シスコ エクスプレス フォワーディングの基本設定について
シスコ エクスプレス フォワーディングまたは分散型シスコ エクスプレス フォワーディングを使用する前に、次の内容を理解しておく必要があります。
• 「シスコ エクスプレス フォワーディングと分散型シスコ エクスプレス フォワーディングのプラットフォーム サポート」
• 「シスコ エクスプレス フォワーディングの利点:パフォーマンス、スケーラビリティ、および復元力の向上」
• 「シスコ エクスプレス フォワーディング動作の主要コンポーネント」
• 「シスコ エクスプレスの転送動作モード:集中型と分散型」
• 「シスコ エクスプレス フォワーディングの基本の設定方法」
ご使用のネットワーク アーキテクチャで、シスコ エクスプレス フォワーディングまたは分散型シスコ エクスプレス フォワーディングのスイッチングとフォワーディングをディセーブルまたはイネーブルにし、ロード バランシング スキームを変更し、シスコ エクスプレス フォワーディング テーブルを更新し、シスコ エクスプレス フォワーディングのネットワーク アカウンティングを設定するか、またはシスコ エクスプレス フォワーディング イベント表示をカスタマイズする必要がある場合は、これらのタスクについて「関連資料」にあるリンクを参照してください。そうでない場合は、ネットワーク上でのシスコ エクスプレス フォワーディングまたは分散型シスコ エクスプレス フォワーディング動作の設定に関して、それ以上の作業は必要ありません。
(注) シスコ エクスプレス フォワーディングは、IEEE 802.1Q カプセル化がサブインターフェイス レベルでイネーブルになっているインターフェイス上でサポートされます。VLAN サブインターフェイス上で IEEE 802.1Q カプセル化を使用しているインターフェイスに対して、CEF 動作をディセーブルにする必要はありません。
シスコ エクスプレス フォワーディングと分散型シスコ エクスプレス フォワーディングのプラットフォーム サポート
シスコ エクスプレス フォワーディングは、Cisco IOS ソフトウェア Release 12.0 以降が動作する大部分のシスコ プラットフォーム上で、デフォルトでイネーブルになっています。シスコ エクスプレス フォワーディングがルータ上でイネーブルの場合、Route Processor(RP; ルート プロセッサ)はエクスプレス フォワーディングを実行します。
ご使用のプラットフォーム上でシスコ エクスプレス フォワーディングがデフォルトでイネーブルかどうか確認するには、 show ip cef コマンドを入力してください。シスコ エクスプレス フォワーディングがイネーブルの場合は、次のような出力が表示されます。
Prefix Next Hop Interface
10.2.61.8/24 192.168.100.1 FastEthernet1/0/0
192.168.101.1 FastEthernet6/1
ご使用のプラットフォーム上でシスコ エクスプレス フォワーディングがイネーブルでない場合、 show ip cef コマンドの出力は次のようになります。
分散型シスコ エクスプレス フォワーディングは、Catalyst 6500 シリーズ スイッチ、Cisco 7500 シリーズ ルータ、および Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータで、デフォルトでイネーブルになっています。プラットフォーム上で分散型シスコ エクスプレス フォワーディングがイネーブルになっている場合、ラインカードはエクスプレス フォワーディングを実行します。
プラットフォーム上でシスコ エクスプレス フォワーディングがイネーブルになっていない場合は、 ip cef コマンドを使用してシスコ エクスプレス フォワーディングをイネーブルにするか、または ip cef distributed コマンドを使用して分散型シスコ エクスプレス フォワーディングをイネーブルにします。
シスコ エクスプレス フォワーディングの利点:パフォーマンス、スケーラビリティ、および復元力の向上
シスコ エクスプレス フォワーディングには次の利点があります。
• パフォーマンスの向上:シスコ エクスプレス フォワーディングは、ファースト スイッチング ルート キャッシングに比べて CPU に負担がかかりません。その結果、より多くの CPU 処理能力を QoS(Quality of Service)や暗号化などのレイヤ 3 サービスに使用できます。
• スケーラビリティ:分散型シスコ エクスプレス フォワーディング モードがアクティブな場合、シスコ エクスプレス フォワーディングでは、各ラインカードのスイッチング キャパシティをフルに活用できます。分散型シスコ エクスプレス フォワーディングは、ルータに設置されているインターフェイス カード数および帯域幅に従って、リニアに拡張する分散型スイッチング メカニズムです。
• 復元力:シスコ エクスプレス フォワーディングは、大規模な動的ネットワーク上で比類ないレベルのスイッチング一貫性と安定性を提供します。動的なネットワークでは、高速交換されるキャッシュ エントリが、ルーティングの変更によって無効になることがよくあります。このような変更が行われると、トラフィックはルート キャッシュを使用した高速交換ではなく、ルーティング テーブルを使用したプロセス交換で処理されるようになります。Forwarding Information Base(FIB; 転送情報ベース)ルックアップ テーブルには、ルーティング テーブル内に存在する既知のすべてのルートが含まれているため、ルート キャッシュ メンテナンスの必要性がなくなり、高速スイッチまたはプロセス スイッチ フォワーディングに関連する手順が不要になります。シスコ エクスプレス フォワーディングは、一般的なデマンド キャッシング スキームよりも効率的にトラフィックを交換できます。
シスコ エクスプレス フォワーディング動作の主要コンポーネント
従来ルート キャッシュに格納されていた情報は、シスコ エクスプレス フォワーディング スイッチングのいくつかのデータ構造に格納されます。このデータ構造では、最適化された検索によって効率的なパケット フォワーディングが可能です。シスコ エクスプレス フォワーディング動作の 2 つの主要コンポーネントは、Forwarding Information Base(FIB; 転送情報ベース)と隣接関係テーブルです。
FIB は、概念的にはルーティング テーブルや情報ベースに似ています。ルータはこのルックアップ テーブルを使用して、シスコ エクスプレス フォワーディング動作中に宛先ベースのスイッチング判断を行います。FIB は、ネットワーク内で変更が発生すると更新され、その時点で既知のすべてのルートが含まれます。FIB の詳細については、「シスコ エクスプレス フォワーディングの概要」モジュールを参照してください。
隣接関係テーブルには、すべての FIB エントリに関するレイヤ 2 ネクストホップ アドレスが保存されます。隣接関係テーブルの詳細については、「シスコ エクスプレス フォワーディングの概要」モジュールを参照してください。
この到着可能性情報(シスコ エクスプレス フォワーディング テーブル内)と転送情報(隣接関係テーブル内)の分離には、2 つの主要な利点があります。
• 隣接関係テーブルは、シスコ エクスプレス フォワーディング テーブルとは別に作成できます。そのため、両方のテーブルを、パケットのプロセス交換なしで作成できます。
• パケットの転送に使用される MAC ヘッダー書き換えは、キャッシュ エントリに格納されません。したがって、MAC ヘッダー書き換え文字列の変更では、キャッシュ エントリを無効化する必要がありません。
集中型シスコ エクスプレス フォワーディング モードの動作
シスコ エクスプレス フォワーディング スイッチングにラインカードが対応していない場合、分散型シスコ エクスプレス フォワーディング スイッチングと互換性のない機能を使用する必要がある場合、または分散型プラットフォームではないプラットフォーム上で動作する場合は、集中型シスコ エクスプレス フォワーディング モードを使用できます。集中型シスコ エクスプレス フォワーディング モードがイネーブルの場合、シスコ エクスプレス フォワーディング FIB および隣接関係テーブルは RP 上に存在し、RP はエクスプレス フォワーディングを実行します。
図 1 に、集中型シスコ エクスプレス フォワーディング モードで動作中の、ルーティング テーブル、FIB、および隣接関係テーブルの関係を示します。Catalyst スイッチは、ワークグループ LAN から、集中型シスコ エクスプレス フォワーディングが動作するバックボーン上の Cisco 7500 シリーズ ルータにトラフィックを転送します。RP は、エクスプレス フォワーディングを実行します。
