起動に関する問題の解決
Cisco Unified IP Video Phone をネットワークに設置し、Cisco Unified CallManager に追加すると、電話機が起動します(「電話機の起動プロセスの確認」を参照)。電話機が正常に起動しない場合は、次の各項のトラブルシューティング情報を参照してください。
• 「症状:Cisco Unified IP Video Phone が通常の起動プロセスを実行しない」
• 「症状:Cisco Unified IP Video Phone が Cisco Unified CallManager に登録されない」
• 「症状:Cisco Unified IP Video Phone が予期せずリセットされる」
症状:Cisco Unified IP Video Phone が通常の起動プロセスを実行しない
Cisco Unified IP Phone をネットワーク ポートに接続すると、電話機は通常の起動プロセスを実行し、LCD スクリーンに情報が表示されます。電話機が起動プロセスを実行しない場合、その原因としては、ケーブルの損傷、接続不良、ネットワークの停止、電力不足などが考えられます。または、電話機が動作していない可能性もあります。
電話機が動作しているかどうかを確認するには、次の推奨事項に従って、考えられる問題を 1 つずつ解決していきます。
1. ネットワーク ポートが機能していることを確認します。
–イーサネット ケーブルを正常に使用できているものに交換する。
–別のポートに接続され、正常に動作している Cisco Unified IP Video Phone を取り外して、該当するネットワーク ポートに接続し、ポートがアクティブであることを確認する。
–起動しない Cisco Unified IP Video Phone を別の正常なネットワーク ポートに接続する。
–起動しない Cisco Unified IP Video Phone を、オフィスにあるパッチ パネル接続を経由せずにスイッチのポートに直接接続する。
2. 電話機が受電していることを確認します。
–電気コンセントが機能していることを確認する。
–インラインパワーを使用している場合は、代わりに外部電源を使用する。
–外部電源を使用している場合は、正常に動作しているユニットに切り替える。
–インラインパワーを使用している場合は、IEEE 802af 対応のスイッチに接続されていることを確認する。シスコ インラインパワーは、7985G ではサポートされません。
3. 上の事項を確認しても電話機が正常に起動しない場合は、ハンドセットをオフ フックにしたまま電話機の電源を投入します。この方法で電話機の電源を投入すると、電話機はバックアップ ソフトウェア イメージを起動しようとします。
4. 上の方法でも電話機が正常に起動しない場合は、電話機を工場出荷時の状態にリセットします。詳細については、「工場出荷時の状態へのリセット」を参照してください。
これらの解決方法を試してから 5 分以上経っても Cisco Unified IP Video Phone の LCD スクリーンに何も文字が表示されない場合は、シスコのテクニカル サポート担当者にご連絡ください。
Cisco Unified CallManager への電話機の登録
Cisco Unified IP Video Phone を Cisco Unified CallManager サーバに登録できるのは、電話機がサーバにすでに追加されている場合、または自動登録を有効にしている場合のみです。「Cisco Unified CallManager データベースへの電話機の追加」の情報および手順を確認して、電話機が Unified CallManager データベースに追加されていることを確認してください。
電話機が Cisco Unified CallManager データベースに存在していることを確認するには、Cisco Unified CallManager Administration で、 Device > Find を選択し、電話機を MAC アドレスを条件にして検索します。検索条件にする MAC アドレスを特定するには、 Settings > Network Configuration を押し、 MAC address オプションまでスクロールします。
電話機が Cisco Unified CallManager データベースにすでに存在している場合は、設定ファイルが破損している可能性を考慮してください。詳細については、「新しい設定ファイルの作成」を参照してください。
ネットワーク接続の確認
電話機と TFTP サーバ、または電話機と Cisco Unified CallManager の間でネットワークがダウンしている場合、電話機は正常に起動できません。ネットワークが動作していることを確認してください。
IP アドレス指定とルーティングの確認
電話機の IP アドレス指定とルーティングの設定値を確認する必要があります。DHCP を使用している場合、これらの値は DHCP サーバが提供します。電話機に固定 IP アドレスを割り当てた場合は、これらの値を手動で入力する必要があります。
Cisco Unified IP Phone で、 Settings > Network Configuration を選択し、次のオプションを確認します。
• DHCP Server:電話機に固定 IP アドレスを割り当てた場合は、DHCP Server オプションの値を入力する必要はありません。ただし、DHCP サーバを使用している場合は、このオプションに値が入力されている必要があります。入力されていない場合は、IP ルーティングと VLAN の設定を確認してください。 http://www.cisco.com/warp/customer/473/53.shtml で入手できる
