サーバの設定
サーバの設定を使用して、Cisco Unified CallManager がインストールされているサーバのアドレスを指定します。ネットワークで Domain Name System(DNS)サービスを使用している場合は、サーバのホスト名を指定できます。ネットワークで DNS サービスを使用していない場合は、サーバの IP アドレスを指定する必要があります。
(注) DNS サーバを適切な Cisco Unified CallManager の名前およびアドレス情報で更新した後に、その情報を使用して Cisco Unified CallManager サーバを設定する必要があります。
サーバの追加
サーバを追加するためのガイドラインを次に示します。
• Cisco Unified CallManager のフレッシュ インストールを行う場合、他の各サーバに Cisco Unified CallManager ソフトウェアをインストールするには、事前に Cisco Unified CallManager の管理ページの[サーバの設定(Server Configuration)]ウィンドウで他のサーバ(ノード)を定義しておく必要があります。後続ノードを定義するには、 [新規追加] をクリックし、サーバを設定します。他のサーバを追加すると、そのサーバに Cisco Unified CallManager ソフトウェアをインストールできるようになります。
• 各サーバを[サーバの設定(Server Configuration)]ウィンドウで 1 回だけ追加してください。ホスト名を使用してサーバを追加し、IP アドレスを使用して同じサーバを追加した場合は、Cisco Unified CallManager のアップグレードの後、Cisco Unified CallManager がそのサーバのコンポーネント バージョンを正確に判別できません。Cisco Unified CallManager の管理ページ内に同じサーバの 2 つのエントリがある場合は、システムをアップグレードする前に、1 つを削除してください。
• サーバの設定に加えた変更は、Cisco Unified CallManager を再起動するまで有効になりません。
サーバの削除
Cisco Unified CallManager の管理ページでは、クラスタの最初のノードは削除できませんが、後続のノードは削除できます。Cisco Unified CallManager の管理ページでノードを削除しようとすると、サーバを削除するかどうかを確認するメッセージが表示されます。表示されたメッセージに対して[OK]をクリックすると、サーバが削除されます。サーバを削除した後、再びそれをクラスタに追加する場合は、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco Unified CallManager の管理ページでのサーバの削除と再追加」の手順を実行する必要があります。
Cisco Unified CallManager が実行されているノード(特にそのノードに電話機などのデバイスが登録されている場合)は削除しないことをお勧めします。
後続のノードの依存関係レコードが存在する場合でも、そのレコードによってノードの削除を防止できるわけではありません。どの Cisco Unified CallManager がそのサーバを使用しているかを知るには、[サーバの設定(Server Configuration)]ウィンドウの[関連リンク]ドロップダウン リスト ボックスで [依存関係レコード] を選択し、 [移動] をクリックします。
削除対象のノードに Cisco Unified CallManager のコール パーク番号が設定されている場合、削除は失敗します。ノードを削除するには、事前に Cisco Unified CallManager の管理ページでコール パーク番号を削除しておく必要があります。
サーバを削除すると、MOH サーバなど、一部のデバイスが自動削除される場合があります。
ノードを削除する前に、後続のノードで有効になっているサービスを無効にすることをお勧めします。この作業を行うと、ノードを削除した後にサービスが確実に動作します。
サーバを削除した後に、クラスタ内のサーバを再起動することをお勧めします。
詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』、『 Cisco Unified CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド 』、および『 Cisco Unified CallManager 機能およびサービス ガイド 』を参照してください。
Cisco Unified CallManager の設定
Cisco Unified CallManager サーバは、インストール時に Cisco Unified CallManager に追加されます。同じクラスタ内にインストールされた各 Cisco Unified CallManager のポートやその他のプロパティなどのフィールドを更新するには、Cisco Unified CallManager の設定を使用します。クラスタは Cisco Unified CallManager のセットから構成されるため、冗長化が可能です。
自動登録パーティション、外部電話番号マスク、およびボイスメールボックス マスクの設定に加えた変更は、Cisco Unified CallManager を再起動するまで有効になりません。
(注) Cisco Unified CallManager のフレッシュ インストールを行うときは、Cisco Unified CallManager サービスを有効にする必要があります。Cisco Unified CallManager サービスを有効にする方法については、『Cisco Unified CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド』を参照してください。
Cisco Unified CallManager グループ
Cisco Unified CallManager グループとは、最大 3 台の Cisco Unified CallManager を優先順に並べたリストです。リストの最初にある Cisco Unified CallManager はそのグループのプライマリ Cisco Unified CallManager となり、その他はセカンダリ(バックアップ)Cisco Unified CallManager となります。
Cisco Unified CallManager グループは、デバイス プールによりデバイスと関連付けられます。各デバイスはデバイス プール内の 1 グループに所属し、各デバイス プールは所属するすべてのデバイスに対して Cisco Unified CallManager グループを指定します。
(注) ゲートウェイ、ルート/ハント リストなど、一部の Media Gateway Control Protocol(MGCP; メディア ゲートウェイ コントロール プロトコル)デバイスは、直接 Cisco Unified CallManager グループと関連付けることができます。
Cisco Unified CallManager グループは、2 つの重要な機能をシステムに提供します。
• バックアップ コール処理用の優先順位付きフェールオーバー リスト:登録時に、デバイスはデバイス プールに割り当てられたグループ内のプライマリ(最初の)Cisco Unified CallManager への接続を試みます。プライマリ Cisco Unified CallManager が使用できない場合、デバイスはグループにリストされている次の Cisco Unified CallManager への接続を順次試みます。各デバイス プールには、Cisco Unified CallManager グループが 1 つずつ割り当てられています。
