RADIUS ベースのポリシング
RADIUS ベースのポリシング機能では、Intelligent Services Gateway(ISG)として動作しているルータで、特定のセッションおよびサービスのポリシング レートを自動的に変更できるようになります。
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。最新の機能情報と注意事項については、ご使用のプラットフォームとソフトウェア リリースに対応したリリース ノートを参照してください。この章に記載されている機能の詳細、および各機能がサポートされているリリースのリストについては、「RADIUS ベースのポリシングの機能情報」 を参照してください。
プラットフォーム サポートと Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージ サポートに関する情報を入手するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
RADIUS ベースのポリシングの前提条件
ポリシー マップ内のクラスを参照する前に、ISG のすべてのトラフィック クラスを設定する必要があります。
ISG が ANCP ベースの動的サービス ポリシーを作成および適用する前に、ISG 上で QoS ポリシー マップを設定および適用する必要があります。
RADIUS ベースのポリシングの制約事項
サービス単位のポリシングを、階層ポリシーの親レベルで class-default クラスに設定することはできません。サービス単位のポリシングは、子レベルまたは孫レベルの class-default クラスで設定できます。
一時ポリシーは、running-configuration ファイルに現れません。オリジナルのポリシー設定のみが現れます。
パラメータ化された Quality of Service(QoS)は、IP セッションに対してはサポートされていません。
パラメータ化されたアクセス コントロール リスト(pACL)名は、最大 80 文字に制限されています。pACL 名は、RADIUS Change of Authentication(CoA)または Access-Accept メッセージの ACL エントリと、ISG に設定されている ACL 名を連結することで形成されます。pACL 名が 80 文字を超えると、パラメータ化の操作は失敗し、エラー メッセージが表示されます。CoA メッセージの場合は、ISG が RADIUS サーバに negative Ack(Nack)応答も送信します。
RADIUS ベースのポリシングに関する情報
RADIUS ベースのポリシング機能を設定するには、次の点を理解しておく必要があります。
• 「RADIUS アトリビュート」
• 「VSA 1 としてパラメータ化された QoS ポリシー」
• 「QoS ACL のパラメータ化」
RADIUS アトリビュート
RADIUS は、Access-Accept および CoA メッセージに特別なアトリビュートを埋め込むことによって、ISG デバイスと通信します。RADIUS ベースのポリシングは、このアトリビュート交換を使用してサービスをアクティブまたは非アクティブにして、セッションに適用されているアクティブな QoS ポリシーを変更します。
ここでは、RADIUS ベースのポリシングで使用されている RADIUS のアトリビュートについて説明します。
• 「RADIUS アトリビュート 250 および 252」
• 「Cisco VSA 1」
RADIUS アトリビュート 250 および 252
RADIUS は Access-Accept メッセージでアトリビュート 250 を使用し、CoA メッセージでアトリビュート 252 を使用して、パラメータ化されたサービスをアクティブおよび非アクティブにします。ISG サービスは ISG デバイス上にローカルに設定されており、RADIUS はサービス名のみを送信します。
アトリビュート 250 および 252 には、サービスのアクティベーションについて次の構文があります。
• Access-Accept メッセージ
250 "Aservice(parameter1=value,parameter2=value,...)"
• CoA メッセージ
252 0b "service(parameter1=value,parameter2=value,...)"
RADIUS は、サービスを非アクティブにするときに、CoA メッセージのアトリビュート 252 のみを使用します。RADIUS はアトリビュート 252 で、サービスのアクティベーションで使用したものと同じ情報を使用します。ただし、サービスの非アクティベーションでは、サービスのアクティベーションで使用した 0b パラメータの代わりに、構文で 0c を使用します。
252 0xC "service(parameter1=value,parameter2=value,...)"
