシエーションを設定し、CLI をイーサネット CFM サービス コンフィギュレーション モードにします。 |
ステップ 10 |
continuity-check [ interval time | loss-threshold threshold | static rmep ]
Router(config-ecfm-srv)# continuity-check |
CCM の送信をイネーブルにします。 |
ステップ 11 |
ethernet cfm ais link-status global
Router(config-ecfm-srv)# ethernet cfm ais link-status global |
AIS 生成をグローバルにイネーブルにし、SMEP に対して AIS コマンドを設定するために、CFM SMEP AIS コンフィギュレーション モードにします(config-ais-link-cfm)。 |
ステップ 12 |
disable
Router(config-ais-link-cfm)# disable |
リンクステータスの変更によって生じる AIS フレームの生成をディセーブルにします。 |
ステップ 13 |
interface type number
Router(config-ais-link-cfm)# interface ethernet 0/1 |
インターフェイス タイプを指定し、CLI をインターフェイス コンフィギュレーション モードにします。 |
ステップ 14 |
ethernet oam remote-loopback { supported | timeout seconds }
Router(config-if)# ethernet oam remote-loopback supported |
インターフェイス上でイーサネット OAM リモート ループバック操作のサポートをイネーブルにするか、リモート ループバック タイムアウト時間を設定します。 |
ステップ 15 |
ethernet cfm mip level level-id [ vlan { vlan-id | vlan-id - vlan-id | , vlan-id - vlan-id }]
Router(config-if)# ethernet cfm mip level 4 vlan 101 |
インターフェイス上の指定されたメンテナンス レベルで、MIP をプロビジョニングします。 |
ステップ 16 |
ethernet cfm ais link-status [ level level-id | period seconds ]
Router(config-if)# ethernet cfm ais link-status |
SMEP から AIS 生成をイネーブルにします。 |
ステップ 17 |
end
Router(config-if)# end |
CLI を特権 EXEC モードに戻します。 |
ITU-T Y.1731 障害管理機能の設定に関する設定例
ここでは、次の例について説明します。
• 「インターフェイスでの IEEE CFM のイネーブル化:例」
• 「AIS のイネーブル化:例」
• 「show コマンドの出力:例」
インターフェイスでの IEEE CFM のイネーブル化:例
次に、インターフェイスにおける IEEE CFM をイネーブルにする例を示します。
ethernet cfm domain ServiceProvider level 4
service MetroCustomer1 vlan 100
ethernet cfm domain OperatorA level 1
service MetroCustomer1OpA vlan 100
ethernet cfm traceroute cache
ethernet cfm traceroute cache size 200
ethernet cfm traceroute cache hold-time 60
interface gigabitethernet3/0
interface gigabitethernet4/0
ethernet cfm mep level 1 mpid 102 vlan 100
ethernet cfm cc enable level 1 vlan 100
ethernet cfm cc level any vlan any interval 20 loss-threshold 3
AIS のイネーブル化:例
次に、AIS をイネーブルにする方法の例を示します。
ethernet cfm domain PROVIDER_DOMAIN level 4
service customer101provider evc customer101provider@101 vlan 101
service customer110provider evc customer110provider@110 vlan 110
ethernet cfm ais link-status global
ethernet oam remote-loopback supported
ethernet cfm mip level 4 vlan 1,101,110
ethernet cfm ais link-status
show コマンドの出力:例
次の show ethernet cfm maintenance-point local detail コマンドの出力例は、ローカル MEP の設定を示しています。
Router# show ethernet cfm maintenance-points local detail
DomainName: PROVIDERDOMAIN
AIS Expiry Threshold: 3.5
Level to transmit AIS: Default
Suppress Alarm configuration: Enabled
次の show ethernet cfm smep コマンドの出力例は、SMEP の設定を示しています。
Router# show ethernet cfm smep
Defect Condition: No Defect
次の show ethernet cfm smep interface コマンドの出力例は、SMEP 上の特定のインターフェイスの設定を示しています。
Router# show ethernet cfm smep interface ethernet 0/1
Level to transmit LCK: Default
Level to transmit AIS: Default
Defect Condition: No Defect
次の show ethernet cfm errors コマンドの出力例は、デバイス上のイーサネット CFM エラーを示しています。
Router# show ethernet cfm errors
