起動時の問題の解決
「電話機の起動プロセスの確認」で説明されているように、Cisco Unified IP Phone をネットワークに設置し、それを Cisco Unified CallManager に追加すると、電話機が起動します。電話機が正しく起動しない場合は、以下の項でトラブルシューティングの情報を参照してください。
• 「症状:Cisco Unified IP Phone が通常の起動プロセスを実行しない」
• 「症状:Cisco Unified IP Phone が Cisco Unified CallManager に登録されない」
• 「症状:Cisco Unified IP Phone が IP アドレスを取得できない」
症状:Cisco Unified IP Phone が通常の起動プロセスを実行しない
Cisco Unified IP Phone をネットワーク ポートに接続すると、電話機は 「電話機の起動プロセスの確認」で説明しているとおりに通常の起動プロセスを実行し、LCD スクリーンに情報が表示されるはずです。電話機が起動プロセスを実行しない場合は、ケーブルの不具合、接続不良、ネットワークの停電、電力不足などの原因が考えられます。そうでなければ、電話機が機能していない可能性があります。
電話機が機能しているかどうかを判断するには、次の方法に従って、他の問題の可能性を体系的に排除します。
1. ネットワーク ポートが機能していることを確認します。
–イーサネット ケーブルを、動作確認済みのケーブルに交換します。
–機能している Cisco Unified IP Phone を別のポートから取り外し、それを該当するネットワーク ポートに接続して、ポートが有効であることを確認します。
–有効であることが分かっている別のネットワーク ポートに、起動しない Cisco Unified IP Phone を接続します。
–起動しない Cisco Unified IP Phone をスイッチ上のポートに直接接続し、オフィス内のパッチパネル接続を経由しないようにします。
2. 電話機が電源の供給を受けていることを確認します。
–外部電源を使用している場合は、電気のコンセントが機能していることを確認します。
–インライン パワーを利用している場合は、その代わりに外部電源装置を使用します。
–外部電源装置を使用している場合は、機能していることが分かっている装置に切り替えます。
3. それでも電話機が正しく起動しない場合は、受話器を外して電源を投入します。この方法で電話機に電源を投入すると、バックアップ ソフトウェア イメージの起動が試みられます。
4. それでも電話機が正しく起動しない場合は、出荷時の状態に戻すリセットを実行します。詳細については、「出荷時の状態へのリセット」を参照してください。
上記の解決策を試みた後、5 分以上たっても Cisco Unified IP Phone の LCD スクリーンに文字が表示されない場合は、シスコのテクニカル サポート担当者にご相談ください。
エラー メッセージの特定
電話機が起動プロセスを繰り返すときは、問題の原因に関する情報を提供するステータス メッセージにアクセスすることができます。ステータス メッセージへのアクセスに関する説明、およびエラーの可能性とその説明、解決策の一覧については、「ステータス メッセージ画面」を参照してください。
ネットワーク接続の確認
電話機と TFTP サーバまたは Cisco Unified CallManager との間でネットワークがダウンしている場合は、電話機は正常に起動できません。ネットワークが稼動中であることを確認してください。
TFTP サーバ設定の確認
電話機で使用される TFTP サーバの IP アドレスを調べるには、電話機の 設定 ボタンを押し、 [ネットワーク設定] を選択し、 [TFTPサーバ1] オプションまでスクロールします。
電話機にスタティック IP アドレスを割り当てた場合は、[TFTPサーバ 1]オプションの設定を手作業で入力する必要があります。「ネットワークの設定メニュー」を参照してください。
DHCP を使用している場合は、電話機は DHCP サーバから TFTP サーバ用のアドレスを取得します。オプション 150 に設定されている IP アドレスを確認します。
電話機が代替の TFTP サーバを利用できるようにすることも可能です。そのような設定が特に有用なのは、電話機の設置場所が変わったばかりのときです。詳細については、「ネットワークの設定メニュー」を参照してください。
IP アドレッシングとルーティングの確認
電話機の IP アドレッシングとルーティングの設定を確認する必要があります。DHCP サーバを使用している場合は、DHCP サーバからこれらの値が提供されるはずです。電話機にスタティック IP アドレスを割り当てた場合は、これらの値を手作業で入力する必要があります。
Cisco Unified IP Phone の 設定 ボタンを押して、 [ネットワーク設定] を選択し、次のオプションを確認します。
