インターフェイス タイプの概要
ここでは、スイッチによってサポートされる各種インターフェイス タイプについて説明するとともに、これらのインターフェイス タイプの設定に関する詳細情報が記載された章についても言及します。また、インターフェイスの物理特性に応じた設定手順についても説明します。
ここでは、次のようなインターフェイス タイプについて説明します。
• 「ポートベースの VLAN」
• 「スイッチ ポート」
• 「EtherChannel ポート グループ」
• 「デュアルパーパス アップリンク ポート」
• 「Power over Ethernet(PoE)ポート」
• 「インターフェイスの接続」
ポートベースの VLAN
VLAN は、ユーザの物理的な位置とは無関係に、機能、チーム、またはアプリケーションで論理的にセグメント化されたスイッチド ネットワークです。VLAN の詳細については、 第 12 章「VLAN の設定」 を参照してください。ポートで受信したパケットが転送されるのは、その受信ポートと同じ VLAN に属するポートに限られます。異なる VLAN 上のネットワーク デバイスは、VLAN 間でトラフィックをルーティングするレイヤ 3 デバイスがなければ、互いに通信できません。
VLAN による分割により、VLAN 内のトラフィックに対して堅固なファイアウォールが提供されます。また、各 VLAN には独自の MAC アドレス テーブルが用意されます。VLAN が存在するようになるのは、ローカル ポートが VLAN と関連付けられて設定されたとき、VLAN Trunking Protocol(VTP; VLAN トランキング プロトコル)によってトランク上のネイバーからその存在が学習されたとき、またはユーザが VLAN を作成したときからです。
通常範囲の VLAN(VLAN ID が 1 ~ 1005)を設定するには、 vlan vlan-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して config-vlan モードを開始するか、 vlan database 特権 EXEC コマンドを使用して VLAN データベース コンフィギュレーション モードを開始します。VLAN ID 1 ~ 1005 の設定は、VLAN データベースに保存されます。拡張範囲 VLAN(VLAN ID が 1006 ~ 4094)を設定するには、config-vlan モードを使用し、VTP モードをトランスペアレントに設定する必要があります。拡張範囲 VLAN は、VLAN データベースに追加されません。VTP モードがトランスペアレントである場合は、VTP および VLAN 設定はスイッチの実行コンフィギュレーションに保存されるので、 copy running-config startup-config 特権 EXEC コマンドを実行して、これをスイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに保存できます。
VLAN にポートを追加するには、 switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
• インターフェイスを特定します。
• トランク ポートには、トランク特性を設定し、必要に応じて所属できる VLAN を定義します。
• アクセス ポートには、所属する VLAN を設定して定義します。
スイッチ ポート
スイッチ ポートは、物理ポートに対応付けられたレイヤ 2 専用インターフェイスです。スイッチ ポートは 1 つまたは複数の VLAN に所属します。スイッチ ポートは、アクセス ポートまたはトランク ポートにも使用できます。ポートは、アクセス ポートまたはトランク ポートとして設定できます。あるいは、ポート単位で Dynamic Trunking Protocol(DTP; ダイナミック トランキング プロトコル)を稼動させて、リンクのもう一方の端にあるポートとネゴシエートすることにより、スイッチポート モードを設定することもできます。スイッチ ポートは、物理インターフェイスおよび関連するレイヤ 2 プロトコルを管理するために使用されます。
スイッチ ポートの設定には、 switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
アクセス ポートおよびトランク ポートの特性については、 第 12 章「VLAN の設定」 を参照してください。
アクセス ポート
アクセス ポートは(音声 VLAN ポートとして設定されている場合を除き)1 つの VLAN だけに所属し、その VLAN のトラフィックだけを伝送します。トラフィックは、VLAN タギングなしのネイティブ フォーマットで送受信されます。アクセス ポートに着信したトラフィックは、ポートに割り当てられている VLAN に所属すると見なされます。アクセス ポートがタグ付きパケット(IEEE 802.1Q のタグ付け)を受信すると、そのパケットは廃棄され、送信元アドレスは学習されません。
2 種類のアクセス ポートがサポートされています。
• スタティック アクセス ポート。このポートは、手動で VLAN に割り当てます(IEEE 802.1X で使用する場合は RADIUS サーバを使用します。詳細については、「VLAN 割り当てを使用した 802.1X 認証」を参照してください)。
• ダイナミック アクセス ポートの VLAN メンバシップは、着信パケットを通じて学習されます。デフォルトでは、ダイナミック アクセス ポートはどの VLAN のメンバーでもなく、ポートとの伝送はポートの VLAN メンバシップが検出されたときにだけイネーブルになります。スイッチ上のダイナミック アクセス ポートは、VLAN Membership Policy Server(VMPS; VLAN メンバシップ ポリシー サーバ)によって VLAN に割り当てられます。VMPS として動作できるのは、Catalyst 6500 シリーズ スイッチです。Catalyst 2960 スイッチは VMPS サーバとして設定できません。
また、Cisco IP Phone と接続するアクセス ポートを、1 つの VLAN は音声トラフィック用に、もう 1 つの VLAN は Cisco IP Phone に接続しているデバイスからのデータ トラフィック用に使用するように設定できます。音声 VLAN ポートの詳細については、 第 14 章「音声 VLAN の設定」 を参照してください。
トランク ポート
トランク ポートは複数の VLAN のトラフィックを伝送し、デフォルトで VLAN データベース内のすべての VLAN のメンバーとなります。IEEE 802.1Q トランク ポートだけがサポートされています。
IEEE 802.1Q トランク ポートは、タグ付きとタグなしの両方のトラフィックを同時にサポートします。IEEE 802.1Q トランク ポートは、デフォルトの Port VLAN ID(PVID; ポート VLAN ID)に割り当てられ、すべてのタグなしトラフィックはポートのデフォルト PVID 上を流れます。NULL VLAN ID を備えたすべてのタグなしおよびタグ付きトラフィックは、ポートのデフォルト PVID に所属するものと見なされます。発信ポートのデフォルト PVID と等しい VLAN ID を持つパケットは、タグなしで送信されます。残りのトラフィックはすべて、VLAN タグ付きで送信されます。
デフォルトでは、トランク ポートは、VTP に認識されているすべての VLAN のメンバーですが、トランク ポートごとに VLAN の許可リストを設定して、VLAN メンバシップを制限できます。許可 VLAN のリストは、その他のポートには影響を与えませんが、対応トランク ポートには影響を与えます。デフォルトでは、使用可能なすべての VLAN(VLAN ID 1 ~ 4094)が許可リストに含まれます。トランク ポートは、VTP が VLAN を認識し、VLAN がイネーブル状態にある場合に限り、VLAN のメンバーになることができます。VTP が新しいイネーブル VLAN を認識し、その VLAN がトランク ポートの許可リストに登録されている場合、トランク ポートは自動的にその VLAN のメンバーになり、トラフィックはその VLAN のトランク ポート間で転送されます。VTP が、VLAN のトランク ポートの許可リストに登録されていない、新しいイネーブル VLAN を認識した場合、ポートはその VLAN のメンバーにはならず、その VLAN のトラフィックはそのポート間で転送されません。
トランク ポートの詳細については、 第 12 章「VLAN の設定」 を参照してください。
EtherChannel ポート グループ
EtherChannel ポート グループは、複数のスイッチ ポートを 1 つのスイッチ ポートとして扱います。このようなポート グループは、スイッチ間、またはスイッチおよびサーバ間で広帯域接続を行う単一論理ポートとして動作します。EtherChannel は、チャネルのリンク全体でトラフィックの負荷を分散させます。EtherChannel 内のリンクで障害が発生すると、それまでその障害リンクで伝送されていたトラフィックが EtherChannel 内の残りのリンクに切り替えられます。複数のトランク ポートを 1 つの論理トランク ポートに、または複数のアクセス ポートを 1 つの論理アクセス ポートにグループ化できます。ほとんどのプロトコルは単一のまたは集約スイッチ ポートで動作し、ポート グループ内の物理ポートを認識しません。例外として、DTP、Cisco Discovery Protocol(CDP; シスコ検出プロトコル)、および Port Aggregation Protocol(PAgP; ポート集約プロトコル)があります。これらは、物理ポート上でしか動作しません。
EtherChannel を設定するとき、ポートチャネル論理インターフェイスを作成し、EtherChannel にインターフェイスを割り当てます。 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、ポートチャネル論理インターフェイスを動的に作成します。このコマンドは物理および論理ポートをバインドします。詳細は、 第 35 章「EtherChannel およびリンク ステート トラッキングの設定」 を参照してください。
デュアルパーパス アップリンク ポート
一部の Catalyst 2960 スイッチでは、デュアルパーパス アップリンク ポートがサポートされています。各アップリンク ポートは、デュアル フロント エンド(RJ-45 コネクタと Small Form-Factor Pluggable(SFP; 着脱可能小型フォーム ファクタ)モジュール コネクタ)の単一インターフェイスであると見なされます。デュアル フロント エンドは冗長インターフェイスではありません。スイッチは、ペアのうちの 1 つのコネクタだけをアクティブにします。