• コール処理用の負荷バランシング:デバイス プールと Cisco Unified CallManager グループの設定により、複数の Cisco Unified CallManager 間でデバイスの制御を振り分けることができます。詳細については、「コール処理の負荷バランス」を参照してください。
ほとんどのシステムでは、単一の Cisco Unified CallManager システムを複数のグループに割り当てることにより、適切な負荷分散と冗長性が得られます。
Cisco Unified CallManager グループの追加
• Cisco Unified CallManager は、自動的にインストールおよび設定されます。
• それぞれの Cisco Unified CallManager クラスタは、デフォルトの自動登録グループを 1 つだけ持つことができます。別の Cisco Unified CallManager グループをデフォルトの自動登録グループとして選択すると、前に選択されていた自動登録グループは、そのクラスタのデフォルトとして機能しなくなります。
• 加えた変更を適用するには、更新した Cisco Unified CallManager グループを使用する各デバイスをリセットする必要があります。
Cisco Unified CallManager グループの削除
(注) いずれかのデバイス プールまたは MGCP ゲートウェイに割り当てられているか、クラスタの現在の自動登録Cisco Unified CallManagerグループ(Auto-registration Cisco Unified CallManager Group) となっている Cisco Unified CallManager グループを削除することはできません。
どのデバイスが Cisco Unified CallManager グループを使用しているかを知るには、[Cisco Unified CallManager グループの設定(Cisco Unified CallManager Group Configuration)]ウィンドウの[関連リンク]ドロップダウン リスト ボックスで [依存関係レコード] を選択し、 [移動] をクリックします。
現在使用中の Cisco Unified CallManager グループを削除する場合は、事前に、次の作業の一部または全部を実行しておく必要があります。
• 現在この Cisco Unified CallManager グループを使用しているデバイス プールまたは MGCP ゲートウェイに、別の Cisco Unified CallManager グループを割り当てます。
• 自動登録Cisco Unified CallManagerグループ(Auto-registration Cisco Unified CallManager Group) にする別の Cisco Unified CallManager グループを作成するか選択します。
詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』および『 Cisco Unified CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。
SIP 電話機の電話用 NTP 参照先の設定
Cisco Unified CallManager の管理ページで電話用 Network Time Protocol(NTP)参照先を設定し、Cisco SIP IP Phone が日付と時刻を、必ず NTP サーバから取得するようにできます。SIP 電話機が、プロビジョニングされた「電話用 NTP 参照先」から日時を取得できない場合、電話機は Cisco Unified CallManager に登録したときに、その情報を受信します。
電話用 NTP 参照先の追加
電話用 NTP 参照先を Cisco Unified CallManager の管理ページに追加した後、それを日付/時刻グループに追加する必要があります。日付/時刻グループ内では、電話機が連絡する最初のサーバから順に、電話用 NTP 参照先に優先順位を付けます。
日付/時刻グループの設定はデバイス プール内で指定され、デバイス プールは電話機ウィンドウで指定されます。
電話用 NTP 参照先の削除
電話用 NTP 参照先を Cisco Unified CallManager の管理ページから削除するには、事前に日付/時刻グループからサーバを削除しておく必要があります。どの日付/時刻グループが電話用 NTP 参照先を使用しているかを調べるには、[電話用NTPの設定(Phone NTP Reference Configuration)]ウィンドウの[関連リンク]ドロップダウン リスト ボックスで [依存関係レコード] を選択し、 [移動] をクリックします。
依存関係レコードがシステムで有効にされていない場合は、[依存関係レコード要約(Dependency Records Summary)]ウィンドウに、依存関係レコードを有効にするためのアクションを示したメッセージが表示されます。また、このメッセージには、依存関係レコード機能に関連した CPU 負荷の高さに関する情報も表示されます。依存関係レコードの詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「依存関係レコード」を参照してください。
日付/時刻グループ
Cisco Unified CallManager に接続している各デバイスの時間帯を定義するには、日付/時刻グループを使用します。
Cisco Unified CallManager には CMLocal と呼ばれるデフォルトの日付/時刻グループがあり、これは Cisco Unified CallManager のインストール時に自動的に設定されます。しかし、現地時間帯に合せてグループを設定することをお勧めします。CMLocal は、Cisco Unified CallManager サーバ上のオペレーティング システムのアクティブな日時と同期します。Cisco Unified CallManager のインストール後に、必要に応じて CMLocal の設定値を変更できます。通常、サーバの日付/時刻は現地時間帯の日付と時刻に合せて調整します。
(注) Cisco Unified CallManager を再起動したとき、または Cisco Unified CallManager ソフトウェアを新しいリリースにアップグレードしたときには、CMLocal はオペレーティング システムの日時に合せてリセットされます。CMLocal の名前は変更しないでください。
ヒント Cisco Unified IP Phone を世界各地に配備する場合は、24 の時間帯それぞれのグループに、日付/時刻グループを作成してください。
日付/時刻グループの追加
データベースに新しい日付/時刻グループを追加した後、それをデバイス プールに割り当て、デバイス プールの日時情報を設定できます。
加えた変更を適用するには、デバイスをリセットする必要があります。
日付/時刻グループの削除
(注) デバイス プールに使用している日付/時刻グループを削除することはできません。
どのデバイス プールが日付/時刻グループを使用しているかを知るには、[日時グループの設定(Date/Time Group Configuration)]ウィンドウの[関連リンク]ドロップダウン リスト ボックスで [依存関係レコード] を選択し、 [移動] をクリックします。
