ファースト スイッチングの設定
このモジュールでは、Cisco IOS デバイスでのファースト スイッチングの設定方法を説明し、スイッチング パスのガイドラインおよび調整のガイドラインを示します。
(注) IP ユニキャスト ファースト スイッチングは、Cisco IOS Release 12.2(25)S、12.2(28)SB、12.2(33)SRA、12.2(33)SXH、12.4(20)T 以降でサポートされなくなりました。これ以降のリリースで、シスコ エクスプレス フォワーディングをサポートしないコンポーネントは、プロセス交換モードでだけ機能します。
機能情報の検索
お使いのソフトウェア リリースが、このモジュールで説明されている機能の一部をサポートしていないことがあります。最新の機能情報および警告については、ご使用のプラットフォームおよびソフトウェア リリースのリリースノートを参照してください。この章に記載されている機能の詳細、および各機能がサポートされているリリースのリストについては、「ファースト スイッチングの設定の機能情報」 を参照してください。
プラットフォームのサポートおよび Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスしてください。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
ファースト スイッチングの設定について
ファースト スイッチングを設定するには、その前に次の概念を理解しておく必要があります。
• 「ファースト スイッチングの利点」
• 「ファースト スイッチングをディセーブルにする理由」
• 「自動的にファースト スイッチングされる AppleTalk アクセス リスト」
ファースト スイッチングの利点
ファースト スイッチングでは、特定の宛先に送信される初期パケットによってキャッシュが作成され、これを使用してパケットをスイッチングすることで、より高いスループットが得られます。宛先アドレスは、高速キャッシュに保管され、フォワーディングに利用されます。ファースト スイッチングをイネーブルにすると、ルータのパケット転送パフォーマンスが向上します。ファースト スイッチングは、ファースト スイッチングをサポートするすべてのインターフェイスで、デフォルトでイネーブルになっています。
パケットがファースト スイッチングされると、最初のパケットがパケット メモリにコピーされ、ファースト スイッチング キャッシュで宛先ネットワークまたはホストが検索されます。フレームが書き換えられ、宛先を処理する発信インターフェイスに送信されます。宛先が同じ後続のパケットは、同じスイッチング パスを使用します。インターフェイス プロセッサが CRC を計算します。
(注) IP ユニキャスト ファースト スイッチングは、Cisco IOS Release 12.2(25)S、12.2(28)SB、12.2(33)SRA、12.2(33)SXH、12.4(20)T 以降でサポートされなくなりました。これ以降のリリースで、シスコ エクスプレス フォワーディングをサポートしないコンポーネントは、プロセス交換モードでだけ機能します。
ファースト スイッチングをディセーブルにする理由
ファースト スイッチングは、以前のパケットが作成したキャッシュを使用して、より高いパケット スループットを実現します。通常、ファースト スイッチングをイネーブルにすると、パケット転送のパフォーマンスは高くなります。また、ファースト スイッチングは、宛先単位でのロード シェアリングを提供します。
ファースト スイッチングは、ファースト スイッチングをサポートするすべてのインターフェイスで、デフォルトでイネーブルになっています。ただし、インターフェイス カードのメモリ容量を節約したり、広帯域幅インターフェイスが狭帯域幅インターフェイスに大量の情報を書き込んだときに発生する輻輳を防止するために、ファースト スイッチングをディセーブルにすることがあります。これは、T1 よりも遅いレートを使用するときに、特に重要です。
ファースト スイッチングは、HDLC 以外のカプセル化を使用するシリアル インターフェイスではサポートされません。
(注) ファースト スイッチングをオフにすると、パケットがシステムの CPU でプロセス スイッチングされるため、システムのオーバーヘッドが増えます。
デバッグやパケット レベルのトレースなどの診断では、ファースト スイッチングをディセーブルにすることが必要になる場合があります。ファースト スイッチングをディセーブルにすると、パケットをプロセス スイッチングするように、ルータがフォール バックします。ファースト スイッチングを実行している場合、パケット レベルのデバッグ コマンドの出力には、各宛先への最初のパケットだけが表示されます。同じ宛先への後続のパケットは、ファースト スイッチングされます。パケット レベルのデバッグ コマンドの多くは、ファースト スイッチングされたパケットを処理できません。問題の診断のために情報をキャプチャするときは、一時的にファースト スイッチングをオフにして、代わりにプロセス スイッチングを使用できます。
自動的にファースト スイッチングされる AppleTalk アクセス リスト
AppleTalk アクセス リストは、自動的にファースト スイッチングされます。アクセス リストがインターフェイスで定義されている場合、アクセス リストのファースト スイッチングによって、AppleTalk トラフィックのパフォーマンスが向上します。
アクセス リストの作成と使用、および AppleTalk の設定のガイドラインについては、『 Cisco IOS AppleTalk and Novell IPX Configuration Guide 』の「Configuring AppleTalk」の章を参照してください。
ファースト スイッチングの設定方法
ファースト スイッチングは、ファースト スイッチングをサポートするすべてのインターフェイスで、デフォルトでイネーブルになっています。ただし、何らかの理由がある場合は、ファースト スイッチングをディセーブルにできます(「ファースト スイッチングをディセーブルにする理由」を参照)。