VSA 252 には、サービスの非アクティベーションについて上記の構文があります。
Cisco VSA 1
RADIUS は Vendor-Specific Attribute(VSA; ベンダー固有アトリビュート)1 コマンドを使用して、セッション上のアクティブな QoS ポリシーを変更します。この VSA の形式は次のとおりです。
av-pair = "policy-type=command 9 parameter1 ,...,parametern"
セッション上でアクティブになっている QoS ポリシーに対して、クラスおよび QoS アクションを追加したり削除したりするには、次の Cisco VSA 1 形式を使用します。
qos-policy-in=add-class(target,(class-list),qos-actions-list)
qos-policy-out=add-class(target,(class-list),qos-actions-list)
qos-policy-in=remove-class(target,(class-list))
qos-policy-out=remove-class(target,(class-list))
RADIUS メッセージに指定されているポリシング パラメータを使用して ISG を作成できるようにするには、セッションで QoS ポリシーをアクティブにしておく必要があります。指定されたディレクションで QoS ポリシーがアクティブになっていない場合、ISG はポリシーを作成しません。
Cisco VSA に指定されている変更を実装するときに、ISG は、ISG デバイスに設定されているオリジナルの QoS ポリシーは変更しません。代わりに対象のセッションでアクティブな QoS ポリシーをコピーし、そのポリシー コピーに必要な変更を加えます。このポリシーは、 一時ポリシー と呼ばれます。ISG デバイス上に最初に設定されている QoS ポリシーは変更されません。
ここでは、アクティブなポリシーのポリシング パラメータを自動的に変更するための、Cisco VSA 1 コマンドについて説明します。
• 「Add-Class プリミティブ」
• 「Remove-Class プリミティブ」
Add-Class プリミティブ
QoS アクションをトラフィック クラスに追加または変更するには、add-class プリミティブを使用します。このアトリビュートの形式は次のとおりです。
qos-policy-in=add-class(target,(class-list),qos-actions-list)
qos-policy-out=add-class(target,(class-list),qos-actions-list)
• target フィールド:変更する QoS ポリシーを表します。このフィールドで有効な値は sub のみです。これは加入者セッションに割り当てられているアクティブな QoS ポリシーを意味します。このアトリビュートを含んでいる Access-Accept メッセージまたは CoA メッセージは、加入者セッションを対象にしている必要があります。
• class-list フィールド:丸括弧で囲まれたクラス名のリストで、指定された QoS アクションが適用されるトラフィック クラスを識別します。指定するクラス名は、ユーザが設定したクラス マップか、またはシステムで生成された class-default クラスのいずれかにする必要があります。クラス名を指定した順序は、QoS ポリシー内のクラスの階層レベルを表しています。
たとえば、次のクラス リストは「voip」という名前のクラスを表します。これはネストされたポリシーに追加されます。VoIP クラスは、親の class-default クラスに適用されている、ネストされた子ポリシーに設定されます。
• ISG の設定
次のクラス リストは voip-2 クラスを指定しています。これは、ネストされたポリシーに設定され、そのポリシーは、ネストされた他の子ポリシーの voip-aggregate クラスに適用されます。次に、voip-aggregate クラスを含んでいるポリシーは、ターゲット セッションに割り当てられている QoS ポリシーの class-default クラスの下でネストされています。
(class-default, voip-aggregate, voip-2)
• MSQ の設定
qos-actions-list フィールドは、ポリシングなどの QoS アクションを表します。その後に丸括弧で囲まれたアクション パラメータが続き、カンマで区切られます。たとえば、次の設定例は、ポリシング アクションを表し、パラメータ bps 、 burst-normal 、 burst-max 、 conform-action 、 exceed-action 、および violate-action を定義しています。アクション パラメータは丸括弧で囲みます。
(voip-aggregate police(200000,9216,0,transmit,drop,drop))
(注) この例では、最後に閉じ括弧が二重になっています。これは、VSA の構文で、target、class-list、および qos-actions-list を丸括弧で囲んで指定するためです。
Remove-Class プリミティブ
セッションにおけるアクティブな QoS ポリシーで定義されているトラフィック クラスと QoS アクションを削除するには、remove-class プリミティブを使用します。このアトリビュートの形式は次のとおりです。
qos-policy-in=remove-class(target,(class-list))
qos-policy-out=remove-class(target,(class-list))
• target フィールド:変更する QoS ポリシーを表します。このフィールドで有効な値は sub のみです。これは加入者セッションに割り当てられているアクティブな QoS ポリシーを意味します。このアトリビュートを含んでいる Access-Accept メッセージまたは CoA メッセージは、加入者セッションを対象にしている必要があります。
