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Fibre Channel domain(fcdomain; ファイバ チャネル ドメイン)機能では、FC-SW-2 標準で記述されているように、主要スイッチ選択、ドメイン ID 配信、FC ID 割り当て、ファブリック再設定機能が実行されます。ドメインは VSAN 単位で設定されます。ドメイン ID を設定しない場合、ローカル スイッチではランダムな ID が使用されます。
ヒント 設定の変更時には、実行コンフィギュレーションを保存してください。次回スイッチをリブートすると、保存したコンフィギュレーションが使用されます。コンフィギュレーションを保存しないと、以前保存したスタートアップ コンフィギュレーションが使用されます。
• 「FC ID」
ここでは、fcdomain の各フェーズについて説明します。
• 主要スイッチ選択:このフェーズでは、ファブリックで一意の主要スイッチが選択されます。
• ドメイン ID 配信:このフェーズでは、ファブリックの各スイッチが一意のドメイン ID を取得します。
• FC ID 割り当て:このフェーズでは、ファブリックで対応するスイッチに接続されている各デバイスに、一意の FC ID が割り当てられます。
• ファブリック再設定:このフェーズでは、ファブリックのすべてのスイッチが再同期され、すべてのスイッチが新しいスイッチ選択フェーズを同時に再開します。
図 9-1 に fcdomain の設定例を示します。
(注) すべての手順で使用するドメイン ID および VSAN の値は例にすぎません。設定に合った ID および値を使用してください。
ここでは、fcdomain の機能について説明します。ここで説明する内容は、次のとおりです。
• 「Domain Manager のターボ モードの設定」
• 「fcdomain のイネーブル化またはディセーブル化」
fcdomain では、中断を伴う起動または中断を伴わない起動ができます。中断を伴う再起動を実行すると、Reconfigure Fabric(RCF)フレームがファブリックのその他のスイッチに送信され、VSAN のすべてのスイッチでデータ トラフィックが中断されます(リモートでセグメント化されている ISL を含む)。中断を伴わない再起動を実行すると、Build Fabric(BF)フレームがファブリックのその他のスイッチに送信され、そのスイッチだけでデータ トラフィックが中断されます。
ドメイン ID の矛盾を解決するためには、ドメイン ID を手動で割り当てる必要があります。手動で割り当てたドメイン ID など、多くの設定変更を適用するには、中断を伴う再起動が必要です。中断を伴わないドメインの再起動は、優先ドメイン ID をスタティック ID に変更する(実際のドメイン ID は変更されない)ときに限って許容されます。
(注) ユーザがスタティック ドメインを具体的に設定しますが、スタティック ドメインはランタイム ドメインと異なることがあります。ドメイン ID が異なる場合は、次の中断を伴う再起動または中断を伴わない再起動の後で、ランタイム ドメイン ID がスタティック ドメイン ID に変更されます。
ヒント VSAN が INTEROP モードである場合は、その VSAN の fcdomain で中断を伴う再起動を実行できません。
対応するランタイム値に設定の多くを適用できます。後続の各セクションで、fcdomain パラメータをランタイム値に適用する方法について詳しく説明します。
Domain Manager のターボ モード機能を使用すると、最適化を使用して Domain Manager を再起動できます。Domain Manager の再起動では、高速再起動モードと選択再起動モードを選択できます。再起動モードを空白のままにすると、最適化はディセーブルになります。
Fabric Manager を使用して Domain Manager のターボ モードを設定するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 [Fabricxx] > [VSANxx] の順に展開し、ターボ モードを設定するファブリックと VSAN の [Logical Domains] ペインで [Domain Manager] を選択します。
[Information] ペインに、図 9-2 に示す、ドメインの [Running] タブの設定が表示されます。
ステップ 2 [Configuration] タブをクリックします。
図 9-3 に示すスイッチ設定が表示されます。
ステップ 3 ファブリック内の最適化するスイッチに対し、[Optimization] ドロップダウン メニューを [fast-restart] または [selective-restart] に設定します。[Optimization] フィールドで何も選択しないと、最適化はディセーブルになります。