• DHCP サーバ:電話機にスタティック IP アドレスを割り当てた場合は、[DHCP サーバ]オプションの値を入力する必要はありません。ただし、DHCP サーバを使用している場合は、このオプションに値が入力されている必要があります。値が入力されていない場合は、IP ルーティングと VLAN の設定を確認してください。 http://www.cisco.com/warp/customer/473/53.shtml で入手できる『 Troubleshooting Switch Port and Interface Problems 』を参照してください。
• IP アドレス、サブネットマスク、デフォルトルータ:電話機にスタティック IP アドレスを割り当てた場合は、これらのオプションの設定を手作業で入力する必要があります。詳細については、「ネットワークの設定メニュー」を参照してください。
DHCP を使用している場合は、DHCP サーバから配布された IP アドレスを確認します。 http://www.cisco.com/warp/customer/473/100.html#41 で入手できる
『 Understanding and Troubleshooting DHCP in Catalyst Switch or Enterprise Networks 』を参照してください。
DNS の設定の確認
DNS を利用して TFTP サーバまたは Cisco Unified CallManager を参照している場合は、DNS サーバを指定してあることを確認する必要があります。この設定を確認するには、電話機の 設定 ボタンを押して [ネットワーク設定] を選択し、 [DNSサーバ1] オプションまでスクロールします。また、DNS サーバに TFTP サーバ用および Cisco Unified CallManager システム用の CNAME エントリがあることも確認する必要があります。
さらに、DNS が逆ルックアップを実行するように設定されていることも確認する必要があります。
Cisco Unified CallManager の設定の確認
Cisco Unified IP Phone の 設定 ボタンを押して、 [ネットワーク設定] を選択し、オプション CallManager 1 ~ CallManager 5 を確認します。Cisco Unified IP Phone は、割り当てられている Cisco Unified CallManager グループ内のすべての Cisco Unified CallManager サーバに TCP 接続を開始しようとします。これらのオプションのいずれにも IP アドレス、あるいは[アクティブ]状態または[スタンバイ]状態の表示が含まれない場合は、電話機は Cisco Unified CallManager に正しく登録されていません。この問題を解決する際のヒントについては、「ネットワーク接続の確認」を参照してください。
Cisco Unified CallManager と TFTP のサービスが動作していない
Cisco Unified CallManager または TFTP のサービスが動作していない場合、電話機が正常に起動できないことがあります。そのような場合は、システム全体に障害が起きていて、他の電話機やデバイスも正常に起動できないことがあります。
Cisco Unified CallManager のサービスが動作していない場合は、コールの発信にこのサービスを利用するネットワーク上のすべてのデバイスが影響を受けることになります。TFTP サービスが動作していない場合は、多数のデバイスが正常に起動できません。
サービスを開始するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco Unified CallManager の管理ページで、[ナビゲーション]ドロップダウン リストから [サービスアビリティ] を選択します。
ステップ 2 Tools > Control Center - Network Services の順に選択します。
ステップ 3 Server ドロップダウン リストからプライマリ Cisco Unified CallManager サーバを選択します。
選択したサーバのサービス名、サービスの状況、およびサービスの開始と停止を行うためのサービス コントロール パネルが表示されます。
ステップ 4 サービスが停止している場合は、そのオプション ボタンをクリックし、Start ボタンをクリックします。
Service Status 記号が四角形から矢印に変わります。
新しい設定ファイルの作成
この章の他の方法でも解決できない問題が特定の電話機で続く場合は、設定ファイルが破損している可能性があります。
新しい設定ファイルを作成するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco Unified CallManager で、 [デバイス]>[電話]>[検索] の順に選択して、問題のある電話機を特定します。
ステップ 2 [削除] を選択して、Cisco Unified CallManager データベースから該当する電話機を削除します。
ステップ 3 該当する電話機を Cisco Unified CallManager データベースに再び追加します。詳細については、「Cisco Unified CallManager データベースへの電話機の追加」を参照してください。