• class-list フィールド:丸括弧で囲まれたクラス名のリストで、削除する 1 つまたは複数のクラスを識別します。指定するクラス名は、ユーザが設定したクラス マップか、またはシステムで生成された class-default クラスのいずれかにする必要があります。クラス名を指定した順序は、QoS ポリシー内のクラスの階層レベルを表しています。
たとえば、次の VSA1 アトリビュートは、親の class-default クラスに適用されているネストされた子ポリシーから、Class1 クラス、および関連するすべての QoS ポリシーを削除します。
qos-policy-out=remove-class(sub,(class-default,Class1))
ある QoS ポリシーから 1 つのトラフィック クラスを削除すると、そのクラスのすべてのアトリビュートも削除されます。同じアトリビュートを持つクラスをもう一度追加するには、add-class RADIUS アトリビュートを再発行し、必要なパラメータと値を提示する必要があります。
VSA 1 としてパラメータ化された QoS ポリシー
CoA メッセージ内の複数の複合文字列はサポートされません。次の例に示すように、VSA 1 の動作が訂正されないからです。
vsa cisco generic 252 binary 0b suffix "q-p-out=IPOne1-isg-acct1(1)((c-d,tv)1(10000))"
vsa cisco generic 252 binary 0b suffix "q-p-out=IPOne1-isg-acct(1)((c-d,voip)1(10000))"
この例では次の動作になります。
• ターゲット上ですべてのサービスがイネーブルになる。
• 2 番めのコマンド構文でパラメータ化されている QoS ポリシーは、ISG サービスでエコーされない。
• 最初のコマンド構文でパラメータ化されている QoS ポリシーはエコーされる。
QoS ACL のパラメータ化
パラメータ化された QoS アクセス コントロール リストの機能は、1 つの Access-Accept メッセージまたは CoA メッセージにおける ISG および QoS の複数のパラメータ化されたサービスをサポートします。この機能により、Authentication, Authorization, and Accounting(AAA; 認証、認可、アカウンティング)デバイスでパラメータを動的に変更できます。
RADIUS ベースのポリシングの設定方法
RADIUS サーバは、RADIUS 上の加入者のユーザ プロファイルに設定されている Vendor-Specific Attribute(VSA; ベンダー固有アトリビュート)、および ISG から受け取った Advanced Node Control Protocol(ANCP)通知レートに基づいて、新しいポリシング レートを決定します。RADIUS は新しいレートを、Access-Accept メッセージまたは CoA メッセージの ISG へ送信します。
Access-Accept または CoA メッセージを受け取った後、ISG はセッションに適用されたオリジナルのポリシー マップをコピーし、コピーされた一時ポリシーのポリシング レートを、RADIUS に示されたとおりに変更します。ISG は、オリジナルのポリシーのシェーピング レートは変更しません。一時ポリシーを変更した後で、ISG は一時ポリシーを加入者サービスへ適用します。
ここでは、次の作業について説明します。
• 「RADIUS を使用したサービス単位のポリシングの設定」
• 「RADIUS ベースのポリシングの確認」
ポリシングを使用した階層的 QoS 子ポリシーの設定
ポリシングを使用して階層的 QoS 子ポリシーを設定するには、次の手順を使用します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. policy-map policy-map-name
4. class class-name
5. shape average mean-rate [ burst-size ] [ excess-burst-size ] [ account { qinq | dot1q | user-defined offset} aal5 subscriber-encap ]
6. police bps [ burst-normal ] [ burst-max ] conform-action action exceed-action action [ violate-action action ]
7. exit
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
policy-map policy-map-name
Router(config)# policy-map child |
ポリシー マップを作成または変更し、ポリシーマップ コンフィギュレーション モードを開始します。 • policy-map-name はポリシー マップの名前です。 |
ステップ 4 |
class class-name
Router(config-pmap)# class voip |
指定するトラフィック クラスに対して QoS パラメータを設定し、ポリシーマップ クラス コンフィギュレーション モードを開始します。 • class-name は、 class-map コマンドを使用して以前に設定したトラフィック クラスの名前です。 |
ステップ 5 |
shape average mean-rate [ burst-size ] [ excess-burst-size ] [ account { qinq | dot1q | user-defined offset } aal5 subscriber-encap ]
Router(config-pmap-c)# shape average 10000 |
