この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
このモジュールでは、ループバックおよびヌル インターフェイスの設定について説明します。ループバック インターフェイスとヌル インターフェイスは、仮想インターフェイスと見なされます。
仮想インターフェイスは、ルータ内部の論理パケット スイッチング エンティティです。仮想インターフェイスにはグローバル スコープがありますが、関連付けられた位置はありません。代替として、仮想インターフェイスは名前のあとにグローバルに一意な数字による ID を持ちます。たとえば、Loopback 0、 Loopback 1、Loopback 99999 です。この ID は仮想インターフェイスのタイプごとに固有であるため、Loopback 0 と Null 0 の両方を持つことができ、全体として固有な文字列の名前を形成します。
ループバック インターフェイスとヌル インターフェイスのコントロール プレーンは、アクティブ ルート スイッチプロセッサ( RSP)上に存在します。設定およびコントロール プレーンは、スタンバイ RSP 上にミラーリングされ、 フェールオーバーが発生した場合には、仮想インターフェイスがそれまでのスタンバイに移り、このスタンバイが新たにアクティブ RSP となります。
仮想ループバック インターフェイスは、常にアップ状態にあるシングル エンドポイントを持つ仮想インターフェイスです。仮想ループバック インターフェイスで転送されるパケットは、ただちに同じインターフェイスによって受信されます。ループバック インターフェイスは物理インターフェイスをエミュレートします。
Cisco IOS XR ソフトウェアでは、仮想ループバック インターフェイスが次の機能を実行します。
ループバック インターフェイスは、ルーティング プロトコル セッションの終端アドレスとして設定することができます。これにより、アウトバウンド インターフェイスがダウンしても、ルーティング プロトコル セッションをアップ状態に維持することができます。
ルータ IP スタックが適切に動作していることを確認するには、ループバック インターフェイスに対して ping を実行します。
他のルータまたはアクセス サーバが仮想ループバック インターフェイスにアクセスを試みるようなアプリケーションでは、ルーティング プロトコルを設定して、ループバック アドレスに割り当てられるサブネットを分散させる必要があります。
ループバック インターフェイスにルーティングされたパケットは、ルータまたはアクセス サーバに再ルーティングされ、ローカルで処理されます。ループバック インターフェイス外にルーティングされるものの、ループバック インターフェイス宛てで送信されない IP パケットは、ドロップされます。これらの 2 つの状況では、ループバック インターフェイスはヌル インターフェイスのように動作できます。
適切なタスク ID を含むタスク グループに関連付けられているユーザ グループに属している必要があります。このコマンド リファレンスには、各コマンドに必要なタスク ID が含まれます。ユーザ グループの割り当てが原因でコマンドを使用できないと考えられる場合、AAA 管理者に連絡してください。
ここでは、基本的なループバック インターフェイスの設定手順について説明します。
ループバック インターフェイスの IP アドレスは、ネットワーク上のすべてのルータ間で固有である必要があります。この IP アドレスは、ルータ上の他のインターフェイスでは使用できません。また、ネットワーク上のいかなるルータのインターフェイスでも使用できません。
次に、ループバック インターフェイスを設定する例を示します。
RP/0/RP0/CPU0:router# configure RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface Loopback0 RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# ipv4 address 100.100.100.69/32 RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# end Uncommitted changes found, commit them? [yes]: yes RP/0/RP0/CPU0:router# show interfaces Loopback0 Loopback0 is up, line protocol is up Interface state transitions: 1 Hardware is Loopback interface(s) Internet address is 100.100.100.69/32 MTU 1500 bytes, BW 0 Kbit reliability Unknown, txload Unknown, rxload Unknown Encapsulation Loopback, loopback not set, Last link flapped 01:57:47 Last input Unknown, output Unknown Last clearing of "show interface" counters Unknown Input/output data rate is disabled.
ヌル インターフェイスは、ほとんどのオペレーティング システムで使用可能なヌル装置と同様に機能します。このインターフェイスは常にアップで、トラフィックの転送や受信はできません。カプセル化は常に失敗します。ヌル インターフェイスは、トラフィックをフィルタリングするための代替的な方法として使用できます。不要なネットワーク トラフィックをヌル インターフェイスに送ることによって、アクセス リストを使用する場合に伴うオーバーヘッドを回避できます。
ヌル インターフェイスに指定できるインターフェイス コンフィギュレーション コマンドは ipv4 unreachables コマンドのみです。 ipv4 unreachables コマンドを使用した場合、ソフトウェアは、認識できないプロトコルが使用されている自分宛の非ブロードキャスト パケットを受信すると、インターネット制御メッセージ プロトコル(ICMP)プロトコル到達不能メッセージを送信元に送信します。宛先アドレスまでのルートが不明なため最終的な宛先に配信できないデータグラムを受信した場合、ソフトウェアはそのデータグラムの発信者に ICMP ホスト到達不能メッセージで応答します。デフォルトでは、ipv4 unreachables コマンドはイネーブルになっています。ICMP にプロトコル到達不能を送信させない場合は、ipv4 icmp unreachable disable コマンドを使用して設定する必要があります。
ブート プロセス時にデフォルトで Null 0 インターフェイスが作成されます。このインターフェイスは削除できません。このインターフェイスに ipv4 unreachables コマンドを設定することは可能ですが、このインターフェイスは送られてきたすべてのパケットを廃棄するだけなので、ほとんどの設定は不要です。
次に、ヌル インターフェイスを設定する例を示します。
RP/0/RP0/CPU0:router# configure RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface Null 0 RP/0/RP0/CPU0:router(config-null0)# ipv4 unreachables RP/0/RP0/CPU0:router(config-null0)# end Uncommitted changes found, commit them? [yes]: yes RP/0/RP0/CPU0:router# show interfaces Null 0 Null0 is up, line protocol is up Interface state transitions: 1 Hardware is Null interface Internet address is Unknown MTU 1500 bytes, BW 0 Kbit reliability 255/255, txload Unknown, rxload Unknown Encapsulation Null, loopback not set, Last link flapped 4d20h Last input never, output never Last clearing of "show interface" counters 05:42:04 5 minute input rate 0 bits/sec, 0 packets/sec 5 minute output rate 0 bits/sec, 0 packets/sec 0 packets input, 0 bytes, 0 total input drops 0 drops for unrecognized upper-level protocol Received 0 broadcast packets, 0 multicast packets 0 packets output, 0 bytes, 0 total output drops Output 0 broadcast packets, 0 multicast packets
次に、仮想 IPv4 インターフェイスを設定する例を示します。
RP/0/RP0/CPU0:router# configure RP/0/RP0/CPU0:router(config)# ipv4 virtual address 10.3.32.154/8 RP/0/RP0/CPU0:router(config-null0)# commit