ステップ 4 電話機の電源投入サイクルを実行します。
(注) • Cisco Unified CallManager データベースから電話機を削除すると、その設定ファイルは Cisco Unified CallManager TFTP サーバから削除されます。その電話機の電話番号は Cisco Unified CallManager データベースに残ります。これは「割り当てられていない電話番号」と呼ばれ、他のデバイスに利用することができます。割り当てられていない電話番号が他のデバイスに利用されない場合は、Cisco Unified CallManager データベースからその番号を削除します。Route Plan Report を利用して、割り当てられていない参照番号を表示し、削除することができます。詳細については、『Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド』を参照してください。
• 電話ボタン テンプレート上のボタンを変更するか、別の電話ボタン テンプレートを電話機に割り当てると、その電話機から電話番号にアクセスできなくなることがあります。Cisco Unified CallManager のデータベースでは電話番号は依然としてその電話機に割り当てられていますが、コールに応答するために使う電話機上にはボタンはありません。それらの電話番号を電話機から消去し、必要に応じて削除してください。
Cisco Unified CallManager への電話機の登録
Cisco Unified IP Phone が Cisco Unified CallManager サーバに登録できるのは、電話機がすでにサーバに追加されている場合、または自動登録が有効になっている場合に限ります。「Cisco Unified CallManager データベースへの電話機の追加」の情報と手順を見直して、電話機が Cisco Unified CallManager データベースに追加されたことを確認します。
電話機が Cisco Unified CallManager データベースに含まれることを確認するには、Cisco Unified CallManager の管理ページから [デバイス]>[電話]>[検索] の順に選択し、MAC アドレスに基づいて電話機を検索します。MAC アドレスの確認方法については、「Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスの確認」を参照してください。
電話機が Cisco Unified CallManager のデータベースにすでに含まれている場合は、その設定ファイルは破損している可能性があります。解決策については、「新しい設定ファイルの作成」を参照してください。
症状:Cisco Unified IP Phone が IP アドレスを取得できない
電話機が起動時に IP アドレスを取得できない場合は、電話機が DHCP サーバと同じネットワークまたは VLAN 上にないか、電話機が接続されているスイッチ ポートが無効である可能性があります。電話機が接続されているネットワークまたは VLAN から DHCP サーバにアクセスできることと、スイッチ ポートが有効であることを確認してください。
Cisco Unified IP Phone が突然リセットされる
電話機がコール中または使用していないときにリセットされるという報告をユーザから受けた場合は、その原因を調査する必要があります。ネットワーク接続と Cisco Unified CallManager の接続が安定している場合は、Cisco Unified IP Phone が単独でリセットされることはありません。
一般的に、電話機がリセットされるのは、イーサネット ネットワークへの接続、または Cisco Unified CallManager への接続に問題がある場合です。次の項は、ネットワーク内における電話機のリセットの原因を特定するのに役立ちます。
• 「物理的な接続の確認」
• 「断続的なネットワーク停止の特定」
• 「DHCP の設定の確認」
• 「スタティック IP アドレスの設定の確認」
• 「ボイス VLAN の設定の確認」
• 「電話機が意図的にリセットされていないことの確認」
• 「DNS またはその他の接続エラーの解決」
物理的な接続の確認
Cisco Unified IP Phone が接続されているイーサネット接続が稼働していることを確認します。たとえば、電話機が接続されている特定のポートまたはスイッチがダウンしているかどうか、またスイッチが再起動されていないかどうかを確認します。ケーブルに破損箇所がないことも確認してください。
断続的なネットワーク停止の特定
断続的なネットワークの停止は、データ トラフィックと音声トラフィックに異なる影響を及ぼします。ネットワークでは、断続的な停止が検出されないまま発生していることがあります。そのような場合、データ トラフィックは、失われたパケットを再び送信し、パケットの送受信を確認することができます。一方、音声トラフィックは失われたパケットを取り戻すことはできません。電話機は、失われたネットワーク接続を再送信するのではなく、リセットし再びネットワーク接続を試みます。
