スイッチ スタックの概要
スイッチ スタック は、StackWise ポートを介して接続された最大 9 台の Catalyst 3750 スイッチから構成されます。スイッチのうち 1 台がスタックの動作を制御し、このスイッチは スタック マスター といいます。スタック マスターとスタック内の他のスイッチが、 スタック メンバー です。スタック メンバーは、Cisco StackWise テクノロジーを使用して、1 つの統合システムとして連携し動作します。レイヤ 2 およびレイヤ 3 プロトコルは、ネットワークに対して、スイッチ スタック全体を単一のエンティティとして提供します。
スタック マスターは、スタック全体を管理するための単一拠点となります。スタック マスターから、次のものを設定します。
• すべてのスタック メンバーに適用されるシステム レベル(グローバル)の機能
• スタック メンバーごとのインターフェイス レベルの機能
スイッチ スタックは、 ブリッジ ID によって、または、スイッチ スタックがレイヤ 3 デバイスとして動作している場合はルータ MAC(メディア アクセス制御)アドレスによって、ネットワーク内で識別されます。ブリッジ ID とルータ MAC アドレスは、スタック マスターの MAC アドレスによって決まります。各スタック メンバーは、専用の スタック メンバー番号 によって一意に識別されます。
スタック メンバーはすべて、スタック マスターになる条件を満たしています。スタック マスターが使用不能になると、残りのスタック メンバーの中から新しいスタック マスターが選択されます。さまざまなファクタによって、どのスイッチがスタック マスターになるかが決まります。そのファクタの 1 つが、 スタック メンバー プライオリティ値 です。最高のプライオリティ値を持つスイッチが、スタック マスターになります。
スタック マスターでサポートされているシステム レベルの機能は、スイッチ スタック全体でサポートされます。
IP ベース イメージ ソフトウェアまたは IP サービス イメージ ソフトウェアの暗号化(暗号化をサポートする)バージョンを実行しているスイッチがスタックに存在する場合は、そのスイッチをスタック マスターにしてください。スタック マスターが IP ベース イメージ ソフトウェアまたは IP サービス イメージ ソフトウェアの非暗号化バージョンを実行している場合、暗号化機能は使用できません。
スタック マスターには、スイッチ スタックの保存済みの実行コンフィギュレーション ファイルが格納されています。コンフィギュレーション ファイルには、スイッチ スタックのシステム レベルの設定と、スタック メンバーごとのインターフェイス レベルの設定が含まれます。各スタック メンバーは、バックアップ目的で、これらのファイルの現在のコピーを保持します。
スイッチ スタックは、単一の IP アドレスを使用して管理します。IP アドレスは、システム レベルの設定値で、スタック マスターや他のスタック メンバー固有の設定ではありません。スタックからスタック マスターや他のスタック メンバーを削除しても、同じ IP アドレスを使用してスタックを管理できます。
次の方法を用いて、スイッチ スタックを管理できます。
• Network Assistant(Cisco.com から入手できます)
• すべてのスタック メンバーのコンソール ポートへのシリアル接続を介した CLI(コマンドライン インターフェイス)
• SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)を介したネットワーク管理アプリケーション
(注) SNMP を使用して、サポートされる MIB によって定義されるスイッチ スタック全体のネットワーク機能を管理します。スイッチは、スタック メンバーシップや選択などのスタック固有の機能を管理するための MIB をサポートしません。
• CiscoWorks ネットワーク管理ソフトウェア
スイッチ スタックを管理するには、次のことを理解している必要があります。
• スイッチ スタックの形成に関する概念:
–「スイッチ スタックのメンバーシップ」
–「スタック マスターの選択と再選択」
• スイッチ スタックとスタック メンバーの設定方法に関する概念:
–「スイッチ スタック ブリッジ ID とルータ MAC アドレス」
–「スタック メンバー番号」
–「スタック メンバーのプライオリティ値」
–「スイッチ スタックのオフライン設定」
–「スイッチ スタックのハードウェア互換性と SDM 不一致モード」
–「スイッチ スタックのソフトウェア互換性に関する推奨事項」
–「スタック プロトコル バージョンの互換性」
–「スイッチ間のメジャー バージョン番号の非互換性」
–「スイッチ間のマイナー バージョン番号の非互換性」
–「互換性のないソフトウェアおよびスタック メンバー イメージのアップグレード」
–「スイッチ スタックのコンフィギュレーション ファイル」
–「スイッチ スタックのシステム全体の設定に関する補足考慮事項」
–「スイッチ スタックの管理接続」
–「スイッチ スタックの設定のシナリオ」
(注) スイッチ スタックは、スイッチ クラスタとは別物です。スイッチ クラスタは、10/100/1000 ポートなどのスイッチ自身の LAN ポートを使用して接続されたスイッチのセットです。スイッチ スタックとスイッチ クラスタの違いの詳細については、Cisco.com で入手できる『Getting Started with Cisco Network Assistant』の「Planning and Creating Clusters」の章を参照してください。
スイッチ スタックのメンバーシップ
スイッチ スタックは、StackWise ポートを使用して接続された最大 9 台のスタック メンバーから構成されます。スイッチ スタックには、常に 1 台のスタック マスターが存在します。
スタンドアロン スイッチは、スタック マスターとしても動作するスタック メンバーを 1 つだけ持つスイッチ スタックです。スタンドアロン スイッチを別のスイッチへ接続して(2 台のスタンドアロン スイッチから構成されたスイッチ スタックの作成を参照)、2 つのスタック メンバー(どちらか一方がスタック マスター)を持つスイッチ スタックを作成することができます。スタンドアロン スイッチを既存のスイッチ スタックに接続して(スタンドアロン スイッチのスイッチ スタックへの追加を参照)、スタック メンバーシップを増やすこともできます。
スタック メンバーを同一のモデルと交換した場合、新たなスイッチは交換されたスイッチと同じメンバー番号を使用すれば、交換されたスイッチとまったく同じ設定で機能します。スイッチ スタックを割り当てる利点については、「スイッチ スタックのオフライン設定」を参照してください。障害の発生したスイッチの交換については、ハードウェア インストレーション ガイドの「Troubleshooting」の章を参照してください。
スタック マスターを削除したり、電源の入ったスタンドアロン スイッチまたはスイッチ スタックを追加したりしないかぎり、メンバーシップの変更中も、スイッチ スタックの動作は間断なく継続されます。
(注) スイッチ スタックに追加または削除するスイッチの電源が切断されていることを確認します。
スタック メンバーを追加または削除したあとで、スイッチ スタックがすべての帯域幅(32 Gbps)で動作していることを確認します。スタック モード LED が点灯するまで、スタック メンバーの Mode ボタンを押します。スタック内のすべてのスイッチの最後の 2 つのポート LED は、グリーンに点灯します。スイッチ モデルに応じて、最後の 2 つのポートは 10/100/1000 ポートまたは Small Form-factor Pluggable(SFP)モジュール ポートになります。いずれかのスイッチで、最後の 2 つのポート LED の一方または両方がグリーンでない場合、スタックは全帯域幅で稼働していません。