表示されたビット レートにトラフィックをシェーピングします。 • average は、それぞれの間隔で送信されたビットの最大数です。PRE3 でのみ使用できます。 • mean-rate は、1 秒あたりの Committed Information Rate(CIR; 認定情報レート)ビット(bps)です。 |
ステップ 6 |
police bps [ burst-normal ] [ burst-max ] conform-action action exceed-action action [ violate-action action ]
Router(config-pmap-c)# police 10000 |
トラフィック ポリシングを設定します。 • bps は平均レート(bps)です。有効値は 8000 ~ 200000000 です。 • (任意) burst-normal はノーマル バースト サイズ(バイト)です。有効値は 1000 ~ 51200000 です。デフォルトのノーマル バースト サイズは 1500 バイトです。 • (任意) burst-max は超過バースト サイズ(バイト)です。有効値は 1000 ~ 51200000 です。 • conform-action action は、レート制限に適合するパケットで実行するアクションです。 • exceed-action action は、レート制限を超えるパケットで実行するアクションです。 • (任意) violate-action action は、ノーマルおよび超過バースト サイズに違反するパケットで実行するアクションです。 |
ステップ 7 |
exit
Router(config-pmap-c)# exit |
ポリシーマップ クラス コンフィギュレーション モードを終了します。 』を参照してください。 |
Police コマンドのアクション
次のキーワードを使用して、 police コマンドでアクションを指定できます。
• drop :パケットをドロップします。
• set-cos-transmit value :パケットの Class of Service(COS)値を設定し、送信します。
• set-discard-class-transmit value :パケットの廃棄クラス アトリビュートを設定します。
• set-dscp-transmit value :IP Differentiated Services Code Point(DSCP)の値を設定します。
• set-frde-transmit value :Frame Relay フレームに、0 から 1 のフレーム リレー Discard Eligibility(DE)を設定します。
• set-mpls-experimental-imposition-transmit value :付けられたラベル ヘッダーに、Multiprotocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)Experimental(EXP)ビット(0 ~ 7)を設定します。
• set-mpls-experimental-topmost-transmit value :入力または出力インターフェイスで、最上位の MPLS ラベル ヘッダーに MPLS EXP フィールドの値を設定します。
• set-prec-transmit value :IP precedence の値を設定します。
• set-qos-transmit value :QoS グループ値を設定します。
• transmit :パケットを送信します。パケットは変更されません。
ポリシングを使用した階層的 QoS 親ポリシーの設定
ポリシングを使用して階層的 QoS 親ポリシーを設定するには、次の手順を使用します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. policy-map policy-map-name
4. class class-default
5. shape average mean-rate [ burst-size ] [ excess-burst-size ] [ account { qinq | dot1q | user-defined offset } aal5 subscriber-encap ]
6. service-policy policy-map-name
7. exit
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
policy-map policy-map-name
Router(config-pmap)# policy-map parent |
ポリシー マップを作成または変更します。 • policy-map-name はポリシー マップの名前です。 |
ステップ 4 |
class class-default
Router(config-pmap)# class class-default |
class-default traffic クラスを変更し、ポリシーマップ クラス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 5 |
shape average mean-rate [ burst-size ] [ excess-burst-size ] [ account { qinq | dot1q | user-defined offset } aal5 subscriber-encap ]
Router(config-pmap-c)# shape average 10000 |
表示されたビット レートにトラフィックをシェーピングします。 • average は、それぞれの間隔で送信されたビットの最大数です。PRE3 でのみ使用できます。 • mean-rate は 1 秒あたりの CIR ビットです。 |
ステップ 6 |
service-policy policy-map-name
Router(config-pmap-c)# service-policy child |
親の class-default クラスに子ポリシー マップを適用します。 • policy-map-name は子ポリシー マップの名前です。 |
ステップ 7 |
exit
Router(config-pmap-c)# exit |