ここでは、いくつかのソフトウェア アプリケーション用にファースト スイッチングをイネーブルにするタスク、別のソフトウェア アプリケーション用にファースト スイッチングをディセーブルにするタスク、およびファースト スイッチングに関連付けられるデバイスのルート キャッシュを管理するタスクを示します。
• 「IPX ダイレクト ブロードキャスト パケットのファースト スイッチングのイネーブル化」
• 「IPX ファースト スイッチングのディセーブル化」
• 「IPX のルート キャッシュの調整」
• 「奇数長 IPX パケットのパディングのイネーブル化」
• 「AppleTalk ファースト スイッチングのディセーブル化」
• 「IPX および AppleTalk パケットの SMDS ファースト スイッチングの再イネーブル化」
• 「DECnet ファースト スイッチングのディセーブル化」
• 「キャッシュを使用する ISO CLNS ファースト スイッチングのディセーブル化」
(注) ファースト スイッチングは、X.25 カプセル化でサポートされません。
IPX ダイレクト ブロードキャスト パケットのファースト スイッチングのイネーブル化
Internet Packet Exchange(IPX)ダイレクト ブロードキャスト パケットのファースト スイッチングをイネーブルにするには、次のタスクを実行します。これは、ヘルパー機能を利用するブロードキャスト ベースのアプリケーションで役立ちます。
デフォルトでは、ブロードキャスト アドレスに転送される IPX パケットは、Cisco IOS ソフトウェアがスイッチングします。これらのパケットのファースト スイッチングはディセーブルになっています。ダイレクト ブロードキャスト パケットをプロセス スイッチングするのがデフォルトの動作です。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipx broadcast-fastswitching
4. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
ipx broadcast-fastswitching
Router(config)# ipx broadcast-fastswitching |
ルータで、IPX ダイレクト ブロードキャスト パケットのファースト スイッチングをイネーブルにします。 |
ステップ 4 |
end
Router(config)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
IPX ファースト スイッチングのディセーブル化
IPX ファースト スイッチングをディセーブルにするには、次のタスクを実行します。IPX ファースト スイッチングは、デフォルトでイネーブルになっています。次の場合に、ファースト スイッチングをディセーブルにすることがあります。
• インターフェイス カードのメモリを節約する。ファースト スイッチング キャッシュは、標準のスイッチングで使用するよりも多くのメモリを必要とします。
• 広帯域幅インターフェイスが狭帯域幅インターフェイスに大量の情報を書き込んだときに発生する、インターフェイス カードの輻輳を防止する。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number
4. no ipx route-cache
5. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
interface type number
Router(config)# interface ethernet 0 |
インターフェイス タイプを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 • type 引数で、設定するインターフェイスのタイプを指定します。 • number 引数で、ポート、コネクタ、またはインターフェイス カードの番号を指定します。この番号は、設置時、またはシステムへの追加時に、工場で割り当てられます。番号は、 show interfaces コマンドで表示できます。 |
ステップ 4 |
no ipx route-cache
Router(config-if)# no ipx route-cache |
インターフェイス上で IPX ファースト スイッチングをディセーブルにします。 |
ステップ 5 |
end
Router(config)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
IPX ルート キャッシュのサイズ制御
IPX ルート キャッシュに格納されるエントリの数を制限すると、ルータのメモリを解放し、ルータの処理速度を向上できます。
ルート キャッシュに格納されるエントリが多すぎると、ルータのメモリが大量に使用され、ルータの処理速度が低下します。これは、NetWare 用のネットワーク管理アプリケーションを実行している大規模なネットワークでよくある状況です。
たとえば、ネットワーク管理ステーションが、大規模な(ノード数が 50,000 を超える)Novell ネットワークにあるすべてのクライアントおよびサーバを管理する場合、ローカル セグメントのルータは、ルート キャッシュ エントリで溢れる可能性があります。このようなルータにルート キャッシュ エントリの最大数を設定すると、ルータのメモリを解放し、ルータの処理速度を向上できます。
IPX ルート キャッシュのサイズを制御するには、次のタスクを実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipx route-cache max-size size
4. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
ipx route-cache max-size size
Router(config)# ipx route-cache max-size 10000 |
IPX ルート キャッシュのエントリ数の上限を設定します 。 • size 引数で、IPX ルート キャッシュで許可される最大エントリ数を指定します。 (注) ルート キャッシュのエントリ数が指定された制限を超えても、超えた分のエントリが削除されるわけではありません。ただし、ルート キャッシュの無効化を使用している場合は削除されます。ルート キャッシュ エントリの無効化の詳細については、「IPX ルート キャッシュ エントリの無効化の制御」を参照してください。 |