• 電源が入っているスイッチを追加すると(マージ)、マージ中のスイッチ スタックの各スタック マスターは、自分達の中から 1 台のスタック マスターを選択します。再選択されたスタック マスターは、マスターの役割と設定を保持し、スタック メンバーもメンバーの役割と設定を保持します。それ以前のスタック マスターを含め残りのすべてのスイッチは、リロードされ、スタック メンバーとしてスイッチ スタックに参加します。それらは、スタック メンバー番号を使用可能な最小の番号に変更し、再選択されたスタック マスターのスタック設定を使用します。
• 電源がオンの状態のスタック メンバーを取り外すと、スイッチ スタックがそれぞれ同じ設定を持つ複数のスイッチ スタックに分割(パーティション化)されます。そのため、ネットワーク内で IP アドレス設定が競合してしまうことがあります。スイッチ スタックを分割状態のまま使用する場合は、新規に作成されたスイッチ スタックの IP アドレスを変更します。スイッチ スタックを分割しない場合は、次の手順を実行します。
a. 新規に作成されたスイッチ スタックの電源を切断します。
b. 新しいスイッチ スタックを、StackWise ポートを介して元のスイッチ スタックに再度接続します。
c. スイッチの電源をオンにします。
スイッチ スタックの配線方法および電源の投入方法の詳細については、ハードウェア インストレーション ガイドの「Switch Installation」の章を参照してください。
図5-1 2 台のスタンドアロン スイッチから構成されたスイッチ スタックの作成
図5-2 スタンドアロン スイッチのスイッチ スタックへの追加
スタック マスターの選択と再選択
スタック マスターは、次にリストした順番で、いずれかのファクタに基づいて選択または再選択されます。
1. 現在スタック マスターであるスイッチ
2. 最高のスタック メンバー プライオリティ値を持つスイッチ
(注) スタック マスターにするスイッチには、最高のプライオリティ値を割り当てることを推奨します。これにより、再選択の実行時には、必ずそのスイッチがスタック マスターとして選択されます。
3. デフォルトのインターフェイス レベルの設定を使用していないスイッチ
4. よりプライオリティの高いスイッチ ソフトウェア バージョンのスイッチ。次に、最高プライオリティから最低プライオリティへ順番にスイッチ ソフトウェア バージョンをリストします。
–暗号化 IP サービス イメージ ソフトウェア
–非暗号化 IP サービス イメージ ソフトウェア
–暗号化 IP ベース イメージ ソフトウェア
–非暗号化 IP ベース イメージ ソフトウェア
スタック内でマスター スイッチを選択している間は、Catalyst 3750 IP サービス イメージ暗号化イメージのプライオリティが、Catalyst 3750 IP ベース イメージよりも高くなります。ただし、スタック内の複数のスイッチが異なるソフトウェア イメージ(Cisco IOS Release 12.1(11)AX の IP ベース イメージ、Cisco IOS Release 12.1(19)EA1 以上の暗号化 IP サービス イメージなど)を使用する場合は、IP ベース イメージを稼働するスイッチがスタック マスターとして選択されます。これは、暗号化 IP サービス イメージを稼働するスイッチの開始が、IP ベース イメージを稼働するスイッチよりも 10 秒以上長くかかるからです。IP サービス イメージを稼働するスイッチは、10 秒間続くマスター選択プロセスから除外されます。この問題を防ぐには、IP ベース イメージを稼働するスイッチを Cisco IOS Release 12.1(11)AX 以降のソフトウェア リリースにアップグレードするか、手動でマスター スイッチを起動して新しいメンバー スイッチを起動するまで最低 8 秒待ちます。
5. システムのアップタイムが最長のスイッチ
6. MAC アドレスが最小のスイッチ
スタック マスターは、次のイベントのいずれかが発生しないかぎり、役割を維持します。
• スイッチ スタックがリセットされた。 *
• スタック マスターがスイッチ スタックから削除された。
• スタック マスターがリセットされたか、電源が切れた。
• スタック マスターに障害が発生した。
• 電源の入ったスタンドアロン スイッチまたはスイッチ スタックが追加され、スイッチ スタック メンバーシップが増えた。 *
アスタリスク(*)がマークされたイベントでは、リストされたファクタに基づいて現在のスタック マスターが再選択される 可能性があります 。
スイッチ スタック全体に電源を入れるかリセットすると、一部のスタック メンバーがスタック マスター選択に参加 しない場合があります 。同じ 20 秒の間に電源が投入されたスタック メンバーは、スタック マスターの選択に参加し、スタック マスターとして選択される可能性があります。20 秒間経過後に電源が投入されたスタック メンバーは、この初回の選択には参加せず、単にスタック メンバーになります。再選択には、すべてのスタック メンバーが参加します。スイッチ マスターの選択に影響する電源投入の考慮事項の詳細については、ハードウェア インストレーション ガイドの「Switch Installation」の章を参照してください。
(注) Cisco IOS Release 12.2(20)SE3 より前のリリースが稼働するスイッチでは、10 秒経過後にスタック マスターが選択されます。
数秒後、新たなスタック マスターが使用可能になります。その間、スイッチ スタックはメモリ内の転送テーブルを使用して、ネットワークの中断を最小限に抑えます。新たなスタック マスターが選択され、リセットされている間、他の使用可能なスタック メンバーの物理インターフェイスには何も影響はありません。
新たなスタック マスターが選択され、以前のスタック マスターが使用可能になっても、以前のスタック マスターはスタック マスターとしての役割は再開 しません 。
ハードウェア インストレーション ガイドに記載されているとおり、スイッチの Master LED を使用して、そのスイッチがスタック マスターかどうかを確認できます。
スイッチ スタック ブリッジ ID とルータ MAC アドレス
ネットワーク内のスイッチ スタックは、ブリッジ ID とルータ MAC アドレスによって識別されます。スイッチ スタックが初期化すると、スタック マスターの MAC アドレスによってブリッジ ID とルータ MAC アドレスが決定します。
スタック マスターが変わると、新たなスタック マスターの MAC アドレスによって、新たなブリッジ ID とルータ MAC アドレスが決定します。ただし、固定 MAC アドレス機能がイネーブルの場合、スタック MAC アドレスが変更されるまで約 4 分の遅延があります。この期間、前のスタック マスターがスタックに復帰すると、スイッチがスタック メンバーであってスタック マスターではない場合でも、スタックはその MAC アドレスをスタック MAC アドレスとして使用し続けます。前のスタック マスターがこの期間にスタックに復帰しない場合、スイッチ スタックは新しいスタック マスターの MAC アドレスをスタック MAC アドレスとして取得します。詳細については、「固定 MAC アドレスのイネーブル化」を参照してください。
スタック メンバー番号
スタック メンバー番号(1 ~ 9)は、スイッチ スタック内の各メンバーを識別します。また、メンバー番号によって、スタック メンバーが使用するインターフェイス レベルの設定が決定します。
show switch ユーザ EXEC コマンドを使用すると、スタック メンバー番号を表示できます。