現在使用中の日付/時刻グループを削除する場合は、事前に、次の作業のどちらかまたは両方を実行しておく必要があります。
• 削除する日付/時刻グループを使用しているデバイス プールに、別の日付/時刻グループを割り当てる。
• 削除する日付/時刻グループを使用しているデバイス プールを削除する。
詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』および『 Cisco Unified CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。
リージョン
リージョンを使用して、リージョン内およびリージョン間のオーディオ コールとビデオ コールに使用する帯域幅を指定します。
• オーディオ コーデックによって、1 回のオーディオ コールに使用される帯域幅の最大量と圧縮タイプが決まります。
• ビデオ コール帯域幅は、オーディオ帯域幅とビデオ帯域幅の合計で構成されますが、オーバーヘッドを含んでいません。
リージョンを作成する際には、そのリージョン内のデバイス間、およびそのリージョンと他のリージョン間で行われるコールに使用できるコーデックを指定します。G.711 だけを使用するアプリケーションのように、特定のコーデックだけをサポートするアプリケーションにもリージョンが使用されます。
オーディオ コーデック タイプでは、音声信号の圧縮と圧縮解除に使用されるテクノロジーを指定します。選択するオーディオ コーデックにより、コールごとに使用される圧縮タイプと帯域幅の量が決まります。各オーディオ コーデックで消費される帯域幅の詳細については、 表5-1 を参照してください。
(注) Cisco Unified CallManager では、オーディオ コーデックの指定は、コールすべてに対してデフォルトで G.711 を使用しています。G.711 以外のオーディオ コーデックを使用する予定がない場合は、リージョンを使用する必要はありません。
Cisco Unified CallManager はストリームの暗号化と、G.722 など、さまざまなオーディオ/ビデオ コーデックをサポートしています。
リージョンを使用すると、Cisco Unified CallManager を複数のサイトに展開した環境で容量制御を行うことができます。そのような環境では、WAN リンク経由で送信されるコールの帯域幅を制限する一方で、内部のコールに帯域幅を多く与えることが必要な場合があるためです。
リージョンの追加
リージョンを使用しているデバイスにオーディオ コーデックの使用を指定するには、次の作業が必要です。
• Cisco Unified CallManager の管理ページの[サービス パラメータ設定(Service Parameter Configuration)]ウィンドウで、オーディオ コーデックとビデオ コール帯域幅のデフォルト値を設定する。
• リージョンを作成し、そのリージョン内のコール、および他のリージョン間とのコールに使用するオーディオ コーデックを指定する。
• 作成したリージョンを使用するデバイス プールを作成または変更する。
• リージョンが適切に指定されているデバイス プールにデバイスを割り当てる。
(注) Cisco Unified CallManager では、最大 500 のリージョンを追加できます。
デフォルト値の設定
リージョン エントリには、オーディオ コーデックとビデオ コール帯域幅という 2 つの値が含まれています。
• オーディオ コーデック:同じリージョン内で使用するオーディオ コーデックの値を定義します。また、リージョン間で使用するオーディオ コーデックの値も定義します。
• ビデオ コール帯域幅:同じリージョン内で使用するビデオ コール帯域幅の値を定義します。また、リージョン間で使用するビデオ コール帯域幅の値も定義します。
ヒント オーディオ コーデックとビデオ コール帯域幅の両方の値を、デフォルトを使用するように設定すると、システムが使用するリソースが少なくなります。
リージョンのデフォルト値は、Cisco Unified CallManager の管理ページの[サービス パラメータ設定(Service Parameter Configuration)]ウィンドウ( [システム]>[サービス パラメータ] )で設定します。
• リージョンには、リージョン内で使用するデフォルト値があります。推奨デフォルト値では[G.711]が指定されます。
• リージョンには、リージョン間で使用するデフォルト値があります。推奨デフォルト値では[G.729]が指定されます。
(注) スケーラビリティを高めるため、シスコでは、Cisco Unified CallManager の管理ページの[サービス パラメータ設定(Service Parameter Configuration)]ウィンドウでオーディオ コーデックとビデオ コール帯域幅の両方の値にデフォルト値を正しく設定してから、Cisco Unified CallManager の管理ページの[リージョンの設定(Region Configuration)]ウィンドウでデフォルト設定を選択することを推奨しています。
リージョンの設定の詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「リージョンの設定」を参照してください。
デバイス プールの設定については、「デバイス プール」を参照してください。コードおよびビデオ コールについては、 「ビデオ テレフォニーの概要」 を参照してください。
新しいリージョンをデータベースに追加した後、それを使用してデバイス プールを設定できます。デバイスは、割り当てられたデバイス プールからリージョン設定を取得します。
(注) 更新されたリージョンを使用するすべてのデバイスに変更を適用するには、そのデバイスを再起動する必要があります。
サポートされているオーディオ コーデックおよび消費帯域幅
Cisco Unified CallManager では、リージョン機能用に次のオーディオ コーデックをサポートしています。
• [G.711] :Cisco Unified CallManager で処理されるすべてのコールに対するデフォルトのコーデック。
• [G.722] :ビデオ会議で使用されることの多いオーディオ コーデック。
• [G.723] :Cisco IP Phone モデル 12 SP+ および Cisco IP Phone モデル 30 VIP デバイス用の、6 kbps 圧縮を使用する低ビット レートのコーデック。
• [G.728] :ビデオ エンドポイントでサポートしている低ビット レートのコーデック。
• [G.729] :Cisco Unified IP Phone 7900 の各モデルでサポートしている、8 kbps 圧縮を使用する低ビット レートのコーデック。通常、WAN リンクを経由したコールは帯域幅の消費量が少ないので、これらのコールには低ビット レートのコーデックを使用します。たとえば、集中型コール処理を行うマルチサイト WAN は、サイトごとに[G.711]と[G.729]のリージョンを設定して、サイト内のコールは[G.711]として指定し、サイト間のコールは[G.729]として指定することができます。
• [GSM] :GSM(モバイル通信用グローバル システム)コーデック。GSM では、GSM ワイヤレス ヘッドセット用の MNET システムと Cisco Unified CallManager の相互運用が可能です。GSM リージョン内、および他のリージョンとの間で行うコール用のオーディオ コーデックとして GSM を指定しているデバイス プールに、GSM デバイスを割り当てます。デバイスの機能によっては、GSM EFR(拡張フルレート)と GSM FR(フルレート)が GSM に含まれます。