ポリシーマップ クラス コンフィギュレーション モードを終了します。 |
RADIUS サーバでのサービス単位のポリシングの設定
RADIUS を使用して加入者サービスに対してポリシングを設定するには、RADIUS のサービス プロファイルで次の Cisco VSA を設定します。
vsa cisco generic 1 string "qos-policy-out=add-class(sub,(class-list), shape(rate))"
vsa cisco generic 1 string "qos-policy-out=add-class(sub,(class-list), police(rate))"
ISG は、これらの VSA が含まれている RADIUS の Access-Accept メッセージまたは CoA メッセージを受け取ると、セッションにおいてアクティブな状態のオリジナルのポリシー マップをコピーし、class-list フィールドに指定されているトラフィック クラスのポリシング レートを変更します。ISG は一時ポリシーのみ変更し、一時ポリシーを加入者サービスに適用します。オリジナルのポリシー マップは変更しません。
(注) サービス単位のポリシングは、親の class-default クラスには適用されません。
詳細については、「RADIUS アトリビュート」を参照してください。
RADIUS ベースのポリシングの確認
ISG での RADIUS ベースのポリシングの設定を確認するには、特権 EXEC モードで次のいずれかのコマンドを使用します。
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Router# show policy-map interface |
すべてのインターフェイスに割り当てられたすべてのポリシー マップに設定されている、すべてのクラスの設定を表示します。 |
Router# show policy-map interface interface [ input | output ] |
指定されたインターフェイスに割り当てられたすべてのインバウンドまたはアウトバウンド ポリシー マップに設定されている、すべてのクラスの設定を表示します。 interface はインターフェイスまたはサブインターフェイスの名前です。 input は、割り当てられているインバウンド ポリシーの統計を表します。 output は、割り当てられているアウトバウンド ポリシーの統計を表します。 input または output を指定しなかった場合、ルータは指定されたインターフェイスに割り当てられたすべてのインバウンドおよびアウトバウンド ポリシーに設定されている、すべてのクラスの情報を表示します。 |
Router# show policy-map policy-map-name |
指定するポリシー マップに含まれているすべてのトラフィック クラスの設定を表示します。 policy-map-name は表示する設定情報のポリシー マップの名前です。 policy-map-name 引数の値を指定しなかった場合、このコマンドはルータに設定されたすべてのポリシー マップの設定を表示します。 |
Router# show policy-map policy-map-name class class-name |
指定するクラスの設定を表示します。指定するポリシー マップには、このクラスが含まれています。 policy-map-name は、表示するクラスの設定が含まれているポリシー マップの名前です。 class-name は、対象とする設定を持つクラスの名前です。 class-name 引数の値を指定しなかった場合、このコマンドはポリシー マップに設定されたすべてのクラスの設定を表示します。 |
Router# show policy-map session [ output | output | uid ] |
セッションごとに、設定されているインバウンドまたはアウトバウンド ポリシー マップを表示します。加入者セッションに適用されている動的なポリシー マップも表示します。いずれの引数も指定しなかった場合、このコマンドはすべてのセッションおよび設定されたポリシー マップを表示しますが、この表示によりパフォーマンスに影響を与えることがあります。 input はインバウンド ポリシー マップを表します。 output はアウトバウンド ポリシー マップを表します。 uid はセッション ID を表します。 |
Router# show running-config |
running-configuration ファイルを表示します。このファイルには、ルータの現行の設定、およびデフォルトの QoS ポリシーが含まれています。 |
Router# show running-config interface interface |
指定したインターフェイスの中で、running-config ファイルに現在設定されているインターフェイスの設定、およびそのインターフェイスに割り当てられているサービス ポリシーを表示します。 |
RADIUS ベースのポリシングの設定例
ここでは、次の設定例について説明します。
• 「QoS ACL のパラメータ化の追加:例」
• 「Access-Accept メッセージを使用したポリシング レートの設定:例」
• 「CoA メッセージを使用したポリシング レートの設定:例」
QoS ACL のパラメータ化の追加:例
次の例は、CoA または Access-Accept メッセージを通じて、発信元 IP アドレスおよび宛先 IP アドレスのセット パラメータ、set-src-dst-ip-in-acl をパラメータ化する方法を示しています。パラメータ化された QoS サービスは、パラメータ化された QoS サービスの RADIUS フォームに追加されます。
VSA252 0b q-p-out=IPOne(1)((c-d,voip)13(201.10.1.0/28,202.3.20/29))
! The above command activates the service in a CoA message.