ステップ 4 [Apply Changes] アイコンをクリックし、この再起動を開始します。
Device Manager を使用して Domain Manager のターボ モードを設定するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 [FC] > [Domain Manager] の順に展開し、[Configuration] タブを選択します。
図 9-4 に示すスイッチ設定が表示されます。
(注) [Optimization] フィールドは、NX-OS Release 4.2(1) よりも前のリリースにはありません。
ステップ 2 ファブリック内の最適化するスイッチに対し、[Optimization] ドロップダウン メニューを [fast-restart] または [selective-restart] に設定します。図 9-5 に示すように、[Optimization] フィールドで何も選択しないと、最適化はディセーブルになります。
ステップ 3 [Apply] をクリックしてこの再起動を開始します。
Fabric Manager を使用して中断を伴うファブリックの再起動、または中断を伴わない再起動を行うには、次の手順を実行します。
[Information] ペインにドメインの [Running] タブの設定が表示されます (図 9-6を参照してください)。
ステップ 2 [Configuration] タブをクリックします。
図 9-7 に示すスイッチ設定が表示されます。
ステップ 3 ファブリック内の fcdomain を再起動するすべてのスイッチに対し、[Restart] ドロップダウン メニューを [disruptive] または [nonDisruptive] に設定します。
ステップ 4 [Apply Changes] アイコンをクリックし、この fcdomain の再起動を開始します。
デフォルトでプライオリティ 128 が設定されています。プライオリティの有効範囲は 1 ~ 254 です。プライオリティ 1 が最も高いプライオリティになります。値 255 は別のスイッチから受け入れられますが、ローカルに設定できません。
新しいスイッチは、安定したファブリックに参加する場合、主要スイッチになることがあります。主要スイッチ選択フェーズ中に、プライオリティが最高のスイッチが主要スイッチになります。2 つのスイッチに同じプライオリティが設定されている場合は、WWN が小さいスイッチが主要スイッチになります。
プライオリティ設定は、fcdomain の再起動時にランタイムに適用されます(「ドメインの再起動の概要」を参照)。この設定は、中断を伴う再起動および中断を伴わない再起動の両方に適用可能です。
Fabric Manager を使用して主要スイッチのプライオリティを設定するには、次の手順を実行します。
図 9-8 のように、[Information] ペインにドメインの実行コンフィギュレーションが表示されます。
ステップ 2 ファブリック内で主要スイッチにするスイッチの [Priority] を高い値に設定します。
ステップ 3 [Apply Changes] アイコンをクリックして、これらの変更を保存します。
fcdomain 機能はデフォルトで各スイッチでイネーブルになっています。あるスイッチで fcdomain 機能をディセーブルにすると、そのスイッチはファブリックのその他のスイッチに加わらなくなります。fcdomain 設定は、中断を伴う再起動でランタイムに適用されます。
Fabric Manager を使用して、単一の VSAN またはある範囲の VSAN で fcdomain をディセーブルにするには、次の手順を実行します。
[Information] ペインにドメインの実行コンフィギュレーションが表示されます。
ステップ 2 [Configuration] タブをクリックし、fcdomain をディセーブルにするファブリックのスイッチごとに、[Enable] チェックボックスをオフにします(図 9-9 を参照)。
ステップ 3 [Apply Changes] アイコンをクリックして、これらの変更を保存します。
Fabric Manager を使用して、ディセーブルになっている fcdomain のファブリック名の値を設定するには、次の手順を実行します。
[Information] ペインにドメインの実行コンフィギュレーションが表示されます。
ステップ 2 [Configuration] タブをクリックし、ファブリックのスイッチごとにファブリック名を設定します。
ステップ 3 [Apply Changes] アイコンをクリックして、これらの変更を保存します。