新品のスイッチ(スイッチ スタックに参加していないか、手動でスタックメンバー番号が割り当てられていないスイッチ)は、デフォルトのスタック メンバー番号 1 が設定された状態で出荷されています。スイッチ スタックに参加すると、デフォルトのスタック メンバー番号はスタック内の使用可能なメンバー番号の中で最小の番号に変更されます。
同じスイッチ スタック内のスタック メンバーは、同じスタック メンバー番号を持つことはできません。スタンドアロン スイッチを含む各スタック メンバーは、番号を手動で変更するか、番号がスタック内の別のメンバーによってすでに使用されているかしないかぎり、自分のメンバー番号を保持します。
• switch current-stack-member-number renumber new-stack-member-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して手動でスタック メンバー番号を変更した場合は、その番号がスタック内の他のメンバーに未割り当てなときにだけ、そのスタック メンバーのリセット後(または、 reload slot stack-member-number イネーブル EXEC コマンドの使用後)に、新たな番号が有効となります。詳細については、「スタック メンバー番号の割り当て」を参照してください。スタック メンバー番号を変更するもう 1 つの方法は、「環境変数の管理」に記載されているとおりに、SWITCH_NUMBER 環境変数を変更することです。
その番号がスタック内の別のメンバーによって使用されている場合、スイッチはスタック内で使用可能な最小の番号を選択します。
手動でスタック メンバーの番号を変更し、新たなメンバー番号にインターフェイス レベルの設定が関連付けられていない場合は、スタック メンバーをデフォルト設定にリセットします。スタック メンバー番号と設定の詳細については、「スイッチ スタックのコンフィギュレーション ファイル」を参照してください。
割り当てられたスイッチでは、 switch current-stack-member-number renumber new-stack-
member-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用できません。このコマンドを使用した場合、コマンドは拒否されます。
• スタック メンバーを別のスイッチ スタックへ移動した場合、スタック メンバーは、自分の番号がスタック内の別のメンバーによって使用されていないときにだけ、その番号を保持します。その番号がスタック内の別のメンバーによって使用されている場合、スイッチはスタック内で使用可能な最小の番号を選択します。
• スイッチ スタックをマージした場合、新たなスタック マスターのスイッチ スタックに参加したスイッチは、スタック内で使用可能な最小の番号を選択します。スイッチ スタックのマージの詳細については、「スイッチ スタックのメンバーシップ」を参照してください。
ハードウェア インストレーション ガイドに記載されているとおり、Stack モードのスイッチ ポート LED を使用して、各スタック メンバーのスタック メンバー番号を目で見て確認できます。
スタック メンバーのプライオリティ値
スタック メンバーのプライオリティ値が高いほど、スタック マスターとして選択され、自分のスタック メンバー番号を保持できる可能性が高くなります。プライオリティ値は 1 ~ 15 で、デフォルトのプライオリティ値は 1 です。 show switch ユーザ EXEC コマンドを使用すると、スタック メンバーのプライオリティ値を表示できます。
(注) スタック マスターにしたいスイッチには、最高のプライオリティ値を割り当てることを推奨します。これによって、再選択の実行時には、必ずそのスイッチがスタック マスターとして選択されます。
switch stack-member-number priority new-p riority-value グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、スタック メンバーのプライオリティ値を変更できます。詳細については、「スタック メンバー プライオリティ値の設定」を参照してください。メンバー プライオリティ値を変更するもう 1 つの方法は、「環境変数の管理」に記載されているとおりに、
SWITCH_PRIORITY 環境変数を変更することです。
新しいプライオリティ値はすぐに有効となりますが、現在のスタック マスターには影響しません。新たなプライオリティ値は、現在のスタック マスターまたはスイッチ スタックのリセット時に、どのスタック メンバーが新たなスタック マスターとして選択されるかを決定する場合に影響を及ぼします。
スイッチ スタックのオフライン設定
オフライン設定機能を使用すると、新しいスイッチがスイッチ スタックに参加する前に、スイッチに 割り当て (設定を割り当て)できます。現在、スタックに属していないスイッチに関連したスタック メンバー番号、スイッチ タイプ、インターフェイスを事前に設定できます。スイッチ スタックで作成した設定を 割り当てられた設定 と呼びます。スイッチ スタックに追加され、この設定を受信するスイッチを 割り当てられたスイッチ と呼びます。
switch stack-member-number provision type グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、割り当てられた設定を手動で作成します。また、スイッチが Cisco IOS Release 12.2(20)SE 以降で稼働するスイッチ スタックに追加された場合、または割り当てられた設定が存在しない場合に、割り当てられた設定が自動的に作成されます。
割り当てられたスイッチと関連する(たとえば、VLAN [仮想 LAN] の一部として)インターフェイスを設定する場合、スイッチ スタックは設定を受け入れ、その情報が実行コンフィギュレーションに表示されます。割り当てられたスイッチと関連するインターフェイスがアクティブでない場合、インターフェイスは管理上のシャットダウンをされたかのように動作し、 no shutdown インターフェイス コンフィギュレーション コマンドはインターフェイスをアクティブ サービスに戻しません。割り当てられたスイッチと関連するインターフェイスは特定機能のディスプレイに表示されません。たとえば、インターフェイスは show vlan ユーザ EXEC コマンドの出力に表示されません。
スイッチ スタックは、割り当てられたスイッチがスタックに属するかどうかに関係なく、実行コンフィギュレーションに割り当てられた設定を保持します。 copy running-config startup-config イネーブル EXEC コマンドを使用すると、スタートアップ コンフィギュレーション ファイルに割り当てられた設定を保存できます。スタートアップ コンフィギュレーション ファイルでは、割り当てられたスイッチがスタックに属するかどうかに関係なく、スイッチ スタックは保存した情報をリロードして使用できます。
割り当てられたスイッチのスイッチ スタックへの追加による影響
割り当てられたスイッチをスイッチ スタックに追加する場合、スタックは割り当てられた設定、またはデフォルト設定のいずれかを適用します。 表5-1 では、スイッチ スタックが割り当てられた設定と割り当てられたスイッチを比較するときに発生するイベントを示します。
表5-1 割り当てられた設定と割り当てられたスイッチとの比較結果
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スタック メンバー番号およびスイッチ タイプが適合する |
1. 割り当てられたスイッチのスタック メン バー番号と、スタック上で割り当てられた設定のスタック メンバー番号が一致する場合で、 2. 割り当てられたスイッチのスイッチ タイプと、スタック上で割り当てられた設定のスイッチ タイプが一致する場合 |