• [Wideband] :IP Phone から IP Phone へのコールがサポートされています。ワイドバンド オーディオ コーデックは、非圧縮の 16 ビット、16 kHz のサンプリング レートを使用し、高品質のオーディオ帯域幅をサポートする受話器、音響機器、スピーカ、およびマイクロフォンを備えている Cisco Unified IP Phone 7900 モデルの電話機などで機能します。
SIP 電話機間のコールに Advanced Audio Codec(AAC)を設定する場合は、このオーディオ コーデックを使用します。
ヒント ワイドバンドは G.711 の 4 倍の帯域幅を消費するため、リージョンでコーデック タイプとしてワイドバンドを指定する場合は、ネットワークの帯域幅に余裕をもたせる必要があります。
表5-1 に示すように、コール ストリームごとに使用される合計帯域幅は、オーディオ コーデックのタイプだけでなく、データ パケットのサイズやオーバーヘッド(パケット ヘッダー サイズ)などの要素によっても異なります( 表5-1 の帯域幅情報はイーサネットに使用されます)。
(注) 各コールには、2 つのストリーム(それぞれの方向に 1 つずつ)があります。
(注) 表5-1 で指定されているコーデックは、各コールで消費される帯域幅とおおまかな相関関係があります。各コーデックで消費される帯域幅の詳細については、現行リリースのCisco Unified CallManager の『Cisco Unified Communications ソリューション リファレンス ネットワーク デザイン(SRND)』を参照してください。
表5-1 コーデック タイプ別、コールごとの消費帯域幅
|
データ パケットだけに消費される帯域幅(パケット サイズに関係なく固定)
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30ms データ パケットで
各コールが消費する帯域幅(IP ヘッダーを含む)
|
20ms データ パケットで
各コールが消費する帯域幅(IP ヘッダーを含む)
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G.711 |
64 kbps |
80 kbps |
88 kbps |
G.722 |
24 kbps |
80 kbps |
88 kbps |
G.723 |
6 kbps |
24 kbps |
適用外 |
G.729 |
8 kbps |
24 kbps |
32 kbps |
ワイドバンド |
256 kbps |
272 kbps |
280 kbps |
GSM |
13 kbps |
29 kbps |
37 kbps |
例
図5-1 は、リージョンが非常に単純に設定されている場合の例で、中央サイトと 2 箇所のリモート ブランチが展開されています。この例では、システム管理者は各サイトに対してリージョンを設定しています。G.711 コーデックは各サイト内でのコールに使用される最大帯域幅に等しいコーデックで、G.729 コーデックは WAN リンクを経由したサイト間のコールに使用される最大帯域幅に等しいコーデックです。
リージョンの設定後、システム管理者は次のサイトにデバイスを割り当てます。
• リージョン設定値として CentralCampus を指定しているデバイス プールに、中央キャンパス サイトを割り当てる。
• リージョン設定値として RemoteSiteA を指定しているデバイス プールに、リモート サイト A を割り当てる。
• リージョン設定値として RemoteSiteB を指定しているデバイス プールに、リモート サイト B を割り当てる。
図5-1 簡単な設定のリージョン例
ロケーションとリージョン
Cisco Unified CallManager 内では、ロケーションに基づいたコール アドミッション制御をリージョンと併用して、ネットワーク リンクの特性を指定します。
• リージョンはリンク上で使用されるコーデック タイプ(つまり、その結果として各コールで消費される帯域幅の量)を指定します。
• ロケーションは特定リンクで消費できる帯域幅の量を指定します。
ネットワーク上の各デバイスには、リージョン(デバイス プールを使用して)およびロケーションの両方を割り当てる必要があります。「コール アドミッション制御」を参照してください。
リージョンの削除
(注) デバイス プールが使用中のリージョンは削除できません。
どのデバイス プールがリージョンを使用しているかを知るには、[リージョンの設定(Region Configuration)]ウィンドウの[関連リンク]ドロップダウン リスト ボックスで [依存関係レコード] を選択し、 [移動] をクリックします。
現在使用中のリージョンを削除する場合は、事前に、次のどちらかまたは両方の作業を実行しておく必要があります。
• 別のリージョンを使用するよう、デバイス プールを更新する。
• 削除するリージョンを使用しているデバイス プールを削除する。
詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』および『 Cisco Unified CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。
デバイス プール
デバイス プールでは、複数のデバイスに対して共通の特性をセットで指定する便利な手法を提供しています。デバイス プールに指定可能な特性は、次のとおりです。
• [デバイス プール名]:新規のデバイス プールに対して名前を指定する。
• [Cisco Unified CallManager グループ]:冗長性を高めるために、3 台までの Cisco Unified CallManager を優先順位順にリストで指定します。リストの最初にある Cisco Unified CallManager はそのグループのプライマリ Cisco Unified CallManager となり、その他はセカンダリ(バックアップ)Cisco Unified CallManager となります。詳細については、「Cisco Unified CallManager グループ」を参照してください。
• [日付/時刻グループ(Date/Time Group)]:デバイスの日付と時間帯を指定します。詳細については、「日付/時刻グループ」を参照してください。
• [リージョン]:リージョン内およびリージョン間で使用されるオーディオ コーデックとビデオ コーデックを指定します。リージョンを使用するのは、ネットワーク内で異なるタイプのコーデックを使用する場合だけです。詳細については、「リージョン」を参照してください。
• [ソフトキー テンプレート(Softkey Template)]:Cisco Unified IP Phone 上のアプリケーションに関連付けられているソフトキーを管理します。詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「ソフトキー テンプレートの設定」を参照してください。
• [SRST 参照先(SRST Reference)]:デバイス プール内のデバイスに SRST 機能を提供するゲートウェイを指定します。詳細については、「SRST リファレンス」を参照してください。
• [自動登録用コーリング サーチ スペース(Calling Search Space for Auto-registration)](オプション):自動登録されたデバイスがコールの発信時に接続できるパーティションを指定します。詳細については、「パーティションおよびコーリング サーチ スペース」を参照してください。
