この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)は、SNMP マネージャとエージェントの間の通信のメッセージ フォーマットを提供するアプリケーション層プロトコルです。SNMP は、ネットワーク内のデバイスのモニタリングおよび管理に使用する標準フレームワークと共通言語を提供します。
• 「SNMPv3」
• SNMP マネージャ:SNMP を使用してネットワーク デバイスの動作を制御およびモニタするためのシステム。
• SNMP エージェント:管理デバイス内部のソフトウェア コンポーネントで、デバイスに関するデータを維持し、必要に応じてこれらのデータを管理システムに伝えます。Cisco Nexus 1000V はエージェントと MIB をサポートします。SNMP エージェントをイネーブルにするには、マネージャとエージェントの関係を定義する必要があります。
• Managed Information Base(MIB; 管理情報ベース):SNMP エージェント上の管理対象オブジェクトのコレクション。
SNMP は、RFC 3411 ~ 3418 で規定されています。
(注) SNMP Role Based Access Control(RBAC)はサポートされていません。
SNMPv1、SNMPv2c、および SNMPv3 です。SNMPv1 および SNMPv2c の両方により、コミュニティベースのセキュリティ形式の使用がサポートされています。
SNMP の重要な機能の 1 つは、SNMP エージェントから通知を生成できることです。これらの通知では、要求を SNMP マネージャから送信する必要はありません。通知によって、不正なユーザ認証、再起動、接続の終了、隣接ルータとの接続切断、またはその他の重要イベントを示すことができます。
SNMP 通知は、トラップまたは応答要求として生成されます。トラップは、エージェントからホスト レシーバ テーブルで指定された SNMP マネージャに送信される、非同期の非確認応答メッセージです。応答要求は、SNMP エージェントから SNMP マネージャに送信される非同期メッセージで、マネージャは受信したという確認応答が必要です。
トラップの信頼性はインフォームより低くなります。SNMP マネージャはトラップを受信しても Acknowledgment(ACK; 確認応答)を送信しないからです。Cisco Nexus 1000V では、トラップを受信したかどうかを判断できません。インフォーム要求を受信する SNMP マネージャは、SNMP 応答 Protocol Data Unit(PDU; プロトコル データ ユニット)でメッセージの受信を確認します。応答を受信しなかった場合、Cisco Nexus 1000V は再度インフォーム要求を送信できます。
複数のホスト レシーバーに通知を送信するよう Cisco Nexus 1000V を設定できます。ホスト レシーバーの詳細については、「SNMP 通知レシーバーの設定」を参照してください。
SNMPv3 は、ネットワーク経由のフレームの認証と暗号化を組み合わせることによって、デバイスへのセキュア アクセスを実現します。SNMPv3 が提供するセキュリティ機能は、次のとおりです。
• メッセージの完全性:パケットが伝送中に改ざんされていないことを保証します。
• 暗号化:許可されていない送信元により判読されないように、パケットの内容のスクランブルを行います。
SNMPv3 は、セキュリティ モデルとセキュリティ レベルの両方を提供します。セキュリティ モデルは、ユーザおよびユーザが属するロールを設定する認証方式です。セキュリティ レベルは、セキュリティ モデル内で許可されたセキュリティのレベルです。セキュリティ モデルとセキュリティ レベルの組み合わせにより、SNMP パケット処理中に採用されるセキュリティ メカニズムが決まります。
セキュリティ レベルは、SNMP メッセージを開示から保護する必要があるかどうか、およびメッセージを認証するかどうか判断します。セキュリティ モデル内のさまざまなセキュリティ レベルは、次のとおりです。
• noAuthNoPriv:認証または暗号化を実行しないセキュリティ レベル
• authNoPriv:認証は実行するが、暗号化を実行しないセキュリティ レベル
• authPriv:認証と暗号化両方を実行するセキュリティ レベル
SNMPv1、SNMPv2c、および SNMPv3 の 3 つのセキュリティ モデルを使用できます。セキュリティ モデルとセキュリティ レベルの組み合わせにより、SNMP メッセージの処理中に適用されるセキュリティ メカニズムが決まります。
表 10-1 に、セキュリティ モデルとセキュリティ レベルの組み合わせの意味を示します。
SNMPv3 User-Based Security Model(USM)は SNMP メッセージレベル セキュリティを参照し、次のサービスを提供します。
• メッセージの完全性:メッセージが不正な方法で変更または破壊されていないこと、データ シーケンスが悪意なく起こり得る範囲を超えて変更されていないことを保証します。
• メッセージ発信元の認証:受信データを発信したユーザのアイデンティティが確認されたことを保証します。
• メッセージの機密性:情報が使用不可であること、または不正なユーザ、エンティティ、またはプロセスに開示されないことを保証します。
SNMPv3 は、設定済みユーザによる管理動作のみを許可し、SNMP メッセージを暗号化します。
Cisco Nexus 1000V は、次の 2 つの SNMPv3 認証プロトコルを使用します。
Cisco Nexus 1000V は、SNMPv3 メッセージ暗号化用プライバシー プロトコルの 1 つとして、Advanced Encryption Standard(AES)を使用し、RFC 3826 に準拠します。
priv オプションで、SNMP セキュリティ暗号化方式として、DES または 128 ビット AES を選択できます。 priv オプションを aes-128 トークンと併用すると、プライバシー パスワードは 128 ビット AES キーの生成に使用されます。AES のプライバシー パスワードは最小で 8 文字です。パスフレーズをクリア テキストで指定する場合は、大文字と小文字を区別して、最大 64 文字の英数字を指定できます。ローカライズド キーを使用する場合は、最大 130 文字を指定できます。
(注) 外部 AAA(認証、認可、アカウンティング)サーバを使用する SNMPv3 動作の場合は、外部 AAA サーバ上のユーザ コンフィギュレーションで、プライバシー プロトコルとして AES を使用する必要があります。