音声ネットワークに問題が発生している場合は、単に既存の問題が表面化しているだけなのかどうかを調べる必要があります。
DHCP の設定の確認
以下の方法は、DHCP を利用するために電話機が正しく設定されているかどうかを判断するのに役立ちます。
1. DHCP を使用するために電話機が正しく設定されていることを確認します。詳細については、「ネットワークの設定メニュー」を参照してください。
2. DHCP サーバが正しく設定されていることを確認します。
3. DHCP のリース期間を確認します。リース期間を 8 日に設定することをお勧めします。
Cisco Unified IP Phone は、DHCP アドレス リースを更新するために、要求タイプ 151 のメッセージを送信します。DHCP サーバが要求タイプ 150 のメッセージを必要とする場合、リースは拒否され、電話機は強制的に再起動され、DHCP サーバに新しい IP アドレスを要求するように強制されます。
スタティック IP アドレスの設定の確認
電話機にスタティック IP アドレスが割り当てられている場合は、正しい設定値が入力されているかどうかを確認します。詳細については、「ネットワークの設定メニュー」を参照してください。
ボイス VLAN の設定の確認
ネットワーク使用量が多いとき(たとえば、電話機と同じスイッチに接続されているコンピュータ上で過度の Web サーフィンを行ったときなど)に Cisco Unified IP Phone がリセットされるように思われる場合は、ボイス VLAN が設定されていない可能性があります。
電話機を別の補助 VLAN 上に分離すると、音声トラフィックの質が向上します。詳細については、「Cisco Unified IP Phone と VLAN 間のやり取りの概要」を参照してください。
電話機が意図的にリセットされていないことの確認
Cisco Unified CallManager へのアクセス権を持つシステム管理者が他にもいる場合は、他のシステム管理者が 電話機を意図的にリセットしていないかどうかを確認してください。
電話機上の 設定 ボタンを押して、 [ステータス]>[ネットワーク統計] の順に選択すると、Cisco Unified IP Phone が Cisco Unified CallManager からリセット コマンドを受信したかどうかを確認することができます。電話機が最近リセットされた場合は、次のメッセージのいずれかが表示されます。
• Reset-Reset:Cisco Unified CallManager の管理機能から Reset/Reset を受信したため、電話機が終了したことを示します。
• Reset-Restart:Cisco Unified CallManager の管理機能から Reset/Restart を受信したため、電話機が終了したことを示します。
DNS またはその他の接続エラーの解決
電話機がリセットし続ける場合は、次の手順を実行して DNS またはその他の接続エラーを解決します。
手順
ステップ 1 [削除] ソフトキーを使用して、電話機の設定をデフォルト値にリセットします。詳細については、「Cisco Unified IP Phone のリセットまたは復元」を参照してください。
ステップ 2 DHCP および IP の設定を変更します。
a. DHCP を無効にします。詳細については、「ネットワークの設定メニュー」を参照してください。
b. スタティック IP 値を電話機に割り当てます。詳細については、「ネットワークの設定メニュー」を参照してください。機能している他の Cisco Unified IP Phone と同じデフォルト ルータ設定を使用します。
c. TFTP サーバを割り当てます。詳細については、「ネットワークの設定メニュー」を参照してください。機能している他の Cisco Unified IP Phone と同じ TFTP サーバを使用します。
ステップ 3 Cisco Unified CallManager サーバ上のローカル ホスト ファイルで、正しい Cisco Unified CallManager サーバ名が正しい IP アドレスにマップされていることを確認します。
ステップ 4 Cisco Unified CallManager で、 [システム]>[サーバ] の順に選択し、サーバが DNS 名ではなく、IP アドレスによって参照されていることを確認します。
ステップ 5 Cisco Unified CallManager で、 [デバイス]>[電話]>[検索] の順に選択し、この Cisco Unified IP Phone に正しい MAC アドレスが割り当てられていることを確認します。MAC アドレスの確認方法については、「Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスの確認」を参照してください。
ステップ 6 電話機の電源投入サイクルを実行します。
Cisco Unified IP Phone のセキュリティのトラブルシューティング
表9-1 は、Cisco Unified IP Phone のセキュリティ機能のためのトラブルシューティング情報を示します。これらの問題の解決策に関する情報、およびセキュリティと暗号化に関するトラブルシューティングの詳細については、『 Cisco Unified CallManager セキュリティ ガイド 』を参照してください。