インターフェイスや VSAN ごとに、RCF 要求フレームの拒否を選択できます。 RCF 拒否 オプションはデフォルトでディセーブルです(つまり、RCF 要求フレームは自動的には拒否されません)。
RCF 拒否 オプションは、中断を伴う再起動を通じて、実行時にすぐに有効になります(「ドメインの再起動の概要」を参照)。
Fabric Manager を使用して着信 RCF 要求フレームを拒否するには、次の手順を実行します。
[Information] ペインにファイバ チャネル設定が表示されます。
ステップ 2 [Domain Mgr] タブをクリックします。
図 9-10 の情報が表示されます。
ステップ 3 RCF 要求フレームを拒否するインターフェイスごとに、[RcfReject] チェックボックスをオンにします。
ステップ 4 [Apply Changes] アイコンをクリックして、これらの変更を保存します。
自動再構成オプションはデフォルトでディセーブルになっています。ドメインが重なる別々の安定ファブリックに属する 2 つのスイッチを結合する場合は、次のような状況になる可能性があります。
• 自動再構成が両方のスイッチでイネーブルである場合は、中断を伴う再構成フェーズが始まります。
• 片方のスイッチまたは両方のスイッチで自動再構成がディセーブルである場合、2 つのスイッチ間のリンクは分離されます。
自動再構成オプションは実行時にすぐに有効になります。fcdomain を再起動する必要はありません。ドメインのオーバーラップのためにドメインが現在分離されており、後で両方のスイッチで自動再構成オプションをイネーブルにすると、ファブリックは引き続き分離されます。両方のスイッチで自動再構成オプションをイネーブルにしてからファブリックを接続すると、中断を伴う再構成(RCF)が行われます。中断を伴う再構成では、データ トラフィックが影響されることがあります。重複リンクで構成されているドメインを変更して、ドメインのオーバーラップを解消することにより、中断を伴わない fcdomain の再構成を実行できます。
Fabric Manager を使用して特定の VSAN(またはある範囲の VSAN)で自動再構成をイネーブルにするには、次の手順を実行します。
[Information] ペインにドメインの実行コンフィギュレーションが表示されます。
ステップ 2 [Configuration] タブをクリックし、自動的に再構成するファブリックのスイッチごとに [Auto Reconfigure] チェックボックスをオンにします。
ステップ 3 [Apply Changes] アイコンをクリックして、これらの変更を保存します。
ドメイン ID により、VSAN でスイッチが一意に識別されます。スイッチには、さまざまな VSAN で異なるドメイン ID が付いていることがあります。ドメイン ID は FC ID 全体の一部分です。
ここでは、ドメイン ID の設定方法について説明します。ここで説明する内容は、次のとおりです。
• 「スタティック ドメイン ID または優先ドメイン ID の指定」
• 「変更の廃棄」
設定したドメイン ID は、優先またはスタティックにすることができます。デフォルトでは、設定されているドメイン ID は 0(ゼロ)であり、設定タイプは優先です。
(注) 値 0(ゼロ)は、優先オプションを使用している場合に限り設定できます。
ドメイン ID を設定しない場合、ローカル スイッチはランダムな ID を要求で送信します。スタティックなドメイン ID を使用してください。
下位スイッチがドメインを要求すると、次のプロセスが行われます(図 9-11 を参照)。
1. ローカル スイッチが、設定済みドメイン ID 要求を主要スイッチに送信します。
2. 要求されたドメイン ID が使用可能である場合、主要スイッチはそのドメイン ID を割り当てます。要求されたドメイン ID が使用可能でない場合は、別の使用可能なドメイン ID を割り当てます。
• 受信したドメイン ID が許可リスト内に収まっていない場合は、要求ドメイン ID がランタイム ドメイン ID になり、その VSAN のインターフェイスはすべて分離されます。
• 割り当てられたドメイン ID および要求したドメイン ID が同一である場合、優先オプションとスタティック オプションは関係なく、割り当てられたドメイン ID がランタイム ドメイン ID になります。
• 割り当てられたドメイン ID および要求したドメイン ID が異なる場合は、次のケースが当てはまります。
– 設定されているタイプがスタティックである場合、割り当てられたドメイン ID は廃棄され、すべてのローカル インターフェイスは分離されて、ローカル スイッチが設定済みドメイン ID を自分自身に割り当て、そのドメイン ID がランタイム ドメイン ID になります。