デフォルトでは、スイッチは、最初にリンクするインターフェイス タイプを動的に選択します。ただし 、 media-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、手動で RJ-45 コネクタまたは SFP モジュール コネクタを選択できます。デュアルパーパス アップリンクの速度設定とデュプレックス設定については、「インターフェイス速度およびデュプレックス パラメータの設定」を参照してください。
各アップリンク ポートには、2 つの LED が付いています。1 つは RJ-45 ポートのステータスを示すもので、もう 1 つは SFP モジュール ポートのステータスを示すものです。ポート LED は、いずれかのコネクタがアクティブのときに点灯します。LED の詳細については、ハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。
Power over Ethernet(PoE)ポート
(注) PoE は、スイッチで LAN ベース イメージが実行されている場合にしかサポートされません。
Catalyst 2960 PoE 対応スイッチ ポートでは、接続している次のデバイスに電力が自動的に供給されます(回路に電力が供給されていないことをスイッチが感知した場合)。
• シスコ先行標準受電装置(Cisco IP Phone および Cisco Aironet アクセス ポイントなど)
• IEEE 802.3af 準拠の受電装置
受電装置は、PoE スイッチ ポートと AC 電源に接続されている場合にだけ、冗長電力を利用できます。
スイッチは、受電装置を検出すると、その装置の電力要件を判断して、電力を供給するかしないか決めます。また、Cisco IOS release 12.2(46)SE 以降では、電力使用状況をモニタリングおよびポリシングすることで、スイッチが受電装置の電力消費量をリアルタイムに感知することもできます。
PoE に関する内容は次のとおりです。
• 「サポート対象のプロトコルおよび標準」
• 「受電装置検出および初期電力割り当て」
• 「電力管理モード」
• 「電力使用状況のモニタリングおよびポリシング」
サポート対象のプロトコルおよび標準
スイッチでは、次のプロトコルおよび標準を使用して PoE をサポートしています。
• 電力消費を含む CDP:受電装置は、消費している電力量をスイッチに通知します。スイッチは、電力消費メッセージに応答しません。スイッチは、PoE ポートに電力を供給するか、PoE ポートから電力を取り除くだけです。
• シスコ インテリジェント電力管理:受電装置とスイッチは、電力ネゴシエーション CDP メッセージによってネゴシエーションを行い、電力消費レベルについて合意します。このネゴシエーションにより、高電力シスコ受電装置(7 W を超える電力を消費する)は、最高電力モードで動作できるようになります。受電装置は、最初に低電力モードでブートして 7 W 未満の電力を消費し、ネゴシエーションを行って高電力モードで動作するための十分な電力を得ます。受電装置は、スイッチから確認を受信した場合に限って高電力モードに切り替わります。
高電力デバイスは、電力ネゴシエーション CDP がサポートされていないスイッチにおいて、低電力モードで動作できます。
シスコ インテリジェント電力管理には、電力消費を含む CDP との下位互換性があります。スイッチは、受信した CDP メッセージに従って応答します。CDP は、サードパーティ製受電装置でサポートされません。このため、スイッチは IEEE 分類を使用してデバイスの電力使用量を判断します。
• IEEE 802.3af:この標準の主な機能は、受電装置検出、電力管理、切断検出、オプションの受電装置電力分類です。詳細については、標準を参照してください。
受電装置検出および初期電力割り当て
スイッチは、PoE 対応ポートがシャットダウン状態でなく、PoE がイネーブルになっていて(デフォルト)、接続したデバイスが AC アダプタによって電力供給されていない場合、シスコ先行標準受電装置または IEEE 準拠の受電装置を検出します。
デバイスが検出されると、スイッチは、デバイスのタイプに基づいてデバイスの電力要件を判断します。
• シスコ先行標準の受電装置は、スイッチがそのデバイスを検出しても電力要件を提供しないので、スイッチは、パワー バジェットの初期割り当てとして 15.4 W を割り当てます。
初期電力割り当ては、受電装置が要求する最大電力量です。スイッチは、受電装置を検出して電力供給する場合、この量の電力を最初に割り当てます。スイッチが受電装置から CDP メッセージを受信し、受電装置が CDP 電力ネゴシエーション メッセージでスイッチと電力レベルについてネゴシエーションを行った場合、初期電力割り当ては調整されることがあります。
• スイッチは、検出した IEEE デバイスを電力消費クラス内で分類します。スイッチは、パワー バジェットで使用可能な電力に基づいて、ポートに電力供給できるかどうか判断します。 表 10-1 は、電力レベルの一覧です。
表 10-1 IEEE 電力分類
|
|
0(クラス ステータス不明) |
15.4 W |
1 |
4 W |
2 |
7 W |
3 |
15.4 W |
4(将来の使用のために予約) |
クラス 0 としての扱い |
スイッチは電力要求のモニタとトラッキングを行い、電力が使用可能である場合に限って電力を供給します。スイッチはパワー バジェット(スイッチで PoE に使用できる電力量)をトラッキングします。電力の供給または拒否がポートで行われると、スイッチはパワーアカウンティング計算を実行し、パワー バジェットを最新に保ちます。
電力がポートに適用されたあとで、スイッチは CDP を使用して、接続されたシスコ受電装置の 実際の 電力消費要件を判断し、パワー バジェットを相応に調整します。これはサードパーティ製 PoE デバイスには適用されません。スイッチは要求を処理して電力の供給または拒否を行います。要求が認可されると、スイッチはパワー バジェットを更新します。要求が拒否された場合、スイッチは、ポートの電力がオフに切り替わっていることを確認し、Syslog メッセージを生成して LED を更新します。受電装置は、追加の電力についてスイッチとネゴシエーションを行うこともできます。
不足電圧、過電圧、過熱、オシレータ障害、または短絡状態による障害をスイッチが検出した場合、ポートへの電源をオフにし、Syslog メッセージを生成し、パワー バジェットと LED を更新します。
電力管理モード
スイッチでは、次の PoE モードがサポートされます。
• auto :接続されているデバイスで電力が必要であるかどうか、スイッチが自動的に検出します。ポートに接続されている受電装置をスイッチが検出し、スイッチに十分な電力がある場合、スイッチは電力を供給してパワー バジェットを更新し、先着順でポートの電力をオンに切り替えて LED を更新します。LED の詳細については、『Hardware Installation Guide』を参照してください。
すべての受電装置用としてスイッチに十分な電力がある場合は、すべての受電装置がアップします。スイッチに接続された受電装置すべてに対し十分な電力が利用できる場合、すべてのデバイスに電力を供給します。利用できる PoE が十分でない場合、または他のデバイスが電力を待っている間にデバイスが切断されて再接続された場合、どのデバイスへ電力が供給されるかが定義できなくなります。
許可電力がシステム パワー バジェットを超える場合、スイッチは電力を拒否し、ポートへの電力がオフになっていることを確認したうえで、Syslog メッセージを生成し、LED を更新します。電力が拒否されたあと、スイッチは定期的にパワー バジェットを再確認し、続けて電力要求の許可を試行します。
スイッチにより電力を供給されているデバイスが、さらに壁面コンセントに接続されている場合、スイッチはデバイスに電力を供給し続けることがあります。この時、デバイスがスイッチから電力を供給されているか、AC 電源から電力を供給されているかにかかわらず、スイッチは自身が引き続きデバイスへ電力を供給しているとの通知を行うことがあります。
受電装置が取り外された場合、スイッチは切断を自動的に検出し、ポートから電力を取り除きます。非受電装置を接続しても、そのデバイスに障害は発生しません。
ポートで許可される最大ワット数を指定できます。受電装置の IEEE クラス最大ワット数が、設定した最大値より大きい場合、スイッチはそのポートに電力を供給しません。スイッチが受電装置に電力を供給したが、受電装置が設定最大値より多くの電力を CDP メッセージによってあとで要求した場合、スイッチはポートの電力を取り除きます。その受電装置に割り当てられていた電力は、グローバル パワー バジェットに戻されます。ワット数を指定しない場合、スイッチは最大値の電力を供給します。 auto 設定は、任意の PoE ポートで使用します。auto モードがデフォルト設定です。
• static :スイッチは、ポートに電力をあらかじめ割り当て(受電装置が接続されていない場合でも)、そのポートで電力を使用できることを保証します。スイッチは、設定した最大ワット数をポートに割り当てますが、その量は、IEEE クラスまたは受電装置からの CDP メッセージによって調整されません。電力があらかじめ割り当てられているため、この最大ワット数以下の電力を使用する受電装置であれば、このスタティック ポートに接続したときの電力の供給は保証されます。ポートは先着順方式に関連しなくなります。
しかし受電装置の IEEE クラスが最大ワット数より大きい場合、スイッチはその受電装置に電力を供給しません。受電装置で必要な電力が最大ワット数を超えることを CDP メッセージによってスイッチが学習すると、その受電装置はシャットダウン状態になります。
ワット数を指定しない場合、スイッチは最大値をあらかじめ割り当てます。スイッチは、受電装置を検出した場合に限り、ポートに電力を供給します。 static 設定は、優先順位が高いインターフェイスで使用します。
• never :スイッチは、受電装置検出をディセーブルにし、PoE ポートへの電力供給を遮断します。電力供給されていないデバイスが接続されても、電力を供給することはありません。PoE 対応ポートに電力を絶対に適用せず、そのポートをデータ専用ポートにする場合に限り、このモードを使用してください。
PoE ポートの設定の詳細については、「PoE ポートの電力管理モードの設定」を参照してください。
電力使用状況のモニタリングおよびポリシング
リアルタイム電力消費量のポリシングをイネーブルにすると、受電装置の消費電力が割り当て最大量( カットオフ電力値 )を超えたときに、スイッチで処理が行われます。
PoE をイネーブルにすると、スイッチは受電装置の電力消費量をリアルタイムに感知し、接続された装置の電力消費量をモニタします。この機能は 電力モニタリング または 電力感知 と呼ばれます。また、電力使用状況を管理するために、 電力ポリシング 機能も使用します。
