始める前に
Cisco Unified IP Phone を設置する前に、次の各項の要件を確認してください。
• 「ネットワークの要件」
• 「Cisco Unified CallManager の設定」
• 「Cisco Unified IP Video Phone 7985G のコンポーネントについて」
• 「ハンドセット」
• 「スピーカフォン」
• 「ヘッドセット」
• 「Cisco Unified IP Video Phone での外部デバイスの使用」
ネットワークの要件
Cisco Unified IP Video Phone 7985G を Cisco Unified IP Video Phone エンドポイントとしてネットワークで適切に運用するには、ネットワークが次の要件を満たしている必要があります。
• Voice over IP(VoIP)ネットワークが正常に機能している
–VoIP がシスコ ルータおよびゲートウェイ上で設定されている
–Cisco Unified CallManager Release 4.1(2)sr1 以降がネットワークにインストールされ、コール処理用に設定されている
• IP ネットワークが DHCP をサポートしているか、IP アドレス、ゲートウェイ、サブネット マスクの手動割り当てをサポートしている
Cisco Unified IP Video Phone は、日付と時刻を Cisco Unified CallManager から取得します。
Cisco Unified CallManager の設定
Cisco Unified IP Phone は、コールの処理に Cisco Unified CallManager を必要とします。電話機を管理し、コールを適切にルーティングおよび処理できるように Cisco Unified CallManager を適切にセットアップするには、『 Cisco Unified
CallManager アドミニストレーション ガイド 』または Cisco Unified CallManager アプリケーションの状況依存ヘルプを参照してください。
自動登録の使用を予定している場合は、Cisco Unified IP Phone をネットワークに接続する前に、Cisco Unified CallManager で自動登録が有効になっていて、適切に設定されていることを確認します。自動登録の有効化と設定については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。また、「Cisco Unified CallManager データベースへの電話機の追加」も参照してください。
Cisco Unified IP Phone を設定し、テレフォニー機能を割り当てるには、Cisco Unified CallManager を使用する必要があります。詳細については、「電話機で使用できるテレフォニー機能」を参照してください。
Cisco Unified CallManager では、ユーザをデータベースに追加して、個々の電話機に割り当てることができます。この作業が完了すると、コール転送、短縮ダイヤル、ボイス メッセージ システム オプションなどの項目を設定するウィンドウにユーザがアクセスできるようになります。詳細については、「Cisco Unified CallManager へのユーザの追加」を参照してください。
安全性
Cisco Unified IP Video Phone 7985G を設置する前に、次の警告事項を確認してください。これらの警告事項の翻訳を参照するには、この電話機に付属している『 Regulatory Compliance and Safety Information for the Cisco Unified IP Phone 7900 Series 』を参照してください。
警告 必ず、取り付け手順を読んでから、システムを電源に接続してください。
警告 この装置の設置、交換、保守は、訓練を受けた相応の資格のある人が行ってください。
警告 この製品を廃棄処分する際には、日本国の法律および地方自治体の条例または規則に従ってください。
警告 雷の発生中は、システムでの作業、またはケーブルの接続や取り外しを行わないでください。
警告 感電事故を防ぐために、安全超低電圧(SELV)回路を電話網電圧(TNV)回路に接続しないでください。LAN ポートには SELV 回路があり、WAN ポートには TNV 回路があります。一部の LAN ポートと WAN ポートはいずれも、RJ-45 コネクタを使用しています。ケーブルを接続する場合には、注意してください。
注意 シスコが認定した適切な外部電源のみ使用してください。電話機に付属する設置マニュアルを参照してください。
外部電源を使用する場合は、次の警告事項が適用されます。
警告 この製品は、設置する建物に短絡(過電流)保護機構が敷設されていることが前提になっています。各相導体(すべての通電導体)に 120 VAC、15 A(日本および米国)、または 240 VAC、10 A(前記以外の国)以下のヒューズ、または回路ブレーカーが使用されていることを確認してください。
警告 この装置は、TN 電源システムを使用して動作するように設計されています。
