ライセンシング
Cisco Unified Communications Manager の管理ページにライセンシングを使用することにより、サードパーティの SIP 電話機も含めて、Cisco Unified Communications Manager に接続されたデバイスの数を正確に追跡でき、その数と購入したユニット ライセンスの数を比較できます。
ライセンシング機能は、Cisco Unified Communications Manager ライセンスの管理と、Cisco Unified Communications Manager アプリケーションのライセンスおよびデバイスの数の順守に役立ちます。
ライセンスは、要求された Cisco Unified Communications Manager ノード(Cisco Unified Communications Manager クラスタ内のサーバ)およびそれらのノードに関連付けられたデバイスに対して生成されます。ライセンスには、プロダクション ライセンスおよびスターター ライセンスの 2 種類があります。Cisco Unified Communications Manager のプロダクション ライセンスは、シスコから購入したデバイスおよびノードのライセンスで構成されます。ライセンス デバイスのタイプには、IP Phone などの物理デバイスと IP Communicator などのアプリケーションがあります。
新規インストールの Cisco Unified Communications Manager には、スターター ライセンスが含まれています。このライセンスは、プロダクション ライセンス ファイルがアップロードされたときに置き換えられます。スターター ライセンスは、アップグレードまたは移行の場合は提供されません。
この章の構成は、次のとおりです。
• 「デバイスのライセンス」
• 「アプリケーションのライセンス」
• 「Cisco IP Communicator のライセンス」
• 「Cisco Unified Mobility のライセンス」
• 「ライセンスの計算」
• 「ライセンスの分割」
• 「アラームとアラート」
• 「ソフトウェア ライセンス バージョン」
• 「スターター ライセンス」
• 「参考情報」
デバイスのライセンス
電話機タイプごとに固定数のデバイス ライセンス単位が必要です。たとえば、Cisco Unified IP Wireless Phone 7920 には 4 デバイス ライセンス単位が必要であり、Cisco Unified IP Phone 7970 には 5 デバイス ライセンス単位が必要です。4 台の 7920 電話機と 4 台の 7970 電話機用にライセンスが必要な場合は、36 デバイス ライセンス単位が必要になります。
アプリケーションのライセンス
Cisco IP Communicator や Cisco Unified Mobility など、特定のタイプのアプリケーションは、プライマリ デバイスおよび付加デバイスのデバイス ライセンス単位を消費します。付加デバイスとは、エンド ユーザがデスクの電話機に加えて使用するデバイスまたはアプリケーションです。たとえば、エンド ユーザがデスクの電話機と Cisco IP Communicator の両方を使用する場合、Cisco IP Communicator は付加デバイスになります。エンド ユーザがデスクの電話機を使用しない場合、Cisco IP Communicator はプライマリ デバイスになります。
Cisco IP Communicator および Cisco Unified Mobility のライセンスに関する詳細については、次の項を参照してください。
• 「Cisco IP Communicator のライセンス」
• 「Cisco Unified Mobility のライセンス」
Cisco IP Communicator のライセンス
Cisco IP Communicator をエンド ユーザのプライマリ デバイスとして設定する場合は、3 つのデバイス ライセンス単位が消費されます。([電話の設定(Phone Configuration)]の[プライマリPhone(Primary Phone)]フィールドで電話機を選択して)付加デバイスとして設定する場合は、1 つのデバイス ライセンス単位が消費されます。消費されるライセンスは[ライセンスユニット計算(License Unit Calculator)]ウィンドウに[Cisco IP Communicator (Adjunct)]として表示されます。
Cisco Unified Mobility のライセンス
[エンドユーザの設定(End User Configuration)]ウィンドウの[モビリティの有効化(Enable Mobility)]チェックボックスをオンにすると、モバイル コネクトのデバイス ライセンス単位を消費するライセンシングに対するトリガーが発生します。消費されるデバイス ライセンス単位の数は、エンド ユーザに Cisco Unified Mobility 専用の付加デバイス(たとえば、デスクの電話機)を割り当てるかどうかによって異なります。エンド ユーザに Cisco Unified Mobility 用の付加デバイスを割り当てるには、[エンドユーザの設定(End User Configuration)]ウィンドウの[モビリティ情報(Mobility Information)]ペインの[Primary User Device]ドロップダウン リスト ボックスからデバイスを選択します。同じウィンドウの[デバイスの割り当て]ボタンをクリックするのではありません。
