オンライン診断の概要
オンライン診断では、稼動中のネットワークにスイッチが接続されている間にスイッチのハードウェア機能のテストと検証を実行できます。
オンライン診断には、個別のハードウェア コンポーネントをチェックし、データ パスおよび制御信号を検証するパケット スイッチング テストが含まれています。
オンライン診断では、次の領域での問題を検出できます。
• ハードウェア コンポーネント
• インターフェイス(イーサネット ポートなど)
• はんだ接合
オンライン診断は、オンデマンド診断、スケジュール診断、またはヘルス モニタリング診断に分類されます。オンデマンド診断は、Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)から実行します。スケジュール診断は、ユーザが指定する時間間隔で実行するか、またはスイッチが稼動中のネットワークに接続している間の指定された時間に実行します。ヘルス モニタリングはバックグランドで実行します。
オンライン診断の設定
診断モニタリングをイネーブルにする前に、障害のしきい値とテストの間隔を設定する必要があります 。
• 「オンライン診断のスケジューリング」
• 「ヘルス モニタリング診断の設定」
オンライン診断のスケジューリング
特定のスイッチについて指定した時間、または日、週、月単位でオンライン診断をスケジューリングできます。スケジュールを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。
オンライン診断をスケジューリングするには、次のグローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
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diagnostic schedule switch nu mber test { name | test-id | test-id-range | all | basic | non-disruptive } { daily hh : mm | on mm dd yyyy hh : mm | weekly day-of-week hh : mm } |
特定日時のオンデマンド診断テストをスケジュールします。 switch number キーワードは、スイッチでだけサポートされます。指定できる範囲は 1 ~ 9 です。 スケジュールするテストを指定する場合は、次のオプションを使用します。 • name : show diagnostic content コマンドの出力に表示されるテストの名前 • test-id : show diagnostic content コマンドの出力に表示されるテストの ID 番号 • test-id-range : show diagnostic content コマンドの出力に表示される複数のテストの ID 番号 • all :すべての診断テスト • basic :オンデマンド診断テストの基本テスト • non-disruptive :中断を伴わないヘルス モニタリング テスト テストは次のようにスケジュールできます。 • 毎日: daily hh : mm パラメータを使用 • 特定日時: on mm dd yyyy hh : mm パラメータを使用 • 毎週: weekly day-of-week hh : mm パラメータを使用 このコマンドの詳細については、このリリースに対応するコマンド リファレンスを参照してください。 |
スケジュール済みのテストを削除するには、 no diagnostic schedule switch nu mber test { name | test-id | test-id-range | all | basic | non-disruptive } { daily hh : mm | on mm dd yyyy hh : mm | weekly day-of-week hh : mm } グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
スイッチに対して、特定の日時にスケジュール診断テストを実行するようにスケジューリングする例を示します。
Switch(config)# diagnostic schedule test TestPortAsicCam on december 3 2006 22:25
次に、Catalyst 3750-X スタック マスターにコマンドを入力し、メンバー スイッチ 6 に対して、毎週特定の時間にスケジュール診断テストを実行するようにスケジューリングする例を示します。
Switch(config)# diagnostic schedule switch 6 test 1-4,7 weekly saturday 10:30
他の例については、このリリースに対応するコマンド リファレンスにある、 diagnostic schedule コマンドの「Examples」を参照してください。
ヘルス モニタリング診断の設定
スイッチが稼動中のネットワークに接続されている間に、スイッチに対しヘルス モニタリング診断テストを設定できます。ヘルス モニタリング テストの実行間隔を設定したり、テスト失敗時のスイッチの Syslog メッセージ生成をイネーブルにしたり、特定のテストをイネーブルにできます。
デフォルトでは、ヘルス モニタリングはディセーブルですが、スイッチはテストの失敗時に Syslog メッセージを生成します。
ヘルス モニタリング診断テストを設定しイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
diagnostic monitor interval switch number test { name | test-id | test-id-range | all } hh:mm:ss milliseconds day |
特定のテストのヘルス モニタリング間隔を設定します。 switch number キーワードは、Catalyst 3750-X スイッチでだけサポートされます。指定できる範囲は 1 ~ 9 です。 テストを指定する場合は、次のいずれかのパラメータを使用します。 • name : show diagnostic content コマンドの出力に表示されるテストの名前 • test-id : show diagnostic content コマンドの出力に表示されるテストの ID 番号 • test-id-range : show diagnostic content コマンドの出力に表示される複数のテストの ID 番号 • all :すべての診断テスト 間隔を指定する場合は、次のパラメータを設定します。 • hh:mm:ss :モニタリング間隔(時間、分、秒)。指定できる範囲は、 hh が 0 ~ 24、 mm および ss が 0 ~ 60 です。 • milliseconds :モニタリング間隔(ミリ秒(ms))。指定できる範囲は 0 ~ 999 です。 • day :モニタリング間隔(日数)。指定できる範囲は 0 ~ 20 です。 |
ステップ 3 |
diagnostic monitor syslog |
(任意)ヘルス モニタリング テストの失敗時にスイッチが Syslog メッセージを生成するように設定します。 |
ステップ 4 |
diagnostic monitor threshold switch number test { name | test-id | test-id-range | all } failure count count |
(任意)ヘルス モニタリング テストの失敗しきい値を設定します。 switch number キーワードは、Catalyst 3750-X スイッチでだけサポートされます。指定できる範囲は 1 ~ 9 です。 テストを指定する場合は、次のいずれかのパラメータを使用します。 • name : show diagnostic content コマンドの出力に表示されるテストの名前 • test-id : show diagnostic content コマンドの出力に表示されるテストの ID 番号 • test-id-range : show diagnostic content コマンドの出力に表示される複数のテストの ID 番号 • all :すべての診断テスト 失敗しきい値 count に指定できる範囲は 0 ~ 99 です。 |