図 1 集中型シスコ エクスプレス フォワーディング モードの動作
分散型シスコ エクスプレス フォワーディング モードの動作
さらにスケーラビリティを向上させるために、シスコ エクスプレス フォワーディングは、処理タスクを 2 つ以上のラインカードにわたって分散させることにより、特定のプラットフォーム上で分散型シスコ エクスプレス フォワーディングの形式で動作します。分散型シスコ エクスプレス フォワーディング モードがイネーブルの場合、ラインカードは FIB と隣接関係テーブルの同一のコピーを保持します。ラインカードはポート アダプタ間でエクスプレス フォワーディングを行い、RP をスイッチング動作から解放し、システム パフォーマンスも向上させます。
分散型シスコ エクスプレス フォワーディングは、InterProcess Communication(IPC; プロセス間通信)メカニズムを使用して、RP およびラインカード上の FIB テーブルと隣接関係テーブルとの同期を保証します。
図 2 に、分散型シスコ エクスプレス フォワーディングがアクティブな場合の RP とラインカード間の関係を示します。
図 2 分散型シスコ エクスプレス フォワーディング モードの動作
Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータでは、図 2 に示すように、ラインカードがスイッチングを行います。その他のルータでは、同じルータ内で各種タイプのカードが混在できる場合、すべてのカードが分散型シスコ エクスプレス フォワーディングをサポートするとは限りません。これらのその他のルータの 1 つで、分散型シスコ エクスプレス フォワーディングをサポートしないラインカードがパケットを受信した場合、そのラインカードは 1 つ上位のスイッチング レイヤ(RP)にパケットを転送します。この構造により、レガシー インターフェイス プロセッサが、新しいインターフェイス プロセッサとルータ内に共存できます。
(注) Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータは、分散型シスコ エクスプレス フォワーディング モードだけで動作します。
シスコ エクスプレス フォワーディングの基本の確認方法
ここでは、シスコ エクスプレス フォワーディングまたは分散型シスコ エクスプレス フォワーディングの基本的な動作を確認する手順を示します。
以降のタスクを実行する前に、ルータでどのモードのシスコ エクスプレス フォワーディングが動作しているか知る必要があります。シスコ エクスプレス フォワーディングは、Cisco 7100、7200、および 7500 シリーズ ルータで、デフォルトでイネーブルになっています。分散型シスコ エクスプレス フォワーディングは、Catalyst 6500 スイッチおよび Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータで、デフォルトでイネーブルになっています。ルータ上でシスコ エクスプレス フォワーディングまたは分散型シスコ エクスプレス フォワーディングがイネーブルになっているか判断するには、 show ip interface コマンドを入力して「IP CEF switching enabled」または「IP Distributed CEF switching enabled」のエントリを探します。シスコ エクスプレス フォワーディングがイネーブルでない場合は、コマンド出力内に「IP CEF switching is disabled」というエントリが表示されます。
シスコ エクスプレス フォワーディングまたは分散型シスコ エクスプレス フォワーディングの基本動作を確認するには、次の手順とタスクを実行してください。
• 「ルータが集中型と分散型のどちらのシスコ エクスプレス フォワーディング用に設定されているかの確認」(必須)
• 「ルータでのシスコ エクスプレス フォワーディング動作の確認」(任意)
• 「ルータでの分散型シスコ エクスプレス フォワーディング動作の確認」(任意)
• 「シスコ エクスプレス フォワーディング コマンド出力の情報の解釈」(任意)
ルータが集中型と分散型のどちらのシスコ エクスプレス フォワーディング用に設定されているかの確認
ルータがシスコ エクスプレス フォワーディングと分散型シスコ エクスプレス フォワーディングのどちらに設定されているか確認するには、次のタスクを実行します。
手順の概要
1. enable
2. show ip interface [ type number ] [ brief ]
3. exit
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
show ip interface [ type number ] [ brief ]
Router# show ip interface |
IP 用に設定されたインターフェイスが使用可能かどうかのステータスを表示します。 • type 引数で、インターフェイス タイプを指定します。 • number 引数で、インターフェイス番号を指定します。 • brief キーワードは、使用可能性ステータス情報の概要を表示します。 「IP CEF switching enabled」または「IP Distributed CEF switching enabled」というエントリを探します。 |
ステップ 3 |
exit
Router# exit |
ユーザ EXEC モードに戻ります。 |
この次の手順
• ルータがシスコ エクスプレス フォワーディング用に設定されている場合は、「ルータでのシスコ エクスプレス フォワーディング動作の確認」にある RP に対する各タスクの手順に従います。
• ルータが分散型シスコ エクスプレス フォワーディング用に設定されている場合は、「ルータでの分散型シスコ エクスプレス フォワーディング動作の確認」にあるラインカードに対する各タスクの手順に従います。各タスクに示されているように、RP に対してもこの手順の実行が必要な場合があります。ラインカードの場合と同じ手順を RP に対しても実行することにより、RP のフォワーディング テーブルとラインカードのフォワーディング テーブルが同期していることを確認できます。
ルータの入力インターフェイスでシスコ エクスプレス フォワーディング スイッチングがイネーブルになっていることの確認
ルータ上の入力(着信)インターフェイスでシスコ エクスプレス フォワーディング スイッチングがイネーブルであることを確認するには、次の手順に従います。
手順の概要
1. enable
2. show ip cef
3. show cef interface type number detail
4. show ip interface type number
5. exit
手順の詳細
ステップ 1 enable
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードをイネーブルにします。このコマンドは、ユーザ EXEC モードでも入力できます。プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。次に例を示します。
ステップ 2 show ip cef
このコマンドを使用すると、シスコ エクスプレス フォワーディングがグローバルにイネーブルになっていることを確認できます。次に例を示します。
シスコ エクスプレス フォワーディングが動作していない場合は、 ip cef コマンドを使用してシスコ エクスプレス フォワーディングをイネーブルにするか、または ip cef distributed コマンドを使用して分散型シスコ エクスプレス フォワーディングをイネーブルにします。
シスコ エクスプレス フォワーディングまたは分散型シスコ エクスプレス フォワーディングがイネーブルの場合、 show ip cef コマンドでは、すべての FIB エントリの概要が表示されます。
ステップ 3 show cef interface type number detail
このコマンドを使用すると、シスコ エクスプレス フォワーディングが特定の入力インターフェイスに対してイネーブルであることを確認できます。「IP CEF switching enabled」というエントリを探します。次に例を示します。
Router# show cef interface fastethernet 1/0/0 detail
FastEthernet1/0/0 is up (if_number 9)
Corresponding hwidb fast_if_number 9
Corresponding hwidb firstsw->if_number 9
Internet address is 10.2.61.8/24