電力モニタリングは、シスコのインテリジェント電力管理や CDP ベースの電力消費管理と下位互換性が保たれています。これらの機能と連動することで、PoE ポートから受電装置への電力供給が維持されます。これらの PoE 機能の詳細については、「受電装置検出および初期電力割り当て」を参照してください。
スイッチは接続された装置の消費電力を次のように感知します。
1. スイッチはポートごとの電力消費量をリアルタイムにモニタします。
2. スイッチはピーク時の電力使用状況などを含めて消費電力を記録し、SNMP MIB(CISCO-POWER-ETHERNET-EXT-MIB)によってその情報を報告します。
3. 電力ポリシングがイネーブルであれば、スイッチはその装置に割り当てられている最大電力と実際の消費電力を比較して電力使用状況を管理します。PoE ポートにおける最大消費電力( カットオフ電力 )の詳細については、「PoE ポートに割り当てられる最大電力(カットオフ電力)」を参照してください。
デバイスの使用電力がポートの最大電力割り当てを超えた場合、スイッチでは、スイッチ設定に基づいて、そのポートへの電力供給をオフにするか、デバイスへの電力供給を続けたまま Syslog メッセージを生成し、LED を更新する(ポート LED がオレンジに点灯します)ことができます。デフォルトでは、すべての PoE ポート上で電力使用状況ポリシングはディセーブルです。
PoE の errdisable ステートに対してのエラー回復がイネーブルに設定されている場合、スイッチは指定の期間後に errdisable ステートの PoE ポートを自動的に回復します。
エラー回復がディセーブルに設定されている場合、 shutdown および no shutdown インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、手動で PoE ポートを再度イネーブルにできます。
4. ポリシングがディセーブルの場合、受電装置が PoE ポートに割り当てられた最大電力以上の電力を消費しても、処理は発生しません(スイッチに悪影響を及ぼす可能性があります)。
PoE ポートに割り当てられる最大電力(カットオフ電力)
電力ポリシングがイネーブルの場合、スイッチでは次の順序で PoE ポートのカットオフ電力が決定されます。
1. power inline consumption default wattage グローバルまたはインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力したときにスイッチがポートに割り当てるユーザ定義の電力レベル
2. power inline auto max max-wattage または power inline static max max-wattage インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力したときにポートで使用できる電力を制限するユーザ定義の電力レベル
3. CDP 電力ネゴシエーションまたは IEEE 分類を使用することによりスイッチで設定されるデバイスの電力使用状況
4. スイッチでデフォルトの 15.4 W に設定された電力使用状況
前述のリストの 1 番めまたは 2 番めの方法を使用してカットオフ電力値を手動で設定するには、 power inline consumption default wattage または power inline [ auto | static max ] max-wattage コマンドを入力します。カットオフ電力値を手動で設定していない場合、CDP 電力ネゴシエーションまたは装置の IEEE 分類を使用して、スイッチは値を自動的に決定します(リストの 3 番めの方法)。これらの方法を使用してもスイッチが値を決定できない場合、15.4 W のデフォルト値が使用されます(リストの 4 番めの方法)。
電力消費値
ポートで最初に割り当てる電力と割り当て可能な最大電力値を設定できます。ただし、これらの値は、スイッチがいつ PoE ポートの電力供給をオン/オフするかを決定する設定値にすぎません。最大割り当て電力は、受電装置の実際の消費電力と同じではありません。スイッチが電力ポリシングに使用する実際のカットオフ電力値は、設定した電力値とは等しくありません。
電力ポリシングがイネーブルの場合、スイッチは スイッチ ポートの 電力使用状況を管理します(その装置の消費電力よりも大きくなります)。最大の電力割り当てを手動で設定している場合、スイッチ ポートと受電装置間のケーブルで損失する電力を考慮する必要があります。カットオフ電力は、受電装置の定格消費電力とケーブル上で損失する可能性のある最大電力の合計です。
PoE ポート上で受電装置が実際に消費した電力の合計は、カットオフ電力値と 500 mW(0.5 W)のキャリブレーション ファクタで決まります。実際のカットオフ値は固定されるわけでなく、設定値のパーセンテージで設定される値によって異なります。たとえば、カットオフ電力値を 12 W に設定した場合、実際の切断値は設定値より 0.05 % 少ない 11.4 W になります。
スイッチで PoE をイネーブルにする場合、電力ポリシングをイネーブルにすることを推奨します。たとえば、ポリシングをディセーブルにして power inline auto max 6300 インターフェイス コンフィギュレーション コマンドでカットオフ電力値を設定した場合、PoE ポートに割り当てられる最大電力設定は 6.3 W(6300 mW)になります。スイッチは、接続されたデバイスが 6.3 W 以下の電力しか必要としないならば、そのデバイスに電力を供給します。CDP 電力ネゴシエーション値または IEEE 分類値が、設定したカットオフ値を超える場合、スイッチは、接続されたデバイスに電力を供給しません。このスイッチは、PoE ポートへの電力供給をオンにしたあと、そのデバイスのリアルタイムの電力消費をポリシングしません。そのため、このデバイスは電力を最大割り当て量よりも多く消費することができます。これは、スイッチや、他の PoE ポートに接続されたデバイスに悪影響を与える可能性があります。
スイッチは内部電源装置および Cisco Redundant Power System 2300(RPS 2300)をサポートしているため、受電装置で使用できる総電力量は電力供給設定によって異なります。
• 電源装置をこれまでより電力が少ないものに新しく交換し、スイッチが受電装置に十分な電力を確保できない場合、スイッチは auto モードにある PoE ポートへの電力供給をポート番号の降順で拒否します。それでもスイッチに十分な電力を確保できない場合、スイッチは static モードにある PoE ポートへの電力供給をポート番号の降順で拒否します。
• 新しい電源装置がこれまでより電力を多く提供可能で、スイッチ側により多くの電力を確保できた場合、スイッチは static モードにある PoE ポートへの電力供給をポート番号の昇順で許可します。それでもスイッチに使用可能な電力が残る場合、スイッチは auto モードにある PoE ポートへの電力供給をポート番号の昇順で許可します。
インターフェイスの接続
単一 VLAN 内のデバイスは、スイッチを通じて直接通信できます。異なる VLAN に属するポート間では、ルーティング デバイスを介さなければデータを交換できません。図 10-1 の構成では、VLAN 20 のホスト A が VLAN 30 のホスト B にデータを送信する場合、データはホスト A からスイッチを経由してルータへ送られたあと、再びスイッチに戻ってからホスト B へ送られる必要があります。
図 10-1 レイヤ 2 スイッチによる VLAN の接続
インターフェイス コンフィギュレーション モードの使用方法
スイッチは、次のインターフェイス タイプをサポートします。
• 物理ポート:スイッチ ポート
• VLAN:スイッチ仮想インターフェイス
• ポート チャネル:EtherChannel インターフェイス
インターフェイス範囲も設定できます(「インターフェイス範囲の設定」を参照)。
物理インターフェイス(ポート)を設定するには、インターフェイスのタイプ、モジュール番号、およびスイッチ ポート番号を指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
• タイプ:10/100 Mb/s イーサネット対応のファスト イーサネット(fastethernet または fa)、10/100/1000 Mb/s イーサネット ポート対応のギガビット イーサネット(gigabitethernet または gi)、または着脱可能小型フォーム ファクタ(SFP)モジュール ギガビット イーサネット インターフェイス
• モジュール番号:スイッチ上のモジュールまたはスロット番号(Catalyst 2960 スイッチでは常に 0)
• ポート番号:スイッチ上のインターフェイス番号。ポート番号は、fastethernet0/1 または gigabitethernet0/1 のように、常に 1 から始まり、スイッチの正面から見て一番左のポートから順に番号が付けられています。複数のインターフェイス タイプがある場合(10/100 ポートと SFP モジュール ポートなど)、ポート番号は 2 番めのインターフェイス タイプ(gigabitethernet0/1 など)から再び開始されます。0/1. 10/100/1000 ポートと SFP モジュール ポートのあるスイッチの場合、SFP モジュール ポートの番号は 10/100/1000 ポートの後に連続して付けられます。
物理インターフェイスはスイッチを実際に見ることで特定できます。一方、特定のインターフェイスまたはすべてのインターフェイスに関する情報は、 show 特権 EXEC コマンドを使用して見ることができます。以降、この章では、主に物理インターフェイスの設定手順について説明します。
インターフェイスの設定手順
次の一般的な手順は、すべてのインターフェイス設定プロセスに当てはまります。
ステップ 1 特権 EXEC プロンプトに configure terminal コマンドを入力します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
ステップ 2 interface グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。インターフェイスのタイプおよびインターフェイス番号を特定します。次の例では、ギガビット イーサネット ポート 1 が選択されています。
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
(注) インターフェイス タイプとインターフェイス番号の間にスペースを入れる必要はありません。たとえば、前出の行の場合は、gigabitethernet 0/1、gigabitethernet0/1、gi 1/0/1、または gi1/0/1 のいずれかを指定できます。