• [メディア リソース グループ リスト(Media Resource Group List)](オプション):メディア リソース グループを優先順に並べたリストを指定します。アプリケーションは、メディア リソース グループ リストに指定されている優先順位に従って、使用可能なメディア リソース グループから必要なメディア リソース(たとえば、保留音サーバ、トランスコーダ、Conference Bridge)を選択します。詳細については、「メディア リソース グループ リスト」を参照してください。
• [ネットワーク保留 -MOH 音源(Network Hold MOH Audio Source)]:ネットワーク保留用のオーディオ ソースを指定します。詳細については、『 Cisco Unified CallManager 機能およびサービス ガイド 』の「Music On Hold オーディオ ソース」を参照してください。
• [ユーザ保留 -MOH 音源(User Hold MOH Audio Source)](オプション):ユーザ保留用のオーディオ ソースを指定します。詳細については、『 Cisco Unified CallManager 機能およびサービス ガイド 』の「Music On Hold オーディオ ソース」を参照してください。
• [ネットワーク ロケール(Network Locale)]:特定の地域にあるデバイス プール内の電話機およびゲートウェイが使用するトーンと断続周期の定義が含まれています。
(注) 関連デバイスでサポートされている、インストール済みのネットワーク ロケールだけを選択する必要があります。リストにはこの設定で使用できるすべてのネットワーク ロケールが表示されますが、すべてのネットワーク ロケールがインストールされているとは限りません。デバイスが、ファームウェアでサポートされないネットワーク ロケールに関連付けられている場合、そのデバイスは起動しません。
• [ユーザ ロケール(User Locale)]:言語やフォントなど、ユーザをサポートするための一連の詳細情報を識別します。この特性は、デバイス プール内の電話機およびゲートウェイに関連付けられます。
• [接続モニタ間隔(Connection Monitor Duration)]:Cisco Unified CallManager と SRST の間の WAN リンク フラッピング問題を解決します。詳細については、「SRST リファレンス」を参照してください。
• [MLPP 情報(Multilevel Precedence and Preemption (MLPP) Information)]:次の MLPP の設定を管理します。
–[MLPP 表示(MLPP Indication)]:優先トーンを再生できるデバイス プール内のデバイスが MLPP precedence コールを行うときに、この機能を使用するかどうかを指定します。
–[MLPP プリエンプション(MLPP Preemption)]:進行中のコールを優先処理できるデバイス プール内のデバイスが MLPP precedence コールを行うときに、この機能を使用するかどうかを指定します。
–[MLPP ドメイン(MLPP Domain)]:デバイス プールに関連付けられている MLPP ドメインの 16 進値を指定します。デバイス プールは、設定された MLPP ドメインを参照します。
(注) 前述の機能をデバイス プールとして選択する場合は、デバイス プールを設定する前に、これらの機能を設定しておく必要があります。
新しいデバイス プールをデータベースに追加した後、そのデバイス プールを使用して、Cisco Unified IP Phone、ゲートウェイ、Conference Bridge、トランスコーダ、メディア ターミネーション ポイント、ボイスメール ポート、CTI ルート ポイントなどのデバイスを設定できます。
自動登録を使用する場合は、Cisco Unified CallManager の管理ページの[デバイスのデフォルト]ウィンドウを使用して、特定タイプのデバイスをすべて 1 つのデバイス プールに割り当てることができます。
詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「デバイス デフォルトの更新」を参照してください。
デバイス プールの更新
デバイス プールに変更を加える場合は、そのデバイス プール内のデバイスをリセットするまで、変更内容は有効になりません。
デバイスに割り当てられているデバイス プール、またはデバイス デフォルトのコンフィギュレーションに使用されているデバイス プールは削除できません。
どのデバイスがデバイス プールを使用しているかを知るには、[デバイス プール設定(Device Pool Configuration)]ウィンドウの[関連リンク]ドロップダウン リスト ボックスから [依存関係レコード] を選択し、 [移動] をクリックします。
使用中のデバイス プールを削除しようとすると、メッセージが表示されます。現在使用中のデバイス プールを削除する場合は、事前に、次のどちらかまたは両方の作業を実行しておく必要があります。
• デバイスを更新して別のデバイス プールに割り当てる。
• 削除を予定しているデバイス プールに割り当てられているデバイスを削除する。
LDAP
Cisco Unified CallManager は、Lightweight Directory Access Protocol(LDAP)ディレクトリを使用して、Cisco Unified CallManager とインターフェイスする Cisco Unified CallManager アプリケーションのユーザに関する認証および許可情報を格納します。認証は、ユーザがシステムにアクセスする権限を与える方式を確立します。一方、許可は、ユーザが使用を許可されている特定の内線番号などのテレフォニー リソースを指定します。
LDAP ディレクトリは、ディレクトリに格納されている情報にアクセスして情報を変更するための、標準的な方法をアプリケーションに提供します。この機能には、企業にとって、すべてのユーザ情報を複数のアプリケーションから使用可能な 1 つのリポジトリに集中させることができ、それによって追加、移動、および変更が簡単になり、メンテナンス コストを削減できるという利点があります。
Cisco Unified CallManager は、オプションの外部 LDAP ディレクトリをサポートします。Cisco Unified CallManager および関連アプリケーションは、使用された場合、すべてのアプリケーション データをディレクトリでなくローカル データベースに格納します。Cisco Unified CallManager は、カスタマー ディレクトリとの統合をサポートし、データベースを使用したデフォルトのユーザ認証と、カスタマー ディレクトリを使用したユーザ認証をサポートしています。
Cisco Unified CallManager で LDAP ディレクトリを使用するには、LDAP サーバで情報を直接変更した後、Cisco Unified CallManager の管理ページを使用して次の LDAP パラメータを設定します。
• [LDAP システム]:LDAP サーバとの同期化を有効にするには、このパラメータを設定します。[Microsoft Active Directory (AD)]や[Netscape LDAP Server]などの LDAP サーバ タイプと、ユーザ ID の LDAP 属性を選択します。
