ISSU および SSO:DHCP ハイ アベイラビリティ機能
Cisco IOS Release 12.2(31)SB2 では、Broadband Access Server(BRAS)をサポートする次の一連の Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)ハイ アベイラビリティ機能が導入されました。
• ISSU - DHCP サーバ
• SSO - DHCP サーバ
• アンナンバード インターフェイス上の ISSU - DHCP リレー
• アンナンバード インターフェイス上の SSO - DHCP リレー
• ISSU - DHCP プロキシ クライアント
• SSO - DHCP プロキシ クライアント
• ISSU - DHCP ODAP クライアントおよびサーバ
• SSO - DHCP ODAP クライアントおよびサーバ
動作の冗長モードを Stateful Switchover(SSO; ステートフル スイッチオーバー)に設定した場合は、これらの機能がデフォルトでイネーブルになっています。
このモジュール内の機能情報の検索
ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースが、このモジュールで説明している機能の一部をサポートしていない場合があります。最新の機能情報および警告については、ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。このモジュール内に記載されている特定の機能のリンクにアクセスする場合、および各機能がサポートされているリリースのリストを参照する場合は、「DHCP ハイ アベイラビリティ機能の機能情報」11 ページの項を参照してください。
プラットフォームと、Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージに関するサポート情報の検索
プラットフォームのサポートと、Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスしてください。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
DHCP ハイ アベイラビリティの前提条件
• Cisco IOS In-Service Software Upgrade(ISSU; インサービス ソフトウェア アップグレード)プロセスが設定されており、正常に稼動している必要があります。詳細については、「 Cisco IOS In-Service Software Upgrade Process 」フィーチャ モジュールを参照してください。
• Stateful Switchover(SSO; ステートフル スイッチオーバー)が設定されており、正常に稼動している必要があります。詳細については、「 Stateful Switchover 」フィーチャ モジュールを参照してください。
• NonStop Forwarding(NSF; ノンストップ フォワーディング)が設定されており、正常に稼動している必要があります。詳細については、「 Cisco Nonstop Forwarding 」フィーチャ モジュールを参照してください。
DHCP ハイ アベイラビリティの制約事項
DHCP ハイ アベイラビリティ機能では、DHCP アカウンティングも DHCP Authorized Address Resolution Protocol(ARP; アドレス解決プロトコル)もサポートしていません。
DHCP ハイ アベイラビリティについて
ここでは、次の概念について説明します。
• 「ISSU」
• 「SSO」
• 「ISSU および SSO - DHCP サーバ」
• 「ISSU およびアンナンバード インターフェイス上の SSO - DHCP リレー」
• 「ISSU および SSO - DHCP プロキシ クライアント」
• 「ISSU および SSO - DHCP ODAP クライアントおよびサーバ」
ISSU
ISSU プロセスでは、パケット転送の続行中に Cisco IOS ソフトウェアを更新または変更することができます。ほとんどのネットワークでは、計画されたソフトウェア アップグレードがダウンタイムの主な原因になります。ISSU では、パケット転送の続行中に Cisco IOS ソフトウェアを変更できます。その結果、ネットワーク アベイラビリティが向上され、計画されたソフトウェア アップグレードに起因するダウンタイムが削減されます。
SSO
SSO は、アプリケーションおよび機能でアクティブおよびスタンバイの Route Processor(RP; ルート プロセッサ)という、定義された状態を維持できるようにする Cisco IOS ソフトウェアの実装を指します。
デュアル RP をサポートする特定のシスコ ネットワーキング デバイス上で、SSO は RP の冗長構成を活用してネットワークのアベイラビリティを向上させます。SSO 機能では、RP の 1 つをアクティブ RP に設定し、もう 1 つの RP をスタンバイ RP に指定してから、RP 間で重要な状態情報を同期化することによって RP の冗長構成を活用します。2 つのプロセッサ間の初期同期化に続き、SSO では、このプロセッサ間の RP 状態情報をダイナミックに維持します。
アクティブ RP に障害が発生したとき、アクティブ RP がネットワーキング デバイスから削除されたとき、またはメンテナンスのために手動で停止されたときに、アクティブ プロセッサからスタンバイ プロセッサへのスイッチオーバーが発生します。
ISSU および SSO - DHCP サーバ
ISSU および SSO 対応の DHCP サーバでは、スタンバイ RP に対するルータのフェール オーバーが発生していることを検出し、そのスイッチオーバー イベントをまたがって DHCP リースを維持できます。
各 DHCP バインディングは、リースの確定時にアクティブ RP からスタンバイ RP に同期化され、再作成されます。 図 1 に、このプロセスを示します。リースの拡張およびリリースもスタンバイ RP に同期化されます。
