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この章では、Cisco XR 12410 ルータの概要を紹介します。ルータ ハードウェアおよび主要コンポーネントの物理構成と、ハードウェア関連の機能の概要について説明します。
ルータのシャーシはシートメタル格納ラックであり、ルータ コンポーネントを収容します。
すべてのルータ モデルには、次の主要コンポーネントが含まれます(図 1-1)。
• ブロワー モジュール ― ルータに冷気を送り、過熱を避けます。詳細については、「ブロワー モジュール」を参照してください。
• アラーム ディスプレイ ― 電源、Clock Scheduler Card(CSC; クロック スケジューラ カード)、Switch Fabric Card(SFC; スイッチ ファブリック カード)のステータスなど、さまざまなルータ機能を監視します。詳細については、「アラーム カードおよびアラーム ディスプレイ」を参照してください。
• 水平ケーブル管理ブラケット ― ラインカードのケーブルを整理します。詳細については、「水平ケーブル管理ブラケット」を参照してください。
• ラインカード/Route Processor(RP; ルート プロセッサ)カード ケージ ― ユーザが構成可能な 10 個のスロットがあり、ラインカードおよび 1 つか 2 つの RP の組み合わせがサポートされます。
• スイッチ ファブリック/アラーム カード ケージ ― エアー フィルタ ドアの後ろに配置されているこのカード ケージには、SFC セット用に 7 つのスロット、およびアラーム カード用に 2 つのスロットがあります。SFC セットは、5 つの SFC および 2 つの CSC から構成されます。詳細については、「スイッチ ファブリックおよびアラーム カードの概要」を参照してください。
• Power Entry Module(PEM; 電源入力モジュール) ― 2 つの AC PEM または 2 つの DC PEM がルータに給電します。詳細については、「AC および DC 電源サブシステム」を参照してください。
• シャーシ バックプレーン(図示なし) ― シャーシ コンポーネントに配電します。
図 1-1 Cisco XR 12410 ルータ コンポーネント--正面図
図 1-2は、主要コンポーネントの位置とともにルータのスロット番号レイアウトを示しています。シャーシ バックプレーン(図示なし)がこのコンポーネントに配電します。
ルータは AC 電源モデルまたは DC 電源モデルのどちらかで出荷されます。電源はシャーシ背面の Power Distribution Unit(PDU; 配電ユニット)に接続し、電力は PEM とも呼ばれる電源モジュールに送られます。
AC 電源ルータは 2 つの AC PDU および AC PEM から構成されます。ルータへの AC 電源は、図 1-3のように、AC コンセントからシャーシの背面パネルにある PDU に接続した電源コードによって供給されます。
各 AC PEM は 200 ~ 240 VAC を -48 VDC に変換し、シャーシのバックプレーンが、すべてのカード、RP、ブロワー モジュールに配電します。
図 1-4に AC PEM のコンポーネントを示します。
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DC 電源ルータは 2 つの DC PDU および DC PEM から構成されます。ルータへの DC 電源は、図 1-5のように、シャーシの背面パネルにあるネジ式 DC 入力端子に接続した DC 電源からケーブルによって供給されます。
図 1-5 DC 電源コード-- 2800 W DC PDU
各 DC PEM は、公称 DC 電源電圧 -48 ~ -60 VDC で稼働し、専用の 60 A 供給電源を必要とします。
図 1-6に DC 電源モジュールのコンポーネントを示します。
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スイッチ ファブリックでは、ラインカードおよび RP の間でギガビット速度の同期接続が提供されます。9 スロットのスイッチ ファブリック/アラーム カード ケージには、次のものが含まれます。
(注) スイッチ ファブリック/アラーム カード ケージに配置されている 2 つのアラーム カードは、スイッチ ファブリックの一部ではありません。
1 つの CSC および 4 つの SFC がアクティブ スイッチ ファブリックに必要です。もう一方の CSC および 5 番めの SFC は冗長性を提供します。CSC および SFC の組み合わせにより、10 Gbps のスロット単位のスイッチ ファブリックが構成されます。