警告 プラグとソケットは常に手を伸ばして利用できる状態にしておく必要があります。これは、プラグとソケットが主要な切断装置であるためです。
Cisco Unified IP Video Phone 7985G のコンポーネントについて
Cisco Unified IP Video Phone 7985G には、電話機のコンポーネントまたはアクセサリとして、次のものが含まれています。
• 「ネットワーク ポートとアクセス ポート」
• 「ハンドセット」
• 「スピーカフォン」
• 「ヘッドセット」
ネットワーク ポートとアクセス ポート
Cisco Unified IP Video Phone 7985G の背面には、10/100 SW というラベルの付いたネットワーク ポート、および 10/100 PC というラベルの付いたアクセス ポートがあります。どちらのポートも、外部デバイスへの 10/100 Mbps 半二重/全二重接続をサポートしています。10 Mbps 接続には、カテゴリ 3 またはカテゴリ 5 のどちらのケーブルでも使用できますが、100 Mbps 接続にはカテゴリ 5 を使用する必要があります。
ビデオ電話機をネットワークに接続するには、10/100 SW ネットワーク ポートを使用します。このポートでは、ストレート ケーブルを使用する必要があります。この接続を介して、電話機でスイッチからインラインパワーを取得することもできます。詳細については、「電話機への電力供給」を参照してください。
コンピュータなどのネットワーク デバイスを電話機に接続するには、10/100 PC アクセス ポートを使用します。このポートでは、ストレート ケーブルを使用する必要があります。
ハンドセット
ハンドセットは Cisco Unified IP Video Phone 用に設計されたもので、磁石によって適切な位置で支えられます。
スピーカフォン
Cisco Unified IP Video Phone 7985G のスピーカフォンは、システムのデフォルトでは有効になっています。
スピーカフォンは、Cisco Unified CallManager Administration アプリケーションで無効にできます。無効にするには、 Device > Phone を選択し、変更する電話機を見つけます。電話機の Phone Configuration ウィンドウで、 Disable Speakerphone チェックボックスをオンにします。
ヘッドセット
Cisco Unified IP Video Phone 7985G では、ヘッドセットを使用できます。ヘッドセットを接続するには、電話機の右側にあるヘッドセット ポートにヘッドセットを差し込みます。ヘッドセットを使用しているときは、電話機の ヘッドセット ボタンを押すことでコールを発信し、コールに応答します。
ヘッドセットは、音量ボタンとミュート ボタンを含めて、Cisco Unified IP Phone のすべての機能で使用できます。これらのボタンは、イヤー ピース部分の音量を調節したり、ヘッドセット マイクロフォンからの音声経路をミュートしたりするときに使用します。
Cisco Unified IP Video Phone 7985G では、2.5 mm のヘッドセット プラグを使用しています。推奨モデルについては、次の URL を参照してください。
http://vxicorp.com/cisco
シスコでは、サードパーティ ヘッドセット ベンダー製の製品は認定およびサポートしていません。シスコは、Cisco Unified IP Phone 用のサードパーティ ヘッドセットに対して基本的な検証を実施しています。ただし、これらの装置をお客様の環境で検証し、適切なパフォーマンスが得られるかどうかを調査することは、最終的にはお客様の責任になります。Cisco Unified IP Phone が配置される環境は、状況がそれぞれに異なります。このため、すべてのお客様にとって最適なものとなる、「最高」の単一のヘッドセット ソリューションは存在しません。音質は主観に左右されるものであるため、シスコでは、ヘッドセットのパフォーマンスを保証することはできません。ただし、次の Web サイトに掲載されている一部のヘッドセットについては、Cisco Unified IP Phone で良好なパフォーマンスを得られることが報告されています。
http://www.plantronics.com
http://www.vxicorp.com
ヘッドセットは、Cisco Unified CallManager Administration で無効にできます。無効にすると、スピーカフォンも無効になります。
ヘッドセットを Cisco Unified CallManager Administration から無効にするには、 Device > Phone を選択し、変更するヘッドセットを見つけます。電話機の Phone Configuration ウィンドウで、 Disable Speakerphone and Headset チェックボックスをオンにします。
Cisco Unified IP Video Phone での外部デバイスの使用
Cisco Unified IP Video Phone 7985G では、外部ヘッドセットを使用できます。次の情報は、Cisco Unified IP Video Phone で外部デバイスを使用する場合に適用されます。