表9-1 Cisco Unified IP Phone のセキュリティのトラブルシューティング
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デバイス認証エラー。 |
CTL ファイルに Cisco Unified CallManager 証明書がない、または証明書が不適切です。 |
電話機が CTL ファイルを認証できない。 |
最新の CTL ファイルに署名したセキュリティ トークンが、電話機の CTL ファイルに存在しません。 |
電話機が CTL ファイル以外の設定ファイルを認証できない。 |
不良な TFTP レコードです。 |
電話機が TFTP の認証の失敗を報告する。 |
• CTL ファイルに電話機の TFTP アドレスがありません。 • 新しい TFTP レコードを含む新しい CTL ファイルを作成した場合は、電話機上の既存の CTL ファイルには新しい TFTP サーバ用のレコードが含まれない可能性があります。 |
電話機が Cisco Unified CallManager に登録されない。 |
CTL ファイルに Cisco Unified CallManager サーバ用の正しい情報が含まれていません。 |
電話機が署名済みの設定ファイルを要求しない。 |
証明書付きの TFTP エントリが CTL ファイルに含まれていません。 |
一般的なトラブルシューティングのヒント
表9-2 は、Cisco Unified IP Phone の一般的なトラブルシューティングの情報を示します。
表9-2 Cisco Unified IP Phone のトラブルシューティング
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IP Phone のデイジーチェーン接続。 |
アクセス ポートを介して、IP Phone を別の IP Phone に接続しないでください。各 IP Phone をスイッチ ポートに直接接続する必要があります。複数の IP Phone を 1 列に接続(デイジーチェーン接続)すると、1 台の IP Phone の問題が、同じ列内の後続のすべての IP Phone に影響を与える可能性があります。また、同じ列内のすべての IP Phone は帯域幅も共有することになります。 |
G.729 プロトコルを使用してデジタル携帯電話と通話するときの音声品質が悪い。 |
Cisco Unified CallManager では、G.729 プロトコルを使用するようにネットワークを設定できます(デフォルトは G.711)。G.729 を使用すると、IP Phone とデジタル携帯電話の間のコールの音声品質が悪くなります。必要不可欠な場合に限り、G.729 を使用してください。 |
ブロードキャスト ストームが長く続いたために、IP Phone がリセットされるか、コールを発信または応答できない。 |
ボイス VLAN でレイヤ 2 ブロードキャスト ストームが長く(数分間)続くことによって、IP Phone のリセット、アクティブ コールの喪失、あるいはコールの初期化または応答不能が発生することがあります。電話機は、ブロードキャスト ストームが終了するまで使用できないことがあります。 |
電話機からワークステーションにネットワーク接続を移行する。 |
ネットワーク接続を介して電話機に電源を供給している場合は、電話機のネットワーク接続を取り外し、ケーブルをデスクトップ コンピュータに差し込む際に、注意が必要です。
注意 コンピュータのネットワーク カードは、ネットワーク接続を介して電源の供給を受けることはできません。ネットワーク接続を介して電源が供給されると、ネットワーク カードが破損する可能性があります。ネットワーク カードを保護するため、電話機からケーブルを抜いた後、コンピュータにそれを差し込む前に 10 秒以上待ってください。10 秒以上経過すれば、スイッチは回線上に電話機が存在しなくなったことを認識し、ケーブルへの電源の供給を停止します。
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電話機の設定を変更する。 |
ユーザがネットワーク接続に影響を及ぼし得る変更を加えないようにするために、デフォルトでは、ネットワーク設定オプションはロックされています。システム管理者は、ネットワーク設定オプションを設定する前に、ロックを解除する必要があります。詳細については、「オプションのロックとロック解除」を参照してください。 |
電話機がリセットされる。 |
電話機は、Cisco Unified CallManager ソフトウェアとの接続が途切れるとリセットされます。接続が途切れた原因として、ケーブルの破損、スイッチの停止、スイッチのリブートなど、何らかのネットワーク接続の中断が考えられます。 |
LCD スクリーンの問題。 |
画面に線の歪みや起伏があるように見える場合は、建物内にある特定のタイプの旧式蛍光灯の影響を受けている可能性があります。電話機をその蛍光灯から離すか、蛍光灯を交換すれば、問題が解決するはずです。 |