スイッチ スタックは、割り当てられた設定を割り当てられたスイッチに適用し、スタックに追加します。 |
スタック メンバー番号は一致するが、スイッチ タイプが一致しない |
1. 割り当てられたスイッチのスタック メン バー番号と、スタック上で割り当てられた設定のスタック メンバー番号が一致する場合で、 2. 割り当てられたスイッチのスイッチ タイプと、スタック上で割り当てられた設定のスイッチ タイプが一致しない場合 |
スイッチ スタックは、デフォルト設定を割り当てられたスイッチに適用し、スタックに追加します。 割り当てられた設定は、新しい情報を反映するために変更されます。 |
割り当てられた設定でスタック メンバー番号が検出されない |
スイッチ スタックは、デフォルト設定を割り当てられたスイッチに適用し、スタックに追加します。 割り当てられた設定は、新しい情報を反映するために変更されます。 |
割り当てられたスイッチでスタック メンバー番号が既存のスタック メンバーと競合する |
スタック マスターは、新しいスタック メンバーを割り当てられたスイッチに割り当てます。 スタック メンバー番号およびスイッチ タイプが次のように適合します。 1. 割り当てられたスイッチの新しいスタック メンバー番号と、スタック上の割り当てられた設定のスタック メンバー番号が一致する場合で、 2. 割り当てられたスイッチのスイッチ タイプと、スタック上で割り当てられた設定のスイッチ タイプが一致する場合 |
スイッチ スタックは、割り当てられた設定を割り当てられたスイッチに適用し、スタックに追加します。 割り当てられた設定は、新しい情報を反映するために変更されます。 |
スタック メンバー番号は一致するものの、スイッチ タイプが一致しません。 1. 割り当てられたスイッチのスタック メン バー番号と、スタック上で割り当てられた設定のスタック メンバー番号が一致する場合で、 2. 割り当てられたスイッチのスイッチ タイプと、スタック上で割り当てられた設定のスイッチ タイプが一致しない場合 |
スイッチ スタックは、デフォルト設定を割り当てられたスイッチに適用し、スタックに追加します。 割り当てられた設定は、新しい情報を反映するために変更されます。 |
割り当てられたスイッチのスタック メンバー番号が、割り当てられた設定で検出されない |
スイッチ スタックは、デフォルト設定を割り当てられたスイッチに適用し、スタックに追加します。 |
割り当てられた設定で指定したスイッチ タイプとは異なるスイッチを、電源が切られたスイッチ スタックに追加して電力供給すると、スイッチ スタックはスタートアップ コンフィギュレーション ファイルの switch stack-member-number provision type グローバル コンフィギュレーション コマンド(現在は不正コマンド)を拒否します。ただし、スタックの初期化中は、スタートアップ コンフィギュレーション ファイルのデフォルトでないインターフェイス コンフィギュレーション情報が、(間違ったタイプの可能性がある)割り当てられたインターフェイス向けに実行されます。実際のスイッチ タイプと前述の割り当てられたスイッチ タイプの違いによって、拒否されるコマンドと、受け入れられるコマンドがあります。
たとえば、Power over Ethernet(PoE)を装備した 48 ポート スイッチ用にスイッチ スタックが割り当てられる場合、この設定が割り当てられてスタックが切断されます。それから、PoE を装備していない 24 ポート スイッチはスイッチ スタックに接続され、スタックが切断されます。この状況では、ポート 25 ~ 48 の設定は拒否され、エラー メッセージが初期化中のスタック マスター スイッチ コンソール上に表示されます。さらに、PoE 対応インターフェイスで有効な、設定済み PoE 関連コマンドは、ポート 1 ~ 24 に対しても拒否されます。
(注) スイッチ スタックが Cisco IOS Release 12.2(20)SE 以降で稼働し、新しいスイッチ用に割り当てられた設定を含まない場合、スイッチはデフォルトのインターフェイス コンフィギュレーションでスタックに参加します。スイッチ スタックは、新しいスイッチと一致するswitch stack-member-number provision typeグローバル コンフィギュレーション コマンドを実行コンフィギュレーションに追加します。
設定の詳細については、「スイッチ スタックへの新しいメンバーの割り当て」を参照してください。
スイッチ スタックの割り当てられたスイッチの交換による影響
スイッチ スタック内で割り当てられたスイッチが故障し、スタックから取り外され、別のスイッチと交換する場合、スタックは割り当てられた設定、またはデフォルト設定をこのスイッチに適用します。スイッチ スタックが、割り当てられた設定と割り当てられたスイッチを比較するときに発生したイベントは、「割り当てられたスイッチのスイッチ スタックへの追加による影響」に記載のイベントと同じです。
割り当てられたスイッチのスイッチ スタックからの削除による影響
スイッチ スタックが Cisco IOS Release 12.2(20)SE 以降で稼働し、割り当てられたスイッチをスイッチ スタックから削除した場合、削除されたスタック メンバーと関連する設定は、割り当てられた情報として実行コンフィギュレーションにあります。設定を完全に削除するには、 no switch stack-member-number provisionグローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
スイッチ スタックのハードウェア互換性と SDM 不一致モード
Catalyst 3750-12S スイッチは、デスクトップおよびアグリゲータ Switch Database Management(SDM)テンプレートをサポートします。他のすべての Catalyst 3750 スイッチは、デスクトップ SDM テンプレートのみをサポートします。
スタック メンバーはすべて、スタック マスターに設定された SDM テンプレートを使用します。スタック マスターがアグリゲータ テンプレートを使用している場合は、Catalyst 3750-12S スイッチだけがスタック メンバーになることができます。このスイッチ スタックに参加しようとする他のスイッチはすべて、SDM 不一致モードになります。これらのスイッチは、スタック マスターがデスクトップ SDM テンプレートを稼働している場合にだけ、スタックに参加できます。
Catalyst 3750-12S スイッチのスイッチ スタックを作成予定の場合に限り、スタック マスターにアグリゲータ テンプレートを使用させることを推奨します。異なる Catalyst 3750 スイッチ モデルを持つスイッチ スタックを作成予定の場合は、いずれかのデスクトップ テンプレートを使用するようにスタック マスターを設定してください。
(注) Version-mismatch(VM; バージョン不一致)モードは、SDM 不一致モードより優先されます。VM モード条件と SDM 不一致モードが存在する場合、スイッチ スタックは先に VM モード条件を解決しようとします。
show switch イネーブル EXEC コマンドを使用すると、スタック メンバーが SDM 不一致モードになっているかどうかを確認できます。
SDM テンプレートと SDM 不一致モードの詳細については、 第 8 章「SDM テンプレートの設定」 を参照してください。
スイッチ スタックのソフトウェア互換性に関する推奨事項
スタック メンバー間の完全な互換性を確保するには、このセクションと「スイッチ スタックのハードウェア互換性と SDM 不一致モード」に記載された情報を使用します。