ICMP redirects are always sent
Per packet load-sharing is disabled
IP unicast RPF check is disabled
Inbound access list is not set
Outbound access list is not set
IP policy routing is disabled
Hardware idb is FastEthernet1/0/0
Fast switching type 1, interface type 5
IP Feature Fast switching turbo vector
IP Feature CEF switching turbo vector
Input fast flags 0x0, Output fast flags 0x0
Transmit limit accumulator 0x48001A82 (0x48001A82)
ステップ 4 show ip interface type number
このコマンドを使用すると、インターフェイス上でイネーブルになっている Cisco IOS スイッチング方式を表示できます。次に例を示します。
router# show ip interface fastethernet 1/0/0
FastEthernet1/0/0 is up, line protocol is up
IP fast switching is enabled
IP fast switching on the same interface is enabled
IP Flow switching is disabled
IP CEF switching is enabled
IP Distributed switching is enabled
IP Fast switching turbo vector
IP Normal CEF switching turbo vector
IP multicast fast switching is enabled
IP multicast distributed fast switching is disabled
IP route-cache flags are Fast, Distributed, No CEF
この出力で、「IP CEF switching is enabled」エントリは、シスコ エクスプレス フォワーディングがデフォルトでイネーブルであることを示しています。IP ルート キャッシュ フラグ「No CEF」は、管理者がこのインターフェイスに対して no ip route-cache cef コマンドを入力したため、シスコ エクスプレス フォワーディングがディセーブルであることを示しています。
このインターフェイスでシスコ エクスプレス フォワーディングをイネーブルにするには、 ip route-cache cef コマンドを入力します。これを実行すると、「CEF」フラグによって、シスコ エクスプレス フォワーディングが実行中であることが示されます。
ステップ 5 exit
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードを終了します。次に例を示します。
RP 上のフォワーディング テーブル内でのプレフィクスの検索
フォワーディング テーブル内でプレフィクスを検索するには、次の手順に従います。
手順の概要
1. enable
2. show ip cef
3. show ip cef vrf vrf-name
4. 必要な回数だけステップ 2 を繰り返し、プレフィクスを検索します。
5. exit
手順の詳細
ステップ 1 enable
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードをイネーブルにします。このコマンドは、ユーザ EXEC モードでも入力できます。プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。次に例を示します。
ステップ 2 show ip cef
このコマンドを使用すると FIB 内のエントリを表示し、FIB 内にプレフィクスが示されていることを確認できます。次に例を示します。
Prefix Next Hop Interface
10.2.61.8/24 192.168.100.1 FastEthernet1/0/0
192.168.101.1 FastEthernet6/1
ステップ 3 show ip cef vrf vrf-name
このコマンドを使用すると、Virtual Private Network(VPN; バーチャル プライベート ネットワーク)Routing/Forwarding(VRF; VPN ルーティング/フォワーディング)テーブル インスタンスに関連付けられたフォワーディング テーブル内でプレフィクスを検索できます。たとえば、このコマンドでは vpn1 という名前の VRF に対して、左のカラムにプレフィクスが表示されます。
Router# show ip cef vrf vpn1
Prefix Next Hop Interface
10.1.0.0/8 10.0.0.1 Ethernet1/3
10.2.0.0/8 10.0.0.2 POS6/0
10.0.0.0/8 attached Ethernet1/3
10.0.0.1/32 10.0.0.1 Ethernet1/3
10.255.255.255/32 receive
10.3.0.0/8 10.0.0.2 POS6/0
255.255.255.255/32 receive
ステップ 4 必要な回数だけステップ 2 を繰り返し、プレフィクスを検索します。
シスコ エクスプレス フォワーディングが VPN 内で行われている場合は、複数の VRF を調べる必要があります。
ステップ 5 exit
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードを終了します。次に例を示します。
RP 上のプレフィクスに関連付けられたシスコ エクスプレス フォワーディング出力情報の検索
RP 上のプレフィクスに関連付けられたシスコ エクスプレス フォワーディング出力情報を検索するには、次の手順に従います。
手順の概要
1. enable
2. show ip cef
3. show ip cef prefix
4. show ip cef prefix detail
5. exit
手順の詳細
ステップ 1 enable
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードをイネーブルにします。このコマンドは、ユーザ EXEC モードでも入力できます。プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。次に例を示します。
ステップ 2 show ip cef
このコマンドを使用すると、FIB にプレフィクスが示されていることを確認できます。次に例を示します。
Prefix Next Hop Interface
192.168.0.0/30 attached Serial2/0/0:1
10.2.61.8/24 192.168.100.1 FastEthernet1/0/0
ステップ 3 show ip cef prefix
このコマンドを使用すると、集中型シスコ エクスプレス フォワーディングに対する FIB 内のプレフィクス エントリを表示できます。次に例を示します。
Router# show ip cef 10.2.61.8 255.255.255.0
10.0.0.0/8, version 72, per-destination sharing
via 192.168.100.1, 0 dependencies, recursive
next hop 192.168.100.1, FastEthernet1/0/0 via 192.168.100.1/32
via 192.168.101.1, 0 dependencies, recursive
next hop 192.168.101.1, FastEthernet6/1 via 192.168.101.1/32
0 packets, 0 bytes switched through the prefix
ステップ 4 show ip cef prefix detail
このコマンドを使用すると、送信先プレフィクスに関連付けられた各アクティブ パスの詳細を表示できます。次に例を示します。
Router# show ip cef 10.0.0.0 detail
10.0.0.0/8, version 72, per-destination sharing
via 192.168.100.1, 0 dependencies, recursive
next hop 192.168.100.1, FastEthernet1/0/0 via 192.168.100.1/32