『 Troubleshooting Switch Port Problems 』を参照してください。
• IP Address、Subnet Mask、Default Router:電話機に固定 IP アドレスを割り当てた場合は、これらのオプションの設定値を手動で入力する必要があります。詳細については、「Network Configuration メニュー」を参照してください。
DHCP を使用している場合は、DHCP サーバが配布した IP アドレスを確認してください。 http://www.cisco.com/warp/customer/473/100.html#41 で入手できる
『 Understanding and Troubleshooting DHCP in Catalyst Switch or Enterprise Networks 』を参照してください。
DNS の設定値の確認
DNS を使用して TFTP サーバまたは Cisco Unified CallManager を参照している場合は、管理者が DNS サーバを指定する必要があります。この設定値を確認するには、 Settings > Network Configuration を選択し、 DNS Server 1 オプションまでスクロールします。また、TFTP サーバと Cisco Unified CallManager システムの CNAME エントリが DNS サーバに存在していることも確認する必要があります。
さらに、逆ルックアップを実行するように DNS を設定する必要があります。Windows 2000 は、デフォルトの設定では順方向のルックアップのみ実行します。
Cisco Unified CallManager の設定値の確認
Cisco Unified IP Video Phone で、 Settings > Network Configuration を選択し、
CallManager 1 ~ CallManager 5 の各オプションを確認します。Cisco Unified IP Video Phone は、割り当てられた Cisco Unified CallManager グループに含まれているすべての Cisco Unified CallManager サーバに向かって TCP 接続を開こうとします。これらのいずれのオプションにも IP アドレスが保持されておらず、Active または Standby が示されていない場合、電話機は Cisco Unified CallManager に正しく登録されていません。この問題を解決するためのヒントについては、「Cisco Unified CallManager への電話機の登録」を参照してください。
Cisco Unified CallManager と TFTP のサービスが動作していない
Cisco Unified CallManager サービスまたは TFTP サービスが動作していない場合は、電話機が正常に起動しない可能性があります。ただし、このような状況では、システム全体に障害が発生して、他の電話機やデバイスが正常に起動しない場合もあります。
Cisco Unified CallManager サービスが動作していない場合は、このサービスを利用してコールを発信する、ネットワーク上のすべてのデバイスが影響を受けます。TFTP サービスが動作していない場合、多くのデバイスは正常に起動できません。
サービスを開始するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco Unified CallManager Administration で、 Application > Cisco CallManager Serviceability を選択します。
ステップ 2 Tools > Control Center を選択します。
ステップ 3 Servers カラムで、プライマリの Cisco Unified CallManager サーバを選択します。
ウィンドウ上に、選択したサーバのサービス名、サービスのステータス、およびサービスを停止または開始するためのサービス コントロール パネルが表示されます。
ステップ 4 サービスが停止している場合は、 Start ボタンをクリックします。
Service Status の記号が、四角形から矢印に変化します。
新しい設定ファイルの作成
この章の他の推奨事項に従っても特定の電話機で問題が解決しない場合は、設定ファイルが破損している可能性があります。新しい設定ファイルを作成するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco Unified CallManager で、 Device > Phone > Find を選択し、問題が発生している電話機を検索します。
ステップ 2 Delete をクリックして、電話機を Cisco Unified CallManager データベースから削除します。
ステップ 3 電話機をもう一度 Cisco Unified CallManager データベースに追加します。詳細については、「Cisco Unified CallManager データベースへの電話機の追加」を参照してください。
ステップ 4 電話機の電源投入サイクルを実行します。