ステップ 4 |
end
Router(config)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
IPX ルート キャッシュ エントリの無効化の制御
非アクティブなファースト スイッチング キャッシュ エントリを無効化するようにルータを設定できます。エントリが 1 分間無効な状態が続いた場合、ルータはこのエントリをルート キャッシュから消去します。
無効なエントリを消去することで、ルート キャッシュのサイズが削減され、メモリの消費量が減り、ルータのパフォーマンスが向上します。エントリの消去は、ルート キャッシュ情報の正確さを保つためにも役立ちます。
ルータが有効なファースト スイッチング キャッシュ エントリを無効化するまでに、そのエントリが非アクティブになっている時間を指定します。また、ルータが 1 分間に無効化できるキャッシュ エントリの数も指定できます。
IPX ルート キャッシュ エントリの無効化を制御するには、次のタスクを実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipx route-cache inactivity-timeout period [ rate ]
4. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
ipx route-cache inactivity-timeout period [ rate ]
Router(config)# ipx route-cache inactivity-timeout 5 10 |
非アクティブであったためにルート キャッシュが無効化される時間とレートを調整します。 • period 引数は、有効なキャッシュ エントリが無効化されるまでに、そのエントリの非アクティブ状態が続く時間です(分単位)。有効な値は 0 ~ 65,535 です。値に 0 を指定すると、この機能がディセーブルになります。デフォルト値は 2 です。 • rate 引数で、1 分間に無効化できる非アクティブ エントリの最大数を指定します。有効な値は 0 ~ 65,535 です。デフォルトのレートは 0 です(キャッシュ エントリはエージングされません)。 コマンドを組み合わせて使用すると、ルート キャッシュを小さくし、エントリを最新状態に保つことができます。 |
ステップ 4 |
end
Router(config)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
奇数長 IPX パケットのパディングのイネーブル化
一部の IPX エンド ホストは、偶数長のイーサネット パケットだけを受け付けます。パケットの長さが奇数の場合、エンド ホストが受信できるように、パケットに余分なバイトをパディングする必要があります。デフォルトで、Cisco IOS ソフトウェアは奇数長イーサネット パケットをパディングします。
(注) ただし、トポロジによっては、パディングされていないイーサネット パケットがリモート イーサネット ネットワークに転送されることがあります。特定の条件下では、この問題の一時的な回避策として、中間メディアでパディングをイネーブルにできます。カスタマー エンジニアまたはその他のサービス担当者の指示があったときにだけ、このタスクを実行してください。
奇数長パケットのパディングをイネーブルにするには、次のタスクを実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number
4. no ipx route-cache
5. ipx pad-process-switched-packets
6. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
interface type number
Router(config)# interface serial 0 |
インターフェイス タイプを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 • type 引数で、設定するインターフェイスのタイプを指定します。 • number 引数で、ポート、コネクタ、またはインターフェイス カードの番号を指定します。この番号は、設置時、またはシステムへの追加時に、工場で割り当てられます。番号は、 show interfaces コマンドで表示できます。 |
ステップ 4 |
no ipx route-cache
Router(config-if)# no ipx route-cache |
IPX ファースト スイッチングをディセーブルにします。 |
ステップ 5 |
ipx pad-process-switched-packets
Router(config-if)# ipx pad-process-switched-packets |
インターフェイスで、奇数長パケットが偶数長パケットとして送信されるようにパディングするかどうかを制御します。 |
ステップ 6 |
end
Router(config-if)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
AppleTalk ファースト スイッチングのディセーブル化
インターフェイスで AppleTalk ファースト スイッチングをディセーブルにするには、次のタスクを実行します。AppleTalk ファースト スイッチングは、デフォルトでイネーブルになっています。
AppleTalk ファースト スイッチングをディセーブルにするには、「ファースト スイッチングをディセーブルにする理由」を参照してください。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number
4. no appletalk route-cache
5. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
interface type number
Router(config)# interface ethernet 0 |