SFC または CSC の各カードは、システム内の各ラインカードに 10 Gbps 全二重で接続します。たとえば、それぞれ 2 × 10 Gbps の容量(全二重)で 8 個のラインカードを搭載したCisco XR 12410 ルータの場合、システム スイッチング帯域幅は 8 × 20 Gbps = 160 Gbps です。
図 1-2は、スイッチ ファブリック/アラーム カード ケージのスロット構成を示しています。ラベルはスロットごとのカードのタイプを識別しますが、エアー フィルタ ドアを開いた場合に限って確認できます。
(注) Cisco XR 12410 ルータは Oline Insertion and Removal(OIR; 活性挿抜)対応なので、ルータの電源を入れたままカードの取り外し/取り付けを行うことができます。
ルータは、スイッチ ファブリック/アラーム カード ケージの 7 つのスロットに、CSC 2 つおよび SFC 5 つを搭載した状態で出荷されます(図 1-2を参照)。
• CSC はスロット 0(CSC0)またはスロット 1(CSC1)に搭載されます。
• SFC は、スロット 2(SFC0)、スロット 3(SFC1)、スロット 4(SFC2)、スロット 5(SFC3)、スロット 6(SFC4)に搭載されます。
(注) BITS、単一ルータ APS、デュアル プライオリティ機能のサポートには、CSC カードおよび SFC カードの強化バージョンが必要です。カードの強化バージョンを元のバージョンのファブリック カードと混在させることはできません。
• スケジューラ ― ラインカードから送られてきたスイッチ ファブリックへのアクセスのスケジューリング要求を処理します。
• システム クロック ― すべての SFC、ラインカード、RP に同期信号を送信します。システム クロックは、スイッチ ファブリックを介して、ラインカード間またはラインカードと RP 間のデータ転送を同期化します。
• スイッチ ファブリック ― ラインカード間または RP とラインカード間でユーザ トラフィックを伝送します。CSC のスイッチ ファブリックは SFC のスイッチ ファブリックと同一です。
2 番めの CSC は、データ パス、スケジューラ、および基準クロックの冗長性を提供します。ラインカードとスイッチ ファブリック間のトラフィックは、常にモニタされています。システムが Loss of Synchronization(LOS; 同期損失)を検出すると、自動的に冗長 CSC のデータ パスをアクティブにするので、データは冗長パスを流れるようになります。冗長 CSC の切り替えは 1 秒以内に発生します(実際の切り替え時間は構成および規模によって決まります)。
SFC により、ルータのトラフィック容量が強化されます。SFC にはスイッチ ファブリック回路が含まれており、この回路がラインカード間または RP とラインカード間でユーザ トラフィックのみを伝送します。SFC は CSC からスケジューリング情報およびシステム クロック信号をすべて受け取ります。
2 つのアラーム カード(スイッチ ファブリック/アラーム カード ケージ)には、次のような機能があります。
• ルータ コンポーネントの MBus モジュールに +5 VDC を給電します(AC および DC 電源サブシステムを参照)。
• アラーム ディスプレイと連動し、システムをモニタします。アラーム ディスプレイ(別名アラーム ディスプレイ カード)は、水平ケーブル管理ブラケットの上にあります(図 1-7)。
次のコネクタおよび LED は、アラーム ディスプレイの前面パネル上にあります(図 1-8)。
• 2 つのアラーム カードのケーブル接続(Alarm A および Alarm B)
• システム レベルのアラーム状態を識別する Critical(クリティカル)LED、Major(メジャー)LED、Minor(マイナー)LED
• スイッチ ファブリック/アラーム カード ケージにある 9 つのカード スロット(7 つのファブリック カードおよび 2 つのアラーム カード)のそれぞれに対応するステータス LED のペア
–ENABLE(グリーン)
オン ― 該当するスロットに設置されているカードは動作状態であり、適切に機能しています。
オフ ― スロットが空であるか、そのスロットに設置されているカードに障害があります。