(注) • 電話機を Cisco Unified CallManager データベースから削除すると、その電話機の設定ファイルが Cisco Unified CallManager の TFTP サーバから削除されます。電話機の電話番号は、Cisco Unified CallManager データベースに残ります。これらの「未割り当て DN」は、他のデバイスに使用することができます。これらの未割り当て DN を他のデバイスで使用しない場合は、DN を Cisco Unified CallManager データベースから削除します。未割り当てのリファレンス番号を表示および削除するには、ルート プラン レポートを使用します。詳細については、『Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド』を参照してください。
• 電話ボタン テンプレートのボタンを変更するか、電話機に別の電話ボタン テンプレートを割り当てると、電話機からアクセスできない電話番号が発生することがあります。これらの電話番号は、Cisco Unified CallManager データベースでは電話機に割り当てられたままですが、コールへの応答に使用できるボタンは電話機上に存在しません。必要に応じて、これらの電話番号を電話機から削除してください。
物理接続の確認
Cisco Unified IP Video Phone が接続されているイーサネット接続が、正常に動作していることを確認します。たとえば、電話機が接続されている特定のポートまたはスイッチがダウンしていないかどうかを確認します。
断続的なネットワーク停止の識別
ネットワークが断続的に停止することによって生じるデータ トラフィックや音声トラフィックへの影響は、一定のものではありません。ネットワークが断続的に停止していても、検出されない場合もあります。この場合は、データ トラフィックであれば喪失パケットを再送信して、パケットが送受信されていることを確認できます。一方、音声トラフィックの場合は喪失パケットを再キャプチャできません。電話機は、失われたネットワーク接続を再送信する代わりに、リセットを実行してネットワーク接続を再接続しようとします。
音声ネットワークに問題が発生した場合は、以前からある問題点が単に表面化しただけではないか、調査する必要があります。
DHCP の設定値の確認
電話機が DHCP を使用するように適切に設定されているかどうかを確認するには、次の推奨事項を参考にしてください。
• DHCP を使用するように、電話機を適切に設定したことを確認する。詳細については、「Network Configuration メニュー」を参照してください。
• DHCP サーバが適切にセットアップされていることを確認する。
• DHCP のリース期間を確認する。シスコでは、リース期間を 8 日間にすることをお勧めします。
Cisco Unified IP Phone は、DHCP のアドレス リースを更新するときに、要求タイプ 151 のメッセージを送信します。DHCP サーバが要求タイプ 150 のメッセージを前提にしている場合、サーバはリースを拒否し、電話機に対して、再起動して DHCP サーバに新しい IP アドレスを要求することを強制します。
DNS およびその他の接続のエラーの解決
電話機のリセットが継続的に発生する場合は、次の手順に従って、DNS およびその他の接続のエラーを解決します。
ステップ 1 Erase ソフトキーを使用して、電話機の設定値をデフォルト値にリセットします。詳細については、「Cisco Unified IP Video Phone のリセットまたは復元」を参照してください。
ステップ 2 DHCP および IP の設定値を修正します。
a. DHCP を無効にします。詳細については、「Network Configuration メニュー」を参照してください。
b. 電話機に固定 IP アドレスを割り当てます。詳細については、「Network Configuration メニュー」を参照してください。正常に動作する他の Cisco Unified IP Phone で使用されている、デフォルトのルータ設定値を使用します。
c. TFTP サーバを割り当てます。詳細については、「Network Configuration メニュー」を参照してください。正常に動作する他の Cisco Unified IP Phone で使用されている TFTP サーバを使用します。
ステップ 3 Cisco Unified CallManager サーバで、ローカルの hosts ファイルが正しい Cisco Unified CallManager サーバ名を正しい IP アドレスにマッピングしていることを確認します。 http://www.cisco.com/warp/customer/788/AVVID/cm_hosts_file.html で入手できる『 Configuring The IP Hosts File on a Windows 2000 CallManager Server 』を参照してください。
ステップ 4 Cisco Unified CallManager で、 System > Server を選択し、サーバが DNS 名ではなく IP アドレスで参照されていることを確認します。
ステップ 5 Cisco Unified CallManager で、 Device > Phone を選択し、この Cisco Unified IP Phone に正しい MAC アドレスを割り当てたことを確認します。電話機上で MAC アドレスを確認するには、 Settings > Network Configuration を選択し、 MAC address オプションまでスクロールします。
ステップ 6 電話機の電源投入サイクルを実行します。