スタック メンバー間で互換性を確保するには、すべてのスタック メンバーが同じ Cisco IOS ソフトウェア バージョンを稼働している必要があります。これは、スタック メンバー間でスタック プロトコル バージョンの完全な互換性を保証する上で役立ちます。たとえば、すべてのスタック メンバーに IP サービス イメージ Cisco IOS Release 12.1(14)EA1 をインストールします。詳細については、「スタック プロトコル バージョンの互換性」を参照してください。
スタック プロトコル バージョンの互換性
各ソフトウェア イメージには、 スタック プロトコル バージョン が含まれます。スタック プロトコル バージョンには、 メジャー バージョン番号と マイナー バージョン番号があります(たとえば 1.4 の場合は、1 がメジャー バージョン番号で、4 がマイナー バージョン番号になります)。両方のバージョン番号によって、スタック メンバー間の互換性レベルが決定します。
show platform stack-manager all イネーブル EXEC コマンドを使用すると、スタック プロトコル バージョンを表示できます。
Cisco IOS ソフトウェアのバージョンが同じスイッチは、スタック プロトコルのバージョンも同じです。このようなスイッチは完全に互換可能で、すべての機能がスイッチ スタック全体に亘って適切に動作します。スタック マスターと Cisco IOS ソフトウェア バージョンが同じスイッチは、すぐにスイッチ スタックに参加します。
非互換性が混在する場合は、完全な機能を備えたスタック メンバーが、特定のスタック メンバーとの非互換が生じていることを示すシステム メッセージを生成します。スタック マスターは、すべてのスタック メンバーに対してメッセージを送信します。詳細については、「スイッチ間のメジャー バージョン番号の非互換性」および「スイッチ間のマイナー バージョン番号の非互換性」を参照してください。
スイッチ間のメジャー バージョン番号の非互換性
多くの場合、異なる Cisco IOS ソフトウェア バージョンのスイッチは、スタック プロトコル バージョンも異なります。メジャー バージョン番号が異なるスイッチは非互換で、同じスイッチ スタック内には存在できません。
スイッチ間のマイナー バージョン番号の非互換性
スタック マスターとメジャー バージョン番号は同じだがマイナー バージョン番号が異なるスイッチは、部分的に互換可能であるとみなされます。スイッチ スタックに接続されている場合、部分的に互換可能なスイッチは VM モードになり、完全な機能を備えたメンバーとしてはスタックに参加できません。ソフトウェアは不一致ソフトウェアを検出すると、スイッチ スタック イメージまたはスイッチ スタック フラッシュ メモリの tar ファイル イメージを使用して、VM モードのスイッチをアップグレード(またはダウングレード)しようとします。ソフトウェアでは、自動的なアップグレード(自動アップグレード)または自動的なアドバイス(自動アドバイス)機能を使用します。詳細については、「自動アップグレードおよび自動アドバイスの概要」を参照してください。
VM モードのスイッチの有無を確認するには、 show switch ユーザ EXEC コマンドを使用します。VM モードのスイッチ上のポート LED も、オフのままです。Mode ボタンを押しても、LED モードは変更されません。
自動アップグレードおよび自動アドバイスの概要
ソフトウェアが不一致ソフトウェアを検出し、VM モードのスイッチをアップグレードしようとする場合は、2 つのソフトウェア処理を行います。
• 自動的なアップグレード(自動アップグレード) ― 任意のスタック メンバー上で稼働するソフトウェア イメージを自動的にコピー(自動コピー)するか、またはスイッチ スタックのフラッシュ メモリの tar ファイルを VM モードのスイッチにコピーして、アップグレード(自動アップグレード)します。デフォルトでは、自動アップグレードはイネーブル( boot auto-copy-sw グローバル コンフィギュレーション コマンドがイネーブル)です。自動アップグレードをディセーブルにするには、スタック マスター上で no boot auto-copy-sw グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。 show boot イネーブル EXEC コマンドを使用して、表示される Auto upgrade 行を確認することにより、自動アップグレードのステータスを確認できます。
自動アップグレードが実行されるのは、この機能がイネーブルの場合、VM モードのスイッチに十分なフラッシュ メモリがある場合、および次のような場合です。
–スイッチ スタック上で稼働するソフトウェア イメージが VM モードのスイッチに適している場合、または
–スイッチ スタックからの tar ファイルが VM モードのスイッチに 適している 場合。VM モードのスイッチでは、すべてのリリース済みのソフトウェアが稼働するとは限りません。たとえば、新しいスイッチ ハードウェアは以前のソフトウェア バージョンでは認識されません。
自動アップグレードおよび自動コピー処理は、開始されるまで数分かかります。
自動アップグレード処理が完了すると、VM モードであったスイッチはリロードされ、完全な機能を備えたメンバーとしてスタックに参加します。リロード中に両方の StackWise ケーブルが接続されている場合、スイッチ スタックは 2 つのリング上で動作するため、ネットワーク ダウンタイムが発生しません。
(注) 自動アップグレードでは、2 つのイメージ タイプが同じ場合にのみアップグレードを実行します。たとえば、VM モードのスイッチでイメージ タイプが IP サービス イメージから IP ベース イメージ(またはその逆)に、つまり暗号化から非暗号化(またはその逆)には自動的にアップグレードしません。
• 自動的なアドバイス(自動アドバイス) ― 自動アップグレード処理により、VM モードのスイッチにコピーするのに適したスタック メンバー ソフトウェアが検出されない場合、自動アドバイス 処理により、スイッチ スタックまたは VM モードのスイッチを手動でアップグレードするのに必要なコマンド( archive copy-sw または archive download-sw イネーブル EXEC コマンド)およびイメージ名(tar ファイル名)が指定されます。 推奨されるイメージは実行中のスイッチ スタック イメージ、またはスイッチ スタック(VM モードのスイッチを含む)内のいずれかのフラッシュ ファイル システムの tar ファイルです。自動アドバイスは、ディセーブルにはできません。また、この機能のステータスを確認するコマンドはありません。
スイッチ スタック ソフトウェアおよび VM モードのスイッチのソフトウェアに同じフィーチャ セットが含まれない場合は、自動アドバイス ソフトウェアからの指示もありません。たとえば、IP ベース イメージが稼働するスイッチ スタックに、IP サービス イメージが稼働するスイッチを追加した場合、自動アドバイス ソフトウェアは推奨ソフトウェアを提示しません。暗号化イメージおよび非暗号化イメージが稼働する場合も、同様です。
自動アップグレードおよび自動アドバイスのメッセージ例
マイナー バージョン番号が異なるスイッチをスイッチ スタックに追加すると、メッセージが連続して表示されます(スイッチがその他のシステム メッセージを生成しない場合)。
次に、スイッチ スタックが、スイッチ スタックと異なるマイナー バージョン番号を実行する新しいスイッチを検出した例を示します。自動コピーが起動し、スタック メンバーから VM モードのスイッチにコピーするのに適したソフトウェアを検出し、VM モードのスイッチをアップグレードして、リロードします。
*Mar 11 20:31:19.247:%STACKMGR-6-STACK_LINK_CHANGE:Stack Port 2 Switch 2 has changed to state UP