ラインカード/RP カード ケージにはユーザが構成可能な 10 のスロットがあり、ラインカードおよび 1 つまたは 2 つの RP の組み合わせがサポートされます(図 1-2を参照)。ルータは、次のスロット構成を使用して、9 つのラインカードおよび 1 つの RP、または 8 つのラインカードおよび 2 つの RP(片方がプライマリ、残りが冗長)で構成できます。
• スロット 0 ~ 7 は新しい(幅が広い)ラインカード設計に適合します。幅が広いラインカード スロットには、幅が狭いこれまでのラインカードも取り付けることができます。
• スロット 8 および 9 には、RP または幅が狭いこれまでのラインカードのみを取り付けることができます。
(注) システムで RP を 1 つだけ使用する場合は、スロット 9 に取り付けます。スロット 8 はこれまでのラインカードに使用できます。
ラインカードの前面パネルのポートおよびコネクタは、外部接続のインターフェイスを提供します。ラインカードは SFC を通じて RP と通信し、相互にパケット データを交換します。
各ラインカードの前面パネルにあるケーブル管理ブラケットでは、そのラインカードに接続したインターフェイス ケーブルを整理できます。
–Cisco XR 12410 ルータは活性挿抜対応なので、ルータの電源を入れたままカードの取り外し/取り付けを行うことができます。
次のラインカード、SIP、SPA がCisco XR 12410 ルータでサポートされます。
(注) サポートされるラインカードの最新リストについては、現行ソフトウェア リリース ノートを参照してください( マニュアルの入手方法、テクニカル サポート、およびセキュリティ ガイドラインを参照)。
Cisco XR 12410 ルータの RP は Performance Route Processor(PRP)です(PRP-2)。PRP の詳細については、シスコのマニュアル『 Performance Route Processor Installation and Configuration Guide 』を参照してください。
• フォワーディング情報を構築し、すべてのラインカードに配布
• 電源投入中に、設置されているすべてのラインカードに、オペレーティング システム ソフトウェア イメージをアップロード
• アウトオブバンド システム コンソール ポート、補助ポート、イーサネット ポートをルータ構成およびメンテナンス用に提供
• ラインカード、電源モジュール、ファンなどのシステム コンポーネントの電源および温度のモニタおよび管理
Cisco PRP-2 では、強化されたパフォーマンスおよび性能により、このすべての機能が実現されます。Cisco PRP-2 では次の機能強化も実現されます(実行しているソフトウェア バージョンによる)。
• 1 GB コンパクト イメージ フラッシュ メモリのサポート(オプション)
PRP-2 はスイッチ ファブリックを介して、または MBus を通じてラインカードと通信します。スイッチ ファブリック接続が、ルーティング テーブル配布、およびラインカードと PRP-2 の間で送信されるパケットの主要データ パスです。MBus 接続により、PRP-2 がシステム ブートストラップ イメージをダウンロードして、診断情報の収集またはロードを行い、一般的な内部システム メンテナンス操作を実行できます。
PRP-2 は、Designated System Controller(DSC)または Secure Domain Router(SDR)のどちらかとして指定できます。
PRP では Motorola の PowerPC 7450 CPU が使用され、133 MHz の外部バス クロック速度、667 MHz の内部クロック速度で動作します。
PRP 前面パネルのスロット、ポート、LED を図 1-9に示します。
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2 つの PCMCIA カード スロット(スロット 0 およびスロット 1)により、フラッシュ メモリ容量が PRP にさらに提供されます。PRP はさまざまなフラッシュ デバイスの組み合わせをすべてサポートします。ATA フラッシュ ディスクを使用することも、Type 1 または Type 2 のリニア フラッシュ メモリ カードを使用することも、その 2 つを組み合わせて使用することもできます。
(注) PRP がサポートするのは、+5.2 VDC のフラッシュ メモリ デバイスだけです。+3.3 VDC の PCMCIA デバイスはサポートしません。
ステータス LED(スロット 0/スロット 1)は、そのスロットのフラッシュ メモリ カードがアクセスされたことを示します(図 1-9を参照)。各スロットには、フラッシュ カードをスロットから取り外すためのイジェクト ボタン(カバーの後ろ)があります。