ステップ 5 |
diagnostic monitor switch number test { name | test-id | test-id-range | all } |
特定のヘルス モニタリング テストをイネーブルにします。 switch number キーワードは、Catalyst 3750-X スイッチでだけサポートされます。指定できる範囲は 1 ~ 9 です。 テストを指定する場合は、次のいずれかのパラメータを使用します。 • name : show diagnostic content コマンドの出力に表示されるテストの名前 • test-id : show diagnostic content コマンドの出力に表示されるテストの ID 番号 • test-id-range : show diagnostic content コマンドの出力に表示される複数のテストの ID 番号 • all :すべての診断テスト |
ステップ 6 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show diagnostic { content | post | result | schedule | status | switch } |
オンライン診断のテスト結果およびサポートされるテスト スイートを表示します。詳細については、「オンライン診断テストおよびテスト結果の表示」を参照してください。 |
ステップ 8 |
show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 9 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
診断テストをディセーブルにし、デフォルトの設定に戻すには、次のコマンドを使用します。
• オンライン診断テストをディセーブルにするには、 no diagnostic monitor switch num ber test { name | test-id | test-id-range | all } グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
• デフォルトのヘルス モニタリング間隔に戻すには、 no diagnostic monitor interval switch number test { name | test-id | test-id-range | all } グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
• ヘルス モニタリング テストの失敗時にスイッチが Syslog を生成しないように設定するには、 no diagnostic monitor syslog グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
• デフォルトの失敗しきい値に戻るには、 no diagnostic monitor threshold switch number test { name | test-id | test-id-range | all } failure count count グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
(注) switch number キーワードは、Catalyst 3750-X スイッチでだけサポートされます。
次に、ヘルス モニタリング テストを設定する例を示します。
Switch(config)#
diagnostic monitor threshold switch 3 test 1 failure count 50
Switch(config)# diagnostic monitor interval switch 3 test TestPortAsicRingLoopback
オンライン診断テストの実行
オンライン診断を設定したあと、手動で診断テストを開始したり、テスト結果を表示したりできます。また、スイッチまたはスイッチ スタックに設定されているテストの種類、およびすでに実行された診断テスト名を確認できます。
• 「オンライン診断テストの開始」
• 「オンライン診断テストおよびテスト結果の表示」
オンライン診断テストの開始
スイッチで実行する診断テストを設定したあと、diagnostic start 特権 EXEC コマンドを使用して診断テストを開始します。
手動でオンライン診断テストを開始するには、次の特権 EXEC コマンドを使用します。
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diagnostic start switch number test { name | test-id | test-id-range | all | basic | non-disruptive} |
診断テストを開始します。 switch number キーワードは、Catalyst 3750-X スイッチでだけサポートされます。指定できる範囲は 1 ~ 9 です。 次のいずれかのオプションを使用してテストを指定できます。 • name :テストの名前を入力します。テスト ID の一覧を表示するには、 show diagnostic content 特権 EXEC コマンドを使用します。 • test-id :テストの ID 番号を入力します。テスト ID の一覧を表示するには、 show diagnostic content 特権 EXEC コマンドを使用します。 • test-id-range :カンマとハイフンで区切ってテスト ID の範囲を 整数で入力します。詳細については、このリリースに対応するコマンド リファレンスにある diagnostic start コマンドを参照してください。 • all :すべてのテストを実行する場合はこのキーワードを使用します。 • basic :基本テスト スイートを実行する場合はこのキーワードを使用します。 • non-disruptive :中断を伴わないテスト スイートを実行する場合はこのキーワードを使用します。 |
テストを開始したら、テスト プロセスの停止はできません。
次に、テスト名を指定して診断テストを開始する例を示します。
Switch# diagnostic start switch 2 test TestInlinePwrCtlr
次に、すべての基本診断テストを開始する例を示します。
Switch# diagnostic start switch 1 test all
オンライン診断テストおよびテスト結果の表示
スイッチまたはスイッチ スタックに設定されているオンライン診断テストを表示し、 表 51-1 に示す show 特権 EXEC コマンドを使用してテスト結果を確認することができます。
表 51-1 診断テスト設定および結果を表示するコマンド
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show diagnostic content switch [ number | all ] |
スイッチに設定されているオンライン診断を表示します。 |
show diagnostic status |
現在実行中の診断テストを表示します。 |
show diagnostic result switch [ number | all ]1 [ detail | test { name | test-id | test-id-range | all } [ detail ]] |
オンライン診断テストの結果を表示します。 |
show diagnostic switch [ number | all ]1 [ detail ] |
オンライン診断テストの結果を表示します。 |
show diagnostic schedule switch [ number | all ]1 |
オンライン診断テストのスケジュールを表示します。 |
show diagnostic post |
POST 結果を表示します(この出力は、 show post コマンドの出力と同じです)。 |
show diagnostic コマンドの出力例については、このリリースに対応するコマンド リファレンスにある show diagnostic コマンドの「Examples」を参照してください。