• [LDAP ディレクトリ]:このパラメータを使用して、LDAP ディレクトリの検出と一覧表示を行い、LDAP ディレクトリに情報(たとえば、LDAP 設定名、LDAP ディレクトリ同期化スケジュール、同期化するユーザ フィールド、および LDAP サーバ情報など)を追加します。この情報を変更するには、事前に[LDAPシステム情報(LDAP System Information)]ウィンドウで LDAP サーバからの同期化を有効にしておく必要があります。
• [LDAP 認証]:エンド ユーザの LDAP 認証を有効にするには、このパラメータを設定します。LDAP 認証をオンにした場合、システムはユーザ パスワードを Cisco Unified CallManager データベースでなく LDAP サーバと照合して認証し、LDAP サーバからのエンド ユーザ情報を Cisco Unified CallManager データベースと同期します。この情報を変更するには、事前に[LDAPシステム情報(LDAP System Information)]ウィンドウで LDAP サーバからの同期化を有効にしておく必要があります。
(注) LDAP パラメータを切り替えるには、LDAP の設定ウィンドウの[関連リンク]ドロップダウン リスト ボックスで、設定するメニュー オプションを選択します。
Cisco Unified CallManager で Active Directory または Netscape 社内ディレクトリを使用するには、 [システム]>[LDAP]>[LDAP システム] にアクセスすることにより、そのディレクトリを Cisco Unified CallManager データベースと同期する必要があります。ディレクトリ同期の合意を設定するには、 [システム]>[LDAP]>[LDAP ディレクトリ] にアクセスします。
AD/Netscape ディレクトリの同期化を行うには、Cisco Unified CallManager Serviceability で Cisco DirSync サービスを有効にする必要があります。Cisco DirSync サービスは、データを同期化し、カスタマー ディレクトリ情報を読み取り、Cisco Unified CallManager データベースを更新することで、そのようなディレクトリと相互作用します。
Cisco DirSync を有効にするには、 [Control Center - Feature Services] にアクセスし、[Directory Services]へ移動します。
• ディレクトリ同期を設定するには、 [システム]>[LDAP]>[LDAP ディレクトリ] にアクセスします。
• Cisco DirSync によって使用される構成を設定するには、 [システム]>[LDAP]>[LDAP システム] および [システム]>[LDAP]>[LDAP ディレクトリ] にアクセスします。
Cisco Unified CallManager でディレクトリを使用する方法の詳細については、 「ディレクトリの概要」 を参照してください。
コール アドミッション制御
コール アドミッション制御は、WAN リンク上でユーザが期待するレベルの音声品質を維持する場合に使用します。たとえば、メイン キャンパスとリモート サイトを接続する 56 kbps フレーム リレー回線の音声品質は、コール アドミッション制御で調整できます。
リンク上に存在するアクティブ コール数が増えすぎて帯域幅の使用量が過剰になると、音声品質が低下し始める場合があります。コール アドミッション制御は、特定のリンク上で同時にアクティブにするコール数を制限することにより、音声品質を調整します。コール アドミッション制御を使用して、リンク上で特定レベルの音声品質を保証することはできませんが、リンク上のアクティブ コールが消費する帯域幅を調整できます。
Cisco Unified CallManager でサポートされるアドミッション制御には、次の 2 つのタイプがあります。
• ロケーション:コール アドミッション制御を集中型コール処理システムに実装するには、ロケーションを使用します。コール アドミッション制御では、ロケーション間のリンクを経由したコールに使用できる帯域幅を制限することにより、音声品質を調整できます。
• H.323 ゲートキーパー:Cisco Multimedia Conference Manager(MCM)として知られている H.323 ゲートキーパーでは、各サイトに Cisco Unified CallManager または Cisco Unified CallManager クラスタを別々にもっている分散システムで、コール アドミッション制御を行います。
(注) コール アドミッション制御で IP WAN リンクの音声帯域幅を制限しない場合、そのリンク上でコールが無制限にアクティブになりえます。このため、リンクがコールで溢れる状態になると、各コールの音声品質が低下します。
詳細については、「コール アドミッション制御」を参照してください。
SRST リファレンス
Survivable Remote Site Telephony(SRST)は、WAN 接続を介してアクセスできる集中 Cisco Unified CallManager クラスタに依存するサイトで使用されます。SRST は、WAN が機能停止したときに、リモート サイトの IP Phone へのテレフォニー サービスを提供します。SRST 対応ルータには、リモート サイトにある IP Phone 相互間でのコールを可能にし、PSTN から IP Phone に到達するコールを可能にし、IP Phone から PSTN を通じて外部の世界へ到達するコールを可能にする機能があります。これは、IP Phone からの登録を受け付け、登録済みの電話番号と PSTN リンク用に設定されたルーティングに基づいてコールのルーティングを行う、SRST ルータ内のインテリジェント機能用にって実現されます。
Cisco Unified CallManager の管理ページの設定可能なオプションである SRST(Survivable remote site telephony)リファレンスは、WAN が機能停止したときに、限定的にコール機能を提供します。SRST リファレンスを使用すると、IP ゲートウェイが、制限付きの Cisco Unified CallManager 機能を継承できます。電話機が、関連付けられているすべての Cisco Unified CallManager への接続を失った場合、デバイス プール内の電話機は SRST リファレンスの IP ゲートウェイに対して Cisco Unified CallManager 接続を確立しようとします。
IP Phone 上のステータス行表示は、電話機がバックアップ プロキシ(SRST ゲートウェイ)へフェールオーバーしたことを示し、SRST とユーザとの唯一の対話を提供します。
SRST のデバイス プール設定
システム管理者は、電話機のデバイス プール用に SRST の設定を行うことができます。使用可能なデバイス プール設定オプションは、次のとおりです。
• [無効]:電話機は、どの Cisco Unified CallManager にも到達できない場合、SRST ゲートウェイへの接続を試行しません。
• [デフォルト ゲートウェイの使用]:電話機は、どの Cisco Unified CallManager にも到達できない場合、SRST ゲートウェイとして、その電話機の IP ゲートウェイへの接続を試行します。