インターフェイス タイプを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 • type 引数で、設定するインターフェイスのタイプを指定します。 • number 引数で、ポート、コネクタ、またはインターフェイス カードの番号を指定します。この番号は、設置時、またはシステムへの追加時に、工場で割り当てられます。番号は、 show interfaces コマンドで表示できます。 |
ステップ 4 |
no appletalk route-cache
Router(config-if)# no appletalk route-cache |
AppleTalk ファースト スイッチングをディセーブルにします。 |
ステップ 5 |
end
Router(config-if)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
IPX および AppleTalk パケットの SMDS ファースト スイッチングの再イネーブル化
Switched Multimegabit Data Service(SMDS; 交換マルチメガビット データ サービス)ファースト スイッチングは、デフォルトでイネーブルになっています。IPX および AppleTalk パケットで SMDS ファースト スイッチングがディセーブルにされていた場合に、再イネーブル化するには、次のタスクを実行します。
SMDS は、一部の Regional Bell Operating Companies(RBOC; 地域電話運営会社)が提供するワイドエリア ネットワーキング サービスです。IPX および AppleTalk パケットの SMDS ファースト スイッチングでは、56 kbps を超える速度のシリアル リンクで、より高速なパケット転送が提供されます。サービス プロバイダーが提供するフレーム リレーなど、高速のパケット交換データグラム ベースの WAN テクノロジーを使用する場合に、ファースト スイッチングを使用します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number
4. encapsulation smds
5. ipx route-cache
6. appletalk route-cache
7. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
interface type number
Router(config)# interface serial 0 |
インターフェイス タイプを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 • type 引数で、設定するインターフェイスのタイプを指定します。 • number 引数で、ポート、コネクタ、またはインターフェイス カードの番号を指定します。この番号は、設置時、またはシステムへの追加時に、工場で割り当てられます。番号は、 show interfaces コマンドで表示できます。 |
ステップ 4 |
encapsulation smds
Router(config-if)# encapsulation smds |
目的のインターフェイスで SMDS をイネーブルにします。 |
ステップ 5 |
ipx route-cache
Router(config-if)# ipx route-cache |
インターフェイスの IPX ファースト スイッチングをイネーブルにします。 |
ステップ 6 |
appletalk route-cache
Router(config-if)# appletalk route-cache |
サポートされるすべてのインターフェイスで、AppleTalk ファースト スイッチングをイネーブルにします。 |
ステップ 7 |
end
Router(config-if)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
DECnet ファースト スイッチングのディセーブル化
DECnet パケットのファースト スイッチングをディセーブルにするには、次のタスクを実行します。
デフォルトで、DECnet ルーティング ソフトウェアは、DECnet パケットのファースト スイッチングを実装します。インターフェイス カードのメモリ容量を節約したり、広帯域幅インターフェイスが狭帯域幅インターフェイスに大量の情報を書き込んだときに発生する輻輳を防止するために、ファースト スイッチングをディセーブルにすることがあります。ファースト スイッチングのディセーブル化は、T1 よりも遅いレートを使用するときに、特に重要です。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number
4. no decnet route-cache
5. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
interface type number
Router(config)# interface serial 0/0 |
インターフェイス タイプを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 • type 引数で、設定するインターフェイスのタイプを指定します。 • number 引数で、ポート、コネクタ、またはインターフェイス カードの番号を指定します。この番号は、設置時、またはシステムへの追加時に、工場で割り当てられます。番号は、 show interfaces コマンドで表示できます。 |
ステップ 4 |
no decnet route-cache
Router(config-if)# no decnet route-cache |
インターフェイスごとに、DECnet パケットのファースト スイッチングをディセーブルにします。 |
ステップ 5 |
end
Router(config-if)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
キャッシュを使用する ISO CLNS ファースト スイッチングのディセーブル化
