Cisco Unified IP Phone サービス
システム管理者は、Cisco Unified Communications Manager の管理ページのメニュー オプション[IP Phoneサービスの設定(IP Phone Services Configuration)]を使用して、Cisco Unified IP Phone サービスのリストの定義とその管理を行います。その Cisco Unified IP Phone サービスに対して、ユーザはサイトから登録します。Cisco Unified IP Phone サービスには、Extensible Markup Language(XML)アプリケーションがあり、XML を使用して、テキストとグラフィックスを含むインタラクティブ コンテンツを Cisco Unified IP Phone に表示できます。
(注) Cisco Unified IP Phone サービスは、Cisco Unified IP Phone 7970、7960、7940、7912、および 7905 をサポートします。
サービスのリストを設定した後、ユーザは Cisco Unified Communications Manager ユーザ オプション メニューにログインして、各自の Cisco Unified IP Phone 用に、これらのサービスに登録することができます。また、管理者はサービスを Cisco Unified IP Phone とデバイス プロファイルに追加できます。管理者はサービスを短縮ダイヤル ボタンに割り当てることができます。この割り当てにより、ユーザはサービスにボタン 1 つでアクセスできるようになります。
Cisco Unified Communications Manager では、開発者向けの Web サイトを通じて Cisco Unified IP Phone サービスのサンプル アプリケーションを提供しています。また、ご使用のサイトに合せてカスタマイズされた Cisco Unified IP Phone アプリケーションを作成することもできます。
この章の構成は、次のとおりです。
• 「Cisco Unified IP Phone サービスの概要」
• 「ガイドラインとヒント」
• 「依存関係レコード」
• 「Cisco Unified IP Phone サービス設定チェックリスト」
• 「参考情報」
Cisco Unified IP Phone サービスの概要
Cisco Unified IP Phone サービスは、テキストとグラフィックスを使用したインタラクティブ コンテンツを Cisco Unified IP Phone に表示できる XML アプリケーションです。
(注) Cisco Unified IP Phone サービスは、Cisco Unified IP Phone 7970、7960、7940、7912、および 7905 をサポートします。
サポートされている電話機のモデルから、ユーザはサービスに次の 2 つの方法でアクセスできます。「サービス」というラベルが付いたボタンを押すか、あらかじめ設定された電話ボタンを使用します。ユーザがサービス ボタンを押すと、電話機はその HTTP クライアントを使用して、特定の URL をロードします。この URL には、ユーザが電話機用にサブスクライブしているサービスのメニューが表示されます。ユーザは、リストの中からサービスを選択します。サービスがメニューから選択されると、HTTP を介して URL が要求され、サーバがコンテンツを提供し、電話機のディスプレイがこのコンテンツに更新されます。サービス用に設定された電話ボタンを押した場合、HTTP を介して URL が要求されます。
電話機に提供される一般的なサービスには、気象情報、株価情報、ニュースなどがあります。Cisco Unified IP Phone サービスは、標準 Web サーバ(たとえば、Microsoft の Internet Information Service(IIS))から HTTP プロトコルを使用して展開されます。
ユーザは、Cisco Unified Communications Manager の管理ページを使用して設定されたサービスだけにサブスクライブできます。サービスごとに、次の情報が設定されます。
• コンテンツを提供するサーバの URL
• エンド ユーザがシステムをブラウズする際に便利な、サービスの名前と説明
• サーバに送信されるときに URL の末尾に付加されるパラメータのリスト
これらのパラメータによって、個々のユーザ用にサービスが個別設定されます。パラメータの例には、株価表示用の記号、市町村名、郵便番号、ユーザ ID などがあります。
Cisco Unified Communications Manager の管理ページから、ロビーにある電話機などの共有デバイスをサービスに登録することができます。
システム管理者がサービスを設定した後、ユーザは Cisco Unified Communications Manager ユーザ オプションにログインして、サービスにサブスクライブできます。Cisco Unified Communications Manager ユーザ オプションから、ユーザは次の作業を行うことができます。
• 各自の電話機上で任意のサービスに登録する(登録はデバイスごとに行われます)。
• サービス URL ボタンを追加および更新する。
また、サービスへの登録は Cisco Unified Communications Manager の管理ページからも、一括管理ツール(BAT)アプリケーションからも行うことができます。
ユーザが[保存]ボタンをクリックすると、このサブスクリプション用のカスタム URL が Cisco Unified Communications Manager によって作成され、データベースに保存されます。その後、このサービスはデバイスのサービス リストに表示されます。
ガイドラインとヒント
Cisco Unified IP Phone は、サービスの設定状況に応じてグラフィックスまたはテキストのメニューを表示します。