ステップ 3 各 interface コマンドの後ろに、インターフェイスに必要なインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを続けて入力します。入力するコマンドによって、そのインターフェイスで稼動するプロトコルとアプリケーションが定義されます。別のインターフェイス コマンドまたは end を入力して特権 EXEC モードに戻ると、コマンドが収集されてインターフェイスに適用されます。
また、 interface range または interface range macro グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、一定範囲のインターフェイスを設定することもできます。ある範囲内で設定したインターフェイスは、同じタイプである必要があります。また、同じ機能オプションを指定して設定しなければなりません。
ステップ 4 インターフェイスを設定してから、「インターフェイスのモニタリングおよびメンテナンス」に示した show 特権 EXEC コマンドで、そのステータスを確認してください。
show interfaces 特権 EXEC コマンドを使用して、スイッチ上のまたはスイッチ用に設定されたすべてのインターフェイスのリストを表示します。デバイスがサポートする各インターフェイスまたは指定したインターフェイスのレポートが出力されます。
インターフェイス範囲の設定
interface range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、同じコンフィギュレーション パラメータを持つ複数のインターフェイスを設定できます。インターフェイス レンジ コンフィギュレーション モードを開始すると、このモードを終了するまで、入力されたすべてのコマンド パラメータはその範囲内のすべてのインターフェイスに対するものと見なされます。
同じパラメータでインターフェイス範囲を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface range { port-range | macro macro_name } |
設定するインターフェイス範囲(VLAN または物理ポート)を指定し、インターフェイス レンジ コンフィギュレーション モードを開始します。 • interface range コマンドを使用すると、最大 5 つのポート範囲または定義済みマクロを 1 つ設定できます。 • macro 変数については、「インターフェイス レンジ マクロの設定および使用方法」を参照してください。 • カンマで区切った port-range では、エントリごとにインターフェイス タイプを入力し、カンマの前後にスペースを入力しなければなりません。 • ハイフンで区切った port-range では、インターフェイス タイプの再入力は不要ですが、ハイフンの前後にスペースを入力する必要があります。 |
ステップ 3 |
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この時点で、通常のコンフィギュレーション コマンドを使用して、範囲内のすべてのインターフェイスにコンフィギュレーション パラメータを適用します。各コマンドは、入力されたとおりに実行されます。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces [ interface-id ] |
指定した範囲内のインターフェイスの設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
interface range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用するときは、次の注意事項に留意してください。
• port-range の有効なエントリは次のとおりです。
– vlan vlan-ID 、VLAN ID に指定できる範囲は、1 ~ 4094 です。
(注) コマンドライン インターフェイスには複数の VLAN を設定するオプションが表示されますが、これらのオプションはサポートされていません。
– fastethernet stack member/module/{first port } - { last port }、module は常に 0 です。
– gigabitethernet module/{ first port } - { last port }、module は常に 0 です。
– port-channel port-channel-number - port-channel-number 、 port-channel-number は 1 ~ 6 です。
(注) ポート チャネルを指定して interface range コマンドを使用する場合は、先頭および最後のポートチャネル番号をアクティブなポート チャネルにする必要があります。
• interface range コマンドを使用するときは、先頭のインターフェイス番号とハイフンの間にスペースが必要です。たとえば、コマンド interface range gigabitethernet 0/1 - 4 は有効な範囲ですが、コマンド interface range gigabit ethernet0/1-4 は無効な範囲です。
• interface range コマンドが機能するのは、 interface vlan コマンドで設定された VLAN インターフェイスに限られます。 show running-config 特権 EXEC コマンドを使用すると、設定されている VLAN インターフェイスが表示されます。 show running-config コマンドで表示されない VLAN インターフェイスには interface range コマンドを使用できません。
• ある範囲内のすべてのインターフェイスは、同じタイプ(すべてがファスト イーサネット ポート、すべてがギガビット イーサネット ポート、すべてが EtherChannel ポート、またはすべてが VLAN)でなければなりません。ただし、1 つのコマンド内で複数のレンジを組み合わせることができます。
次の例では、 interface range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、ポート 1 ~ 4 の速度を 100 Mbps に設定します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range gigabitethernet0/1 - 4
Switch(config-if-range)# speed 100
次の例では、カンマを使用して別のインターフェイス タイプ ストリングを追加し、ファスト イーサネット ポート 1 ~ 3 と、ギガビット イーサネット ポート 1 および 2 の両方をイネーブルにし、フロー制御ポーズ フレームを受信できるようにします。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range fastethernet0/1 - 3, gigabitethernet0/1 - 2
Switch(config-if-range)# flowcontrol receive on
インターフェイス レンジ モードで複数のコンフィギュレーション コマンドを入力した場合、各コマンドは入力した時点で実行されます。インターフェイス レンジ モードを終了したあとで、コマンドがバッチ処理されるわけではありません。コマンドの実行中にインターフェイス レンジ モードを終了すると、一部のコマンドが範囲内のすべてのインターフェイスに対して実行されない場合もあります。コマンド プロンプトが再表示されるのを待ってから、インターフェイス レンジ コンフィギュレーション モードを終了してください。
インターフェイス レンジ マクロの設定および使用方法
インターフェイス レンジ マクロを作成すると、設定するインターフェイスの範囲を自動的に選択できます。interface range macro グローバル コンフィギュレーション コマンドで macro キーワードを使用するには、まず define interface-range グローバル コンフィギュレーション コマンドでマクロを定義する必要があります。
インターフェイス レンジ マクロを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
define interface-range macro_name interface-range |
インターフェイス レンジ マクロを定義して NVRAM(不揮発性 RAM)に保存します。 • macro_name は、最大 32 文字の文字列です。 • マクロには、カンマで区切ったインターフェイス範囲を 5 つまで含めることができます。 • それぞれの interface-range は、同じポート タイプで構成されていなければなりません。 |
ステップ 3 |
interface range macro macro_name |
macro_name の名前でインターフェイス レンジ マクロに保存された値を使用することによって、設定するインターフェイスの範囲を選択します。 ここで、通常のコンフィギュレーション コマンドを使用して、定義したマクロ内のすべてのインターフェイスに設定を適用できます。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show running-config | include define |
定義済みのインターフェイス レンジ マクロの設定を表示します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
マクロを削除するには、 no define interface-range macro_name グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
define interface-range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用するときは、次の注意事項に留意してください。
• interface-range の有効なエントリは次のとおりです。
– vlan vlan-ID 、VLAN ID に指定できる範囲は、1 ~ 4094 です。
(注) コマンドライン インターフェイスには複数の VLAN を設定するオプションが表示されますが、これらのオプションはサポートされていません。
– fastethernet module/{first port } - { last port }、module は常に 0 です。
– gigabitethernet module/{ first port } - { last port }、module は常に 0 です。
– port-channel port-channel-number - port-channel-number 、 port-channel-number は 1 ~ 6 です。