*Mar 11 20:31:23.232:%STACKMGR-6-SWITCH_ADDED_VM:Switch 1 has been ADDED to the stack (VERSION_MISMATCH)
*Mar 11 20:31:23.291:%STACKMGR-6-SWITCH_ADDED_VM:Switch 1 has been ADDED to the stack (VERSION_MISMATCH) (Stack_1-3)
*Mar 11 20:33:23.248:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW_INITIATED:Auto-copy-software process initiated for switch number(s) 1
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:Searching for stack member to act
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:as software donor...
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:Found donor (system #2) for
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:member(s) 1
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:System software to be uploaded:
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:System Type: 0x00000000
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:archiving c3750-ipservices-mz.122-25.SEB (directory)
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Feature:IP|LAYER_3|PLUS|MIN_DRAM_MEG=128
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*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:Old image for switch 1:flash1:c3750-ipservices-mz.122-25.SEB
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW: Old image will be deleted after download.
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:Extracting images from archive into flash on switch 1...
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:c3750-i5-mz.122-0.0.313.SE (directory)
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*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:extracting c3750-ipservices-mz.122-25.SEB/info (450 bytes)
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:extracting info (104 bytes)
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:Installing (renaming):`flash1:update/c3750-i5-mz.122-0.0.313.SE' ->
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW: `flash1:c3750-ipservices-mz.122-25.SEB'
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:New software image installed in flash1:c3750-i5-mz.122-0.0.313.SE
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:Removing old image:flash1:c3750-i5-mz.121-19.EA1
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:All software images installed.
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:Requested system reload in progress...
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:Software successfully copied to
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:system(s) 1
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:Done copying software
*Mar 11 20:36:15.038:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:Reloading system(s) 1
次に、スイッチ スタックが、スイッチ スタックと異なるマイナー バージョン番号を実行する新しいスイッチを検出した例を示します。自動コピーは起動しますが、スイッチ スタックと互換可能にするための、VM モードのスイッチにコピーするソフトウェアをスイッチ スタック内で検出できません。自動アドバイス処理が起動し、ネットワークから VM モードのスイッチに tar ファイルをダウンロードするように推奨されます。
*Mar 1 00:01:11.319:%STACKMGR-6-STACK_LINK_CHANGE:Stack Port 2 Switch 2 has changed to state UP
*Mar 1 00:01:15.547:%STACKMGR-6-SWITCH_ADDED_VM:Switch 1 has been ADDED to the stack (VERSION_MISMATCH)
*Mar 1 00:03:15.554:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW_INITIATED:Auto-copy-software process initiated for switch number(s) 1
*Mar 1 00:03:15.554:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:
*Mar 1 00:03:15.554:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:Searching for stack member to act
*Mar 1 00:03:15.554:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:as software donor...