Cisco Unified IP Phone 7960 は、リフレッシュ設定値を組み込んでいるウィンドウとともに送信される HTTP ヘッダーをサポートしています。この設定により、一定の時間をおいて、表示されている XML オブジェクトを新しいウィンドウに置き換えることができます。ユーザは、[更新]ソフトキーを押すだけで強制リロードを行うことができます。ヘッダー内で送信されたタイマー パラメータがゼロの場合は、次のウィンドウへの移動は[更新]ソフトキーを押したときにだけ行われます。ウィンドウの自動リロードは行われません。
Cisco Unified IP Phone 7960 は、データ入力プロセスの補助を目的とした次のソフトキーをサポートしています。
• [送信]:このソフトキーは、フォームの入力が完了したことを示し、HTTP によって入力結果の URL を送信するように指示します。
• [<<]:フィールド内でバックスペースを実行するには、バックスペース ソフトキーを使用します。
• [キャンセル]:このソフトキーは、現在の入力をキャンセルします。
フィールド間を移動するには、縦スクロール ボタンを使用します。
注意 Cisco Unified IP Phone サービスは、サイトの Cisco Unified Communications Manager サーバ、または Cisco Unified Communications Manager に関連付けられているサーバ(たとえば、TFTP サーバやディレクトリ データベース パブリッシャ サーバ)内に共存させないでください。サーバを分離することにより、Cisco Unified IP Phone Service アプリケーションのエラーが原因で Cisco Unified Communications Manager のパフォーマンスが影響を受けたり、コール処理サービスが中断されたりすることがなくなります。
依存関係レコード
特定の Cisco Unified IP Phone サービスが使用しているデバイスを知るには、Cisco Unified
Communications Manager の管理ページの[IP Phoneサービスの設定(IP Phone Services Configuration)]ウィンドウの[関連リンク]ドロップダウン リスト ボックスで[依存関係レコード]を選択し、 [移動] をクリックします。[依存関係レコード要約(Dependency Records Summary)]ウィンドウに、Cisco Unified IP Phone サービスを使用しているデバイスに関する情報が表示されます。デバイスについて詳細な情報を検索するには、デバイスをクリックして[依存関係レコード詳細(Dependency Records Detail)]ウィンドウを表示します。依存関係レコードがシステムで有効にされていない場合は、[依存関係レコード要約(Dependency Records Summary)]ウィンドウにメッセージが表示されます。
依存関係レコードの詳細については、『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「依存関係レコードへのアクセス」および「IP Phone サービスの設定」を参照してください。
Cisco Unified IP Phone サービス設定チェックリスト
表36-1 では、Cisco Unified IP Phone サービスを設定する際のチェックリストを示しています。
表36-1 Cisco Unified IP Phone サービス設定チェックリスト
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ステップ 1 |
システムに対して Cisco Unified IP Phone サービスを設定します。システムをブラウズするユーザにわかりやすいように、各サービスには名前、説明、および URL を付けます。 |
『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「IP Phone サービスの設定」 |
ステップ 2 |
個々のユーザに合せたサービスの個別設定に使用するパラメータのリストを設定します。 |
『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「IP Phone サービス パラメータの設定」 |
ステップ 3 |
サービス URL ボタンを含む電話ボタン テンプレートを作成およびカスタマイズし、サービス URL ボタンに IP Phone サービスを割り当てます。 |
『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「電話ボタン テンプレートの設定」 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「IP Phone サービスの電話ボタンへの追加」 |
ステップ 4 |
Cisco Unified IP Phone サービス機能が使用可能であることをユーザに通知します。 |
ユーザが Cisco Unified IP Phone サービスにアクセスするための手順については、電話機のマニュアルを参照してください。 |
参考情報
関連項目
• 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「電話ボタン テンプレートの設定」
• 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco Unified IP Phone の設定」
• 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「IP Phone サービスの設定」
参考資料
• Cisco Unified IP Phone Administration Guide for Cisco Unified Communications Manager (電話機のモデル別)
• Cisco Unified IP Phone のユーザ資料とリリース ノート(モデル別)