• ユーザ定義のオプション:電話機は、どの Cisco Unified CallManager にも到達できない場合、管理者によって指定された SRST ゲートウェイへの接続を試行します。[デバイス プール設定(Device Pool Configuration)]の[SRST 参照先(SRST Reference)]フィールドには、ユーザ定義の SRST リファレンスのリストが表示されます。
管理者は、[SRST 参照先の設定(SRST Reference Configuration)]ウィンドウで SRST の設定を定義します。上記の SRST の設定オプションはすべて、デバイス プールに適用できます。Cisco TFTP は、SRST の設定を読み取り、その設定を .cnf.xml ファイルで IP Phone に提供します。IP Phone は、SRST の設定に対して適切に応答します。
コネクション モニタ間隔
Wide Area Network(WAN; 広域ネットワーク)を介して SRST に接続されている IP 電話機は、WAN リンクを介して Cisco Unified CallManager との接続を確立できるとすぐに、Cisco Unified CallManager に再接続します。ただし、WAN リンクが不安定な場合、IP Phone は SRST に切り替えたり、Cisco Unified CallManager に切り替えたりします。このため、電話サービスが一時的に失われます(ダイヤル トーンが聞こえません)。このような再接続試行は、WAN リンク フラッピング問題と呼ばれ、IP Phone が Cisco Unified CallManager に正常に再接続するまで続きます。このような WAN リンクの中断は、2 つに分類できます。1 つは、あまり発生しないランダムな停止で、その点を除けば安定している WAN で発生します。もう 1 つは、よく発生する散発的な中断で、数分間続きます。
Cisco Unified CallManager と SRST の間の WAN リンク フラッピング問題を解決するために、Cisco Unified CallManager には、Connection Monitor Duration というエンタープライズ パラメータと、[デバイス プール設定(Device Pool Configuration)]ウィンドウ内の[接続モニタ間隔(Connection Monitor Duration)]という設定が用意されています。管理者は、システム要件に応じて、どのパラメータを使用するかを決めることができます。パラメータの値は、XML コンフィギュレーション ファイルで IP Phone に配信されます。
• エンタープライズ パラメータのデフォルトでは、120 秒と指定されています。Cisco Unified CallManager クラスタ内のすべての IP Phone の接続間隔モニタ値を変更するには、エンタープライズ パラメータを使用します。
• 特定のデバイス プール内のすべての IP Phone の接続間隔モニタ値を変更するには、[デバイス プール設定(Device Pool Configuration)]ウィンドウを使用します。
SIP 電話機の SRST リファレンス設定オプション
リモート サイトには、PSTN ゲートウェイ アクセスに加えて、SCCP と SIP のエンドポイントが混在している場合があります。さまざまなプロトコルと PSTN の間でコールをルーティングするために、3 つの異なる機能が 1 台の SRST ルータの中で設定されます。これらの機能により、WAN の機能停止時に SCCP 電話機、SIP 電話機、および PSTN の間でコールをルーティングすることができます。さらに、Cisco Unified CallManager の管理ページの[SRST参照先の設定(SRST Reference Configuration)]ウィンドウに 2 つのフィールドが用意されています。
• [SIP ネットワーク/IP アドレス(SIP Network/IP Address)]:この SIP ネットワーク/IP アドレスは SIP SRST に適用されます。このアドレスは、SIP 電話機に SIP SRST 宛の SIP Register メッセージをどこへ送信するかを知らせます。
• [SIP ポート(SIP Port)]:SRST ゲートウェイの SIP ポート。デフォルトでは、5060 が指定されます。
詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「SRST リファレンスの設定値」を参照してください。
SRST リファレンスおよび SRST 対応ゲートウェイのセキュリティ設定については、『 Cisco Unified CallManager セキュリティ ガイド 』を参照してください。
MLPP ドメイン
MLPP サービスはドメインに適用されるので、Cisco Unified CallManager は所定のドメイン内の MLPP ユーザからのコールに属する接続とリソースにのみ、優先順位を付けます。発信側ユーザの MLPP ドメイン登録は、コールのドメインとその接続を決定します。1 つのドメイン内で優先度の高い方のコールのみが、同じドメイン内のコールが使用している接続を優先使用できます。
MLPP ドメインを定義するには、次の MLPP ドメイン情報を設定します。
• [ドメイン名(Domain Name)]:MLPP ドメインの名前。
• [ドメイン ID(Domain ID)]:MLPP ドメイン ID をゼロ以上の 16 進値で設定します(デフォルト値はゼロです)。
MLPP ドメイン ID は、MLPP サブスクライバへ関連付けられているデバイスとリソースの集合で構成されます。特定のドメインに属する MLPP サブスクライバが、同じドメインに属する別の MLPP サブスクライバに優先コールを行ったとき、MLPP サービスは、コールされた MLPP サブスクライバが使用中の既存のコールを、優先度が高いコールに差し替えることができます。MLPP サービスは、ドメインを越えて使用することはできません。デバイス プールは、設定された MLPP ドメインを参照します。
(注) この設定の変更を有効にするには、すべてのデバイスをリセットする必要があります。
エンタープライズ パラメータ
エンタープライズ パラメータでは、同じクラスタ内のすべてのデバイスとサービスに適用されるデフォルト設定値を指定します。Cisco Unified CallManager を新規にインストールすると、Cisco Unified CallManager は、エンタープライズ パラメータを、デバイス デフォルトの初期値として使用します。
エンタープライズ パラメータを追加または削除できませんが、既存のエンタープライズ パラメータは更新できます。Cisco Unified CallManager の管理ページでは、エンタープライズ パラメータは、CCMAdmin パラメータ、CCMUser パラメータ、CDR パラメータなどのカテゴリに分類されています。
[エンタープライズ パラメータ設定(Enterprise Parameters Configuration)]ウィンドウの疑問符ボタンを使用することにより、エンタープライズ パラメータの詳しい説明を表示できます。
サービス パラメータ
Cisco Unified CallManager のサービス パラメータを使用すると、選択したサーバにさまざまなサービスを設定できます。[サービス パラメータ設定(Service Parameters Configuration)]ウィンドウに表示される疑問符ボタンをクリックすることにより、パラメータとその説明のリストを表示できます。特定のパラメータをクリックすると、そのパラメータを先頭にしたリストが表示されます。