(注) ポート チャネルを指定してインターフェイス範囲を使用する場合は、先頭および最後のポートチャネル番号をアクティブなポート チャネルにする必要があります。
• interface-range を入力するときは、最初のインターフェイス番号とハイフンの間にスペースを入れます。たとえば、コマンド gigabitethernet 0/1 - 4 は有効な範囲ですが、コマンド gigabitethernet 0/1-4 は無効な範囲です。
• VLAN インターフェイスは、 interface vlan コマンドで設定しておかなければなりません。 show running-config 特権 EXEC コマンドを使用すると、設定されている VLAN インターフェイスが表示されます。 show running-config コマンドで表示されない VLAN インターフェイスは、 interface-range として使用できません。
• ある範囲内のすべてのインターフェイスは、同じタイプ(すべてがファスト イーサネット ポート、すべてがギガビット イーサネット ポート、すべてが EtherChannel ポート、またはすべてが VLAN)でなければなりません。ただし、1 つのマクロ内で複数のインターフェイス タイプを組み合わせることができます。
次に、 enet_list という名前のインターフェイス レンジ マクロを定義してスイッチ 1 上のポート 1 および 2 を含め、マクロ設定を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# define interface-range enet_list gigabitethernet0/1 - 2
Switch# show running-config | include define
Switch# define interface-range enet_list gigabitethernet0/1 - 2
次に、複数のタイプのインターフェイスを含むマクロ macro1 を作成する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# define interface-range macro1 fastethernet0/1 - 2, gigabitethernet0/1 - 2
次に、インターフェイス レンジ マクロ enet_list に対するインターフェイス レンジ コンフィギュレーション モードを開始する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range macro enet_list
次に、インターフェイス レンジ マクロ enet_list を削除し、処理を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# no define interface-range enet_list
Switch# show run | include define
イーサネット インターフェイスの設定
ここでは、次の設定情報について説明します。
• 「イーサネット インターフェイスのデフォルト設定」
• 「デュアルパーパス アップリンク ポートのタイプの設定」
• 「インターフェイス速度およびデュプレックス モードの設定」
• 「IEEE 802.3x フロー制御の設定」
• 「インターフェイス上の Auto-MDIX の設定」
• 「PoE ポートの電力管理モードの設定」
• 「PoE ポートに接続された受電装置の電力バジェット」
• 「電力ポリシングの設定」
• 「インターフェイスに関する記述の追加」
イーサネット インターフェイスのデフォルト設定
表 10-2 は、イーサネット インターフェイスのデフォルト設定を示しています。表に示されている VLAN パラメータの詳細については、 第 12 章「VLAN の設定」 を参照してください。また、ポートへのトラフィック制御の詳細については、 第 22 章「ポート単位のトラフィック制御の設定」 を参照してください。
表 10-2 レイヤ 2 イーサネット インターフェイスのデフォルト設定
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VLAN 許容範囲 |
VLAN 1 ~ 4094 |
デフォルト VLAN(アクセス ポート用) |
VLAN 1 |
ネイティブ VLAN(IEEE 802.1Q トランク用) |
VLAN 1 |
VLAN トランキング |
Switchport mode dynamic auto(DTP をサポート) |
ポート イネーブル ステート |
すべてのポートがイネーブル |
ポート記述 |
未定義 |
速度 |
自動ネゴシエーション |
デュプレックス モード |
自動ネゴシエーション |
フロー制御 |
フロー制御は receive : off に設定されます。送信パケットでは常にオフです。 |
EtherChannel(PAgP) |
すべてのイーサネット ポートでディセーブル。 第 35 章「EtherChannel およびリンク ステート トラッキングの設定」 を参照してください。 |
ポート ブロッキング(不明マルチキャストおよび不明ユニキャスト トラフィック) |
ディセーブル(ブロッキングされない)。「ポート ブロッキングの設定」を参照してください。 |
ブロードキャスト、マルチキャスト、およびユニキャスト ストーム制御 |
ディセーブル。「ストーム制御のデフォルト設定」を参照してください。 |
保護ポート |
ディセーブル。「保護ポートの設定」を参照してください。 |
ポート セキュリティ |
ディセーブル。「ポート セキュリティのデフォルト設定」を参照してください。 |
PortFast |
ディセーブル。「オプションのスパニング ツリー機能のデフォルト設定」を参照してください。 |
Auto-MDIX |
イネーブル。 (注) 先行標準受電装置(Cisco IP Phone や、IEEE 802.3af を完全にはサポートしていないアクセス ポイントなど)がクロス ケーブルでスイッチに接続されている場合、スイッチは、その受電装置をサポートしていない可能性があります。これは、スイッチ ポート上で auto-MIDX がイネーブルかどうかは関係ありません。 |
Power over Ethernet(PoE) |
イネーブル(auto) |
キープアライブ メッセージ |
SFP モジュールでディセーブル。他のすべてのポートでイネーブル |
デュアルパーパス アップリンク ポートのタイプの設定
一部の Catalyst 2960 スイッチでは、デュアルパーパス アップリンク ポートがサポートされています。デフォルトでは、スイッチは、最初にリンクするインターフェイス タイプを動的に選択します。ただし、 media-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、手動で RJ-45 コネクタまたは SFP モジュール コネクタを選択できます。詳細については、「デュアルパーパス アップリンク ポート」を参照してください。
速度およびデュプレックスの設定が行えるようにアクティブにするデュアルパーパス アップリンクを選択するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。この手順は任意です。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定するデュアルパーパス アップリンク ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
media-type { auto-select | rj45 | sfp } |
インターフェイスとデュアルパーパス アップリンク ポートのタイプを選択します。キーワードの意味は次のとおりです。 • auto-select : スイッチが動的にタイプを選択します。リンクがアップの状態になると、アクティブなリンクがダウンの状態になるまで、スイッチによりその他のタイプがディセーブル化されます。アクティブなリンクがダウンの状態になると、いずれかのリンクがアップの状態になるまで、スイッチにより両方のタイプがイネーブル化されます。auto-select モードでは、スイッチにより両方のタイプが速度およびデュプレックスの自動ネゴシエーションに設定されます(デフォルト)。インストールされている SFP モジュールのタイプによって、スイッチで動的に選択が行えない場合もあります。詳細については、この手順のあとの説明を参照してください。 • rj45 : スイッチが SFP モジュール インターフェイスをディセーブル化します。このポートに SFP モジュールを接続している場合、RJ-45 側がダウンの状態になっている、または接続されていない場合でも、リンクは確立できません。このモードでは、デュアルパーパス ポートは 10/100/1000BASE-TX インターフェイスと同様の動作をします。このインターフェイス タイプに対応した速度およびデュプレックスの設定が可能です。 • sfp : スイッチが RJ-45 インターフェイスをディセーブル化します。RJ-45 ポートにケーブルを接続している場合、SFP モジュール側がダウンの状態になっている、または SFP モジュールが接続されていない場合でも、リンクを確立できません。インストールされている SFP モジュールのタイプに基づいて、このインターフェイス タイプに対応した速度およびデュプレックスの設定が可能です。 速度およびデュプレックスの詳細については、「速度とデュプレックス モードの設定時の注意事項」を参照してください。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces interface-id transceiver properties |
設定値を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
デフォルト設定に戻すには、 media-type auto interface または no media-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
スイッチにより両方のタイプが速度およびデュプレックスの自動ネゴシエーションに設定されます(デフォルト)。 auto-select を設定した場合、 speed および duplex インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを設定できません。
スイッチの電源を入れたとき、または shutdown と no shutdown インターフェイス コンフィギュレーション コマンドでデュアルパーパス アップリンク ポートをイネーブルにしたとき、そのスイッチでは、SFP モジュール インターフェイスが優先されます。これ以外の場合、最初にアップの状態になったリンクのタイプに基づいて、アクティブなリンクが選択されます。