ディセーブル化するには、次のタスクを実行します。キャッシュを使用する ISO CLNS ファースト スイッチングをディセーブル化する理由については、「ファースト スイッチングをディセーブルにする理由」を参照してください。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number
4. no clns route-cache
5. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
interface type number
Router(config)# interface ethernet 0 |
インターフェイス タイプを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 • type 引数で、設定するインターフェイスのタイプを指定します。 • number 引数で、ポート、コネクタ、またはインターフェイス カードの番号を指定します。この番号は、設置時、またはシステムへの追加時に、工場で割り当てられます。番号は、 show interfaces コマンドで表示できます。 |
ステップ 4 |
no clns route-cache
Router(config-if)# no clns route-cache |
ファースト スイッチングをディセーブルにします。 (注) キャッシュは残り、no clns route-cache コマンドが入力された後も使用されますが、ソフトウェアはキャッシュを使用したファースト スイッチングを実行しなくなります。 |
ステップ 5 |
end
Router(config-if)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ファースト スイッチング設定の設定例
ここでは、ファースト スイッチング設定に関して次の例を示します。
• 「IPX ダイレクト ブロードキャスト パケットのファースト スイッチングのイネーブル化:例」
• 「IPX ファースト スイッチングのディセーブル化:例」
• 「IPX のルート キャッシュの調整:例」
• 「奇数長 IPX パケットのパディングのイネーブル化:例」
• 「AppleTalk ファースト スイッチングのディセーブル化:例」
• 「IPX および AppleTalk パケットの SMDS ファースト スイッチングの再イネーブル化:例」
• 「DECnet ファースト スイッチングのディセーブル化:例」
• 「キャッシュを使用する ISO CLNS ファースト スイッチングのディセーブル化:例」
IPX ダイレクト ブロードキャスト パケットのファースト スイッチングのイネーブル化:例
次の例は、IPX ダイレクト ブロードキャスト パケットのファースト スイッチングをイネーブルにする方法を示しています。
ipx broadcast-fastswitching
IPX ファースト スイッチングのディセーブル化:例
次の例は、IPX ファースト スイッチングをディセーブルにする方法を示しています。
IPX ルート キャッシュ サイズの制御:例
次の例は、IPX ルート キャッシュのサイズを制御する方法を示しています。
ipx route-cache max-size 10000
この例では、キャッシュのサイズは 10000 エントリに設定されます。ルート キャッシュのエントリ数が指定された制限を超えても、超えた分のエントリが削除されるわけではありません。ただし、ルート キャッシュの無効化を使用している場合は削除されます。設定例については、「IPX ルート キャッシュ エントリの無効化の制御:例」を参照してください。
IPX ルート キャッシュ エントリの無効化の制御:例
次の例は、IPX ルート キャッシュ エントリの無効化を制御する方法を示しています。
ipx route-cache inactivity-timeout 5 10
この例では、非アクティブ時間が 5 分に設定され、1 分間に無効化できる最大エントリ数が 10 に設定されます。
ipx route-cache inactivity-timeout コマンドと ipx route-cache max-size コマンドを組み合わせて使用すると、ルート キャッシュを小さくし、エントリを最新状態に保つことができます。
奇数長 IPX パケットのパディングのイネーブル化:例
(注) ipx pad-process-switched-packets コマンドは、カスタマー エンジニアまたはその他のサービス担当者の指示があったときだけ使用してください。
次の例は、奇数長 IPX パケットのパディングをイネーブルにする方法を示しています。
ipx pad-process-switched-packets
この例では、シリアル インターフェイス 0 で奇数長パケットが偶数長パケットとして送信されるように、Cisco IOS ソフトウェアが奇数長パケットにパディングします。
AppleTalk ファースト スイッチングのディセーブル化:例
次の例は、AppleTalk ファースト スイッチングをディセーブルにする方法を示しています。
IPX および AppleTalk パケットの SMDS ファースト スイッチングの再イネーブル化:例
次の例は、IPX および AppleTalk パケットの SMDS ファースト スイッチングがディセーブル化されている場合に、ファースト スイッチングを再イネーブル化する方法を示しています。
DECnet ファースト スイッチングのディセーブル化:例
次の例は、DECnet ファースト スイッチングをディセーブルにする方法を示しています。
DECnet ファースト スイッチングは、インターフェイスごとにディセーブル化されます。
キャッシュを使用する ISO CLNS ファースト スイッチングのディセーブル化:例
次の例は、キャッシュを使用する ISO CLNS ファースト スイッチングをディセーブルにする方法を示しています。
configure terminal
interface ethernet 0
参考資料
ここでは、ファースト スイッチング機能の設定に関する参考資料について説明します。
規格
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この機能によってサポートされる新しい規格または変更された規格はありません。またこの機能による既存規格のサポートに変更はありません。 |