SNMPv3 ユーザ管理は、Access Authentication and Accounting(AAA)サーバ レベルで集中化できます。この中央集中型ユーザ管理により、Cisco Nexus 1000Vの SNMP エージェントは AAA サーバのユーザ認証サービスを利用できます。ユーザ認証が検証されると、SNMP PDU の処理が進行します。AAA サーバはユーザ グループ名の格納にも使用されます。SNMP はグループ名を使用して、スイッチでローカルに使用できるアクセス ポリシーまたはロール ポリシーを適用します。
ユーザ グループ、ロール、またはパスワードの設定が変更されると、SNMP と AAA の両方のデータベースが同期化されます。
Cisco Nexus 1000Vは、次のようにユーザ設定を同期化します。
• snmp-server user コマンドで指定された認証パスフレーズが CLI ユーザのパスワードになります
• username コマンドで指定されたパスワードが SNMP ユーザの認証およびプライバシー パスフレーズになります。
• SNMP または CLI を使用してユーザを削除すると、SNMP と CLI の両方でユーザが削除されます。
• ユーザとロールの対応関係の変更は、SNMP と CLI で同期化されます。
• CLI から行ったロール変更(削除または変更)は、SNMP と同期します。
(注) パスフレーズ/パスワードをローカライズド キー/暗号化形式で設定すると、Cisco Nexus 1000Vはパスワードを同期化しません。
Cisco NX-OS はデフォルトで、同期したユーザ設定を 60 分間維持します。このデフォルト値の変更方法については、「AAA 同期時間の変更」を参照してください。
(注) グループが業界全体で使用されている標準 SNMP 用語なので、この SNMP の項では、ロールのことをグループと言います。
SNMP アクセス権は、グループ別に編成されます。SNMP 内の各グループは、CLI を使用する場合のロールに似ています。各グループは読み取りアクセス権または読み取りと書き込みアクセス権を指定して定義します。
ユーザ名が作成され、ユーザのロールが管理者によって設定され、ユーザがそのロールに追加されていれば、そのユーザはエージェントとの通信を開始できます。
SNMP ではステートレス リスタートがサポートされています。リブートまたはスーパーバイザ スイッチオーバー後に、実行コンフィギュレーションを適用します。
SNMP に関する設定時の注意事項および制約事項は、次のとおりです。
• 一部の SNMP MIB に対する読み取り専用アクセスがサポートされています。詳細については次の URL にアクセスして、Cisco NX-OS の MIB サポート リストを参照してください。
http://www.cisco.com/public/sw-center/netmgmt/cmtk/mibs.shtml
• SNMP Role Based Access Control(RBAC)はサポートされていません。
表 10-2 に、SNMP パラメータのデフォルト設定を示します。
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• 「インターフェイスに関する linkUp/linkDown 通知のディセーブル化」
• 「TCP による SNMP のワンタイム認証のイネーブル化」
• 「SNMP スイッチのコンタクトおよびロケーション情報の指定」
(注) この機能に対応する Cisco NX-OS コマンドは、Cisco IOS で使用されているコマンドと異なる場合があるので注意してください。
2. snmp-server user name [ auth { md5 | sha } passphrase [ auto ] [ priv [ aes-128 ] passphrase ] [ engineID id ] [ localizedkey] ]
次の例では、SNMP のコンタクトおよびロケーション情報を設定する方法を示します。
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
switch(config)# snmp-server user Admin auth sha abcd1234 priv abcdefgh
着信要求に認証または暗号化が必要となるよう SNMP を設定できます。デフォルトでは、SNMP エージェントは認証および暗号化を行わないでも SNMPv3 メッセージを受け付けます。プライバシーを強化する場合、Cisco Nexus 1000V は noAuthoNoPriv または authNoPriv の securityLevel パラメータを使用している SNMPv3 PDU 要求に、authorizationError で応答します。
SNMP メッセージの暗号化をユーザに強制するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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SNMP メッセージの暗号化をすべてのユーザに強制するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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SNMPv1 または SNMPv2c の SNMP コミュニティを作成できます。
SNMP コミュニティ ストリングを作成するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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複数のホスト レシーバに対して SNMP 通知を作成するように、Cisco Nexus 1000V を設定できます。
SNMPv1 トラップのホスト レシーバを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
SNMPv2c トラップまたは応答要求のホスト レシーバを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
SNMPv3 トラップまたは応答要求のホスト レシーバを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