– 設定されているタイプが優先の場合、ローカル スイッチは主要スイッチによって割り当てられたドメイン ID を受け入れて、割り当てられたドメイン ID がランタイム ドメイン ID になります。
設定されたドメイン ID を変更すると、VSAN で現在設定されているすべての許可ドメイン ID リストに新しいドメイン ID が含まれる場合に限り、変更内容は受け入れられます。ゼロ優先ドメイン ID を設定することもできます。
ヒント 特定の VSAN で FICON 機能がイネーブルになっている場合、その VSAN のドメイン ID はスタティックな状態のままになります。スタティック ID 値は変更できますが、優先オプションには変更できません。
(注) NAT 構成のない IVR では、IVR トポロジ内の 1 つの VSAN でスタティック ドメイン ID が設定されている場合、トポロジ内の他の VSAN(エッジまたは中継)にもスタティック ドメイン ID を設定する必要があります。
IVR NAT 構成では、IVR トポロジ内の 1 つの VSAN でスタティック ドメイン ID が設定されている場合、その VSAN にエクスポートされる可能性がある IVR ドメインにもスタティック ドメインが割り当てられている必要があります。
(注) 許可ドメイン ID リストを設定した場合、追加するドメイン ID は VSAN でその範囲に収まっている必要があります。「許可ドメイン ID リストの概要」を参照してください。
スタティック ドメイン ID タイプを割り当てるということは、特定のドメイン ID を要求するということです。スイッチは、要求したアドレスを取得できなかった場合、自分自身をファブリックから分離します。優先ドメイン ID を指定するということも、特定のドメイン ID を要求するということですが、要求したドメイン ID が使用不可である場合、スイッチは別のドメイン ID を受け入れます。
スタティック オプションは、中断を伴う再起動または中断を伴わない再起動の後で実行時に適用できますが、優先オプションが実行時に適用されるのは中断を伴う再起動の後だけです(「ドメインの再起動の概要」を参照)。
(注) VSAN 内では、すべてのスイッチでドメイン ID タイプが同一である必要があります(スタティックまたは優先)。あるスイッチがスタティック ドメイン タイプで、別のスイッチが優先ドメイン タイプであるというように、設定が混在している場合は、リンクが分離されることがあります。
Fabric Manager を使用してスタティックまたは優先のドメイン ID を指定するには、次の手順を実行します。
[Information] ペインにドメインの実行コンフィギュレーションが表示されます。
ステップ 2 [Config DomainID] に値を入力し、[Config Type] ドロップダウン メニューから [static] または [preferred] をクリックし、ファブリックのスイッチにドメイン ID を設定します。
ステップ 3 [Apply Changes] アイコンをクリックして、これらの変更を保存します。
デフォルトでは、割り当てるドメイン ID リストの有効範囲は 1 から 239 までです。許可ドメイン ID リストに含める範囲のリストを指定し、それぞれの範囲をカンマで区切ることができます。主要スイッチは、ローカルに設定されている許可ドメイン リストで使用可能なドメイン ID を割り当てます。
重複しないドメイン ID で VSAN を設計するには、許可ドメイン ID リストを使用します。今後、NAT 機能がない IVR を実装する必要がある場合は、これが役立ちます。
ヒント ファブリックの 1 つのスイッチで許可リストを設定する場合は、ファブリックの他の全スイッチで同じリストを設定して一貫性を保つか、Cisco Fabric Service(CFS)を使用して設定を配信することを推奨します。
許可ドメイン ID リストでは、次の条件を満たす必要があります。
• このスイッチが主要スイッチである場合は、現在割り当てられているすべてのドメイン ID を許可リストに含める必要があります。
• このスイッチが下位スイッチである場合は、ローカル ランタイム ドメイン ID を許可リストに含める必要があります。
• スイッチのローカルで設定されているドメイン ID を許可リストに含める必要があります。
• 割り当てられているドメイン ID、およびその他のすでに設定されているドメイン ID リストの共通部分は空にできません。
Fabric Manager を使用して許可ドメイン ID リストを設定するには、次の手順を実行します。
[Information] ペインに CFS 設定が表示されます(図 9-12 を参照)。
ステップ 2 [Admin] ドロップダウン メニューを [enable] に設定し、[Global] ドロップダウン メニューを [enable] に設定します。