PRP には 8 ピンの Media-Dependent Interface(MDI; メディア依存型インターフェイス)RJ-45 ポートがあり、IEEE 802.3 10BASE-T(10 Mbps)または IEEE 802.3u 100BASE-TX(100 Mbps)のどちらのイーサネット接続でも可能です。このポートには、ETH 0 および ETH 1 というラベルが付いています。
イーサネット ポートの伝送速度をユーザが設定することはできません。PRP の自動検知スキームで速度を設定しますが、イーサネット ポートが接続されているネットワークによって速度は決まります。自動検知されたデータ伝送速度が 100 Mbps でも、イーサネット ポートが提供する使用可能な帯域幅は、実質的に 100 Mbps 未満です。イーサネット接続を使用する場合、予想される最大使用可能帯域幅は約 20 Mbps です。
前面パネルの次の LED はトラフィック ステータスおよびポート選択を示します(図 1-10)。
• LINK、EN、TX、RX ― リンク アクティビティ(LINK)、ポート イネーブル(EN)、データ送信(TX)、およびデータ受信(RX)を示します。
• PRIMARY ― どのイーサネット ポートが選択されたかを示します(ETH 0 または ETH 1)。
(注) PRP では両方のポートがサポートされるので、ETH0 は常に点灯します。ETH 1 は選択されたときに点灯します。
図 1-10 ポート アクティビティ LED --前面パネルの一部分
PRP の補助ポートおよびコンソール ポートは、EIA/TIA-232(別名 RS-232)非同期シリアル ポートです。これらのポートによって外部デバイスを接続し、システムをモニタして管理します。
• 補助ポート ― プラグ(オス)であり、Data Terminal Equipment(DTE; データ端末装置)インターフェイスを提供します。補助ポートはフロー制御をサポートし、一般にモデム、CSU(チャネル サービス ユニット)、または Telnet 管理用のそのほかのオプション装置の接続に使用します。
• コンソール ポート ― レセプタクル(メス)であり、コンソール端末を接続するための DCE インターフェイスを提供します。
ソフト リセット スイッチは、PRP 前面パネルにある小さい開口部から操作します(図 1-9を参照)。このスイッチを押すには、ペーパー クリップなど、先の尖った細いものを開口部に差し込みます。
リセット スイッチを押すと、NMI が生成され、PRP は ROM モニタ モードになります。ROM モニタ モードでの PRP の動作は、PRP のソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定によって決まります。ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタのブート フィールドを設定した場合の例を示します。
• 0x0 ― ROM モニタ プロンプト(rommon>)を表示したまま、システムを手動で起動するユーザ コマンドが入力されるのを待機します。
• 0x1 ― システムは、PRP のフラッシュ メモリで最初に検出された Cisco IOS イメージを自動的にブートします。
英数字メッセージ ディスプレイ(図 1-11)は、4 つの LED 文字ずつ 2 列で構成されています。
図 1-11 英数字メッセージ ディスプレイ--前面パネルの一部分
英数字メッセージ ディスプレイには、ブート プロセス中およびブート プロセス完了後にルータ ステータス メッセージが表示されます。
• ブート プロセス中のメッセージ表示は、MBus モジュールによって直接制御されます。
• ブート プロセス後のメッセージ表示は、Cisco IOS ソフトウェアによって MBus で制御されます。
英数字メッセージ ディスプレイには、GRP のステータス、ルータのエラー メッセージ、ユーザ定義のステータスとエラー メッセージなど、さまざまなレベルのシステム動作に関する情報も表示されます。
(注) すべてのシステム メッセージおよびエラー メッセージの全リストについては、『Cisco IOS System Error Messages』を参照してください。
ここでは、ルータ機能のサポートのために PRP で使用するメモリのさまざまなタイプについて説明します。 表1-1 ではメモリのさまざまなタイプについて簡潔に説明し、図 1-12には PRP ボードにおける位置を示します。