(注) SNMP マネージャは SNMPv3 メッセージを認証して解読するために、Cisco Nexus 1000V デバイスの SNMP engineID に基づいてユーザ クレデンシャル(authKey/PrivKey)を調べる必要があります。
通知ホスト レシーバに SNMPv3 応答要求通知を送信するには、デバイス上で通知ターゲット ユーザを設定する必要があります。
Cisco Nexus 1000V は通知ターゲット ユーザのクレデンシャルを使用して、設定された通知ホスト レシーバへの SNMPv3 応答要求通知メッセージを暗号化します。
(注) 受信した INFORM PDU を認証して解読する場合、Cisco Nexus 1000V で設定されているのと同じ、応答要求を認証して解読するユーザ クレデンシャルが通知ホスト レシーバに必要です。
通知ターゲット ユーザを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
通知をイネーブルまたはディセーブルにできます。通知名を指定しないと、Cisco Nexus 1000Vは通知をすべてイネーブルにします。
表 10-3 には、Cisco Nexus 1000V MIB に関する通知をイネーブルにする、CLI コマンドを示します。
(注) snmp-server enable traps コマンドを使用すると、設定されている通知ホスト レシーバに応じて、トラップおよび応答要求の両方がイネーブルになります。
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snmp-server enable traps snmp |
ライセンス通知は、デフォルトではイネーブルです。他の通知はすべて、デフォルトではディセーブルです。
指定した通知をイネーブルにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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個別のインターフェイスで linkUp および linkDown 通知をディセーブルにできます。フラッピング インターフェイス(Up と Down の間を頻繁に切り替わるインターフェイス)で、この制限通知を使用できます。
インターフェイスに関する linkUp/linkDown 通知をディセーブルにするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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インターフェイスの SNMP リンクステート トラップをディセーブルにします。このコマンドは、デフォルトでイネーブルにされています。 |
TCP セッションでの 1 回限りの SNMP 認証をイネーブルにできます。
TCP による SNMP のワンタイム認証をイネーブルにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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32 文字までの長さで(スペースを含まない)のスイッチ コンタクト情報を指定できます。さらに、スイッチ ロケーションを指定できます。
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Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. |
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(任意)リブート後に永続的な実行コンフィギュレーションを保存し、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーして再起動します。 |
次の例では、SNMP のコンタクトおよびロケーション情報を設定する方法を示します。
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
switch(config)# snmp contact Admin
SNMP プロトコルをディセーブルにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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同期したユーザ設定を Cisco NX-OS に維持させる時間の長さを変更できます。
AAA 同期時間を変更するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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ローカル キャッシュで AAA 同期ユーザ設定を維持する時間を設定します。指定できる範囲は 1 ~ 86400 秒です。デフォルト値は 3600 です。 |
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Blue VRF を使用してある通知ホスト レシーバに Cisco linkUp/linkDown 通知を送信するように設定し、Admin と NMS という 2 つの SNMP ユーザを定義する例を示します。
SNMP の実装に関する詳細情報については、次の項を参照してください。
• 「関連資料」
• 「標準」
• 「MIB」
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『 Cisco Nexus 1000V Command Reference, Release 4.2(1)SV1(5.1) 』 |
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http://www.cisco.com/public/sw-center/netmgmt/cmtk/mibs.shtml |
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• CISCO-ENTITY-FRU-CONTROL-MIB • CISCO-ENTITY-VENDORTYPE-OID-MIB |
MIB を検索およびダウンロードするには、次の URL にアクセスしてください。 http://www.cisco.com/public/sw-center/netmgmt/cmtk/mibs.shtml |
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