デュアルトーン複数周波数(DTMF)の遅延。 |
キーパッド入力が必要な通話時に、キーを押すのが速すぎると、入力の一部が認識されない場合があります。 |
電話機の他のデバイスとの間のコーデックの不一致。 |
RxType 統計と TxType 統計では、Cisco Unified IP Phone と他のデバイスとの間のやり取りに使用されているコーデックが表示されます。2 つの統計の値は一致する必要があります。一致しない場合は、他のデバイスがコーデックのやり取りを処理できるどうか、またはサービスを処理するようにトランスコーダが設定されているかどうかを確認してください。 これらの統計の表示方法については、「コールの統計画面」を参照してください。 |
電話機の他のデバイスとの間のサウンド サンプルの不一致。 |
RxSize 統計と TxSize 統計では、Cisco Unified IP Phone と他のデバイスとの間のやり取りに使用されている音声パケットのサイズが表示されます。2 つの統計の値は一致する必要があります。 これらの統計の表示方法については、「コールの統計画面」を参照してください。 |
音声コールでのギャップ。 |
AvgJtr 統計と MaxJtr 統計を確認します。2 つの統計の値が大きく違う場合は、ネットワーク上にジッタの問題があるか、ネットワーク アクティビティ率が周期的に高くなっていることがあります。 これらの統計の表示方法については、「コールの統計画面」を参照してください。 |
ループバック状態。 |
次の条件を満たす場合に、ループバック状態が発生することがあります。 • 電話機の[ネットワーク設定]メニューの[SW ポート設定]オプションが 10 Half(10-BaseT/半二重)に設定されている。 • 外部電源装置から電話機に電力を供給している。 • 電話機の電源が入っていない(電源装置が接続されていない)。 この場合、電話機のスイッチ ポートが無効になる可能性があり、次のメッセージがスイッチのコンソール ログに表示されます。 HALF_DUX_COLLISION_EXCEED_THRESHOLD この問題を解決するには、スイッチからポートを再度有効にします。 |
単方向オーディオ。 |
コールにおいて一方でも音声を受信できない場合、電話機間の IP 接続は確立されていません。ルータとスイッチの設定をチェックして、IP 接続が適切に設定されていることを確認してください。 |
Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュールの一般的なトラブルシューティングのヒント
表9-3 は、Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュールの一般的なトラブルシューティングの情報を示します。
表9-3 Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュールのトラブルシューティング
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Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュールに何も表示されない。 |
ケーブルが正しく接続されていることを確認してください。 Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュールに電源を投入済みであることを確認してください。 |
最初の Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュールの点灯しているボタンの色がすべて赤である。 |
Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュールが Cisco Unified CallManager で定義済みであることを確認してください。 |
2 番目の Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュールの点灯しているボタンの色がすべてオレンジである。 |
Cisco Unified IP Phone 7914 拡張モジュールが Cisco Unified CallManager で定義済みであることを確認してください。 |
Cisco Unified IP Phone のリセットまたは復元
Cisco Unified IP Phone をリセットまたは復元するには、次の 2 つの方法があります。
• 「基本リセットの実行」
• 「出荷時の状態へのリセット」
基本リセットの実行
Cisco Unified IP Phone の基本リセットは、電話機に障害が発生した場合に復旧する方法、およびさまざまな構成やセキュリティの設定をリセットまたは復元する方法です。
表9-4 では、基本リセットの実行方法について説明しています。電話機が起動した後、それらの手順を使用して電話機をリセットすることができます。状況に応じた操作を選択します。
表9-4 基本リセットの方法
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電話機の再起動 |
サービス 、 設定、 または ディレクトリ ボタンを押し、 **#** を押します。 |