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512 MB、 1 |
Cisco IOS XR ソフトウェアの主要機能に対応する 512 MB または 1 GB の DIMM(SDRAM 構成による)を使用 |
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64 MB 1 |
1 つまたは 2 つのフラッシュ メモリ カードに、Cisco IOS XR ソフトウェア イメージ、システム コンフィギュレーション ファイル、およびその他のユーザ定義ファイルを保管 |
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PRP は Error Checking and Correction(ECC)Synchronized Dynamic Random Access Memory(SDRAM)を使用して、ルーティング テーブル、プロトコル、ネットワーク アカウント アプリケーションを保存し、Cisco IOS ソフトウェアを実行します。
PRP の DRAM 構成について 表1-2 で説明します。以下に注意してください。
• 1 つの DIMM を使用する場合 ― バンク 1(U15)に最初に搭載する必要があります。
• 2 つの DIMM を使用する場合 ― サイズが異なるメモリを使用することはできません。両方のバンクに同一サイズの DIMM を搭載する必要があります。
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512 MB 2 |
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SRAM は、2 MB のセカンダリ CPU キャッシュ メモリを提供します。SRAM の主な機能は、ルーティング テーブルのアップデートや情報をラインカードとの間で送受信する際に、中間準備領域としての役割を果たすことです。SRAM は、ユーザ側で構成することも、現場で拡張することも できません 。
NVRAM(不揮発性 RAM)は、システム コンフィギュレーション ファイル、ソフトウェア レジスタの設定値、および環境モニタリング ログ用に 2 MB のメモリを提供します。内蔵リチウム電池により、NVRAM の内容は最低 5 年間維持されます。NVRAM は、ユーザ側で構成することも、現場で拡張することも できません 。
ルータの操作に使用できる、複数の Cisco IOS XR ソフトウェアおよびマイクロコード イメージを保存するには、フラッシュ メモリを使用します。新しいイメージをネットワーク経由で、またはローカル サーバからフラッシュ メモリにダウンロードし、既存イメージと置き換えたり、別のイメージとして追加したりすることができます。フラッシュ メモリに保存されている任意のイメージから、手動でまたは自動的にルータを起動できます。
フラッシュ メモリはさらに、TFTP サーバとしても機能するので、保存されたイメージからほかのサーバをリモートで起動したり、それらのイメージをほかのサーバのフラッシュ メモリにコピーしたりできます。
システムでは次の 2 種類のフラッシュ メモリが使用されます。
• オンボード フラッシュ メモリ(別名 ブートフラッシュ ) ― Cisco IOS ブート イメージを含みます。
• フラッシュ メモリ ディスク(またはカード) ― Cisco IOS ソフトウェア イメージを含みます。
サポートされるフラッシュ ディスク サイズおよび Cisco Part Number については、 表1-3 を参照してください。
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64 MB 4 |
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3.標準の Type 1 および Type 2 リニア フラッシュ メモリ カードもサポートされますが、システムの構成要件を満たすだけの容量が得られない場合があります。 |
Cisco XR 12416 ルータには上下のケーブル管理ブラケットがあり、それぞれのラインカードのケーブル管理ブラケットと併用して、ルータに接続するインターフェイス ケーブルを整理できます(図 1-1を参照)。
ラインカードのネットワーク インターフェイス ケーブルはブラケットに通してから、それぞれのラインカードのケーブル管理ブラケットに通します。このシステムによってケーブルが邪魔にならなくなり、極端な折れ曲がりを防止できます。