ステップ 3 [Apply Changes] をクリックし、CFS による許可ドメイン ID リストの配信をイネーブルにします。
ステップ 4 [Allowed DomainIds] タブを選択します。
図 9-13に示す [Allowed Domain ID] 画面が表示されます。
ステップ 5 このドメインの許可ドメイン ID リストに list を設定します。
ステップ 6 [CFS] タブを選択し、[Config Action] を [commit] に設定します。
ステップ 7 [Apply Changes] アイコンをクリックしてこの許可ドメイン ID リストを確定し、VSAN で配信します。
Cisco Fabric Service(CFS)インフラストラクチャを使用し、ファブリックのすべての Cisco MDS スイッチに許可ドメイン ID リストの設定情報を配信することをイネーブルにすることができます。この機能により、1 つの MDS スイッチのコンソールからファブリック全体の設定を同期できます。同じ設定が VSAN 全体に配信されるため、発生する可能性がある設定ミスや、同一 VSAN の 2 つのスイッチで互換性がない許可ドメインを設定する可能性を回避できます。
(注) CFS を使用して許可ドメイン ID リストを配信するには、ファブリック内のすべてのスイッチは Cisco SAN-OS Release 3.0(1) 以降を実行している必要があります。
VSAN のすべてのスイッチで許可ドメイン ID リストの一貫性を保つには、CFS を使用して許可ドメイン ID リストを配信します。
(注) 許可ドメイン ID リストを設定し、主要スイッチで確定することを推奨します。
CFS の詳細については、 第 2 章「CFS インフラストラクチャの使用」 を参照してください。
許可ドメイン ID リストの CFS 配信は、デフォルトでディセーブルです。許可ドメイン ID リストの配信先となるすべてのスイッチで配信をイネーブルにする必要があります。
Fabric Manager を使用して許可ドメイン ID リスト設定の配信をイネーブルにする(またはディセーブルにする)には、次の手順を実行します。
[Information] ペインに CFS 設定が表示されます。
ステップ 2 許可ドメイン ID リストの CFS 配信をイネーブルにするには、[Admin] ドロップダウン メニューを [enable] に、[Global] ドロップダウン メニューを [enable] に設定します。
ステップ 3 [Apply Changes] アイコンをクリックし、CFS による許可ドメイン ID リストの配信をイネーブルにします。
既存の設定を変更する最初の処理により、保留設定が作成されてファブリックの機能がロックされます。ファブリックをロックすると、次の条件が成立します。
• アクティブな設定をコピーすると、保留設定が作成されます。これ以後の変更は保留設定に対して行われ、アクティブな設定(およびファブリック内の他のスイッチ)に変更をコミットするか、または変更を廃棄するまで、保留設定にとどまります。
保留されているドメイン設定の変更を VSAN のその他の MDS スイッチに適用するには、変更を確定する必要があります。保留中の設定変更が配信され、正常に確定された時点で、設定変更は VSAN 全体の MDS スイッチでアクティブな設定に適用されて、ファブリックのロックが解除されます。
Fabric Manager を使用して保留中のドメイン設定変更を確定し、ロックを解除するには、次の手順を実行します。
[Information] ペインに CFS 設定が表示されます。
ステップ 2 [Config Action] ドロップダウン メニューを [commit] に設定します。
ステップ 3 [Apply Changes] アイコンをクリックしてこの許可ドメイン ID リストを確定し、VSAN で配信します。
ドメイン設定に対する保留中の変更をいつでも廃棄し、ファブリックのロックを解除できます。保留中の変更を廃棄する(打ち切る)と、設定は影響されずにロックが解除されます。
Fabric Manager を使用して保留中のドメイン設定変更を廃棄し、ロックを解除するには、次の手順を実行します。
[Information] ペインに CFS 設定が表示されます。
ステップ 2 [Config Action] ドロップダウン メニューを [abort] に設定します。
ステップ 3 [Apply Changes] アイコンをクリックし、許可ドメイン ID リストに対する保留中の変更を廃棄します。
ドメイン設定タスクを実行し、変更の確定か廃棄を行ってロックを解除していない場合、管理者はファブリックのスイッチからロックを解除できます。管理者がこのタスクを実行すると、保留中の変更は廃棄され、ファブリックのロックは解除されます。