モバイル コネクトを使用可能にする前に、次の情報を考慮してください。
• Cisco Unified Communications Manager の管理機能では、Cisco Unified Mobility 用に同じデバイスを複数のユーザに割り当てることはできません。
• 設定を計画する際は、ユーザがデスクの電話機と携帯電話の両方を使用するのかどうかを確認してください。ユーザが携帯電話とデスクの電話機の両方を使用する場合は、[エンドユーザの設定(End User Configuration)]ウィンドウでモバイル コネクトを使用可能にした後で、ユーザに付加デバイスを必ず割り当ててください。
割り当てたデバイスは、付加デバイスとして機能します。つまり、ユーザが Cisco Unified Mobility 用の携帯電話に加えて使用するデバイス(デスクの電話など)として機能します。
• モバイル コネクトを使用可能にし、エンド ユーザに Cisco Unified Mobility 用の付加デバイスを割り当てなかった場合は、4 つの DLU が消費されます。これは、[ライセンスユニット計算(License Unit Calculator)]ウィンドウの[Mobility Enabled End Users]行に示されます。
• モバイル コネクトを使用可能にし、エンド ユーザに Cisco Unified Mobility 用の付加デバイスを割り当てた場合は、2 つの DLU が消費されます。これは、[ライセンスユニット計算(License Unit Calculator)]ウィンドウの[Mobility Enabled End Users (Adjunct)]行に示されます。
• モバイル コネクトを使用可能にし、エンド ユーザにこの機能用の付加デバイスを割り当てることを後で決定した場合は、2 つの DLU が与えられます。これは、[ライセンスユニット計算(License Unit Calculator)]ウィンドウの[Mobility Enabled End Users]行に示されます。
たとえば、モバイル コネクトを使用可能にし、エンド ユーザにこの機能用の付加デバイスを割り当てることを忘れて[保存]をクリックすると、4 つの DLU が消費されます。その後、エンド ユーザにこの機能用の付加デバイスを割り当てて、[保存]をクリックすると、2 つの DLU が与えられます。
• モバイル コネクトを有効にした後に Cisco Unified Communications Manager の管理ページでデバイスを削除するか、割り当てを削除した場合は、デバイスまたは割り当ての削除後、2 つの DLU が消費されます。これは、[ライセンスユニット計算(License Unit Calculator)]ウィンドウの[Mobility Enabled End Users]行に示されます。
ライセンスの計算
Cisco Unified Communications Manager の管理ページでデバイスごとに必要となるライセンス単位の数を判別するには、 [システム] >[ライセンス] >[ライセンスユニット計算] の順に選択します。このウィンドウには、デバイス タイプごとに必要なライセンス単位の数が示されます。
表14-1 に、Cisco Unified Communications Manager でのプライマリ ライセンス単位と付加ライセンス単位の計算方法の例を示します。
表14-1 特定のデバイス用に消費されるデバイス ライセンス単位の例
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Cisco Unified IP Phone 7961 |
4 |
Cisco IP Communicator |
3 |
Cisco Unified Personal Communicator(CUPC)Softphone |
3 |
Cisco IP Communicator または CUPC Softphone を既存デバイス(Cisco Unified IP Phone 7961 など)に関連付ける |
デバイス ライセンス単位は、Cisco IP Communicator または Cisco Unified Personal Communicator(CUPC)Softphone に対して与えられます。関連付けられたデスクの電話に対して与えられるのではありません。 Cisco IP Communicator が Cisco Unified IP Phone 7961 に関連付けられた場合、Cisco IP Communicator の DLU は 3 から 1 に減少します。Cisco Unified IP Phone 7961 の DLU は変わりません。 |
それぞれの電話機およびアプリケーションに必要となるライセンスの単位数については、『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「ライセンス ユニットの計算方法」を参照してください。
ライセンスの分割
シスコのデバイスを注文されると、シスコから Product Authorization Key(PAK)が提供されます。PAK を使用すると、1,000 台以上のデバイス ライセンス単位のバンドルを購入した場合に、複数のクラスタにライセンスを分割できます。
