ISG: Subscriber Aware Ethernet
ISG: Subscriber Aware Ethernet 機能は、SIP-400 または Ethernet Services Plus(ES+)アクセス側ラインカードを持つ Cisco 7600 シリーズ ルータ上に分散する IP および PPPoE セッションに、Intelligent Services Gateway(ISG)機能を提供します。
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。最新の機能情報と注意事項については、ご使用のプラットフォームとソフトウェア リリースに対応したリリース ノートを参照してください。この章に記載されている機能の詳細、および各機能がサポートされているリリースのリストについては、「ISG: Subscriber Aware Ethernet の機能情報」 を参照してください。
Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォーム、および Cisco ソフトウェア イメージの各サポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
ISG: Subscriber Aware Ethernet の前提条件
次について理解している必要があります。
• High Availability(HA; ハイ アベイラビリティ)
• In-service Software Upgrade(ISSU)
• セッション メンテナンス制御
• Port-Bundle Host Key(PBHK)
• Layer 4 Redirect(L4RD)
• アカウンティング
• Access Control List(ACL; アクセス コントロール リスト)
• Quality of Service(QoS)
このような機能と ISG の連携の詳細については、『 Cisco IOS ISG Configuration Library 』を参照してください。
ハードウェア
次のハードウェアが Cisco 7600 シリーズ ルータに取り付けられている必要があります。
• Cisco ギガビット イーサネット V2 Shared Port Adapter(SPA; 共有ポート アダプタ)を装着した Cisco SIP-400 ラインカード
• Cisco Ethernet Services Plus(ES+)ラインカード
• メモリ 4 GB(推奨)の Cisco RSP720 ルート スイッチ プロセッサ(必須)
RADIUS およびポリシー サーバは必須ではありません。ただし、Cisco 7600 シリーズ ルータに ISG を実装する一般的な方式では、別筐体の RADIUS Authorization, Authentication, and Accounting(AAA; 認証、認可、アカウンティング)サーバ、つまり AAA 情報が格納された物理的に独立したサーバが必要です。
ソフトウェア
SIP-400 または Ethernet Services Plus(ES+)アクセス側ラインカードを装着した各 Cisco 7600 シリーズ ルータ用の、ISG の加入者認識イーサネット機能が入ったイメージの入手方法については、シスコの代理店へお問い合わせください。
ISG: Subscriber Aware Ethernet の制約事項
次の ISG 機能は Cisco 7600 シリーズ ルータで利用できません。
• IP 加入者機能は、次のアクセス インターフェイスではサポートされません。
– 仮想テンプレート
– Gigabit EtherChannel(GEC)(ポート チャネル)
(注) Cisco IOS Release 12.2(33)SRE 以降、ポート チャネルは Cisco 7600 シリーズ ルータの Ethernet Services Plus(ES+)ラインカードでのみサポートされます。また、ポート チャネルは IP インターフェイス セッションをサポートしません。
– Switched Virtual Interface(SVI; スイッチ仮想インターフェイス)
– Generic Routing Encapsulation(GRE)
– Layer 2 Tunnel Protocol(L2TP)
– L2TP Access Concentrator(LAC)
– L2TP Network Server(LNS)
(注) アクセス インターフェイスの詳細については、『Cisco 7600 Series Cisco IOS Software Configuration Guide』の「IP Subscriber Awareness over Ethernet」の章を参照してください。
• 加入者の冗長化は 1:1 のアクセス スタンバイ モデルでのみ利用できます。
• ロード バランシングは IP および PPPoE 加入者に対してサポートされません。
• Multiservice Interface(MSI)に関するインターフェイス統計情報
• トラフィック クラスはサポートされません。トラフィック クラスは Cisco 7600 シリーズ ルータには設定できません。このため、他のルータではフロー レベルで適用可能な機能(アカウンティング、アイドル タイムアウト、セッション タイムアウト、ポリサー、および L4RD)を、Cisco 7600 シリーズ ルータではセッション レベルで適用する必要があります。
• L4RD および PBHK の機能は、Route Processor(RP; ルート プロセッサ)レベルで実装されます。
• プリペイド機能。
• Dynamic Subscriber Bandwidth Selection(DBS)。
• ISG HA 機能には、次の制約事項があります。
– スイッチオーバー時にアイドル タイマーおよびセッション タイマーが開始されます。
– PBHK および L4RD 変換はチェックポイントの対象になりません。そのためスイッチオーバー時には、すべての変換情報が更新されます。この更新によって、既存の TCP および HTTP セッションは切断されます。
• PPPoE セッションのみに対する ambiguous VLAN のサポート。
• IP および PPPoE セッションのアクセス サブインターフェイスでの合法的傍受。
• セッションのグループ化。
Cisco 7600 シリーズ ルータの統計情報ポーリングに関して、次の点に注意してください。
• 統計情報はラインカードからルータへ 10 秒ごとに送信されます。このため、ポーリングのたびに統計情報に 10 秒間の遅れが発生します。