ヒント 保留中の変更は一時的なディレクトリだけで使用可能であり、スイッチが再起動されると廃棄されます。
Fabric Manager を使用してファブリックのロックを解除するには、次の手順を実行します。
[Information] ペインに CFS 設定が表示されます。
ステップ 2 [Config Action] ドロップダウン メニューを [clear] に設定します。
ステップ 3 [Apply Changes] アイコンをクリックし、ファブリックのロックをクリアします。
Fabric Manager を使用して保留中の設定変更を表示するには、次の手順を実行します。
[Information] ペインに CFS 設定が表示されます。
ステップ 2 [Config View As] ドロップダウン メニューを [pending] に設定します。
ステップ 3 [Apply Changes] アイコンをクリックし、ファブリックのロックをクリアします。
ステップ 4 [AllowedDomainIds] タブをクリックします。
Fabric Manager を使用して配信セッションのステータスを表示するには、次の手順を実行します。
ステップ 2 CFS 設定およびセッション ステータスが [Information] ペインに表示されます。
連続ドメイン割り当てはデフォルトではディセーブルです。下位スイッチが複数のドメインを主要スイッチに要求し、ドメインが連続していない場合は、次のような状況になる可能性があります。
• 連続ドメイン割り当てが主要スイッチでイネーブルになっている場合、主要スイッチは連続ドメインを特定して下位スイッチに割り当てます。連続ドメインが使用できない場合、NX-OS ソフトウェアはこの要求を却下します。
• 連続ドメイン割り当てが主要スイッチでディセーブルになっている場合、主要スイッチは使用可能ドメインを下位スイッチに割り当てます。
Fabric Manager を使用して特定の VSAN(またはある範囲の VSAN)で連続ドメインをイネーブルにするには、次の手順を実行します。
[Information] ペインにドメインの実行コンフィギュレーションが表示されます。
ステップ 2 [Configuration] タブをクリックし、連続割り当てをイネーブルにするファブリックのスイッチごとに [Contiguous Allocation] チェックボックスをオンにします。
ステップ 3 [Apply Changes] アイコンをクリックして、これらの変更を保存します。
Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチに N または NL ポートがログインする場合、FC ID が割り当てられます。デフォルトでは、固定的 FC ID 機能はイネーブルになっています。この機能をディセーブルにした場合、次の結果になります。
• N ポートまたは NL ポートが Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチにログインします。要求側の N ポートまたは NL ポートの WWN、および割り当てられた FC ID は保持され、揮発性キャッシュに保存されます。この揮発性キャッシュの内容は、リブートすると失われます。
• スイッチは、最善の方法でバインディング FC ID を WWN に保持するように設計されています。たとえば 1 つの N ポートがスイッチから切断し、別のデバイスがその FC ID を要求した場合、この要求は許可され、最初に FC ID に関連していた WWN が解放されます。
• 揮発性キャッシュには、WWN と FC ID のバインディングのエントリが 4000 個まで保存されます。このキャッシュがフルになると、新しい(最新)エントリによってキャッシュの最も古いエントリが上書きされます。この場合、最も古いエントリに対応する WWN と FC ID の関連は失われます。
• スイッチ接続動作は、N ポートと NL ポートで異なります。
– スイッチが同一 VSAN に属する限り、切断してから同一スイッチ内の任意のポートに再接続した場合、N ポートに同一の FC ID が割り当てられます。
– NL ポートが同じ FC ID になるのは、スイッチ上の以前接続されていたポートと同じポートに再度接続された場合だけです。
ここでは、FC ID の設定について説明します。ここで説明する内容は、次のとおりです。
固定的 FC ID がイネーブルである場合は、次のようになります。
• fcdomain 内の現在 使用中の FC ID は、リブートしても保持されます。
• fcdomain は、デバイス(ホストまたはディスク)がポート インターフェイスに接続された後でスイッチが学習したダイナミック エントリをデータベースに自動的に入力します。