via 192.168.101.1, 0 dependencies, recursive
next hop 192.168.101.1, FastEthernet6/1 via 192.168.101.1/32
0 packets, 0 bytes switched through the prefix
ステップ 5 exit
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードを終了します。次に例を示します。
RP の隣接関係またはネクストホップ情報の確認
隣接関係情報またはネクストホップ情報を確認するには、次の手順に従います。
次の隣接関係の場合は、隣接関係テーブルに隣接関係が追加されます。
• 手動で間接的に設定された
• ARP から動的に検出された
• Border Gateway Protocol(BGP)や Open Shortest Path First(OSPF)などのルーティング プロトコルが、ネイバー関係を形成するときに作成された
隣接関係の詳細については、「シスコ エクスプレス フォワーディングの概要」モジュールを参照してください。
手順の概要
1. enable
2. show ip cef
3. show adjacency detail
4. show adjacency summary
5. show adjacency type number
6. show ip cef exact-route source-address destination-address
7. exit
手順の詳細
ステップ 1 enable
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードをイネーブルにします。このコマンドは、ユーザ EXEC モードでも入力できます。プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。次に例を示します。
ステップ 2 show ip cef
このコマンドを使用して、出力インターフェイスを検索します。次に例を示します。
Prefix Next Hop Interface
192.168.0.0/30 attached Serial2/0/0:1
10.2.61.8/24 192.168.100.1 FastEthernet1/0/0
この例で、プレフィクス 10.2.61.8/24 の出力インターフェイスは FastEthernet 1/0/0、およびネクストホップ アドレスは 192.168.100.1 です。
ステップ 3 show adjacency detail
このコマンドを使用すると、レイヤ 2 情報を含む隣接関係情報を表示できます。次に例を示します。
Router# show adjacency detail
Protocol Interface Address
IP Ethernet1/0/0 10.2.61.8(7)
カプセル化ストリング 00107BC30D5C00500B32D8200800 が、Ethernet II カプセル化方式によりイーサネット リンク上でルータの外部で交換されるトラフィックで使用される隣接関係情報です。
ステップ 4 show adjacency summary
このコマンドを使用すると、シスコ エクスプレス フォワーディング隣接関係テーブルの概要情報を表示できます。次に例を示します。
Router# show adjacency summary
Adjacency Table has 1 adjacency
Interface Adjacency Count
ステップ 5 show adjacency type number
このコマンドを使用すると、特定のインターフェイスの隣接関係情報を表示できます。次に例を示します。
Router# show adjacency fastethernet 2/3
Protocol Interface Address
IP FastEthernet2/3 172.20.52.1(3045)
IP FastEthernet2/3 172.20.52.22(11)
ステップ 6 show ip cef exact-route source-address destination-address
このコマンドを使用すると、送信元 IP アドレスと送信先 IP アドレスのペアに対する正確なルートを表示して、ネクストホップ アドレスを確認できます。次に例を示します。
Router# show ip cef exact-route 10.1.1.1 10.2.61.8
10.1.1.1 -> 10.2.61.8 :FastEthernet1/0/0 (next hop 192.168.100.1)
この例では、送信元アドレス 10.1.1.1 から送信先アドレス 10.2.61.8 への正確なルートは、インターフェイスEthernet1/0/0 からネクストホップ アドレス 192.168.100.1 を通過します。
ステップ 7 exit
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードを終了します。次に例を示します。
ラインカードでのシスコ エクスプレス フォワーディングの構文
ルータ ラインカードでタスクを実行するには、 execute-on [ slot slot-number | all ] command の構文を使用する必要があります。 execute-on コマンドは、Cisco 12000 シリーズのインターネット ルータおよび Cisco 7500 シリーズ ルータだけに対して適用されます。 all キーワードは、Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータだけに対して使用できます。
たとえば、次のコマンドを使用すると、最初のスロット内のラインカード上の FIB エントリを表示できます。
Router# execute-on 0 show ip cef
Catalyst 6500 シリーズ スイッチでタスクを実行するには、 remote command module mod command の構文を使用する必要があります。次に例を示します。
Router# remote command module 2 show ip cef
このドキュメント内のタスクは、Cisco 7500 シリーズおよび Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータに適用されます。
ラインカードの入力インターフェイスで分散型シスコ エクスプレス フォワーディング スイッチングがイネーブルになっていることの確認
ラインカードの入力インターフェイスで分散型シスコ エクスプレス フォワーディング スイッチングがイネーブルであることを確認するには、次の手順に従います。
手順の概要
1. enable
2. show ip cef
3. execute-on slot slot-number show ip cef prefix
4. exit
手順の詳細
ステップ 1 enable
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードをイネーブルにします。このコマンドは、ユーザ EXEC モードでも入力できます。プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。次に例を示します。
ステップ 2 show ip cef
このコマンドを使用すると、シスコ エクスプレス フォワーディングがグローバルにイネーブルになっていることを確認できます。次に例を示します。
シスコ エクスプレス フォワーディングが動作していない場合は、 ip cef コマンドを使用して(集中型)シスコ エクスプレス フォワーディングをイネーブルにするか、または ip cef distributed コマンドを使用して分散型シスコ エクスプレス フォワーディングをイネーブルにします。
シスコ エクスプレス フォワーディングまたは分散型シスコ エクスプレス フォワーディングがイネーブルの場合、 show ip cef コマンドでは、すべての FIB エントリの概要が表示されます。
ステップ 3 execute-on slot slot-number show ip cef prefix
このコマンドを使用すると、ラインカード上のインターフェイスに関する情報を確認できます。次に例を示します。
Router# execute-on slot 0 show ip cef 192.68.0.0 255.255.255.0
show ip cef 192.68.0.0 255.255.255.0 from slot 0:
192.68.0.0/24, version 19, epoch 0, attached, connected
