Voice Over IP モニタリング
Cisco Unified CCX の本リリースでは、エージェント コールのモニタリングと録音が次の 2 つの方法でサポートされています。
• 従来の VoIP モニタ サービスを使用:スイッチの Switched Port Analyzer(SPAN; スイッチド ポート アナライザ)構成を通じて、IP ネットワーク スイッチから直接パケットをキャプチャします。従来の SPAN ベースの VoIP モニタ サービスの設計上の留意事項は、本付録の最後に記載します(「SPAN ベースのサービスの設計上の留意事項」を参照してください)。
• Cisco Agent Desktop を使用(エンドポイント モニタリングまたはデスクトップ モニタリング サービスとも呼びます):エージェントの IP 電話は、RTP パケットをエージェントの PC に複製して送信します。スーパーバイザがエージェントをモニタまたは録音する場合、スーパーバイザ アプリケーションはエージェント デスクトップに対し、RTP パケットをスーパーバイザに転送するよう指示するメッセージを送信します。これにより、スーパーバイザは、自身の PC 上のサウンド カードを通じて、エージェントと発信者の会話をモニタできます。この方法では、エージェントが、Cisco Agent Desktop(IP Phone Agent ではなく)と、デスクトップ モニタリングをサポートする電話を使用する必要があります。デスクトップ モニタリングをサポートしている電話の一覧については、『 Cisco Unified CCX Software and Hardware Compatibility Guide 』を参照してください。このマニュアルは、次の URL で入手できます。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/custcosw/ps1846/products_device_support_tables_
list.html
新しいデスクトップ(エンドポイント)モニタリング サービスの設計上の留意事項については、 第 7 章「帯域幅、セキュリティ、および QoS に関する考慮事項」 を参照してください。
SPAN ベースのサービスの設計上の留意事項
従来の SPAN ベースの VoIP サービスでは、1 つ以上のポートからの IP トラフィックをコピーし、単一の宛先ポートに送信できます。
従来の SPAN ベースの VoIP モニタ サービスを設定する際には、次の点に注意してください。
• VoIP モニタで 2 個目のネットワーク カードを使用している場合は、Cisco Unified CCX Engine で使用されるネットワーク カードのバインド順序が、VoIP モニタ サービスで使用するものよりも高くなるようにしてください。ネットワーク カードのバンド順序の設定方法の詳細は、『 Cisco CAD Installation Guide 』を参照してください。
• スイッチ 1700、2100、2800、2948G-L3、4840G、CE-500、CE-520 では、SPAN セッションがサポートされていません。
• Local SPAN(LSPAN; ローカル SPAN)は、すべての送信元ポートと宛先ポートが物理的に同じスイッチ上にある SPAN です。Remote SPAN(RSPAN; リモート SPAN)は、物理的に別のスイッチ上にある送信元ポートを含むことができます。RSPAN をサポートしていないスイッチは、1200、1900、2820、2900、2900XL、2926GS、2926F、2926T、2948G、2950、2980G、3000、3100、3200、3500XL、3524-PWR XL、3508GL XL、3550、5000、5002、5500、5505、5509 です(RSPAN 構成の中間スイッチとしては使用できます)。
• 一部のスイッチでは、SPAN 構成の宛先ポートを通常のネットワーク接続として使用できません。このポートを通過できるトラフィックは、SPAN の送信元ポートからコピーされたトラフィックだけです。この構成が正常に機能するためには、VoIP モニタ サービスを実行しているコンピュータに、2 つのネットワーク接続(NIC)が必要です。SPAN 宛先ポートで通常のネットワーク トラフィックをサポートしていないスイッチは、2950、3000、3100、3200、3550 です。
• 一部の構成では、VoIP モニタ サービスが重複する音声パケットを受信し、音声品質が低下することがあります。これを避けるには、ポートへの入力パケットだけを VoIP モニタ サービスに送信します。これは、1900、2820、2900、2900XL、3000、3100、3200、3500XL の各スイッチではサポートされていない SPAN の設定です。
• 一部のスイッチでは、SPAN が VLAN を送信元として使用(VSPAN と呼びます)できません。その場合、SPAN は、個別のポートをモニタリングで使用するよう指定する必要があります。VSPAN をサポートしていないスイッチは、1200、1900、2820、2900XL、2950、3000、3100、3200、3500XL、3524-PWR XL です。
詳細については、『Voice Over IP Monitoring Best Practices Deployment Guide』を参照してください。
表 B-1 は、スイッチ上に存在できる SPAN セッションおよび RSPAN セッションの数の制限を示します。
表 B-1 SPAN および RSPAN のスイッチベースのセッション制限
|
|
1200 |
1 |
1900 |
1 |
2820 |
1 |
2900 |
1 |
2900XL |
1 |
2926GS |
5 |
2926GL |
5 |
2926T |
5 |
2926F |
5 |
2940 |
1 |
2948G |
5 |
2950 |
1 |
2960 LAN Lite |
1 |
2960 LAN Base |
2 |
2980G |
5 |
3000 |
1 |
3100 |
1 |
3200 |
1 |
3500XL |
1 |
3524-PWR XL |
1 |
3508GL XL |
1 |
3550 |
2 |
3560 |
2 |
3750 |
2 |
4003 |
5 |
4006 |
5 |
2912G |
5 |
5000 |
5 |
5002 |
5 |
5500 |
5 |
5505 |
5 |
5509 |
5 |
6006 |
30 |
6009 |
30 |
6506 |
30 |
6509 |
30 |
6513 |
30 |
G.722 または iLBC をサポートするエージェントの電話の配置ガイドライン
Cisco Unified CCX は、G.711 および G.729 のエージェント コールだけをモニタおよび録音できます。Cisco Unified CM および Cisco Unified CME 用の新しいバージョンのエージェント電話の中には、G.722 および iLBC をサポートしているものがあります。発信側デバイス(音声ゲートウェイまたは IP 電話)とエージェントの電話の両方が G.722 または iLBC をサポートしている場合、コールで優先されるコーデックとしてこれらのコーデックが選択されることがあります。その場合、モニタリングと録音は失敗します。コールでこれらのコーデックが使用されないようにするには、次の設定を推奨します。
Cisco Unified CM の場合
• エージェントの電話が G.722 のコーデックをサポートしている場合、このコーデック機能のアドバタイズをディセーブルにします。
• エージェントの電話で使用されているリージョンで、音声コーデックを G.711 または G.729 だけに設定し、リンク損失タイプを損失ありに設定しないことで、iLBC が使用されるのを防ぎます。
Cisco Unified CME の場合
Cisco Unified CME に登録するすべてのデバイスで優先されるコーデックを G.722 および iLBC 以外に設定し、コール設定時のコーデック ネゴシエーションでこれらのコーデックが選択されないようにします。