(注) AIX または HP-UX ホストからスイッチに接続している場合は、これらのホストを接続している VSAN 内で固定的な FC ID 機能をイネーブルにしてください。
(注) FC ID はデフォルトでイネーブルになっています。このデフォルト動作は、Cisco MDS SAN-OS Release 2.0(1b) よりも前のリリースから変更されており、リブートした後で FC ID が変更されなくなります。このオプションは、VSAN ごとにディセーブルにできます。
F ポートに割り当てられた固定的 FC ID はインターフェイス間で移動でき、引き続き同一の固定的 FC ID を維持できます。
(注) ループ接続デバイス(FL ポート)を使用した固定的 FC ID は、設定されたポートと同じポートに接続され続ける必要があります。
(注) デバイス上の Arbitrated Loop Physical Address(ALPA)のサポートの違いにより、ループ接続デバイスの FC ID の固定化は保証されません。
Fabric Manager を使用して固定的 FC ID 機能をイネーブルするには、次の手順を実行します。
[Information] ペインにドメインの実行コンフィギュレーションが表示されます。
ステップ 2 [Persistent Setup] タブを選択し、固定的 FC ID をイネーブルにするファブリックのスイッチごとに [enable] チェックボックスをオンにします。
ステップ 3 [Apply Changes] アイコンをクリックして、これらの変更を保存します。
固定的 FC ID 機能をイネーブルにしたら、固定的 FC ID サブモードを開始し、スタティック エントリまたはダイナミック エントリを FC ID データベースに追加できます。デフォルトの場合、すべての追加エントリはスタティックになります。固定的 FC ID は VSAN 単位で設定します。固定的 FC ID を手動で設定するには、次の要件に従ってください。
• 必要な VSAN で固定的 FC ID 機能をイネーブルにしてください。
• 必要な VSAN がアクティブ VSAN であることを確認してください。固定的 FC ID は、アクティブな VSAN に対してだけ設定できます。
• FC ID のドメイン部分が、必要な VSAN のランタイム ドメイン ID と同じであることを確認してください。ソフトウェアがドメインの不一致を検出すると、コマンドは拒否されます。
• 領域の設定時には、FC ID のポート フィールドが 0(ゼロ)であることを確認します。
(注) FICON は、前面パネルのポート番号に基づき、異なる方式を使用して FC ID を割り当てます。この方式は、FICON VSAN における FC ID の固定化よりも優先されます。
Fabric Manager を使用して固定的 FC ID を設定するには、次の手順を実行します。
[Information] ペインにドメインの実行コンフィギュレーションが表示されます。
ステップ 2 [Persistent FcIds] タブをクリックし、[Create Row] をクリックします。
図 9-14に示す [Create Persistent FC ID] ダイアログボックスが表示されます。
図 9-14 [Create Persistent FC ID] ダイアログボックス
ステップ 3 スイッチ、WWN、固定にする FC ID を選択します。
ステップ 4 [Mask] オプション ボタンを [single] または [area] に設定します。
ステップ 5 [Assignment] オプション ボタンを [static] または [dynamic] に設定します。
ステップ 6 [Apply Changes] アイコンをクリックして、これらの変更を保存します。
(注) HBA ポートおよびストレージ ポートを同一スイッチに接続している場合に限り、このセクションを読んでください。
HBA ポートとストレージ ポートを両方とも同一スイッチに接続している場合、一部の HBA ポートにはストレージ ポートとは別のエリア ID が必要となります。たとえば、ストレージ ポートの FC ID が 0x6f7704 である場合、このポートのエリアは 77 です。この場合、HBA ポートのエリアは 77 以外にすることができます。HBA ポートの FC ID は手動で設定し、ストレージ ポートの FC ID とは別にする必要があります。
Cisco MDS 9000 ファミリのスイッチでは、FC ID の固定化機能により、この要件への準拠が容易になります。この機能を使用し、ストレージ ポートまたは HBA ポートのいずれかに、エリアが異なる FC ID を事前に割り当てることができます。この例の手順では、スイッチ ドメイン 111(16 進法では 6f)を使用しています。HBA ポートはインターフェイス fc1/9 に、ストレージ ポートは同じスイッチのインターフェイス 1/10 に接続します。