via Ethernet5/0/0, 0 dependencies
ステップ 4 exit
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードを終了します。次に例を示します。
ラインカード上のフォワーディング テーブル内でのプレフィクスの検索
ラインカード上のフォワーディング テーブル内でプレフィクスを検索するには、次の手順に従います。
手順の概要
1. enable
2. execute-on slot slot-number show ip cef
3. execute-on all show ip cef vrf vrf-name
4. 必要な回数だけステップ 2 を繰り返し、プレフィクスを検索します。
5. show ip cef
6. exit
手順の詳細
ステップ 1 enable
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードをイネーブルにします。このコマンドは、ユーザ EXEC モードでも入力できます。プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。次に例を示します。
ステップ 2 execute-on slot slot-number show ip cef
このコマンドを使用すると、ラインカード上の FIB 内のエントリを表示し、FIB 内にプレフィクスが示されていることを確認できます。次に例を示します。
Router# execute-on slot 0 show ip cef
Prefix Next Hop Interface
0.0.0.0/0 192.168.0.1 Ethernet5/0/0
192.168.0.0/24 attached Ethernet5/0/0
192.168.0.1/32 192.168.0.1 Ethernet5/0/0
255.255.255.255/32 receive
ステップ 3 execute-on all show ip cef vrf vrf-name
このコマンドを使用すると、Virtual Private Network(VPN; バーチャル プライベート ネットワーク)Routing/Forwarding(VRF; VPN ルーティング/フォワーディング)インスタンスに関連付けられているフォワーディング テーブル内でプレフィクスを検索できます。たとえば、このコマンドでは vpn1 という名前の VRF に対して、左のカラムにプレフィクスが表示されます。
Router# execute-on all show ip cef vrf vpn1
Prefix Next Hop Interface
10.1.0.0/8 10.0.0.1 Ethernet1/3
10.2.0.0/8 10.0.0.2 POS6/0
10.0.0.0/8 attached Ethernet1/3
10.0.0.1/32 10.0.0.1 Ethernet1/3
10.255.255.255/32 receive
10.3.0.0/8 10.0.0.2 POS6/0
255.255.255.255/32 receive
ステップ 4 必要な回数だけステップ 2 を繰り返し、プレフィクスを検索します。
分散型シスコ エクスプレス フォワーディングが VPN 内で行われている場合は、複数の VRF を調べる必要があります。
ステップ 5 show ip cef
このコマンドを使用すると、RP 上の FIB 内のエントリを表示し、ラインカード上の FIB とルータで保持されている FIB が同期していることを確認できます。次に例を示します。
Prefix Next Hop Interface
10.2.61.8/24 192.168.100.1 FastEthernet1/0/0
192.168.101.1 FastEthernet6/1
この出力内のプレフィクス、ネクストホップ、およびインターフェイスと、ステップ 1 の出力とを比較し、ラインカード上の FIB とルータで保持されている FIB が同期していることを確認します。
ステップ 6 exit
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードを終了します。次に例を示します。
ラインカード上のプレフィクスに関連付けられた分散型シスコ エクスプレス フォワーディング出力情報の検索
ラインカード上のプレフィクスに関連付けられた分散型シスコ エクスプレス フォワーディング出力情報を検索するには、次の手順に従います。
手順の概要
1. enable
2. execute-on slot slot-number show ip cef
3. execute-on slot slot-number show ip cef prefix
4. execute-on slot slot-number show ip cef prefix detail
5. exit
手順の詳細
ステップ 1 enable
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードをイネーブルにします。このコマンドは、ユーザ EXEC モードでも入力できます。プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。次に例を示します。
ステップ 2 execute-on slot slot-number show ip cef
このコマンドを使用すると、FIB にプレフィクスが示されていることを確認できます。次に例を示します。
Router# execute-on slot 0 show ip cef
Prefix Next Hop Interface
0.0.0.0/0 192.168.0.1 Ethernet5/0/0
192.168.0.0/24 attached Ethernet5/0/0
192.168.0.1/32 192.168.0.1 Ethernet5/0/0
255.255.255.255/32 receive
ステップ 3 execute-on slot slot-number show ip cef prefix
このコマンドを使用すると、ラインカード上の FIB 内のプレフィクス エントリを表示できます。次に例を示します。
Router# execute-on slot 3 show ip cef 192.68.0.0 255.255.255.0
show ip cef 192.168.0.0 255.255.255.0 from slot 0:
192.168.0.0/24, version 19, epoch 0, attached, connected
via Ethernet5/0/0, 0 dependencies
ステップ 4 execute-on slot slot-number show ip cef prefix detail
このコマンドを使用すると、ラインカード上の送信先プレフィクスに関連付けられた各アクティブ パスの詳細を表示できます。次に例を示します。
Router# execute-on slot 0 show ip cef 10.24.48.32 detail
show ip cef 192.168.0.0 255.255.255.0 from slot 0:
192.168.0.0/24, version 19, epoch 0, attached, connected
via Ethernet5/0/0, 0 dependencies
ステップ 5 exit
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードを終了します。次に例を示します。
ラインカード上の隣接関係またはネクストホップ情報の確認
ラインカード上の隣接関係またはネクストホップ情報を確認するには、次の手順に従います。
シスコ エクスプレス フォワーディングでは、次の隣接関係の場合に、隣接関係テーブルに隣接関係が追加されます。
• 手動で間接的に設定された
• ARP から動的に検出された
• BGP や OSPF などのルーティング プロトコルが、ネイバー関係を形成するときに作成された
隣接関係の詳細については、「 Cisco Express Forwarding Overview 」モジュールを参照してください。
手順の概要
1. enable
2. show ip cef
3. show adjacency detail
4. show adjacency summary
5. show adjacency type number
6. show ip cef exact-route source-address destination-address
7. execute-on all show ip cef destination
8. exit
手順の詳細
ステップ 1 enable