*Mar 1 00:03:15.554:%IMAGEMGR-6-AUTO_COPY_SW:Software was not copied
*Mar 1 00:03:15.562:%IMAGEMGR-6-AUTO_ADVISE_SW_INITIATED:Auto-advise-software process initiated for switch number(s) 1
*Mar 1 00:04:22.537:%IMAGEMGR-6-AUTO_ADVISE_SW:
*Mar 1 00:04:22.537:%IMAGEMGR-6-AUTO_ADVISE_SW:
*Mar 1 00:04:22.537:%IMAGEMGR-6-AUTO_ADVISE_SW:Systems with incompatible software
*Mar 1 00:04:22.537:%IMAGEMGR-6-AUTO_ADVISE_SW:have been added to the stack. The
*Mar 1 00:04:22.537:%IMAGEMGR-6-AUTO_ADVISE_SW:storage devices on all of the stack
*Mar 1 00:04:22.537:%IMAGEMGR-6-AUTO_ADVISE_SW:members have been scanned, and it has
*Mar 1 00:04:22.537:%IMAGEMGR-6-AUTO_ADVISE_SW:been determined that the stack can be
*Mar 1 00:04:22.537:%IMAGEMGR-6-AUTO_ADVISE_SW:repaired by issuing the following
*Mar 1 00:04:22.537:%IMAGEMGR-6-AUTO_ADVISE_SW:command(s):
*Mar 1 00:04:22.537:%IMAGEMGR-6-AUTO_ADVISE_SW:
*Mar 1 00:04:22.537:%IMAGEMGR-6-AUTO_ADVISE_SW: archive download-sw /force-reload /overwrite /dest 1 flash1:c3750-ipservices-mz.122-25.SEB.tar
*Mar 1 00:04:22.537:%IMAGEMGR-6-AUTO_ADVISE_SW:
archive download-sw イネーブル EXEC コマンドの使用の詳細については、「ソフトウェア イメージの操作」を参照してください。
(注) 自動アドバイスおよび自動コピーでは、スイッチ スタック上の info ファイルの調査およびディレクトリ構造の検索により、実行中のイメージを識別します。archive download-swイネーブル EXEC コマンドではなくcopy tftp:コマンドを使用してイメージをダウンロードすると、正確なディレクトリ構造が適切に作成されません。info ファイルの詳細については、「サーバまたは Cisco.com 上のイメージの tar ファイル形式」を参照してください。
互換性のないソフトウェアおよびスタック メンバー イメージのアップグレード
archive copy-sw イネーブル EXEC コマンドを使用すると、互換性のないソフトウェア イメージのあるスイッチをアップグレードできます。コマンドを使用すると、既存のスタック メンバーのソフトウェア イメージを、互換性のないソフトウェアを稼働しているメンバーにコピーできます。このスイッチは自動的に再起動され、完全な機能を備えたメンバーとしてスタックに参加します。詳細については、「スタック メンバー間のイメージ ファイルのコピー」を参照してください。
スイッチ スタックのコンフィギュレーション ファイル
コンフィギュレーション ファイルには、次の設定情報が格納されています。
• すべてのスタック メンバーに適用されるシステム レベル(グローバル)コンフィギュレーション設定 ― IP、STP(スパニングツリー プロトコル)、VLAN、SNMP 設定など
• スタック メンバーのインターフェイス固有のコンフィギュレーション設定 ― 各スタック メンバーに固有
スタック マスターには、スイッチ スタックの保存済みの実行コンフィギュレーション ファイルが格納されています。すべてのスタック メンバーは、定期的に、スタック マスターからコンフィギュレーション ファイルの同期化されたコピーを受け取ります。スタック マスターが使用不能になると、スタック マスターの役割を引き受けたスタック メンバーが最新のコンフィギュレーション ファイルを保持します。
(注) すべてのスタック メンバーに Cisco IOS Release 12.1(14)EA1 以降をインストールすることを推奨します。これによって、実行コンフィギュレーションがスタートアップ コンフィギュレーションに保存されていない状態でスタック マスターが交換されても、スタック マスターのインターフェイス固有のコンフィギュレーションは確実に保存されます。
新規のスイッチがスイッチ スタックに参加した場合、そのスイッチはスイッチ スタックのシステム レベルの設定を使用します。スイッチが別のスイッチ スタックに移動された場合、そのスイッチは保存済みのコンフィギュレーション ファイルを失い、新たなスイッチ スタックのシステム レベルの設定を使用します。
各スタック メンバーのインターフェイス固有のコンフィギュレーションには、スタック メンバー番号が関連付けられます。「スタック メンバー番号」に記載されているとおり、スタック メンバーは、番号が手動で変更されるか、同じスイッチ スタック内の別のメンバーによってすでに使用されているかしないかぎり、自分の番号を保持します。
• そのメンバー番号に対応するインターフェイス固有のコンフィギュレーションが存在しない場合は、スタック メンバーはデフォルトのインターフェイス固有のコンフィギュレーションを使用します。
• そのメンバー番号に対応するインターフェイス固有のコンフィギュレーションが存在する場合は、スタック メンバーはそのメンバー番号に関連付けられたインターフェイス固有のコンフィギュレーションを使用します。
スタック メンバーに障害が生じ、それを同一のモデルと交換した場合、交換後のスイッチは自動的に、障害の生じたスイッチと同じインターフェイス固有のコンフィギュレーションを使用します。そのため、インターフェイス設定を再設定する必要はありません。交換後のスイッチは、障害の生じたスイッチと同じスタック メンバー番号を持つ必要があります。スイッチ スタックを割り当てる利点については、「スイッチ スタックのオフライン設定」を参照してください。
スタンドアロン スイッチのコンフィギュレーションの場合と同じ方法で、スタック コンフィギュレーションをバックアップし復元します。ファイル システムとコンフィギュレーション ファイルの詳細については、 付録 B「Cisco IOS ファイル システム、コンフィギュレーション ファイル、およびソフトウェア イメージの操作」 を参照してください。
IP アドレスによるスイッチ スタックへの接続
スイッチ スタックは単一の IP アドレスを使用して管理されます。IP アドレスは、システム レベルの設定値で、スタック マスターや他のスタック メンバー固有の設定ではありません。スタックからスタック マスターや他のスタック メンバーを削除しても、IP 接続は存続していれば、引き続き同じ IP アドレスを使用してスタックを管理できます。
(注) スイッチ スタックからスタック メンバーを削除した場合、各スタック メンバーは自身の IP アドレスを保持します。したがって、ネットワーク内で同じ IP アドレスを持つ 2 つのデバイスが競合してしまうのを避けるため、スイッチ スタックから削除したスイッチの IP アドレスは変更します。
スイッチ スタックの設定に関する情報は、「スイッチ スタックのコンフィギュレーション ファイル」を参照してください。
SSH セッションによるスイッチ スタックへの接続