Fabric Manager を使用して HBA ポートに別のエリア ID を設定するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 [Physical Attributes] ペインの [End Device] を展開し、[Information] ペインの [FLOGI] タブを選択して、HBA のポート WWN([Port Name] フィールド)を取得します(図 9-15 を参照)。
図 9-15 Fabric Manager の FLOGI データベース情報
(注) この設定では、両方の FC ID に同じエリア 00 が割り当てられています。
ステップ 2 [Switches] > [Interfaces] の順に展開し、[Physical Attributes] ペインで [FC Physical] を選択します。
ステップ 3 HBA が接続されているインターフェイスで、[Status Admin] ドロップダウン メニューを [down] に設定します。
MDS スイッチで HBA インターフェイスがシャットダウンされます。
ステップ 4 [Fabricxx] > [VSANxx] の順に展開し、[Domain Manager] を選択します。
ステップ 5 [Information] ペインの [Persistent Setup] タブをクリックし、FC ID 機能がイネーブルであることを確認します(図 9-16 を参照)。
図 9-16 Fabric Manager の固定的 FC ID 情報
この機能がディセーブルである場合は、この手順を続けて固定的 FC ID をイネーブルにします。
この機能がすでにイネーブルになっている場合は、ステップ 7 に進みます。
ステップ 6 Cisco MDS スイッチで固定的 FC ID 機能をイネーブルにするには、[Enable] チェックボックスをオンにします(図 9-17 を参照)。
ステップ 7 [Persistent FcIds] タブを選択し、エリア割り当てが異なる新しい FC ID を [FcId] フィールドで割り当てます。この例では、 00 を ee に置き換えました(図 9-17 を参照)。
図 9-17 Fabric Manager での FC ID の設定
ステップ 8 [Apply Changes] をクリックし、新しい FC ID を保存します。
ステップ 9 FC ID の値を比較し、HBA の FC ID を確認します。
(注) 両方の FC ID でエリア割り当てが異なっています。
ステップ 10 [Switches] > [Interfaces] の順に展開し、[Physical Attributes] ペインで [FC Physical] を選択します。HBA が接続されているインターフェイスで、[Status Admin] ドロップダウン メニューを [up] に設定します。MDS スイッチで HBA インターフェイスがイネーブルになります。
固定的 FC ID は選択的に消去できます。現在使用中のスタティック エントリと FC ID は削除できません。 表 9-1 は、固定的 FC ID の消去時に削除される FC ID エントリと維持される FC ID エントリを示しています。
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Fabric Manager を使用して固定的 FC ID を削除するには、次の手順を実行します。
ステップ 2 [Persistent Setup] タブをクリックします。
図 9-18 のように、[Information] ペインに固定的 FC ID 設定が表示されます。
図 9-18 Fabric Manager の固定的 FC ID 情報
ステップ 3 固定的 FC ID を消去するスイッチの [Purge] チェックボックスをオンにします(図 9-18 を参照)。
ステップ 4 [Apply Changes] アイコンをクリックして、これらの変更を保存します。
Fabric Manager は fcdomain の統計情報を収集し、[Information] ペインに表示します。
Fabric Manager を使用して fcdomain 統計情報を表示するには、次の手順を実行します。
[Information] ペインにドメインの実行コンフィギュレーションが表示されます。
ステップ 2 [Statistics] タブをクリックします。[Information] ペインに FC ID の統計情報が表示されます。
表 9-2 に、すべての fcdomain パラメータのデフォルト設定の一覧を示します。
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