変更を加えたがまだフラッシュ メモリに書き込まれていないユーザおよびネットワークの設定を、過去に保存された設定にリセットします。その後、電話機を再起動します。 |
[削除] ソフトキー |
[設定]メニューで、電話機のオプションのロックを解除します(「オプションのロックとロック解除」を参照)。 [削除] ソフトキーを押します。 |
ユーザとネットワークの構成の設定をデフォルト値にリセットし、電話機から CTL ファイルを削除します。その後、電話機を再起動します。 |
[ネットワークの設定]メニューで、電話機のオプションのロックを解除します(「オプションのロックとロック解除」を参照)。 [削除] ソフトキーを押します。 |
ネットワーク設定の設定値をデフォルト値にリセットし、電話機をリセットします(リセットすることで、DHCP が電話機の IP アドレスを再設定します)。 |
[セキュリティ設定]メニューで、電話機のオプションのロックを解除します(「オプションのロックとロック解除」を参照)。 [削除] ソフトキーを押します。 |
電話機から CTL ファイルを削除して電話機を再起動します。 |
出荷時の状態へのリセット
Cisco Unified IP Phone を出荷時の状態にリセットすると、以下の情報が消去されるか、またはデフォルト値にリセットされます。
• CTL ファイル:消去されます。
• LSC:消去されます。
• ユーザ構成の設定:デフォルト値にリセットされます。
• ネットワークの設定値:デフォルト値にリセットされます。
• 通話履歴:消去されます。
• ロケール情報:デフォルト値にリセットされます。
• 電話機のアプリケーション:削除(電話機は、term61.default.loads ファイルまたは term41.default.loads ファイルをロードして復旧されます)。
出荷時の状態にリセットする前に、次の条件を満たしているかどうかを確認してください。
• 電話機が DHCP が有効なネットワーク上に存在する。
• DHCP サーバの DCHP オプション 150 またはオプション 66 に有効な TFTP サーバが設定されている。
• term61.default.loads ファイルまたは term41.default.loads ファイル、およびそのファイルで指定されたファイルが、DHCP パケットで指定された TFTP サーバで使用できる。
電話機を出荷時の状態にリセットするには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 電話機から電源ケーブルを抜いた後、再び差し込みます。
電話機は電源投入サイクルを開始します。
ステップ 2 電話機の電源を投入し、スピーカ ボタンが点滅する前に、
# を押したままにします。
各回線ボタンが順にオレンジ色で点滅するまで、 # を押したままにします。
ステップ 3 # を離し、 123456789*0# を押します。
番号を押し間違えたときは、任意のキーを続けて 2 回押します。この場合、出荷時の状態にリセットしません。
123456789*0# とキーを押すと、電話機の回線ボタンが赤で点滅し、電話機で出荷時の状態へのリセット プロセスが実行されます。
出荷時の状態へのリセット プロセスが完了し、メイン画面が表示されるまで、電話機の電源を切断しないでください。
Quality Report Tool の利用
Quality Report Tool(QRT)は、Cisco Unified IP Phone の音声品質と一般的な問題を報告するツールです。QRT 機能は、Cisco Unified CallManager のインストールの一部としてインストールされます。
ユーザの Cisco Unified IP Phone を QRT と連係して機能するように設定できます。この設定により、ユーザは[品質]ソフトキーを押すことによって、電話機のコールの問題を報告できるようになります。[品質]ソフトキーが利用できるのは、Cisco Unified IP Phone の状態が「接続」、「会議への接続」、「接続転送」、「オンフック」のときだけです。
ユーザが [品質] ソフトキーを押すと、問題のカテゴリのリストが表示されます。ここでユーザが適切な問題のカテゴリを選択すると、XML ファイルにフィードバックが記録されます。実際に記録される情報は、ユーザがどのカテゴリを選択したか、また送信先のデバイスが Cisco Unified IP Phone かどうかによって異なります。
QRT に関する詳細については、『 Cisco Unified CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド 』、『 Cisco Unified CallManager Serviceability システム ガイド 』、および『 Cisco CallManager 機能およびサービス ガイド 』を参照してください。
コールの音声品質のモニタリング
ネットワーク内で送受信されるコールの音声品質を測定する場合、Cisco Unified IP Phone では、秘匿イベントに基づいた次の統計メトリックを使用します。DSP は、ボイス パケット ストリームでのフレーム損失を隠すために秘匿フレームを再生します。