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードをイネーブルにします。このコマンドは、ユーザ EXEC モードでも入力できます。プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。次に例を示します。
ステップ 2 show ip cef
このコマンドを使用すると、出力インターフェイスを判定できます。次に例を示します。
Prefix Next Hop Interface
192.168.0.0/30 attached Serial2/0/0:1
10.2.61.8/24 192.168.100.1 FastEthernet1/0/0
この例で、プレフィクス 10.2.61.8/24 の出力インターフェイスは FastEthernet 1/0/0、およびネクストホップ アドレスは 192.168.100.1 です。
ステップ 3 show adjacency detail
このコマンドを使用すると、レイヤ 2 情報を含む隣接関係情報を表示できます。次に例を示します。
Router# show adjacency detail
Protocol Interface Address
IP Ethernet1/0/0 10.2.61.8(7)
カプセル化ストリング 00107BC30D5C00500B32D8200800 が、Ethernet II カプセル化方式によりイーサネット リンク上でルータの外部で交換されるトラフィックで使用される隣接関係情報です(最初の 12 文字は、送信先ネクストホップ インターフェイスの MAC アドレスです。次の 12 文字は、パケットの発信元インターフェイスの MAC アドレスを表しています。最後の 4 文字 「0x0800」 は、IP の Ethernet II カプセル化値を表しています)。
ステップ 4 show adjacency summary
このコマンドを使用すると、シスコ エクスプレス フォワーディング隣接関係テーブルの概要情報を表示できます。次に例を示します。
Router# show adjacency summary
Adjacency Table has 1 adjacency
Interface Adjacency Count
ステップ 5 show adjacency type number
このコマンドを使用すると、特定のインターフェイスの隣接関係情報を表示できます。次に例を示します。
Router# show adjacency fastethernet 2/3
Protocol Interface Address
IP FastEthernet2/3 172.20.52.1(3045)
IP FastEthernet2/3 172.20.52.22(11)
ステップ 6 show ip cef exact-route source-address destination-address
このコマンドを使用すると、送信元 IP アドレスと送信先 IP アドレスのペアに対する正確なルートを表示して、ネクストホップ アドレスを確認できます。次に例を示します。
Router# show ip cef exact-route 10.1.1.1 10.2.61.8
10.1.1.1 -> 10.2.61.8 :FastEthernet1/0/0 (next hop 192.168.100.1)
この例では、送信元アドレス 10.1.1.1 から送信先アドレス 10.2.61.8 への正確なルートは、インターフェイスEthernet1/0/0 からネクストホップ アドレス 192.168.100.1 を通過します。
ステップ 7 execute -on all show ip cef destination
このコマンドを使用すると、すべてのラインカードの出力インターフェイスとネクストホップを表示できます。次に例を示します。
Router# execute-on all show ip cef 10.20.84.32
========= Line Card (Slot 1) =======
10.16.0.0/13, version 408935, cached adjacency 0.0.0.0
via 172.16.213.1, 0 dependencies, recursive
next hop 172.16.213.1, POS1/0.500 via 172.16.213.0/30
========= Line Card (Slot 2) =======
10.16.0.0/13, version 13719, cached adjacency 0.0.0.0
via 172.16.213.1, 0 dependencies, recursive
next hop 172.16.213.1, POS1/0.500 via 172.16.213.0/30
ステップ 8 exit
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードを終了します。次に例を示します。
シスコ エクスプレス フォワーディング情報が予想どおりであることの確認
シスコ エクスプレス フォワーディング情報が、予想どおりに表示されることを確認するには、次のタスクを行います。
手順の概要
1. enable
2. show ip route
3. show ip cef
4. ステップ 1 と 2 のコマンド出力を比較します。
5. execute-on slot slot-number show ip cef
6. ステップ 2 と 4 のコマンド出力を比較します。
7. exit
手順の詳細
ステップ 1 enable
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードをイネーブルにします。このコマンドは、ユーザ EXEC モードでも入力できます。プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。次に例を示します。
ステップ 2 show ip route
このコマンドを使用すると、IP ルーティング テーブルに含まれる転送情報を確認できます。次に例を示します。
10.1.0.0/32 is subnetted, 1 subnets
O 10.1.2.3 [110/3] via 10.5.5.5, 00:00:03, POS2/0/0
10.0.0.0/8 is variably subnetted, 2 subnets, 2 masks
C 10.5.5.5/32 is directly connected, POS2/0/0
C 10.5.5.0/24 is directly connected, POS2/0/0
10.7.0.0/24 is subnetted, 1 subnets
O 10.7.8.0 [110/3] via 10.5.5.5, 00:00:04, POS2/0/0
10.0.0.0/24 is subnetted, 2 subnets
O 10.23.64.0 [110/12] via 10.5.5.5, 00:00:04, POS2/0/0
O 10.23.66.0 [110/12] via 10.5.5.5, 00:00:04, POS2/0/0
10.47.0.0/32 is subnetted, 1 subnets
O 10.47.0.10 [110/3] via 10.5.5.5, 00:00:04, POS2/0/0
O 172.16.57.0/24 [110/3] via 10.5.5.5, 00:00:04, POS2/0/0
10.150.0.0/24 is subnetted, 1 subnets
C 10.150.3.0 is directly connected, Fddi0/0/0
O 192.168.92.0/24 [110/2] via 10.5.5.5, 00:00:04, POS2/0/0
この例では、c は直接接続されたルートを表し、o は OSPF によって検出されたルートを表しています。
ステップ 3 show ip cef
このコマンドを使用すると、FIB 内のエントリを表示できます。次に例を示します。
Prefix Next Hop Interface
0.0.0.0/0 10.5.5.5 POS2/0/0 (default route)
10.1.2.3/32 10.5.5.5 POS2/0/0 (two paths)
10.5.5.0/24 attached POS2/0/0
10.5.5.5/32 attached POS2/0/0 (glean adjacency)
10.5.5.6/32 receive (our interface)
10.5.5.255/32 receive (broadcast)
10.7.8.0/24 10.5.5.5 POS2/0/0
10.23.64.0/24 10.150.3.9 Fddi0/0/0