• アイドル タイムアウト値およびキープアライブ間隔の下限は 30 秒です。
Segment Switching Manager(SSM)インフラストラクチャは、Cisco Online Insertion and Removal(OIR; 活性挿抜)に準拠するため、SPA が取り外された場合であっても、設定が削除されていなければセッションを切断しません。この場合にセッションを確実に切断するためには、ラインカードまたは SPA を OIR で取り外す際に、セッションのキープアライブ機能を設定するか、または clear ip subscriber slot slotnum no-hardware コマンドを使用して、手動でセッションを消去する必要があります。
次の表に、ラインカード、インターフェイス、および設定に関するさまざまなイベントの後に、そのルータでセッションが再プロビジョニングされるか(つまり、OIR 挿入後にラインカード上で再プログラムされるか)、それとも終了されるかを示します。
表 21 イベント統計情報
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ラインカードまたは SPA の OIR 挿入 |
あり |
なし |
ラインカードまたは SPA の OIR 取り外し |
なし |
なし |
ラインカードのリロード |
あり |
なし |
インターフェイスの管理停止 |
なし |
なし |
インターフェイスの停止 |
なし |
なし |
加入者インターフェイスの設定削除 |
なし |
あり |
(注) SPA の OIR 挿入および取り外しの影響は、Ethernet Services Plus(ES+)ラインカードには適用されません。この再プロビジョニングおよび切断に関する内容が該当するのは、PPPoE および IP セッション(L2 接続および転送)だけです。IP インターフェイス セッションには該当しません。
ルータの OIR サポートの詳細については、『 Cisco Online Insertion and Removal (OIR) Support in Routers 』を参照してください。
ISG: Subscriber Aware Ethernet に関する情報
• 「サポートされるアクセス セッション タイプ」
• 「サポートされるアクセス インターフェイス」
• 「サポートされる IP セッション」
• 「サポートされる PPP セッション」
• 「サポートされるサービス」
• 「セッションおよび呼び出しのサポート」
サポートされるアクセス セッション タイプ
• インターフェイス
• スタティック IP および DHCP IP
• PPPoE
サポートされるアクセス インターフェイス
• Ethernet
• QinQ VLAN
• .1Q および QinQ アクセス インターフェイス( access キーワードが指定されたもの)
(注) access キーワードは Cisco 7600 シリーズ ルータに固有のキーワードです。
• Gigabit EtherChannel(GEC)(ポート チャネル)
このポート チャネルは 1:1 の冗長構成です。また、ポート チャネル バンドル内のメンバー リンクを動的に処理できるように、Link Aggregation Control Protocol(LACP)がイネーブルになっています。ポート チャネルには 2 つのメンバーがあり、一方のメンバーがアクティブで、もう一方のメンバーがスタンバイ状態になります。メンバーのポートには、異なるラインカードのポートを使用できますが、Ethernet Services Plus(ES+)ラインカードにする必要があります。
アクセス インターフェイスの詳細については、『 Cisco 7600 Series Cisco IOS Software Configuration Guide 』の「 IP Subscriber Awareness over Ethernet 」の章を参照してください。
サポートされる IP セッション
• IP セッションとの DHCP の統合
• スタティック IP サブネット セッション
• 送信元 IP アドレスおよび MAC アドレス セッション(IP セッション)
サポートされる PPP セッション
• PPPoE
• PPPoEoVLAN
• PPPoEoQinQ
(注) Cisco IOS Release 12.2(33)SRC では、PPP および IP セッションをサポートするのは、Cisco 7600 シリーズ ルータのイーサネット インターフェイスのみです。
サポートされるサービス
• アイドル タイムアウト
• セッション タイムアウト
• IP セッションに関する Internet Control Message Protocol(ICMP; インターネット制御メッセージ プロトコル)および Address Resolution Protocol(ARP; アドレス解決プロトコル)のキープアライブ
• 条件付きデバッグ(ラインカードではなくルータでサポートされます)
• 動的 Virtual Private Network(VPN)選択
• 限定的 PBHK および L4RD
• ポリシー制御:ポリシー サーバ:Change of Authorization(CoA)ASCII コマンド コード サポート
• QoS
• セッション アカウンティング
• セキュリティ:ユーザ単位の ACL
セッションおよび呼び出しのサポート
• ISG の加入者認識イーサネット機能は、ISG 機能について最大 32,000 のセッションをサポートします。
• Dynamic Host Control Protocol(DHCP; 動的ホスト制御プロトコル)では、1 秒あたり最大 50 の呼び出しがサポートされます。
ISG: Subscriber Aware Ethernet の設定方法
Cisco 7600 シリーズ ルータに ISG: Subscriber Aware Ethernet を設定する方法の詳細については、『 Cisco 7600 Series Cisco IOS Software Configuration Guide 』の「 IP Subscriber Awareness over Ethernet 」の章を参照してください。
ISG: Subscriber Aware Ethernet の設定例
ISG: Subscriber Aware Ethernet の設定の詳細および具体的な作業については、『 Cisco 7600 Series Cisco IOS Software Configuration Guide 』の「 Configuration Examples 」を参照してください。