シスコでは、不要な Radio Frequency(RF; 無線周波数)および Audio Frequency(AF; 可聴周波数)が遮蔽された高品質の外部デバイスの使用を推奨しています。
これらのデバイスの品質や、携帯電話および双方向ラジオなど他のデバイスとの間隔によっては、雑音が入ることもあります。その場合は、次のいずれかの方法で対処してください。
• RF または AF の信号源から外部デバイスを離す。
• RF または AF の信号源から外部デバイスのケーブルの経路を離す。
• 外部デバイス用に遮蔽されたケーブルを使用するか、遮蔽およびコネクタが高品質のケーブルを使用する。
• 外部デバイスのケーブルを短くする。
• 外部デバイスのケーブルに、フェライトまたは同様のデバイスを適用する。
シスコでは、外部デバイス、ケーブル、コネクタの品質については制御できないため、システム パフォーマンスを保証することはできません。良品質のケーブルおよびコネクタを使用して適切なデバイスを接続すると、十分なシステム パフォーマンスを得られます。
注意 欧州連合諸国では、EMC Directive [89/336/EC] に完全に準拠した外部スピーカ、マイクロフォン、ヘッドセットだけを使用してください。
Cisco Unified IP Video Phone の設置
Cisco Unified IP Video Phone は、使用する前にネットワークおよび電源に接続する必要があります。設置の図解については、表3-1 を参照してください。
(注) 外部ヘッドセットを使用する場合は、「Cisco Unified IP Video Phone での外部デバイスの使用」にある安全性とパフォーマンスに関する情報を読んでおいてください。
表3-1 Cisco Unified IP Video Phone 7985G のケーブルの接続
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ハンドセットのプラグ |
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ヘッドセットのプラグ |
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電源ケーブル(外部電源からの 48 V DC) |
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ネットワーク ケーブル、SW ポート(10/100 SW) |
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ネットワーク ケーブル、PC ポート(10/100 PC) |
関連項目
• 「始める前に」
• 「起動時のネットワーク設定値の設定」
ハンドセット ブラケットの取り付け
ステップ 1 ハンドセット ブラケットを溝に差し込みます(図3-1 を参照してください)。カチッと音がするまで、溝にしっかりと押し込んでください。
ステップ 2 ハンドセット ケーブルは、一方の端のストレート線部分が、もう一方よりも長くなっています。ハンドセット ケーブルをビデオ電話機の底面に接続するときは、この端を使用します。
ステップ 3 ハンドセット ケーブルのこのストレート線の部分を、電話機の底面にある配線溝に沿って、プラグからハンドセット受け台まで通します。
ステップ 4 電話機をまっすぐに立て、所定の場所にハンドセットを置きます。ハンドセットは、磁石によって適切な位置で支えられます。
図3-1 Cisco Unified IP Video Phone 7985G のケーブルの接続
電話機の起動プロセスの確認
Cisco Unified IP Video Phone を電源に接続すると、電話機が次のステップを実行して、起動プロセスを開始します。
1. 電話機に電力が供給されると、通知ランプが点灯します。このランプは、登録プロセスが終了すると消灯します。
2. スクリーンに、シスコシステムズ社のロゴ画面が表示されます。
3. 電話機の起動処理中に、次のメッセージが表示されます。
–Configuring VLAN
–Configuring IP
–Querying TFTP Server
–Registering
4. スクリーンに次の情報が表示されます。
–プライマリ電話番号
–追加電話番号
–ソフトキー
これらの段階を正常に通過した場合、電話機は正常に起動しています。電話機が正常に起動しない場合は、「起動に関する問題の解決」を参照してください。
起動時のネットワーク設定値の設定
ネットワークで DHCP を使用していない場合は、Cisco Unified IP Phone をネットワークに設置した後に、電話機上で次のネットワーク設定値を設定する必要があります。
• IP アドレス
• IP サブネット マスク
• デフォルト ゲートウェイの IP アドレス
• ドメイン名
• DNS サーバの IP アドレス
• TFTP サーバの IP アドレス
これらの情報を収集して、「Cisco Unified IP Video Phone の設定値の設定」の説明を参照してください。