10.23.66.0/24 10.150.3.9 Fddi0/0/0 (normal route)
10.47.0.10/32 10.150.3.9 Fddi0/0/0
10.150.3.0/24 attached Fddi0/0/0
192.168.92.0/24 10.5.5.5 POS2/0/0
172.16.57.0/24 10.5.5.5 POS2/0/0
239.224.0.0/4 receive (multicast)
255.255.255.255/32 receive (all 1s broadcast)
ステップ 4 ステップ 1 と 2 のコマンド出力を比較します。
シスコ エクスプレス フォワーディングは、フォワーディングを最適化する方法で構造化された IP ルーティング テーブル内に含まれる情報を保持しています。FIB エントリとルーティング テーブル エントリの間に、1 対 1 の相関関係があることを確認してください。たとえば、ステップ 1 とステップ 2 の出力例にある次の行は、1 対 1 の相関関係を示しています。送信先プレフィクス 192.92.92.0/24、ネクストホップ IP アドレス 10.5.5.5、およびネクストホップ インターフェイス POS2/0/0 は同じです。
• ステップ 1 の show ip route コマンドの出力:
O 192.168.92.0/24 [110/2] via 10.5.5.5, 00:00:04, POS2/0/0
• ステップ 2 の show ip cef コマンドの出力:
192.168.92.0/24 10.5.5.5 POS2/0/0
1 対 1 の相関関係が存在しない場合は、IP ルーティング テーブルをクリアし、ルーティング テーブルの再構築を許可すると、中央 FIB テーブルを再作成できます。これにより、中央 FIB テーブルに、最新のルーティング情報が格納されます。
ステップ 5 (分散型シスコ エクスプレス フォワーディング動作のみ) execute-on slot slot-number show ip cef
このコマンドを使用すると、すべてのラインカードの FIB エントリを表示できます。次に例を示します。
Router# execute-on slot 2 show ip cef
Prefix Next Hop Interface
0.0.0.0/0 10.5.5.5 POS2/0/0
10.1.2.3/32 10.5.5.5 POS2/0/0
105.5.5.0/24 attached POS2/0/0
10.5.5.5/32 attached POS2/0/0
10.7.8.0/24 10.5.5.5 POS2/0/0
10.7.54.0/24 attached Fddi0/1/0
10.23.64.0/24 10.150.3.9 Fddi0/0/0
10.23.66.0/24 10.150.3.9 Fddi0/0/0
10.47.0.10/32 10.150.3.9 Fddi0/0/0
10.150.3.0/24 attached Fddi0/0/0
192.168.92.0/24 10.5.5.5 POS2/0/0
172.16.57.0/24 10.5.5.5 POS2/0/0
255.255.255.255/32 receive
ステップ 6 (分散型シスコ エクスプレス フォワーディング動作のみ)ステップ 2 と 4 のコマンド出力を比較します。
ステップ 2 の show ip cef コマンドの出力は、ステップ 4 の execute-on slot 2 show ip cef コマンドの出力と同一になっている必要があります。出力が同一でない場合は、RP とラインカードの FIB エントリの同期について、『 Configuring Cisco Express Forwarding Consistency Checkers for Route Processors and Line Cards 』モジュールを参照してください。
ステップ 7 exit
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードを終了します。次に例を示します。
シスコ エクスプレス フォワーディング コマンド出力の MPLS 情報の解釈
シスコ エクスプレス フォワーディング コマンド出力の Multiprotocol Label Switching(MPLS)情報を解釈するには、次の手順に従ってください。
シスコ エクスプレス フォワーディングと MPLS の対話
シスコ エクスプレス フォワーディングは、主に Label Switched Path(LSP; ラベル スイッチド パス)の開始時と終了時、つまりラベル インポジション時(IP パケットから MPLS パケット)とラベル ディスポジション時(MPLS パケットから IP パケット)に LSP と対話します。シスコ エクスプレス フォワーディング コマンドの出力には、これらのプロセスが示されている必要があります。
シスコの MPLS 実装では、シスコ エクスプレス フォワーディングの利点を活用しています。ルータを MPLS エッジ ルータとして使用する場合、シスコ エクスプレス フォワーディングは、着信パケットのルートを識別し、パケットに適用するラベルを調べます。
ただし、ルータを Label Switch Router(LSR; ラベル スイッチ ルータ)として使用する場合は、MPLS Label Forwarding Information Base(LFIB; ラベル転送情報ベース)からのテーブルが MPLS パケットの交換に使用されます。これらのテーブルは、FIB テーブルがシスコ エクスプレス フォワーディング内で分散されているのと同じ方法で、Versatile Interface Processor(VIP)またはラインカードに分散されます。
MPLS VPN とシスコ エクスプレス フォワーディング テーブル
カスタマー サイトの VRF には、所属する VPN からそのサイトへの、使用可能なすべてのルートが格納されます。VPN ルーティング情報は、各 VRF 上の IP ルーティング テーブル、およびシスコ エクスプレス フォワーディング テーブル内に格納されます。VRF ごとに別のテーブル セットが保持されており、これによって、情報が VPN の外部に転送されることが防止され、VPN 外部のパケットが VPN 内のルータに転送されることが防止されます。パケットは、VRF IP ルーティング テーブルと VRF シスコ エクスプレス フォワーディング テーブル内に格納されているルーティング情報に基づいて、送信先に転送されます。シスコ エクスプレス フォワーディング コマンドの出力には、VRF のシスコ エクスプレス フォワーディング テーブルの詳細が示されます。
手順の概要
1. enable
2. show ip cef vrf vrf-name detail
3. exit
手順の詳細
ステップ 1 enable
このコマンドを使用して、特権 EXEC モードをイネーブルにします。このコマンドは、ユーザ EXEC モードでも入力できます。プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。次に例を示します。
ステップ 2 show ip cef vrf vrf-name detail
このコマンドを使用すると、VRF に関連付けられたシスコ エクスプレス フォワーディングのフォワーディング テーブルから、詳細情報を表示できます。次に例を示します。
Router# show ip cef vrf vpn1 detail
IP CEF with switching (Table Version 10), flags=0x0
8 routes, 0 reresolve, 0 unresolved (0 old, 0 new)
46 leaves, 51 nodes, 54640 bytes, 361 inserts, 315 invalidations
0 load sharing elements, 0 bytes, 0 references
universal per-destination load sharing algorithm, id F968AD29
5 CEF resets, 38 revisions of existing leaves
refcounts: 1400 leaf, 1392 node
Adjacency Table has 2 adjacencies
0.0.0.0/32, version 0, receive
192.168.6.0/24, version 9, cached adjacency to Serial0/1.1