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MIB
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この機能によってサポートされる新しい MIB または変更された MIB はありません。またこの機能による既存 MIB のサポートに変更はありません。 |
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、および機能セットの MIB を検索してダウンロードする場合は、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。 http://www.cisco.com/go/mibs |
RFC
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この機能によってサポートされる新しい RFC または変更された RFC はありません。またこの機能による既存 RFC のサポートに変更はありません。 |
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シスコのテクニカル サポート
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右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。 以下を含むさまざまな作業にこの Web サイトが役立ちます。 ・テクニカル サポートを受ける ・ソフトウェアをダウンロードする ・セキュリティの脆弱性を報告する、またはシスコ製品のセキュリティ問題に対する支援を受ける ・ツールおよびリソースへアクセスする - Product Alert の受信登録 - Field Notice の受信登録 - Bug Toolkit を使用した既知の問題の検索 ・Networking Professionals(NetPro)コミュニティで、技術関連のディスカッションに参加する ・トレーニング リソースへアクセスする ・TAC Case Collection ツールを使用して、ハードウェアや設定、パフォーマンスに関する一般的な問題をインタラクティブに特定および解決する この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。 |
http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html |
ファースト スイッチングの設定の機能情報
表 1 に、この機能のリリース履歴を示します。
ここに示されていないこの技術の機能の詳細については、『 Cisco IOS IP Switching Roadmap 』を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator を使用すると、特定のソフトウェア リリース、フィーチャ セット、またはプラットフォームをサポートする Cisco IOS および Catalyst OS のソフトウェア イメージを判別できます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
(注) 表 1 に、特定の Cisco IOS ソフトウェア リリース群で特定の機能をサポートする Cisco IOS ソフトウェア リリースだけを示します。特に明記されていない限り、Cisco IOS ソフトウェア リリース群の後続のリリースでもこの機能をサポートします。
表 1 ファースト スイッチングの設定の機能情報
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Cisco IOS Release 12.2(1) 以降で導入または修正された機能がないため、この表は意図的に空白にしてあります。この表は、このモジュールに機能情報が追加されると更新されます。 |
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用語集
AppleTalk :インターネットワーク ルーティング、トランザクションおよびデータ ストリーム サービス、ネーミング サービス、広範なファイルおよびプリンタ共有を提供するマルチレイヤ プロトコル。
IPX :Internetwork Packet Exchange。ネットワークを通過する発信データ パケットをルーティングする NetWare プロトコル。各 NetWare ネットワークには、サーバを設定したときに割り当てられる一意のアドレスがあります。IPX ルータはこのアドレスを使用して、インターネットワークを通過するパケットをルーティングします。
ISO CLNS :International Organization for Standardization(ISO; 国際標準化機構)Connectionless Network Service(CLNS; コネクションレス型ネットワーク サービス)。Open System Interconnection(OSI; オープン システム インターコネクション)モデルのネットワーク レイヤの標準。CLNS は、データを転送する前に回線を確立する必要がない OSI ネットワーク レイヤ サービスです。CLNS は、他のメッセージとは無関係に、メッセージを宛先にルーティングします。
NetWare :Novell が開発した、広く使用されている分散ネットワーク OS。
SMDS :交換マルチメガビット データ サービス。一部の Regional Bell Operating Companies(RBOC; 地域電話運営会社)が提供するワイドエリア ネットワーキング サービスです。
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このマニュアルで使用している IP アドレスは、実際のアドレスを示すものではありません。マニュアル内の例、コマンド出力、および図は、説明のみを目的として使用されています。説明の中に実際のアドレスが使用されていたとしても、それは意図的なものではなく、偶然の一致によるものです。
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