vsa cisco generic 1 string "qos-policy-out=add-class(sub,(class-default,voip),set-src-dst-ip-in-acl(10.10.1.0/28,10.3.20/29))"
! The above command activates the service in a Access-Accept message.
ルータは次のように設定されます。
ip access-list extended IPOne-acl
permit ip host 10.0.1.40 any
match access-group name IPOne-acl
class-map type traffic match-any IPOne
match access-group output name IPOne-acl
match access-group input name IPOne-acl
policy-map type service IPOne
10 class type traffic IPOne
accounting aaa list default
police 32000 32000 32000 conform-action transmit exceed-action drop violate-action drop
service-policy output_child
police 32000 32000 32000 conform-action transmit exceed-action drop violate-action drop
! RADIUS relays the string for service activation. After the VSA is received, a new ACL is created.
ip access-list extended IPOne-acl-10.10.1.0/28,10.3.20/29
permit ip host 10.0.1.40 any
permit ip 10.10.1.0 0.0.0.15 any
permit ip any 10.10.1.0 0.0.0.15
permit ip 10.3.2.0 0.0.0.7 any
permit ip any 10.3.2.0 0.0.0.7
! A new class map is created.
class-map match-any voip-10.10.1.0/28,10.3.20/29
match access-group name IPOne-acl-10.10.1.0/28,10.3.20/29
! The old class is replaced with the new class in the output QoS policy of the subscriber, along with any other attributes.
ISG サービス アカウンティングによる QoS ACL のパラメータ化の追加
次の例は、ISG アカウンティング サービスを設定することにより、QoS アカウンティングを追加する方法を示しています。
policy-map type service IPOne
10 class type traffic IPOne
accounting aaa list default
class type traffic default in-out
! After the VSA is received, a new traffic class map is created on the service.
class-map type traffic match-any IPOne-10.10.1.0/28,10.3.2.0/29
match access-group output name IPOne-acl-10.10.1.0/28$10.3.2.0/29
match access-group input name IPOne-acl-10.10.1.0/28$10.3.2.0/29
! A new ISG service is created.
policy-map type service IPOne(tc_in=IPOne-acl-10.10.1.0/28$10.3.2.0/29)
10 class type traffic IPOne-10.10.1.0/28,10.3.2.0/29
accounting aaa list default
class type traffic default in-out
Access-Accept メッセージを使用したポリシング レートの設定:例
ここでは、access-accept メッセージを使用してトラフィック クラスのポリシング レートを設定する方法の例を示します。
ISG オリジナル ポリシー
この設定例では、RADIUS Access-Accept メッセージを使用して、階層的なポリシーの子レベルで、トラフィック クラスのポリシング レートを変更します。
class-map match-any Premium
match access-group name Premium_Dest
ip access-list extended Premium_Dest
permit ip any 192.168.6.0 0.0.0.255
permit ip any 192.168.5.7 0.0.0.64
RADIUS の設定
次の Cisco VSA は、RADIUS のユーザ プロファイルに設定されています。この VSA は、Child ポリシーの Premium クラスのポリシング レートを変更します。Child ポリシーは、Parent ポリシーの class-default クラスに適用されます。
vsa cisco generic 1 string "qos-policy-out=add-class(sub,(class-default, Premium), police(200000))"
RADIUS の Access-Accept メッセージ