Cisco Unified CallManager Serviceability を使用してサービスを無効にした場合、Cisco Unified CallManager は、更新されたサービス パラメータ値を保存します。サービスを再び起動した場合、Cisco Unified CallManager はサービス パラメータを変更された値に設定します。
注意 サービス パラメータに対する変更によって、システムに障害が起きる場合もあります。変更しようとする機能を完全に理解しているか、Cisco Technical Assistance Center(TAC)から変更するよう求められた場合以外、サービス パラメータを変更しないようにしてください。
依存関係レコード
サーバ、デバイス プール、日付/時刻グループなど、システム レベルの設定に関する特定の情報を検索するには、Cisco Unified CallManager の管理ページの各システムレベル設定の設定ウィンドウで、[関連リンク]ドロップダウン リスト ボックスから [依存関係レコード] を選択し、 [移動] をクリックします。
依存関係レコードがシステムで有効にされていない場合は、[依存関係レコード要約(Dependency Records Summary)]ウィンドウにメッセージが表示されます。
(注) [デバイスのデフォルト情報]ウィンドウおよび[エンタープライズ パラメータ設定(Enterprise Parameters Configuration)]ウィンドウから依存関係レコードを表示することはできません。
[Cisco Unified CallManager の設定(Cisco Unified CallManager Configuration)]の依存関係レコードのウィンドウには、アクセス先の Cisco Unified CallManager グループの情報が表示されます。[日時グループの設定(Date/Time Group Configuration)]の依存関係レコードのウィンドウには、アクセス先のデバイス プールの情報が表示されます。
依存関係レコードの詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「依存関係レコードへのアクセス」を参照してください。
システム設定チェックリスト
表5-2 は、システム レベルの設定値を設定するための一般的な手順を示しています。
表5-2 システム設定チェックリスト
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ステップ 1 |
サーバを設定し、Cisco Unified CallManager がインストールされているサーバのアドレスを指定します。 |
「サーバの設定」 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「サーバの設定」 |
ステップ 2 |
同じクラスタにインストールされているそれぞれの Cisco Unified CallManager に、ポートなどのプロパティを指定します。 |
「Cisco Unified CallManager の設定」 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco Unified CallManager の設定」 |
ステップ 3 |
冗長化に対して Cisco Unified CallManager グループを設定します。 |
「Cisco Unified CallManager グループ」 「冗長化」 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco Unified CallManager グループの設定」 |
ステップ 4 |
SIP 電話機が NTP サーバから日付と時刻を取得できるよう、電話用 NTP 参照先を設定します(オプション)。 |
「SIP 電話機の電話用 NTP 参照先の設定」 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「電話機 NTP リファレンスの設定」 |
ステップ 5 |
日付/時刻グループを設定し、Cisco Unified CallManager に接続しているさまざまなデバイスの時間帯を定義します。 |
「日付/時刻グループ」 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「日付/時間グループの設定」 |
ステップ 6 |
リージョンを設定し、そのリージョン内のデバイス間、およびそのリージョンと他のリージョン間で行われるコールに使用できるコーデックを指定します。
ヒント デフォルトの G.711 オーディオ コーデックだけを使用する場合、リージョンを設定する必要はありません。
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「リージョン」 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「リージョンの設定」 |
ステップ 7 |
デバイス プールを設定し、複数のデバイスに割り当てることができる共通の特性セットを定義します。 |
「デバイス プール」 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「デバイス プールの設定」 |
ステップ 8 |
メディア リソース グループとメディア リソース グループ リストを設定します。 |
「メディア リソースの管理」 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「メディア リソース グループの設定」 |
ステップ 9 |
Cisco Unified CallManager とインターフェイスするユーザの認証および許可情報を格納するため、LDAP を設定します。 |
「LDAP」 「ディレクトリの概要」 |
ステップ 10 |
コール アドミッション制御用にロケーションまたはゲートキーパーを設定します。 |
「ロケーションとリージョン」 「コール アドミッション制御」 |
ステップ 11 |
SRST リファレンスを設定し、基本的なコール機能が維持されるようにします。 |
「SRST リファレンス」 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Survivable Remote Site Telephony の設定」 |
ステップ 12 |
MLPP ドメインを設定します。 |
「MLPP ドメイン」 『 Cisco Unified CallManager 機能およびサービス ガイド 』の「Multilevel Precedence and Preemption」 |
ステップ 13 |
必要に応じ、エンタープライズ パラメータを更新します。 |
「エンタープライズ パラメータ」 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「エンタープライズ パラメータの設定」 |
ステップ 14 |
必要に応じ、サービス パラメータを更新します。 たとえば、Cisco Unified CallManager の管理ページの[サービス パラメータ設定(Service Parameter Configuration)]ウィンドウで DRF バックアップおよびリストア マスター エージェントを設定します。 |
「サービス パラメータ」 「依存関係レコード」 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「サービス パラメータの設定」 |