Level Vlan MPID Remote MAC Reason Service ID
5 102 - aabb.cc00.ca10 Receive AIS service test
次の show ethernet cfm maintenance-points remote detail コマンドの出力例は、特定のリモート MEP の詳細情報を示しています。
Router# show ethernet cfm maintenance-points remote detail mpid 66
MAC Address: aabb.cc00.ca10
Domain/Level: PROVIDERDOMAIN/4
MPID: 66 (Can ping/traceroute)
Incoming Port(s): Ethernet0/2
Age of Last CC Message(sec): 8
CC Packet Statistics: 2/0 (Received/Error)
R1#MAC Address: aabb.cc00.ca10
Domain/Level: PROVIDERDOMAIN/4
MPID: 66 (Can ping/traceroute)
Incoming Port(s): Ethernet0/2
Age of Last CC Message(sec): 8
CC Packet Statistics: 2/0 (Received/Error)
その他の参考資料
次の項では、ITU-T Y.1731 障害管理機能の設定機能に関連する参考資料を示します。
規格
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IEEE 802.1ag |
『802.1ag - Connectivity Fault Management』 |
IEEE 802.3ah |
『Ethernet in the First Mile』 |
ITU-T |
『ITU-T Y.1731 OAM Mechanisms for Ethernet-Based Networks』 |
シスコのテクニカル サポート
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右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。 以下を含むさまざまな作業にこの Web サイトが役立ちます。 ・テクニカル サポートを受ける ・ソフトウェアをダウンロードする ・セキュリティの脆弱性を報告する、またはシスコ製品のセキュリティ問題に対する支援を受ける ・ツールおよびリソースへアクセスする - Product Alert の受信登録 - Field Notice の受信登録 - Bug Toolkit を使用した既知の問題の検索 ・Networking Professionals(NetPro)コミュニティで、技術関連のディスカッションに参加する ・トレーニング リソースへアクセスする ・TAC Case Collection ツールを使用して、ハードウェアや設定、パフォーマンスに関する一般的な問題をインタラクティブに特定および解決する この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。 |
http://www.cisco.com/techsupport |
ITU-T Y.1731 障害管理機能の設定に関する機能情報
表 1 に、この機能のリリース履歴を示します。
ここに記載されていないこのテクノロジーの機能情報については、『 Carrier Ethernet Features Roadmap 』を参照してください。
ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースによっては、コマンドの中に一部使用できないものがあります。特定のコマンドのリリース情報については、コマンド リファレンス マニュアルを参照してください。
Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよびソフトウェア イメージのサポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator を使用すると、Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージがサポートする特定のソフトウェア リリース、機能セット、またはプラットフォームを確認できます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
(注) 表 1 には、一連の Cisco IOS ソフトウェア リリースのうち、特定の機能が初めて導入された Cisco IOS ソフトウェア リリースだけが記載されています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連の Cisco IOS ソフトウェア リリースでもサポートされます。
表 1 ITU-T Y.1731 障害管理機能の設定に関する機能情報
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ITU-T Y.1731 障害管理機能の設定 |
15.0(1)XA 12.2(33)SRE 15.1(1)T |
ITU-Y.1731 障害管理機能は、大規模 MAN および WAN における障害検出、障害検証、および障害分離を実現するために、IEEE CFM に ETH-AIS 機能および ETH-RDI 機能を追加します。 この機能に関する詳細については、次の各項を参照してください。 • 「ITU-T Y.1731 障害管理機能の設定に関する情報」 • 「ITU-T Y.1731 障害管理機能の設定方法」 • 「ITU-T Y.1731 障害管理機能の設定に関する設定例」 次のコマンドが、新たに導入または変更されました。 ais 、 clear ethernet cfm ais 、 disable (CFM-AIS-link)、 ethernet cfm ais link-status 、 ethernet cfm ais link-status global 、 level (cfm-ais-link)、 period (cfm-ais-link)、 show ethernet cfm errors 、 show ethernet cfm maintenance-points local 、 show ethernet cfm maintenance-points remote detail 、 show ethernet cfm smep |
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