ISG は、次の RADIUS Access-Accept メッセージを受け取ります。ユーザ プロファイルに設定されている上記の Cisco VSA は、Access-Accept メッセージ内にあることに注意してください。
1d21h: RADIUS: Received from id 1645/3 192.168.1.6:1812, Access-Accept, len 100
1d21h: RADIUS: authenticator 4A 2C F7 05 4B 88 38 64 - DE 60 69 5A 4B EE 43 E1
1d21h: RADIUS: Framed-Protocol [7] 6 PPP [1]
1d21h: RADIUS: Service-Type [6] 6 Framed [2]
1d21h: RADIUS: Vendor, Cisco [26] 68
1d21h: RADIUS: Cisco AVpair [1] 62 "qos-policy-out=add-class(sub,(class-default, Premium), police(200000))"
1d21h: RADIUS(0000000D): Received from id 1645/3
1d21h: SSS PM [uid:4][65ADE2E8]: SERVICE: Adding Service attachment to event
1d21h: RADIUS/ENCODE(0000000D):Orig. component type = PPoE
1d21h: RADIUS(0000000D): Config NAS IP: 0.0.0.0
1d21h: RADIUS(0000000D): sending
ISG の一時ポリシー
ISG はセッションに現在適用されているサービス ポリシーをコピーし、適切な変更を行う New_Parent という名前の一時ポリシーを作成します。Access-Accept メッセージに含まれている Cisco VSA に基づいて、ISG は Premium トラフィック クラスにポリシング レートを追加します。Premium クラスは一時的な New_Child ポリシーに設定され、New_Parent の class-default クラスに適用されます。
policy-map New_Child [New cloned child policy]
police 200000 [New policing rate]
policy-map New_Parent [New cloned parent policy]
service-policy New_Child [New cloned child policy attached to the new
CoA メッセージを使用したポリシング レートの設定:例
ここでは、CoA メッセージを使用してサービスのポリシング レートを設定する方法の例を示します。
ISG オリジナル ポリシー
この設定例は、RADIUS CoA メッセージを使用して、サービスのポリシング レートを変更します。この変更は、次の ISG 設定に基づいています。
RADIUS の設定
次の Cisco VSA は、RADIUS のユーザ プロファイルに設定されています。この VSA は Child ポリシーの Premium クラスを変更します。これは、Parent ポリシーの class-default クラスに適用されます。
vsa cisco 250 S192.168.1.10
vsa cisco generic 1 string "qos-policy-out=add-class(sub,(class-default, Premium), police(200000))"
RADIUS CoA メッセージ
ISG は、次の RADIUS CoA メッセージを受け取ります。ユーザ プロファイルに設定されている上記の Cisco VSA は、CoA メッセージ内にあることに注意してください。
1d21h: RADIUS: COA received from id 0 192.168.1.6:1700, CoA Request, len 106
1d21h: COA: 192.168.1.6 request queued
1d21h: RADIUS: authenticator FF A2 6B 63 06 F0 E6 A3 - 0D 04 6C DC 01 0A BE F1
1d21h: RADIUS: Vendor, Cisco [26] 18
1d21h: RADIUS: ssg-account-info [250] 12 "S192.168.1.10"
1d21h: RADIUS: Vendor, Cisco [26] 68
1d21h: RADIUS: Cisco AVpair [1] 62 "qos-policy-out=add-class(sub,(class-default, Premium), police(200000))"
1d21h: ++++++ CoA Attribute List ++++++
1d21h: 63C829B0 0 00000009 ssg-account-info(427) 10 S192.168.1.10
1d21h: 63C82A18 0 00000009 qos-policy-out(378) 45 add-class(sub,(class-default, Premium), police(200000))
1d21h:
ISG#
1d21h: RADIUS(00000000): sending
1d21h: RADIUS(00000000): Send CoA Ack Response to 192.168.1.6:1700 id 0, len 65
1d21h: RADIUS: authenticator 62 B4 B0 1A 90 10 01 01 - F6 C8 CD 17 79 15 C7 A7
1d21h: RADIUS: Vendor, Cisco [26] 18
1d21h: RADIUS: ssg-account-info [250] 12 "S192.168.1.10"
1d21h: RADIUS: Vendor, Cisco [26] 27
1d21h: RADIUS: ssg-account-info [250] 21 "$IVirtual-Access2.2"