• 秘匿率メトリック:合計スピーチ フレーム数に対する秘匿フレーム数の比率を示します。間隔秘匿率は 3 秒ごとに計算されます。
• 秘匿秒数メトリック:フレーム損失により DSP が秘匿フレームを再生する秒数を示します。厳密に「秘匿された秒」とは、DSP が 5 パーセントを超える秘匿フレームを再生する秒です。
• MOS-LQK メトリック:数値のスコアを使用して、音声リスニング品質を相対的に見積もります。Cisco Unified IP Phone では、先行の 8 秒間でのフレーム損失を原因とする、Listening Quality(LQK; リスニング品質)に基づいた可聴の秘匿イベントについて Mean Opinion Score(MOS; 平均オピニオン スコア)を計算します。これには、コーデックのタイプやフレーム サイズなどの知覚的な加重係数が含まれます。
MOS LQK スコアは、ITU の暫定的規格である P.VTQ を実装したシスコ独自のアルゴリズムによって算出されます。
(注) 秘匿率と秘匿秒数は、フレーム損失に基づいた主要な測定値です。MOS LQK スコアは、同様の情報を 5(優良)~ 1(不良)の 5 段階でリスニング品質を測定する、人の感覚を重視した測定値です。
リスニング品質スコア(MOS LQK)は、受信した音声信号の明澄さまたは音質を示します。会話品質スコア(G.107 などの MOS CQ)には、会話の自然な流れを妨げる遅延などの欠陥係数が含まれます。
電話機の音声品質メトリックの設定方法については、『Cisco Unified CallManager システム ガイド』の「Cisco Unified IP Phone」の章の「電話機能」の項を参照してください。
[コールの統計]画面を使用して、Cisco Unified IP Phone から音声品質メトリックにアクセスできます( 「コールの統計画面」 を参照)。また、[ストリームの統計]画面を使用してリモートにアクセスすることもできます( 第8章「Cisco Unified IP Phone のリモート モニタ」 を参照)。
音声品質モニタリング用のメトリックを使用する場合は、パケット損失のない条件下で典型的なスコアを記録し、このメトリックを比較のベースラインとして使用してください。
メトリックにおいてランダムな変更と重大な変更を区別することが重要です。重大な変更とは、約 0.2 MOS 以上が変更されたスコア、または 30 秒を超えるコールに存在するスコアです。秘匿率の変更は、3 パーセントを超えるフレーム損失を示します。
MOS LQK スコアは、Cisco Unified IP Phone が使用するコーデックに基づいて変化する可能性があります。次のコーデックは、フレーム損失のない通常の条件下で、次の最大 MOS LQK スコアをマークします。
• G.711 コーデックのスコア:4.5
• G.719A/ AB のスコア:3.7
秘匿率がゼロである場合は、IP ネットワークでフレームおよびパケットが損失や遅延なく配信されていることを意味します。
メトリックに対する重大な変更や永続的な変更を観察する際は、一般的なトラブルシューティング情報について 表9-5 を参照してください。
表9-5 音声品質メトリックに対する変更
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MOS LQK スコアが著しく減少 |
パケット損失または高ジッタによるネットワーク障害。 • 平均 MOS LQK の減少は、広範囲の画一的な障害を示しています。 • 個別の MOS LQK の減少は、集中的な障害を示しています。 秘匿率と秘匿秒数を照合して、パケット損失やジッタがないか確認してください。 |
MOS LQK スコアが著しく減少 |
• 電話機が適切なコーデック(RxType および TxType)を使用しているかどうか確認してください。 • MOS LQK のバージョンがファームウェア アップグレード以降に変更されたかどうかを確認してください。 |
秘匿率および秘匿秒数が著しく減少 |
• パケット損失または高ジッタによるネットワーク障害。 |
秘匿率がゼロに近いかゼロであるが、音声品質が悪い |
• エコー レベルまたは音声レベルなどの音声チャネルでのノイズまたはひずみ。 • 携帯電話やテレフォンカードを使用するネットワークに対するコールなど、複数の符号化/復号化が行われるタンデム コール。 • スピーカフォン、ハンズフリー携帯電話、または無線ヘッドセットに起因する音響上の問題。 パケット送信(TxCnt)カウンタとパケット受信(RxCnt)カウンタをチェックして、ボイス パケットの送受信が行われていることを確認してください。 |
音声品質メトリックで考慮されるのはフレーム損失のみで、ノイズやひづみについては考慮されていません。
Cisco Unified IP Phone のクリーニング
Cisco Unified IP Phone をクリーニングする際は、乾いた柔らかい布を使用して、電話機と LCD 救いリーンを軽く拭いてください。液体や粉末を 電話機に直接つけないでください。他の非耐候性の電子機器と同様、液体や粉末は部品を傷め、故障の原因になる可能性があります。