その他の参考資料
規格
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この機能がサポートする新しい規格または変更された規格はありません。また、この機能による既存規格のサポートに変更はありません。 |
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MIB
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この機能によってサポートされる新しい MIB または変更された MIB はありません。またこの機能による既存 MIB のサポートに変更はありません。 |
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、および機能セットの MIB を検索してダウンロードする場合は、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。 http://www.cisco.com/go/mibs |
RFC
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この機能がサポートする新規 RFC または改訂 RFC はありません。また、この機能による既存 RFC のサポートに変更はありません。 |
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シスコのテクニカル サポート
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右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。 以下を含むさまざまな作業にこの Web サイトが役立ちます。 ・テクニカル サポートを受ける ・ソフトウェアをダウンロードする ・セキュリティの脆弱性を報告する、またはシスコ製品のセキュリティ問題に対する支援を受ける ・ツールおよびリソースへアクセスする - Product Alert の受信登録 - Field Notice の受信登録 - Bug Toolkit を使用した既知の問題の検索 ・Networking Professionals(NetPro)コミュニティで、技術関連のディスカッションに参加する ・トレーニング リソースへアクセスする ・TAC Case Collection ツールを使用して、ハードウェアや設定、パフォーマンスに関する一般的な問題をインタラクティブに特定および解決する この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。 |
http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html |
ISG: Subscriber Aware Ethernet の機能情報
表 22 に、この章に記載されている機能および具体的な設定情報へのリンクを示します。
プラットフォームおよびソフトウェア イメージのサポート情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator を使用すると、ソフトウェア イメージがサポートする特定のソフトウェア リリース、機能セット、またはプラットフォームを確認できます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
(注) 表 22 には、一連のソフトウェア リリースのうち、特定の機能が初めて導入されたソフトウェア リリースだけが記載されています。特に明記していないかぎり、その機能は、一連のソフトウェア リリースの以降のリリースでもサポートされます。
表 22 ISG: Subscriber Aware Ethernet の機能情報
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ISG: Subscriber Aware Ethernet |
12.2(33)SRC 15.0(1)S |
ISG: Subscriber Aware Ethernet 機能は、SIP-400 アクセス側ラインカードを持つ Cisco 7600 シリーズ ルータ上に分散する IP および PPPoE セッションに、Intelligent Services Gateway(ISG)機能を提供します。 12.2(33)SRC では、この機能が Cisco 7600 シリーズ ルータで追加されました。 この機能に関する詳細については、次の各項を参照してください。 • 「ISG: Subscriber Aware Ethernet に関する情報」 • 「ISG: Subscriber Aware Ethernet の設定方法」 次のコマンドが、新たに導入または変更されました。 clear ip subscriber 、 show ccm clients 、 show ccm queues 、 show ccm sessions 、 show ip subscriber |
ISG:セッション:マルチキャスト:共存 |
12.2(33)SRE |
Cisco IOS Release 12.2(33)SRE では、Cisco 7600 シリーズのルータに ISG セッション マルチキャスト共存機能のサポートが追加されました。 |
Cisco 7600 ES+ シリーズ ラインカードでの IP セッション サポート |
12.2(33)SRE |
Cisco IOS Release 12.2(33)SRE では、ES+ シリーズ ラインカードに対する IP および PPPoE セッション サポートが、Cisco 7600 シリーズ ルータに追加されました。 |
ポート チャネルでの PPPoE および IPoE セッション サポート(1:1 冗長構成) |
12.2(33)SRE |
Cisco IOS Release 12.2(33)SRE では、ポート チャネルの PPPoE および IPoE セッション サポートが、Cisco 7600 シリーズ ルータに追加されました。 |
このマニュアルで使用している IP アドレスおよび電話番号は、実際のアドレスおよび電話番号を示すものではありません。マニュアル内の例、コマンド出力、ネットワーク トポロジ図、およびその他の図は、説明のみを目的として使用されています。説明の中に実際のアドレスおよび電話番号が使用されていたとしても、それは意図的なものではなく、偶然の一致によるものです。
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