図 1 アクティブとスタンバイのルート プロセッサ間で状態を維持する DHCP サーバ
ISSU およびアンナンバード インターフェイス上の SSO - DHCP リレー
DHCP リレー エージェントでは、アンナンバード インターフェイスの使用をサポートしています。アンナンバード インターフェイスを介して DHCP クライアントが接続される場合、DHCP リレー エージェントでは、その DHCP クライアントがアドレスを取得してからスタティック ホスト ルートを自動で追加します。このとき、アンナンバード インターフェイスは、発信インターフェイスに指定されます。リース時間経過後、またはクライアントがアドレスをリリースした場合、ルートは自動的に削除されます。
アンナンバード インターフェイスで Cisco IOS DHCP リレー エージェントを使用できるようにするには、 ip helper-address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドをアンナンバード インターフェイスに対して設定する必要があります。詳細については、「 Configuring the Cisco IOS DHCP Relay Agent 」コンフィギュレーション モジュールを参照してください。
ISSU および SSO のアンナンバード インターフェイス上の DHCP リレー機能によって、アンナンバード インターフェイスを介して接続されているクライアントに対するホスト ルートでハイ アベイラビリティをサポートできるようになります。DHCP リレー エージェントでは、ルータがスタンバイ RP へのフェール オーバー中であることを検出して、アンナンバード インターフェイスに関連する状態を保持できるようになります。 図 2図 2 に、このプロセスを示します。
図 2 IP アンナンバード インターフェイスの状態を維持する DHCP
ISSU および SSO - DHCP プロキシ クライアント
DHCP プロキシ クライアントを使用することにより、ルータでは、リモート Point-to-Point Protocol(PPP; ポイントツーポイント プロトコル)クライアント用に、設定パラメータのためのリースを DHCP サーバから取得できるようになります。ISSU および SSO 対応の DHCP プロキシ クライアントでは、DHCP サーバからのリースを要求でき、リースの状態がアクティブとスタンバイの RP 間で同期化されます。 図 3 に、このプロセスを示します。
図 3 DHCP プロキシ クライアントのリース同期化
ISSU および SSO - DHCP ODAP クライアントおよびサーバ
ISSU および SSO 対応の DHCP On-Demand Address Pool(ODAP; オンデマンド アドレス プール)クライアントでは、DHCP ODAP サーバからのサブネット用のリースを要求できます。DHCP ODAP サーバによってサブネットがクライアントに割り当てられた後で、バインディングの更新によってリースの状態がアクティブとスタンバイの RP 間で同期化されます。DHCP ODAP クライアントでは、スイッチオーバー イベントに続いて、同じサブネットからの IP アドレスの割り当てを続行でき、DHCP ODAP サーバからのサブネットの更新も続行します。 図 4 に、このプロセスを示します。
図 4 ODAP サブネット リースの同期化
DHCP ハイ アベイラビリティの設定方法
設定作業はありません。動作の冗長モードに SSO が設定されている場合、DHCP ハイ アベイラビリティ機能はデフォルトでイネーブルになっています。
DHCP ハイ アベイラビリティの設定例
DHCP ハイ アベイラビリティ機能の設定例はありません。
参考資料
ここでは、DHCP ハイ アベイラビリティ機能の設定に関連する参考資料について説明します。
規格
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この機能がサポートする新しい規格または変更された規格はありません。 |
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MIB
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この機能によってサポートされる新しい MIB または変更された MIB はありません。 |
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、および機能セットの MIB の場所を検索しダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。 http://www.cisco.com/go/mibs |
RFC
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この機能がサポートする新しい Request for Comments(RFC; コメント要求)または変更された RFC はありません。 |
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シスコのテクニカル サポート
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右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。 以下を含むさまざまな作業にこの Web サイトが役立ちます。 • テクニカル サポートを受ける • ソフトウェアをダウンロードする • セキュリティの脆弱性を報告する、またはシスコ製品のセキュリティ問題に対する支援を受ける • ツールおよびリソースへアクセスする – Product Alert の受信登録 – Field Notice の受信登録 – Bug Toolkit を使用した既知の問題の検索 • Networking Professionals(NetPro)コミュニティで、技術関連のディスカッションに参加する • トレーニング リソースへアクセスする • TAC Case Collection ツールを使用して、ハードウェアや設定、パフォーマンスに関する一般的な問題をインタラクティブに特定および解決する この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。 |