IP ベース イメージ ソフトウェアまたは IP サービス イメージ ソフトウェアの暗号化バージョンを稼働するスタック マスターに障害が生じたか、それが非暗号化バージョンのソフトウェアを稼働するスイッチと交換された場合には、スイッチ スタックへの Secure Shell(SSH; セキュア シェル)接続が失われることがあります。IP ベース イメージ ソフトウェアまたは IP サービス イメージ ソフトウェアの暗号化バージョンを稼働しているスイッチをスタック マスターにすることを推奨します。スタック マスターが IP ベース イメージ ソフトウェアまたは IP サービス イメージ ソフトウェアの非暗号化バージョンを実行している場合、暗号化機能は使用できません。
コンソール ポートによるスイッチ スタックへの接続
1 つまたは複数のスタック メンバーのコンソール ポートを経由してスタック マスターへ接続できます。
スタック マスターに複数の CLI セッションを使用する場合は、慎重に行ってください。特定のセッションで入力したコマンドは、他のセッションに表示されません。したがって、コマンドを入力したセッションを識別できなくなることがあります。
スイッチ スタックを管理する場合は、CLI セッションを 1 つのみ使用することを推奨します。
特定のスタック メンバーへの接続
特定のスタック メンバー ポートを設定する場合は、CLI コマンドのインターフェイス指定部分にスタック メンバー番号を指定する必要があります。詳細については、「インターフェイス コンフィギュレーション モードの使用方法」を参照してください。
特定のスタック メンバーをデバッグするために、 session stack-member-number イネーブル EXEC コマンドを使用して、スタック マスターからスタック メンバーへアクセスできます。スタック メンバー番号は、システム プロンプトに付加されます。たとえば、 Switch-2#
はスタック メンバー 2 のイネーブル EXEC モードのプロンプトです。 Switch
は、スタック マスターのシステム プロンプトです。特定のスタック メンバーへの CLI セッションでは、 show コマンドと debug コマンドのみを使用できます。
スイッチ スタックの設定のシナリオ
表5-2 では、スイッチ スタック コンフィギュレーションのシナリオを示します。大半のシナリオは、少なくとも 2 台のスイッチが StackWise ポートを使用して接続されていることを前提にしています。
表5-2 スイッチ スタックの設定のシナリオ
|
|
既存のスタック マスターによって、明確に決定されるスタック マスター選択 |
StackWise ポートを使用して 2 つの電源の入ったスイッチ スタックを接続します。 |
2 つのスタック マスターの一方だけが、新たなスタック マスターになります。その他のスタック メンバーはどれも、スタック マスターにはなりません。 |
スタック メンバーのプライオリティ値によって、明確に決定されるスタック マスター選択 |
1. StackWise ポートを使用して、2 台のスイッチを接続します。 2. switch stack-member-number priority new- priority-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、1 つのスタック メンバーに、より高いメンバー プライオリティ値を設定します。 3. 両方のスタック メンバーを同時に再起動します。 |
より高いプライオリティ値を持つスタック メンバーがスタック マスターとして選択されます。 |
コンフィギュレーション ファイルによって、明確に決定されるスタック マスター選択 |
両方のスタック メンバーが同じプライオリティ値を持つものと仮定します。 1. 1 つのスタック メンバーがデフォルトのコンフィギュレーションを持ち、他のスタック メンバーが保存済み(デフォルトでない)のコンフィギュレーション ファイルを持つことを確認します。 2. 両方のスタック メンバーを同時に再起動します。 |
保存済みのコンフィギュレーション ファイルを持つスタック メンバーがスタック マスターとして選択されます。 |
暗号化 IP サービス イメージ ソフトウェアによって、明確に決定されるスタック マスター選択 |
すべてのスタック メンバーが同じプライオリティ値を持つものと仮定します。 1. 1 つのスタック メンバーに暗号化 IP サービス イメージ ソフトウェアがインストールされ、他のスタック メンバーには非暗号化 IP サービス イメージ ソフトウェアがインストールされていることを確認します。 2. 両方のスタック メンバーを同時に再起動します。 |
暗号化 IP サービス イメージ ソフトウェアがインストールされたスタック メンバーがスタック マスターとして選択されます。 |
暗号化 IP ベース イメージ ソフトウェアによって、明確に決定されるスタック マスター選択 |
すべてのスタック メンバーが同じプライオリティ値を持つものと仮定します。 1. 1 つのスタック メンバーに暗号化 IP ベース ソフトウェアがインストールされ、他のスタック メンバーには非暗号化 IP ベース イメージ ソフトウェアがインストールされていることを確認します。 2. 両方のスタック メンバーを同時に再起動します。 |
暗号化 IP ベース イメージ ソフトウェアがインストールされたスタック メンバーがスタック マスターとして選択されます。 |
MAC アドレスによって、明確に決定されるスタック マスター選択 |
両方のスタック メンバーが同じプライオリティ値、コンフィギュレーション ファイル、ソフトウェア イメージを持つものと仮定し、両方のスタック メンバーを同時に再起動します。 |
より小さい MAC アドレスを持つスタック メンバーがスタック マスターとして選択されます。 |
スタック メンバー番号の競合 |
1 つのスタック メンバーが他のスタック メンバーより高いプライオリティ値を持つものと仮定します。 1. 両方のスタック メンバーが同じスタック メンバー番号を持つように確認します。必要に応じて、 switch current-stack-member-number renumber new-stack-member-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。 2. 両方のスタック メンバーを同時に再起動します。 |
より高いプライオリティ値を持つスタック メンバーが、自分のスタック メンバー番号を保持します。他のスタック メンバーは、新たなスタック メンバー番号を持ちます。 |
スタック メンバーの追加 |
1. 新しいスイッチの電源を切ります。 2. StackWise ポートを使用して、新たなスイッチを電源の入ったスイッチ スタックに接続します。 3. 新しいスイッチに電源を入れます。 |
スタック マスターはそのままです。新たなスイッチがスイッチ スタックに追加されます。 |
スタック マスターの障害 |
スタック マスターを削除します(または、電源を切ります)。 |
「スタック マスターの選択と再選択」に記載されたファクタに基づき、残りのスタック メンバーのいずれかが新たなスタック マスターになります。スタック内の他のすべてのスタック メンバーは、スタック メンバーのままで、再起動はされません。 |
9 台を超えるスタック メンバーの追加 |
1. StackWise ポートを使用して、10 台のスイッチを接続します。 2. すべてのスイッチに電源を入れます。 |
2 台のスイッチがスタック マスターになります。一方のスタック マスターが 9 つのスタック メンバーを制御します。もう一方のスタック マスターは、スタンドアロン スイッチとして維持されます。 Mode ボタンとスイッチのポート LED を使用して、どのスイッチがスタック マスターで、どのスイッチがどのスタック マスターに属しているかを識別できます。Mode ボタンと LED の使用方法については、ハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。 |