SDM テンプレートの設定
この章では、Catalyst 2960スイッチで Switch Database Management(SDM; スイッチ データベース管理)テンプレートを設定する方法について説明します。
(注) この章で使用するコマンドの構文および使用方法の詳細については、このリリースに対応するコマンド リファレンスを参照してください。
この章で説明する内容は、次のとおりです。
• 「SDM テンプレートの概要」
• 「スイッチ SDM テンプレートの設定」
• 「SDM テンプレートの表示」
SDM テンプレートの概要
ネットワークでのスイッチの使用状況に応じて、SDM テンプレートを使用して、特定の機能に対するサポートを最適化するようにスイッチのシステム リソースを設定できます。一部の機能にシステムを最大限に利用させるようにテンプレートを選択したり、デフォルト テンプレートを使用してリソースを均衡化することができます。
Ternary CAM(TCAM)リソースをさまざまな用途に割り当てるために、スイッチ SDM テンプレートはシステム リソースにプライオリティを設定して、特定の機能のサポートを最適化します。SDM テンプレートを選択すると、次に示す機能を最適化することができます。
• デフォルト:デフォルト テンプレートは、すべての機能に均等にリソースを割り当てます。
• QoS:QoS テンプレートは、Quality of Service(QoS)Access Control Entry(ACE; アクセス制御エントリ)のためのシステム リソースを最大にします。
• デュアル:デュアル IPv4 および デュアル IPv6 テンプレートを使用することにより、(IPv4 と IPv6 の両方をサポートする)デュアル スタック環境でスイッチを使用できるようになります。デュアル スタック テンプレートを使用すると、各リソースで許容できる TCAM 容量が少なくなります。IPv4 トラフィックだけを転送する場合は、使用しないでください。
表 7-1 に、各テンプレートでサポートされるリソースごとの概数を示します。
表 7-1 各テンプレートが許容する機能リソースの概数
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ユニキャスト MAC アドレス |
8 K |
8 K |
8 K |
IPv4 IGMP グループ |
256 |
256 |
256 |
IPv4 ユニキャスト ルート |
0 |
0 |
0 |
IPv6 マルチキャスト グループ |
0 |
0 |
0 |
直接接続された IPv6 アドレス |
0 |
0 |
0 |
間接的な IPv6 ユニキャスト ルート |
0 |
0 |
0 |
IPv4 ポリシーベース ルーティング ACE |
0 |
0 |
0 |
IPv4 MAC QoS ACE |
128 |
384 |
0 |
IPv4 MAC セキュリティ ACE |
384 |
128 |
256 |
IPv6 ポリシーベース ルーティング ACE |
0 |
0 |
0 |
IPv4 MAC QoS ACE |
0 |
0 |
0 |
IPv4 MAC セキュリティ ACE |
0 |
0 |
0 |
表内の各行は、各テンプレートが選択されたときに設定されるハードウェアのおおよその限度を表します。ハードウェア リソースのある部分が一杯の場合は、処理のオーバーフローはすべて CPU に送られ、スイッチのパフォーマンスに重大な影響が出ます。
スイッチ SDM テンプレートの設定
ここでは、次の設定情報について説明します。
• 「デフォルトの SDM テンプレート」
• 「SDM テンプレートの設定時の注意事項」
• 「SDM テンプレートの設定」
デフォルトの SDM テンプレート
デフォルト テンプレートがデフォルトです。
SDM テンプレートの設定時の注意事項
SDM テンプレートを選択して設定する場合は、次の注意事項に従ってください。
• SDM テンプレートを選択して設定する場合、設定した内容を有効にするには、スイッチをリロードする必要があります。
• デュアル IPv4/IPv6 テンプレートを最初に選択しないで IPv6 機能を設定しようとすると、警告メッセージが生成されます。
• デュアル スタック テンプレートを使用すると、リソースごとに使用可能な TCAM 容量が少なくなるため、IPv4 トラフィックだけを転送する場合は、このテンプレートを使用しないでください。
SDM テンプレートの設定
SDM テンプレートを使用して機能動作を最適にサポートするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
sdm prefer { default | dual-ipv4-and-ipv6 default | qos } |
スイッチで使用する SDM テンプレートを指定します。 キーワードの意味は次のとおりです。 • default :すべての機能に均等にリソースを割り当てます。 • dual-ipv4-and-ipv6 default :デュアル スタック環境でスイッチを使用できるようになります(IPv4 および IPv6 がサポートされます)。 • qos :QoS ACE 用のシステム リソースを最大にします。 スイッチをデフォルト テンプレートに設定するには、 no sdm prefer コマンドを使用します。 デフォルト テンプレートは、システム リソースの使用を均衡化します。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
reload |
オペレーティング システムをリロードします。 |
システムの再起動後、 show sdm prefer 特権 EXEC コマンドを使用して、新しいテンプレート設定を確認できます。 reload 特権 EXEC コマンドの前に show sdm prefer コマンドを入力すると、 show sdm prefer コマンドによって、現在使用しているテンプレートと、再起動後にアクティブになるテンプレートが表示されます。
SDM テンプレートの表示
アクティブ テンプレートを表示するには、パラメータを指定せずに show sdm prefer 特権 EXEC コマンドを使用します。
特定のテンプレートでサポートされるリソース数を表示するには、 show sdm prefer [ default | dual-ipv4-and-ipv6 default | qos ] 特権 EXEC コマンドを使用します。