ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル(DHCP)
Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP; ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル)サーバを使用すると、お客様のデータまたは音声イーサネット ネットワークに接続した Cisco Unified IP Phone で動的に IP アドレスとコンフィギュレーション情報を取得できます。DHCP サーバは、クラスタの内部と外部を問わず、Domain Name System(DNS; ドメイン ネーム システム)を使用してホスト名の解決します。DHCP サーバおよびサブネットの設定については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「DHCP サーバの設定」を参照してください。
この章の構成は、次のとおりです。
• 「DHCP サーバ」
• 「DNS」
• 「デバイスによる TFTP サーバの識別方法の概要」
• 「移行」
• 「アラーム」
• 「関連項目」
DHCP サーバ
DHCP サーバは、1 つの Cisco Unified CallManager クラスタに 1 台だけ存在するようにしてください。各 Cisco Unified CallManager クラスタが地理的に離れていなければ、さまざまなクラスタが 1 台の DHCP サーバを共有できます。地理的に離れていると、1 つのロケーションにつき 1 台の DHCP サーバが必要になる場合があります。DHCP サーバを共有している場合は、一部の Cisco Unified CallManager クラスタに DHCP サーバが存在しないこともあります。
DHCP サーバはスタンドアロン サーバなので、DHCP サーバとして設定された Cisco Unified CallManager に障害が起きた場合のバックアップ サーバは存在しません。
Cisco Unified CallManager 管理者は、DHCP サーバとサブネットを設定する必要があります。ノードごとに 1 台のサーバを設定でき、それぞれのサーバごとに複数のサブネットを設定できます。
(注) DNS サーバを適切な Cisco Unified CallManager の名前およびアドレス情報で更新した後に、その情報を使用して Cisco Unified CallManager サーバを設定する必要があります。
Cisco Unified CallManager では、IP アドレスを変更した場合は、ノードを再起動する必要があります。ノードが稼働している限り、DHCP サーバから IP アドレスを提供されたリース期間をリフレッシュし続けるため、同じ IP アドレスのままになります。ただし、IP アドレスが変更されても、ノードのホスト名は同じままにする必要があります。
追加情報
「関連項目」を参照してください。
DNS
DNS には 2 つのタイプの実装が存在します。
• 社内 DNS(使用可能な場合)
• ユーザに対して透過的な内部 DDNS サービス
Cisco Unified CallManager の管理ページには、DHCP サーバにさまざまなスコープを設定するためのサポート機能が用意されています。各スコープごとに、ユーザは IP アドレスの範囲とサブネット マスクを入力でき、オプションを設定することもできます。
社内 DNS によって DNS を設定した場合は、社内 DNS インフラストラクチャが使用され、デフォルトの DNS 設定は、その社内 DNS サービスへのキャッシュ専用サービスとして機能します。
社内 DNS サービスが存在しない場合は、ホスト名と IP アドレスの動的更新が可能な Dynamic Domain Name System(DDNS)サービスを使用してクラスタ全体の DNS インフラストラクチャが実装されます。また、DDNS は、クラスタと相互対話するネットワーク上の他のデバイスにもサービスを行います。それぞれのノード上で、DNS が稼働しています。その DNS サーバは、クラスタ内にあるすべてのノードとその他のデバイスのホスト名および IP アドレス情報を使用して設定されます。クラスタの最初のノードにある DNS は、プライマリ DNS として設定され、それ以外のすべてのノードは、セカンダリ ノードとして設定されます。
Cisco Unified CallManager の最初のノードに DNS 設定の変更が加えられると、その変更は自動的に他のノードへも転送されます。ネットワーク内の他のデバイスは、クラスタ内のどのノードによっても、DNS 検索ができます。
(注) ノードのホスト名を変更した場合は、そのノードをクラスタに再挿入する必要があります。
ノードが DHCP を使用して設定される場合、ノード上の DHCP クライアントは、DDNS を動的に更新するよう設定されます。
ノードが DHCP を使用して設定されるときは常に、次のいずれかのイベントが発生します。
• 社内 DNS が動的更新を受け入れることができる。
• クラスタ内で DNS が更新される。
• 各ノードの DHCP 設定が、IP アドレスを要求しているノードの MAC アドレスと結び付けられる。ノードが IP アドレスを再び要求すると、DHCP は MAC アドレスを前の要求と照合し、同じ IP アドレスを提供します。