Catalyst 2960 スイッチは、100BASE- x (- x は、-BX、-FX-FE、-LX)SFP モジュールに対して次のように動作します。
• 100BASE - x SFP モジュールがモジュール スロットに搭載されていて、RJ-45 側にリンクがない場合、スイッチにより RJ-45 インターフェイスがディセーブル化され、SFP モジュール インターフェイスが選択されます。ケーブルが接続されていない場合や SFP モジュール側にリンクがない場合でも、このようになります。
• 100BASE- x SFP モジュールが搭載されていて、RJ-45 側にリンクがある場合、このリンクを使用して動作が継続されます。リンクがダウンの状態になると、スイッチにより RJ-45 側がディセーブル化され、SFP モジュール インターフェイスが選択されます。
• 100BASE- x SFP モジュールを取り外すと、スイッチにより再び自動的にタイプが選択され( auto-select )、再度 RJ-45 側がイネーブル化されます。
100BASE-FX-GE SFP モジュールの場合、この機能はありません。
インターフェイス速度およびデュプレックス モードの設定
スイッチのイーサネット インターフェイスは、全二重または半二重モードのいずれかで、10、100、または 1000 Mbps で動作します。全二重モードの場合、2 つのステーションが同時にトラフィックを送受信できます。通常、10 Mbps ポートは半二重モードで動作します。これは、各ステーションがトラフィックを受信するか、送信するかのどちらか一方しかできないことを意味します。
スイッチ モデルには、ファスト イーサネット(10/100 Mbps)ポート、ギガビット イーサネット(10/100/1000 Mbps)ポート、着脱可能小型フォーム ファクタ(SFP)モジュールをサポートする SFP モジュール スロットの組み合わせが含まれます。
ここでは、インターフェイス速度とデュプレックス モードの設定手順について説明します。
• 「速度とデュプレックス モードの設定時の注意事項」
• 「インターフェイス速度およびデュプレックス パラメータの設定」
速度とデュプレックス モードの設定時の注意事項
インターフェイス速度およびデュプレックス モードを設定するときには、次の注意事項に留意してください。
• ファスト イーサネット(10/100 Mbps)ポートは、すべての速度およびデュプレックス オプションをサポートします。
• ギガビット イーサネット(10/100/1000 Mbps)ポートは、すべての速度オプションとデュプレックス オプション(自動、半二重、全二重)をサポートします。ただし、1000 Mbps で稼動しているギガビット イーサネット ポートは、半二重モードをサポートしません。
• SFP モジュール ポートの場合、SFP モジュール タイプによって速度とデュプレックスの CLI オプションが変わります。
– 1000 BASE- x ( x には、BX、CWDM、LX、SX、ZX が適宜入ります)SFP モジュール ポートは、 speed インターフェイス コンフィギュレーション コマンドで nonegotiate キーワードをサポートします。デュプレックス オプションはサポートされません。
– 1000BASE-T SFP モジュール ポートは、10/100/1000 Mbps ポートと同一の速度とデュプレックス オプションをサポートします。
– 100BASE- x ( x には、BX、CWDM、LX、SX、ZX が適宜入ります)SFP モジュール ポートは、100 Mbps だけサポートします。これらのモジュールは、全二重および半二重オプションをサポートしますが、自動ネゴシエーションをサポートしません。
スイッチでサポートされる SFP モジュールについては、各製品のリリース ノートを参照してください。
• 回線の両側で自動ネゴシエーションがサポートされる場合は、できるだけデフォルトの auto ネゴシエーションを使用してください。
• 一方のインターフェイスが自動ネゴシエーションをサポートし、もう一方がサポートしない場合は、両方のインターフェイス上でデュプレックスと速度を設定します。サポートする側で auto 設定を使用しないでください。
• STP がイネーブルの場合にポートを再設定すると、スイッチがループの有無を調べるために最大で 30 秒かかる可能性があります。STP の再設定が行われている間、ポート LED はオレンジに点灯します。
注意 インターフェイス速度とデュプレックス モードの設定を変更すると、再設定時にシャットダウンが発生し、インターフェイスが再びイネーブルになることがあります。
インターフェイス速度およびデュプレックス パラメータの設定
物理インターフェイスの速度およびデュプレックス モードを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
speed { 10 | 100 | 1000 | auto [ 10 | 100 | 1000 ] | nonegotiate } |
インターフェイスに対する適切な速度パラメータを入力します。 • インターフェイスの速度を指定するには、 10 、 100 、または 1000 を入力します。 1000 キーワードを使用できるのは、10/100/1000 Mbps ポートに対してだけです。 • インターフェイスに接続されたデバイスと自動ネゴシエーションが行えるようにするには、 auto を入力します。 auto キーワードと一緒に 10 、 100 、または 1000 キーワードを使用した場合、ポートは指定の速度でだけ自動ネゴシエートします。 • nonegotiate キーワードを使用できるのは、SFP モジュール ポートに対してだけです。SFP モジュール ポートは 1000 Mbps だけで動作しますが、自動ネゴシエーションをサポートしていないデバイスに接続されている場合は、ネゴシエートしないように設定できます。 速度の設定の詳細については、「速度とデュプレックス モードの設定時の注意事項」を参照してください。 |
ステップ 4 |
duplex { auto | full | half } |
インターフェイスのデュプレックス パラメータを入力します。 半二重モードをイネーブルにします(10 または 100 Mbps だけで動作するインターフェイスの場合)。1000 Mbps で動作するインターフェイスには半二重モードを設定できません。 デュプレックスの設定の詳細については、「速度とデュプレックス モードの設定時の注意事項」を参照してください。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show interfaces interface-id |
インターフェイス速度およびデュプレックス モード設定を表示します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
インターフェイスをデフォルトの速度およびデュプレックス設定(自動ネゴシエーション)に戻すには、 no speed および no duplex インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。すべてのインターフェイス設定をデフォルトに戻すには、 default interface interface-id インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、10/100 Mbps ポートでインターフェイスの速度を 10 Mbps に、デュプレックス モードを半二重に設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface fasttethernet0/3
Switch(config-if)# speed 10
Switch(config-if)# duplex half
次に、10/100/1000 Mbps ポートで、インターフェイスの速度を 100 Mbps に設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/2
Switch(config-if)# speed 100
IEEE 802.3x フロー制御の設定
フロー制御により、接続しているイーサネット ポートは、輻輳しているノードがリンク動作をもう一方の端で一時停止できるようにすることによって、輻輳時のトラフィック レートを制御できます。あるポートで輻輳が生じ、それ以上はトラフィックを受信できなくなった場合、ポーズ フレームを送信することによって、その状態が解消されるまで送信を中止するように、そのポートから相手ポートに通知します。ポーズ フレームを受信すると、送信側デバイスはデータ パケットの送信を中止するので、輻輳時のデータ パケット損失が防止されます。
(注) Catalyst 2960 ポートは、ポーズ フレームを受信できますが、送信できません。
flowcontrol インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、インターフェイスのポーズ フレームを受信( receive )する能力を on 、 off 、または desired に設定します。デフォルトの状態は off です。
desired に設定した場合、インターフェイスはフロー制御パケットの送信を必要とする接続デバイス、または必要ではないがフロー制御パケットを送信できる接続デバイスに対して動作できます。
デバイスのフロー制御設定には、次のルールが適用されます。
• receive on (または desired ):ポートはポーズ フレームを送信できませんが、ポーズ フレームを送信する必要のある、または送信できる接続デバイスと組み合わせて使用できます。ポーズ フレームの受信は可能です。
• receive off :フロー制御はどちらの方向にも動作しません。輻輳が生じても、リンクの相手側に通知はなく、どちら側のデバイスもポーズ フレームの送受信を行いません。
(注) コマンドの設定と、その結果生じるローカルおよびリモート ポートでのフロー制御解決の詳細については、このリリースのコマンド リファレンスに記載された flowcontrol インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを参照してください。
インターフェイス上でフロー制御を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
flowcontrol { receive } { on | off | desired } |
ポートのフロー制御モードを設定します。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces interface-id |
インターフェイス フロー制御の設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