ISG の一時ポリシー
ISG はセッションに現在適用されている Parent という名前のサービス ポリシーをコピーし、適切な変更を行う New_Parent という名前の一時コピーを作成します。Access-Accept メッセージに含まれている Cisco VSA に基づいて、ISG は Premium トラフィック クラスのポリシング レートを 5000 ~ 200,000 bps の範囲で変更します。Premium クラスは New_Child ポリシーに設定され、New_Parent の class-default クラスに適用されます。
policy-map New_Child [New cloned child policy]
police 200000 [New policing rate]
policy-map New_Parent [New cloned parent policy]
service-policy New_Child [New cloned child policy attached to the new
その他の参考資料
ここでは、RADIUS ベースのポリシング機能に関する関連資料について説明します。
シスコのテクニカル サポート
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右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。 以下を含むさまざまな作業にこの Web サイトが役立ちます。 ・テクニカル サポートを受ける ・ソフトウェアをダウンロードする ・セキュリティの脆弱性を報告する、またはシスコ製品のセキュリティ問題に対する支援を受ける ・ツールおよびリソースへアクセスする - Product Alert の受信登録 - Field Notice の受信登録 - Bug Toolkit を使用した既知の問題の検索 ・Networking Professionals(NetPro)コミュニティで、技術関連のディスカッションに参加する ・トレーニング リソースへアクセスする ・TAC Case Collection ツールを使用して、ハードウェアや設定、パフォーマンスに関する一般的な問題をインタラクティブに特定および解決する この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。 |
http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html |
RADIUS ベースのポリシングの機能情報
表 15 に、このモジュールの機能を示します。
このテクノロジーの機能でここに記載されていない情報については、『 Cisco Intelligent Services Gateway Features Roadmap 』を参照してください。
ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースによっては、コマンドの中に一部使用できないものがあります。特定のコマンドに関するリリース情報については、コマンド リファレンス マニュアルを参照してください。
プラットフォームおよびソフトウェア イメージのサポート情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator により、どの Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージが特定のソフトウェア リリース、フィーチャ セット、またはプラットフォームをサポートするか調べることができます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
(注) 表 15 には、一連の Cisco IOS ソフトウェア リリースのうち、特定の機能が初めて導入された Cisco IOS ソフトウェア リリースだけが記載されています。特に明記していないかぎり、その機能は、一連の Cisco IOS ソフトウェア リリースの以降のリリースでもサポートされます。
表 15 RADIUS ベースのポリシングの機能情報
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ISG:ポリシー制御:ポリシー サーバ:RADIUS ベースのポリシング |
12.2(33)XNE |
RADIUS ベースのポリシング機能は、RADIUS サーバを使用して加入者のポリシー情報を提供できるように、ISG 機能を拡張したものです。 この機能に関する詳細については、次の各項を参照してください。 • 「RADIUS ベースのポリシングに関する情報」 • 「RADIUS ベースのポリシングの設定方法」 |
RADIUS ベースのポリシング アトリビュートの変更 |
12.2(33)XNE |
RADIUS ベースのポリシング アトリビュートの変更機能では、Access-Accept および CoA メッセージに特別なアトリビュートを埋め込むことによって、RADIUS サーバが ISG と通信できます。RADIUS ベースのシェーピングおよびポリシングは、このアトリビュート交換を使用してサービスをアクティブまたは非アクティブにして、セッションに適用されているアクティブな QoS ポリシーを変更します。 この機能に関する詳細については、次の各項を参照してください。 • 「RADIUS ベースのポリシングに関する情報」 • 「RADIUS ベースのポリシングの設定方法」 |
QoS ACL のパラメータ化 |
12.2(33)XNE |
QoS ACL のパラメータ化機能により、QoS ACL が拡張されます。この機能により、AAA デバイスでパラメータを動的に変更できます。 この機能に関する詳細については、次の各項を参照してください。 • 「RADIUS ベースのポリシングに関する情報」 • 「RADIUS ベースのポリシングの設定方法」 |
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