Cisco 12410 ルータは、ラインカードおよびソフトウェア イメージを更新してCisco XR 12410 ルータにアップグレードできます。サポートされるラインカードおよびソフトウェアのアップグレード手順など、このプロセスの詳細については、シスコのマニュアル『 Upgrading a Cisco 12000 Series Router from Cisco IOS Software to Cisco IOS XR Software 』を参照してください。
ラインカード/RP カード ケージにはユーザが構成可能な 10 のスロットがあり、ラインカードおよび 1 つまたは 2 つの RP の組み合わせがサポートされます(図 1-2を参照)。ルータは、次のスロット構成を使用して、9 つのラインカードおよび 1 つの RP、または 8 つのラインカードおよび 2 つの RP(片方がプライマリ、残りが冗長)で構成できます。
• スロット 0 ~ 7 には新しい(幅が広い)ラインカード設計を収容します。幅が広いラインカード スロットには、幅が狭いこれまでのラインカードも取り付けることができます。
• スロット 8 および 9 には、RP または幅が狭いこれまでのラインカードのみを取り付けることができます。
(注) システムで RP を 1 つだけ使用する場合は、スロット 9 に取り付けます。スロット 8 はこれまでのラインカードに使用できます。
ラインカードの前面パネルのポートおよびコネクタは、外部接続のインターフェイスを提供します。ラインカードは RP と通信し、SFC を通じて相互にパケット データを交換します。
各ラインカードの前面パネルにあるケーブル管理ブラケットでは、そのラインカードに接続したインターフェイス ケーブルを整理できます。
(注) Cisco XR 12410 ルータは活性挿抜対応なので、ルータの電源を入れたままカードの取り外し/取り付けを行うことができます。
Cisco XR 12000 シリーズ ルータには水平ケーブル管理ブラケットがあり、それぞれのラインカードのケーブル管理ブラケットと併用して、ルータに接続するインターフェイス ケーブルを整理できます。
水平ケーブル管理ブラケットは、ラインカード/RP カード ケージの直上にあります(図 1-13)。ラインカードに接続したネットワーク インターフェイス カードはブラケットに通してから、それぞれのラインカードのケーブル管理ブラケットに通します。このシステムによってケーブルが邪魔にならなくなり、極端な折れ曲がりを防止できます。
ブロワー モジュールには可変速ファンが 3 つ、およびコントローラ カードが 1 つあります。2 つの前面カバー LED は、ブロワー モジュールのステータスを表します(図 1-14)。
• OK(グリーン) ― 3 個すべてのファンが正常に動作しています。
• FAIL(レッド) ― ブロワー モジュールでファンの故障またはその他の障害が検出されています。障害の原因は次のとおりです。
ブロワー モジュールは、交換可能なエアー フィルタを通じて冷気をスイッチ ファブリック/アラーム カード ケージに取り込み、さらにラインカード/RP カード ケージに送風することにより、内部コンポーネントを適切な動作温度に保ちます。図 1-15は、シャーシのエアー フロー経路を示しています。
適切なエアー フローを確保してカード ケージ内の過熱を防ぐため、ルータの前後で空気の流れを遮らないようにしてください。6 インチ(15.24 cm)以上のスペースを確保することを推奨します。
ブロワー モジュール コントローラ カードは、ブロワー モジュール内の 3 つの可変速ファンの動作をモニタおよび制御します。可変速機能によって、カード ケージ内部の動作温度を適切に維持できる程度の冷却が行われているかぎり、ファンが最高速度以下で動作し、動作音が静かになります。
カード ケージ内部の温度は、各ラインカード上の 2 つの温度センサによってモニタされます。
• 温度が正常な稼働範囲内であれば、ファンは最低速度(最高速度の 55%)で動作します。
• カード ケージ内の温度が上昇すると、カードに供給する冷気の量を増やすために、ファンの速度が上がります。
• 温度が基準を超えて上昇し続けると、過熱による機器の損傷を防ぐため、システム環境モニタによってすべての内部電源がシャットダウンされます。
• ブロワー モジュール内の 3 つのファンのいずれかで障害が検出されると、コンソール ウィンドウに警告メッセージが表示されます。また、故障したファンの代替として、残り 2 つのファンが最高速度で動作するようになります。さらにファンがもう 1 つ故障すると、装置の損傷を防止するために、システムがシャットダウンされます。