http://www.cisco.com/en/US/support/index.html |
DHCP ハイ アベイラビリティ機能の機能情報
表 1 に、これらの機能のリリース履歴を示します。
ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースでは、一部のコマンドが使用できない場合があります。特定のコマンドのリリース情報については、コマンド リファレンス マニュアルを参照してください。
プラットフォームのサポートおよびソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator を使用すると、特定のソフトウェア リリース、機能セット、またはプラットフォームをサポートする Cisco IOS と Catalyst OS のソフトウェア イメージを判別できます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスしてください。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
(注) 表 1 に、特定の Cisco IOS ソフトウェア リリース群で特定の機能をサポートする Cisco IOS ソフトウェア リリースだけを示します。特に明記されていない限り、Cisco IOS ソフトウェア リリース群の後続のリリースでもこの機能をサポートします。
表 1 DHCP ハイ アベイラビリティ機能の機能情報
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ISSU - DHCP サーバ |
12.2(31)SB2 12.2(33)SRC Cisco IOS XE Release 2.1 |
DHCP サーバでは新たに、ISSU がサポートされています。 |
SSO - DHCP サーバ |
12.2(31)SB2 12.2(33)SRB Cisco IOS XE Release 2.1 |
DHCP サーバでは新たに、SSO がサポートされています。 |
アンナンバード インターフェイス上の ISSU - DHCP リレー |
12.2(31)SB2 12.2(33)SRC |
アンナンバード インターフェイス上の DHCP リレーでは、新たに、ISSU がサポートされています。 |
アンナンバード インターフェイス上の SSO - DHCP リレー |
12.2(31)SB2 12.2(33)SRB |
アンナンバード インターフェイス上の DHCP リレーでは、新たに、SSO がサポートされています。 |
ISSU - DHCP プロキシ クライアント |
12.2(31)SB2 12.2(33)SRC |
DHCP プロキシ クライアントでは新たに、ISSU がサポートされています。 |
SSO - DHCP プロキシ クライアント |
12.2(31)SB2 12.2(33)SRC |
DHCP プロキシ クライアントでは新たに、SSO がサポートされています。 |
ISSU - DHCP ODAP クライアントおよびサーバ |
12.2(31)SB2 12.2(33)SRC |
DHCP ODAP クライアントおよびサーバでは新たに、ISSU がサポートされています。 |
SSO - DHCP ODAP クライアントおよびサーバ |
12.2(31)SB2 12.2(33)SRC |
DHCP ODAP クライアントおよびサーバでは新たに、SSO がサポートされています。 |
用語集
CPE :Customer Premises Equipment(加入者宅内機器)。端末、電話機、モデムなどの終端機器で、サービス プロバイダーによって提供され、カスタマー サイトに設置してネットワーク接続されています。
DSLAM :Digital Subscriber Line Access Multiplexer(デジタル加入者線アクセス マルチプレクサ)。DSL トラフィックを 1 つまたは複数のネットワーク トランク ラインに多重化して、1 つのネットワークに複数のデジタル加入者線を接続するデバイスです。
ISSU :In Service Software Upgrade(インサービス ソフトウェア アップグレード)。ISSU は、パケット転送の続行中に Cisco IOS ソフトウェアを更新または変更することができるようにするプロセスです。
ODAP :On-Demand Address Pool(オンデマンド アドレス プール)。ODAP を使用すると、アドレスの利用水準に応じて、IP アドレスのプールのサイズをダイナミックに増減できます。設定の終わった ODAP には、ソース サーバからリースされた 1 つ以上のサブネットが読み込まれ、DHCP クライアントまたは PPP セッションからのアドレス要求に応じる準備ができます。
RP :Route Processor(ルート プロセッサ)。シャーシに格納された集中管理制御ユニットの総称。
SSO :Stateful Switchover(ステートフル スイッチオーバー)。SSO は、アプリケーションおよび機能でアクティブおよびスタンバイの RP という、定義された状態を維持できるようにする Cisco IOS ソフトウェアの実装を指します。スイッチングの発生時には、転送とセッションが維持されます。SSO が実装されているとネットワークは RP の障害を検出しなくなります。
(注) この用語集に記載されていない用語については、『Internetworking Terms and Acronyms』を参照してください。
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