たとえば、1 回の注文で Cisco Unified Communications Manager ノード 20 台と電話機 20000 台の単位を要求したとします。要求が承認されると、PAK が発行されます。この PAK を使用して、お客様はライセンスを複数のクラスタにまたがって分割でき、1 つのライセンス ファイルには Cisco Unified Communications Manager ノード 15 台と電話機 15000 台の単位が含まれ、もう 1 つのライセンス ファイルには Cisco Unified Communications Manager ノード 5 台と電話機 5000 台の単位が含まれています。
Cisco Unified Communications Manager の管理ページでデバイスごとに必要となるライセンス単位の数を判別するには、 [システム] >[ライセンス] >[ライセンスユニット計算] の順に選択します。このウィンドウには、デバイス タイプごとに必要なライセンス単位の数が示されます。
追加情報
「参考情報」を参照してください。
アラームとアラート
ライセンシングについて、次のアラームが生成されます。
• CiscoLicenseManagerDown
• CiscoLicenseOverDraft
• CiscoLicenseRequestFailed
• CiscoLicenseDataStoreError
• CiscoLicenseInternalError
• CiscoLicenseFileError
ヒント これらのアラームを検索するには、Cisco Unified Serviceability で JavaApplications Alarm Catalog にアクセスします。アラームの詳細については、『Cisco Unified Serviceability アドミニストレーション ガイド』を参照してください。
Cisco Unified Communications Manager が適切なライセンス ファイルを保有していない場合は、アラートが生成されます。アラートについては、『 Cisco Unified Communications Manager Real-Time Monitoring Tool アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。
追加情報
「参考情報」を参照してください。
ソフトウェア ライセンス バージョン
Cisco Unified Communications Manager は、ソフトウェア ライセンス バージョンを追跡します。このバージョン確認は、Cisco CallManager サービスが再起動するときに毎回実行されます。(ライセンス ファイルが見つからないなどの理由で)Cisco Unified Communications Manager がロードに失敗した場合、サービス マネージャは Cisco CallManager サービスの再起動を 3 回試行します。再起動のたびにライセンス ファイル確認が実行され、アラームが syslog に書き込まれます。
ソフトウェア ライセンス バージョンは、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの[ライセンスユニットレポート(License Unit Report)]ウィンドウに表示されます。『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「ライセンス ユニット レポート」を参照してください。
追加情報
「参考情報」を参照してください。
スターター ライセンス
Cisco Unified Communications Manager では、永続的なライセンスをインストールする前に Cisco Unified Communications Manager の新規インストールを開始できるように、スターター ライセンスが提供されています。スターター ライセンスは、使用可能な数は限られていますが、有効期限はありません。スターター ライセンスを使用できるのは、新規インストールに限られます。以前のリリースからアップグレードまたは移行する場合には、スターター ライセンスを使用できません。スターター ライセンスがサポートするのは、単一ノードの Cisco Unified Communications Manager で最大 50 のデバイス ライセンス単位です。
永続的なライセンスを入手し、アップロードすると、スターター ライセンスは上書きされます。
追加情報
「参考情報」を参照してください。
参考情報
• 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「ライセンス ファイルのアップロード」
• 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「ライセンス ユニット計算」
• 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「ライセンス ユニット レポート」
• 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「電話機の設定値」
• 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「サードパーティ製 SIP 電話機用のライセンス」
• 『 Cisco Unified Serviceability アドミニストレーション ガイド 』
• 『 Cisco Unified Communications Manager Real-Time Monitoring Tool アドミニストレーション ガイド 』