フロー制御をディセーブルにする場合は、 flowcontrol receive off インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポート上のフロー制御をオンにする例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# flowcontrol receive on
インターフェイス上の Auto-MDIX の設定
インターフェイス上で automatic medium-dependent interface crossover(Auto-MDIX)がイネーブルになっている場合、そのインターフェイスでは、必要なケーブル接続タイプ(ストレートまたはクロス)が自動的に検出され、接続が適切に設定されます。Auto-MDIX 機能を使用せずにスイッチを接続する場合、サーバ、ワークステーション、またはルータなどのデバイスの接続にはストレート ケーブルを使用し、他のスイッチやリピータの接続にはクロス ケーブルを使用する必要があります。Auto-MDIX がイネーブルの場合、他のデバイスとの接続にはどちらのケーブルでも使用でき、ケーブルが正しくない場合はインターフェイスが自動的に修正を行います。ケーブル接続の詳細については、『Hardware Installation Guide』を参照してください。
Auto-MDIX はデフォルトでイネーブルです。Auto-MDIX をイネーブルに設定する場合、Auto-MDIX 機能が正しく動作するようにインターフェイスの速度およびデュプレックスを auto に設定する必要があります。Auto-MDIX はすべての 10/100 および 10/100/1000 Mbps インターフェイスでサポートされます。1000BASE-SX または 1000BASE-LX SFP モジュール インターフェイスではサポートされていません。
表 10-3 に、Auto-MDIX の設定およびケーブル接続ごとのリンク ステートを示します。
表 10-3 リンク状態と Auto-MDIX の設定
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オン |
オン |
リンク アップ |
リンク アップ |
オン |
オフ |
リンク アップ |
リンク アップ |
オフ |
オン |
リンク アップ |
リンク アップ |
オフ |
オフ |
リンク アップ |
リンク ダウン |
インターフェイス上で Auto-MDIX を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
speed auto |
接続されたデバイスと速度の自動ネゴシエーションを行うようにインターフェイスを設定します。 |
ステップ 4 |
duplex auto |
接続されたデバイスとデュプレックス モードの自動ネゴシエーションを行うようにインターフェイスを設定します。 |
ステップ 5 |
mdix auto |
インターフェイス上で Auto-MDIX をイネーブルにします。 |
ステップ 6 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show controllers ethernet-controller interface-id phy |
インターフェイスで Auto-MDIX の動作ステートを確認します。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
Auto-MDIX をディセーブルにするには、 no mdix auto インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポート上の Auto-MDIX をイネーブルにする例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# speed auto
Switch(config-if)# duplex auto
Switch(config-if)# mdix auto
PoE ポートの電力管理モードの設定
(注) スイッチが LAN ベース イメージを実行している場合に限り、PoE コマンドがサポートされます。
通常デフォルト設定(自動モード)での動作は適切に行われ、プラグアンドプレイ動作が提供されます。それ以上の設定は必要ありません。ただし、PoE ポートの優先順位を上げたり、PoE ポートをデータ専用にしたり、最大ワット数を指定して高電力受電装置をポートで禁止したりする場合は、次の手順を実行します。
(注) PoE 設定を変更するとき、設定中のポートでは電力が低下します。新しい設定、その他の PoE ポートの状態、パワー バジェットの状態により、そのポートの電力は再びアップしない場合があります。たとえばポート 1 が自動でオンの状態になっており、そのポートを固定モードに設定するとします。スイッチはポート 1 から電力を排除し、受電装置を検出してポートに電力を再び供給します。ポート 1 が自動でオンの状態になっており、最大ワット数 10 W に設定した場合、スイッチはポートから電力を排除し、受電装置を再び検出し、受電装置がクラス 1、クラス 2、シスコ専用受電装置のうちいずれかである場合、スイッチはポートに電力を再び供給します。
電力管理モードを PoE 対応ポートで設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
power inline { auto [ max max-wattage ] | never | static [ max max-wattage ]} |
ポートに PoE モードを設定します。キーワードの意味は次のとおりです。 • auto :受電装置検出をイネーブルにします。十分な電力が使用可能である場合、デバイスの検出後、PoE ポートに電力が自動的に割り当てられます。これがデフォルトの設定です。 • (任意) max max-wattage: ポートで使用可能な電力を制限します。指定できる範囲は 4000 ~ 15400 ミリワットです。値を指定しない場合は、最大値が許可されます(15400 ミリワット)。 • never :デバイス検出およびポートの電力をディセーブルにします。 コマンドを使用しないでください。問題のあるリンクアップが発生し、ポートが errdisable ステートになることがあります。 • static :受電装置検出をイネーブルにします。スイッチが受電装置を検出する前に、電力がポートにあらかじめ割り当てられます(予約されます)。スイッチは、デバイスが接続されていなくてもこのポートに電力を予約し、デバイスの検出時に電力が供給されることを保証します。 スイッチは、固定モードに設定されているポートに電力を割り当ててから、自動モードに設定されているポートに電力を割り当てます。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show power inline [i nterface-id ] |
スイッチまたは指定されたインターフェイスの PoE ステータスを表示します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
show power inline ユーザ EXEC コマンドの出力については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。PoE 関連コマンドの詳細については、「Power over Ethernet スイッチ ポートのトラブルシューティング」を参照してください。音声 VLAN の設定の詳細については、 第 14 章「音声 VLAN の設定」 を参照してください。
PoE ポートに接続された受電装置の電力バジェット
シスコの受電装置が PoE ポートに接続されている場合、スイッチは、シスコ検出プロトコル(CDP)を使用してデバイスの 実際の 電力消費を判断し、パワー バジェットをそれに合わせて調整します。CDP プロトコルは Cisco 製のデバイスで機能します。IEEE のサードパーティ デバイスでは機能しません。これらのデバイスでは、スイッチは電力要件を許可すると、受電装置の IEEE 分類に従って、パワー バジェットを調整します。受電装置がクラス 0(クラス ステータス不明)またはクラス 3 の場合、スイッチは実際の電力所要量に関係なく、デバイスに 15,400 ミリワットを計上します。受電装置が実際の消費よりも高いクラスをレポートしたり、または電力分類(デフォルトはクラス 0)をサポートしていない場合、スイッチは IEEE クラス情報を使用してグローバル パワー バジェットをトラッキングするため、電力供給できるデバイスが少なくなります。
power inline consumption wattage コンフィギュレーション コマンドを使用すれば、IEEE 分類で指定されたデフォルトの電力要件を上書きできます。IEEE 分類により命令された電力とデバイスが実際に必要な電力の差は、その他のデバイスで使用するために、グローバル パワー バジェットに戻されます。これにより、スイッチのパワー バジェットが拡大され、より効果的に使用できるようになります。
たとえば、スイッチが PoE ポートごとに 15,400 ミリワットを計上する場合、接続できるクラス 0 の受電装置は 24 デバイスだけです。クラス 0 デバイスの実際の電力要件が 5000 ミリワットの場合、消費ワットを 5000 ミリワットに設定し、最大 48 デバイスまで接続できます。24 ポートまたは 48 ポートのスイッチで利用可能な PoE 出力電力の合計は、370,000 ミリワットです。
注意 スイッチのパワー バジェットは慎重に計画し、電力供給をオーバーサブスクライブしないようにする必要があります。
(注) パワー バジェットを手動で設定する場合は、スイッチと受電装置間のケーブルでの電力損失も考慮する必要があります。
power inline consumption default wattage または no power inline consumption default グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力した場合、もしくは power inline consumption wattage または no power inline consumption インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力した場合は、次の注意メッセージが表示されます。
%CAUTION: Interface interface-id: Misconfiguring the 'power inline consumption/allocation' command may cause damage to the switch and void your warranty.Take precaution not to oversubscribe the power supply.