シスコ エクスプレス フォワーディング出力の次のセクションには、最初の隣接関係に対する MPLS 情報があります。「tag rewrite」は、シスコ エクスプレス フォワーディング隣接関係と同等です。「tags imposed」フィールドを確認します。最初のタグ {20} は、ネクストホップ 10.1.1.13 に到達するために使用するタグです。2 番目のタグ {30} は、リモート Provider Edge(PE; プロバイダー エッジ)ルータによってローカル PE ルータにアドバタイズされたタグです。
local tag: VPN-route-head
fast tag rewrite with Se0/1.1, point2point, tags imposed: {20 30}
via 10.10.10.6, 0 dependencies, recursive
next hop 10.1.1.13, Serial0/1.1 via 10.10.10.6
tag rewrite with Se0/1.1, point2point, tags imposed: {20 30}
次の出力セクションには、2 番目の隣接関係に関する情報があります。2 番目の隣接関係については、「tag rewrite with , ,」エントリに示されているようにタグの書き換えは発生せず、MPLS タグは、「tags imposed : {}」エントリに示されるパケットに付加されません。また、ルータは、「valid discard adjacency」エントリに示されているこのパケットを破棄します。
192.168.4.0/24, version 6, attached, connected
via Loopback102, 0 dependencies
tag rewrite with , , tags imposed: {}
192.168.4.0/32, version 4, receive
192.168.4.1/32, version 3, receive
192.168.4.255/32, version 5, receive
192.168.0.0/24, version 2, receive
255.255.255.255/32, version 1, receive
ステップ 3 exit
このコマンドを使用して、ユーザ EXEC モードに戻ります。次に例を示します。
用語集
FIB :転送情報ベース。シスコ エクスプレス フォワーディングのコンポーネント。ルータは FIB ルックアップ テーブルを使用して、シスコ エクスプレス フォワーディング動作中に送信先ベースのスイッチング判断を行います。ルータには、IP ルーティング テーブル内の転送情報のミラー イメージが保持されます。
IPC :プロセス間通信。ルータが分散型シスコ エクスプレス フォワーディング モードで動作している場合に、Route Switch Processor(RSP)からラインカードへの、シスコ エクスプレス フォワーディング テーブルの配布を可能にするメカニズム。
LER :ラベル エッジ ルータ。ラベル インポジションを実行するルータ。
LFIB :ラベル転送情報ベース。ラベル付きパケットを交換するためにスイッチング機能が使用するデータ構造。
LIB :ラベル情報ベース。他の Label Switch Router(LSR; ラベル スイッチ ルータ)から学習したラベル、およびローカル LSR によって割り当てられたラベルを格納するために、LSR が使用するデータベース。
LSP :ラベル スイッチド パス。ホップのシーケンス(ルータ 0 ~ルータ n)。パケットは、ラベル スイッチング メカニズムによって、R0 から Rn に送られます。LSP は、通常のルーティング メカニズムに基づいて動的に選択することも、また手動で設定することもできます。
LSR :ラベル スイッチ ルータ。パケット内のラベル カプセル化の値に基づいて、パケットを転送するレイヤ 3 ルータ。
MPLS :マルチプロトコル ラベル スイッチング。通常のルーティング パスに沿ってパケットを転送するための新しい業界標準(MPLS ホップバイホップ フォワーディングと呼ばれる場合もある)。
RIB :ルーティング情報ベース。レイヤ 3 到達可能性情報および送信先 IP アドレスまたはプレフィクスを含むルートの中央リポジトリ。RIB は、ルーティング テーブルとも呼ばれます。
RP :ルート プロセッサ。Cisco 7000 シリーズ ルータのプロセッサ モジュールであり、CPU、システム ソフトウェア、およびルータで使用されるメモリ コンポーネントの大部分が含まれます。スーパーバイザリ プロセッサと呼ばれることもあります。
RSP :ルート スイッチ プロセッサ。Cisco 7500 シリーズ ルータで使用されるプロセッサ モジュールであり、Route Processor(RP; ルート プロセッサ)と Switch Processor(SP; スイッチ プロセッサ)の機能を内蔵しています。
SP :スイッチ プロセッサ。Cisco 7000 シリーズのプロセッサ モジュールであり、すべての CxBus アクティビティのアドミニストレータとして動作します。CiscoBus コントローラと呼ばれることもあります。
VIP :多用途インターフェイス プロセッサ。Cisco 7000 および Cisco 7500 シリーズ ルータで使用されるインターフェイス カード。VIP は、マルチレイヤ スイッチングを行い、Cisco IOS を実行します。
VPN :バーチャル プライベート ネットワーク。トンネリングを使用し、公衆 TCP/IP ネットワークを通じて IP トラフィックを安全に転送することを可能にするルータ構成。
VRF :Virtual Private Network(VPN; バーチャル プライベート ネットワーク)ルーティング/フォワーディング インスタンス。VRF は、IP ルーティング テーブル、取得された転送テーブル、その転送テーブルを使用する一連のインターフェイス、転送テーブルに登録されるものを決定する一連のルールおよびルーティング プロトコルで構成されています。一般に、VRF には、PE ルータに付加されるカスタマー VPN サイトが定義されたルーティング情報が格納されています。
シスコ エクスプレス フォワーディング :レイヤ 3 スイッチング テクノロジー。シスコ エクスプレス フォワーディングは、シスコ エクスプレス フォワーディング動作の 2 つのモードの 1 つである、集中型シスコ エクスプレス フォワーディング モードを指す場合もあります。シスコ エクスプレス フォワーディングにより、Route Processor(RP; ルート プロセッサ)がエクスプレス フォワーディングを行うことができます。分散型シスコ エクスプレス フォワーディングは、シスコ エクスプレス フォワーディングのもう 1 つの動作モードです。
分散型シスコ エクスプレス フォワーディング :シスコ エクスプレス フォワーディング スイッチングのタイプの 1 つであり、ラインカード(Versatile Interface Processor(VIP)ラインカードなど)に、Forwarding Information Base(FIB; 転送情報ベース)および隣接関係テーブルの同一のコピーが保持されます。ラインカードは、ポート アダプタ間でエクスプレス フォワーディングを実行します。これにより、ルート スイッチ プロセッサがスイッチング動作から解放されます。
プレフィクス :IP アドレスのネットワーク アドレス部分。プレフィクスはネットワークおよびマスクによって指定され、一般的にネットワーク/マスクの形式で表されます。マスクは、どのビットがネットワーク ビットかを表しています。たとえば、1.0.0.0/16 は、IP アドレスの最初の 16 ビットがマスクされることを表し、これがネットワーク ビットであることを示しています。残りのビットはホスト ビットです。この場合、ネットワーク番号は 10.0 です。
ラインカード :さまざまなシスコ製品で使用可能なインターフェイス プロセッサに対する一般的用語。たとえば、Versatile Interface Processor(VIP)は、Cisco 7500 シリーズ ルータのラインカードです。
ラベル インポジション :パケットにラベルを付加するアクション。
ラベル ディスポジション :ネットワーク エッジでの Multiprotocol Label Switching(MPLS)ヘッダーの除去。MPLS ラベル ディスポジションでは、ヘッダーが除去された MPLS パケットとしてルータに到着したパケットは、IP パケットとして送信されます。
隣接関係 :ルーティング情報を交換するため、選択した隣接ルータとエンドノード間で形成された関係。隣接関係は、関連するルータとノードによる共通メディア セグメントの使用に基づいています。
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