DNS サーバを適切な Cisco Unified CallManager の名前およびアドレス情報で更新した後に、その情報を使用して Cisco Unified CallManager サーバを設定する必要があります。
追加情報
「関連項目」を参照してください。
DHCP サーバの設定プロセス
DHCP プロセスを設定するには、次の手順を使用します。
1. Serviceability のウィンドウで、DHCP 機能を使用可能にします。
2. DHCP を使用可能にしたノード上で、DHCP モニタ プロセスが起動されたことを確認します。
3. Cisco Unified CallManager の管理ページを使用して、スコープとオプションを設定します。
4. 設定が、ターゲットの Cisco Unified CallManager の /etc/dhcpd.conf ファイルに取り込まれていることを確認します。
5. DHCP サーバ デーモンが新しい設定で動作していることを確認します。
6. DHCP モニタ プロセスが、特定のトレース設定でログに記録されることを確認します。
7. DHCP デーモンが停止したときにエラー アラームが発生し、デーモンが再起動したときに情報アラームが発生することを確認します。
追加情報
「関連項目」を参照してください。
デバイスによる TFTP サーバの識別方法の概要
電話機は、Trivial File Transfer Protocol(TFTP)サーバのアドレス選択の優先順位を持っています。デバイスは、DHCP サーバから競合または混乱した情報を受け取った場合、どの情報が有効なのかを次の順序で判定します。
1. TFTP サーバを使用して、ローカルで電話機を設定できます。このアドレスは、DHCP サーバから送信された TFTP アドレスを上書きします。電話機は、常に DNS 名 CiscoCM1 の解決を試みます。
2. この名前が解決された場合、DHCP サーバから送信された情報は、すべてこの名前によって上書きされます。
TFTP サーバに CiscoCM1 という名前を付ける必要はありませんが、DNS の CName レコードを入力して、CiscoCM1 を TFTP サーバのアドレスまたは名前と関連付ける必要があります。
3. 電話機はブート プロセスの Next-Server の値を使用します。従来、この DHCP 設定パラメータは、TFTP サーバのアドレスとして使用されてきました。BOOTP サーバを設定するとき、このフィールドは TFTP サーバのアドレスとして参照されるのが普通です。
この情報は、DHCP ヘッダーの siaddr フィールドに戻されます。IP アドレスが設定されていないときに、一部の DHCP サーバの IP アドレスがこのフィールドに入る場合があるので、使用できる場合はこのオプションを使用してください。
4. 電話機は、サイト固有のオプション 150 を使用します。
5. また、電話機は DHCP オプションサーバ名パラメータを受け入れます。この DHCP 設定パラメータは、TFTP サーバの DNS 名です。現時点では、DNS 名だけをこのパラメータで設定できます。ドット付き 10 進 IP アドレスは、使用しないでください。
6. 電話機は、66 オプション(ブート サーバの名前)も受け入れます。
7. オプション 66 は通常、オプションの過負荷が発生したときに、sname フィールドを置き換えるために使用されます。これは、Windows NT DHCP サーバで使用でき、150 オプションのように機能します。この名前フィールドには、DNS 名またはドット付き 10 進 IP アドレスを指定できます。
8. 66 オプションは、150 オプションと一緒に使用しないでください。一緒に送信すると、電話機は 66 オプションによって与えられる名前よりも IP アドレスを優先します。しかし、ドット付き 10 進 IP アドレスと 150 オプションを両方送信した場合、それらの優先順位はオプション リスト内での指定順序によって決まります。電話機は、オプション リスト内の最後の項目を選択します。繰り返すことができるよう、オプション 66 とオプション 150 は一緒には使用できません。
追加情報
「関連項目」を参照してください。
移行
Window 2000 ベースの DHCP 設定から DHCP 設定への移行機能は用意されていないため、管理者はシステムを設定し直す必要があります。
追加情報
「関連項目」を参照してください。
アラーム
DHCP に対して 2 つのアラームが生成されます。
• CiscoDhcpdFailure
• CiscoDhcpdRestarted
アラームの詳細については、『 Cisco Unified CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。
追加情報
「関連項目」を参照してください。
関連項目
• 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「DHCP サーバの設定」
• 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「DHCP サブネットの設定」
• Cisco Unified CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド
• Cisco Unified CallManager セキュリティ ガイド