It is recommended to enable power policing if the switch supports it.
電源装置のオーバーサブスクライブが 20 % までならば、スイッチは動作し続けますが、信頼性は低下します。電源装置のオーバーサブスクライブが 20 % を超えると、短絡保護回路が呼び出され、スイッチはシャットダウンされます。
IEEE 電力分類の詳細については、「Power over Ethernet(PoE)ポート」を参照してください。
スイッチの各 PoE ポートに接続された受電装置へのパワー バジェット量を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no cdp run |
(任意)CDP をディセーブルにします。 |
ステップ 3 |
power inline consumption default wattage |
スイッチの各 PoE ポートに接続された受電装置の電力消費を設定します。各デバイスで指定できる範囲は 4000 ~ 15400 ミリワットです。デフォルト値は 15400 ミリワットです。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show power inline consumption |
電力消費ステータスを表示します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
設定をデフォルトに戻すには、 no power inline consumption default グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
特定の PoE ポートに接続された受電装置へのパワー バジェット量を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no cdp run |
(任意)CDP をディセーブルにします。 |
ステップ 3 |
interface interface-id |
設定する物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
power inline consumption wattage |
スイッチの PoE ポートに接続された受電装置の電力消費を設定します。各デバイスで指定できる範囲は 4000 ~ 15400 ミリワットです。デフォルト値は 15400 ミリワットです。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show power inline consumption |
電力消費ステータスを表示します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
設定をデフォルトに戻すには、 no power inline consumption インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
show power inline consumption 特権 EXEC コマンドの出力の詳細については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。
電力ポリシングの設定
デフォルトではスイッチは、接続されている受電装置のリアルタイム電力消費を監視します。電力消費にポリシングを行うようにスイッチを設定できます。デフォルトではポリシングはディセーブルです。
スイッチが使用するカットオフ電力量、電力消費量、および接続されている受電装置の実際の電力消費量の詳細については、「Power Monitoring and Power Policing」セクションを参照してください。
PoE ポートに接続されている受電装置のリアルタイム電力消費ポリシングをイネーブルにするには、特権 EXEC モードで、次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
power inline police [ action log ] |
ポートでリアルタイム電力消費が最大電力割り当てを超えるときに、次のいずれかのアクションを実行するようにスイッチを設定します。 • PoE ポートをシャットダウンし、このポートへの電力供給をオフにし、このポートを errdisable ステートにする( power inline police コマンドを入力)。 グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、PoE errdisable ステートから回復するためのタイマーをイネーブルにすることもできます。 • ポートに電力を供給しながら Syslog メッセージを生成する( power inline police action log コマンドを入力)。 action log キーワードを入力しない場合、デフォルトのアクションによってポートがシャットダウンされ、errdisable ステートになります。 |
ステップ 4 |
exit |
グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
errdisable detect cause inline-power および errdisable recovery cause inline-power および errdisable recovery interval interval |
(任意)PoE errdisable ステートからのエラー回復をイネーブルにし、PoE 回復メカニズム変数を設定します。 interval interval では、errdisable ステートから回復する時間を秒単位で指定します。指定できる範囲は 30 ~ 86400 です。 デフォルトの回復間隔は 300 秒です。 |
ステップ 6 |
exit |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show power inline police show errdisable recovery |
電力モニタリング ステータスを表示し、エラー回復設定を確認します。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
リアルタイム電力消費のポリシングをディセーブルにするには、 no power inline police インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。PoE errdisable の原因についてエラー回復をディセーブルにするには、 no errdisable recovery cause inline-power グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
show power inline police 特権 EXEC コマンドの出力の詳細については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。
インターフェイスに関する記述の追加
インターフェイスの機能に関する記述を追加できます。追加した記述は、 show configuration 、 show running-config 、および show interfaces 特権 EXEC コマンドの出力に表示されます。
インターフェイスに関する記述を追加するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
記述を追加するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
description string |
インターフェイスに関する記述を追加します(最大 240 文字)。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces interface-id description または show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
記述を削除するには、 no description インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポートに記述を追加して、その記述を確認する例を示します。
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface gigabitethernet0/2
Switch(config-if)# description Connects to Marketing
Switch# show interfaces gigabitethernet0/2 description
Interface Status Protocol Description
Gi0/2 admin down down Connects to Marketing
システム MTU の設定
スイッチ上のすべてのインターフェイスで送受信されるフレームのデフォルト Maximum Transmission Unit(MTU; 最大伝送ユニット)サイズは、1500 バイトです。10 または 100 Mbps で動作するすべてのインターフェイスで MTU サイズを増やすには、 system mtu グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。また、 system mtu jumbo グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、すべてのギガビット イーサネット インターフェイス上でジャンボ フレームをサポートするように MTU サイズを増やすことができます。
system mtu コマンドはギガビット イーサネット ポートには影響せず、system mtu jumbo コマンドは 10/100 ポートには影響しません。 system mtu jumbo コマンドを設定していない場合、 system mtu コマンドの設定はすべてのギガビット イーサネット インターフェイスに適用されます。
個々のインターフェイスには MTU サイズを設定できません。スイッチ上のすべての 10/100 インターフェイスまたはすべてのギガビット イーサネット インターフェイスに対して設定されます。システムまたはジャンボ MTU サイズを変更した場合は、スイッチをリセットしなければ、新しい設定は有効になりません。
スイッチの CPU が受信できるフレーム サイズは、system mtu または system mtu jumbo コマンドで入力した値に関係なく、1998 バイトに制限されています。通常、転送されたフレームは CPU によって受信されませんが、場合によっては、制御トラフィック、SNMP、または Telnet へ送信されたトラフィックなどのパケットが CPU へ送信されることがあります。
(注) ギガビット イーサネット インターフェイスが、10/100 インターフェイスより大きいサイズのフレームを受け取るように設定されている場合、ギガビット イーサネット インターフェイスに着信するジャンボ フレームと 10/100 インターフェイスで発信されるジャンボ フレームは廃棄されます。
すべての 10/100 またはギガビット イーサネット インターフェイスで MTU サイズを変更するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
system mtu bytes |
(任意)スイッチ上で 10 または 100 Mbps で稼動しているすべてのインターフェイスに対して MTU サイズを変更します。指定できる範囲は、1500 ~ 1998 バイトです。デフォルトは 1500 バイトです。 |
ステップ 3 |
system mtu jumbo bytes |
(任意)スイッチのすべてのギガビット イーサネット インターフェイスに対して MTU サイズを変更します。指定できる範囲は 1500 ~ 9000 バイトです。デフォルトは 1500 バイトです。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
ステップ 6 |
reload |
オペレーティング システムをリロードします。 |
特定のインターフェイス タイプで許容範囲外の値を入力した場合、その値は受け入れられません。
スイッチのリロード後、show system mtu 特権 EXEC コマンドを入力することによって、設定値を確認できます。
次に、ギガビット イーサネット ポートの最大パケット サイズを 1800 バイトに設定する例を示します。
Switch(config)# system mtu jumbo 1800
次に、ギガビット イーサネット インターフェイスを範囲外の値に設定しようとした場合に表示される応答の例を示します。
Switch(config)# system mtu jumbo 25000
% Invalid input detected at '^' marker.