Cisco NX-OS IP SLA に関する情報
多くの企業ではビジネスのほとんどをオンラインで行い、サービスの損失は企業の収益性に影響を及ぼすことがあります。今では、インターネット サービス プロバイダー(ISP)や内部 IT 部門でさえも、定義済みのサービス レベル(サービス レベル契約)を提供して、お客様に一定の予測可能性を提供しています。
ビジネス クリティカルなアプリケーション、Voice over IP(VoIP)ネットワーク、音声および表示による会議、マルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)、およびバーチャル プライベート ネットワーク(VPN)の最新のパフォーマンス要件により、企業内では、パフォーマンス レベルに合わせた統合 IP ネットワークの最適化が求められています。ネットワーク管理者にとっては、アプリケーション ソリューションを支えるサービス レベル契約をサポートする必要性がますます高まっています。IP サービス レベル契約(SLA)を使用すると、IP アプリケーションおよび IP サービスの IP サービス レベルを管理できます。
Cisco NX-OS IP SLA は、アクティブ トラフィック モニタリングを使用します。これにより、継続的で信頼性のある予測可能な方法でトラフィックが生成され、ネットワーク パフォーマンスを測定できます。Cisco NX-OS IP SLA はネットワークにデータを送信し、複数のネットワーク ロケーション間あるいは複数のネットワーク パス内のパフォーマンスを測定します。ネットワーク データおよび IP サービスをシミュレーションし、ネットワーク パフォーマンス情報をリアル タイムで収集します。収集される情報には、応答時間、一方向遅延、ジッター(パケット間の遅延のばらつき)、パケット損失、音声品質スコアリング、ネットワーク リソースの可用性、アプリケーションのパフォーマンス、およびサーバーの応答時間に関するデータが含まれます。Cisco NX-OS IP SLA はトラフィックを生成、分析して、Cisco NX-OS デバイス間または Cisco NX-OS デバイスからネットワーク アプリケーション サーバーのようなリモート IP デバイスへのパフォーマンスを測定することにより、アクティブ モニタリングを実行します。Cisco NX-OS IP SLA のさまざまな動作による測定統計情報を、トラブルシューティング、問題分析、ネットワーク トポロジの設計に使用できます。
(注) |
IPSLA はロールバックをサポートしていません。ロールバックは、CLI を介した IPSLA 構成に関連しています。 |
Cisco NX-OS P SLA では、従来のサービス レベル契約と比べて次のような改善を実現できます。
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エンドツーエンド測定:ネットワークの端からもう一方の端までパフォーマンスを測定できることにより、エンドユーザによるネットワーク利用状況をより広い到達範囲でより正確に表現できます。
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詳細化:遅延、ジッター、パケット シーケンス、レイヤ 3 接続、パスとダウンロード時間などの双方向のラウンドトリップの数値に詳細化される統計情報により、レイヤ 2 リンクの帯域幅だけよりも詳細なデータが得られます。
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展開の簡易化:Cisco IOS IP SLA は、大きいネットワーク内で既存のシスコ デバイスを活用することにより、従来のサービス レベル契約で必要になることの多い物理的なプローブよりも、簡単かつ低コストで実装されます。
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アプリケーション認識型モニタリング:Cisco NX-OS IP SLA は、レイヤ 3 からレイヤ 7 で実行されているアプリケーションによって生成されたパフォーマンス統計情報をシミュレートし、測定できます。従来のサービス レベル契約では、レイヤ 2 パフォーマンスしか測定できません。
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広範囲:Cisco NX-OS IP SLA のサポートは、ローエンド スイッチからハイエンド スイッチまでのシスコ ネットワーキング デバイスに含まれています。この幅広い展開により、Cisco NX-OS IP SLA は、従来のサービス レベル契約よりも高い柔軟性を備えています。
次の図に、アプリケーションのサポートも含め、エンドツーエンドのパフォーマンス測定をサポートするために、Cisco NX-OS IP SLA がどのように従来のレイヤ 2 サービス レベル契約の概念を取り込み、より広い範囲に適用されているかを示します。
Cisco NX-OS IP SLA を使用して、サービス レベル契約を測定、提供、確認できます。また、IP サービスおよび IP アプリケーションのネットワーク パフォーマンスを分析してトラブルシューティングを行えます。Cisco NX-OS IP SLA の特定の動作に応じて、遅延、パケット損失、ジッター、パケット シーケンス、接続、パス、サーバーの応答時間、およびダウンロード時間の統計情報がシスコ デバイス内でモニタでき、CLI および SNMP MIB の両方に保存できます。パケットには設定可能な IP レイヤ オプションとアプリケーション層オプションがあります。たとえば、送信元および宛先の IP アドレス、ユーザー データグラム プロトコル(UDP)/TCP ポート番号、サービス タイプ(ToS)バイト(Diffserv コード ポイント(DSCP)および IP プレフィックス ビットを含む)、バーチャル プライベート ネットワーク(VPN)ルーティング/転送インスタンス(VRF)、URL Web アドレスなどが設定できます。
Cisco NX-OS IP SLA には、SNMP を使用してアクセスできるため、CiscoWorks Internet Performance Monitor(IPM)のようなパフォーマンス モニタリング アプリケーションや他のサードパーティ製のシスコ パートナー パフォーマンス管理製品からも使用できます。
Cisco NX-OS IP SLA 動作によって収集されたデータに基づく SNMP 通知により、パフォーマンスが指定したレベルを下回った場合や問題が修正された場合に、ルータはアラートを受信できます。Cisco NX-OS IP SLA は、外部ネットワーク管理システム(NMS)アプリケーションとシスコ デバイス上で実行されている Cisco NX-OS IP SLA 動作との間のインタラクションに Cisco RTTMON MIB を使用します。Cisco NX-OS IP SLA 機能から参照されるオブジェクト変数の詳細については、Cisco MIB Web サイトから入手できる CISCO-RTTMON-MIB.my ファイルのテキストを参照してください。