コンピュータ テレフォニー統合アプリケーション
次のリストでは、使用可能ないくつかの Cisco CTI アプリケーションについて説明しています。
• Cisco IP Communicator:デスクトップ アプリケーション モードでは、コンピュータは多機能型の電話機に変わり、コール追跡、デスクトップ コラボレーション、オンライン ディレクトリからのワンクリック ダイヤリングなどの機能が PC に追加されます。また、Cisco Unified IP Phone と連携して使用するモードでは、デスクトップ PC からコールの発信、受信、および制御を行うことができます。すべての機能は、両方のオペレーション モードで機能します。
• Cisco Unified Communications Manager Auto-Attendant:Cisco Unified Communications Manager Auto-Attendant アプリケーションは、Cisco Unified Communications Manager と連携して、特定の内線番号でコールを受信し、発信者が適切な内線番号を選択できるようにします。
• Cisco Unified Communications Manager Attendant Console:このアプリケーションは、Cisco Unified IP Phone を制御するためのグラフィカル ユーザ インターフェイス(GUI)を提供して、Attendant Console 機能を実行します。
• Cisco WebDialer:Cisco WebDialer は、Cisco Unified Communications Manager サーバにインストールされており、Cisco Unified Communications Manager と連携して使用されます。これによって、Cisco Unified IP Phone ユーザは Web およびデスクトップ アプリケーションからコールできます。
• Cisco Unified Communications Manager Assistant:Cisco Unified Communications Manager Assistant 機能を使用すると、マネージャとそのアシスタントが効果的に協力して作業できます。この機能は、コール ルーティング サービス、マネージャおよびアシスタント用の電話機拡張機能、および主にアシスタントが使用するアシスタント コンソール インターフェイスから構成されています。
(注) どの Cisco Unified Communications Manager CTI アプリケーションが SIP IP Phone をサポートしているかを確認するには、各アプリケーションのマニュアルを参照してください。Cisco SIP サポートの詳細については、「セッション開始プロトコル(SIP)の概要」を参照してください。
CTIManager
CTIManager と呼ばれるプログラムには、Cisco Unified Communications Manager とは分離されたアプリケーションと接続する、CTI コンポーネントが組み込まれています。CTIManager サービスは、Cisco Unified Communications Manager の通信フレームワークである System Distribution Layer(SDL)を使用して、Cisco Unified Communications Manager と通信します。CTIManager プログラムは、Cisco Unified Communications Manager のインストール時に Cisco Unified Communications Manager サーバにインストールされます。1 つのクラスタ内で 1 つ以上の CTIManager をアクティブにできますが、個々のサーバ上に存在できる CTIManager は 1 つだけです。アプリケーション(JTAPI/TAPI)は、複数の CTIManager に同時に接続できますが、メディア ターミネーションがあるデバイスをオープンする場合は、一度に 1 つの接続しか使用できません。図46-1 を参照してください。
図46-1 アプリケーションに CTI サービスを提供するために使用される Cisco Unified Communications Manager コンポーネント
CTIManager によって、アプリケーションはクラスタ内のすべての Cisco Unified Communications Manager のリソースおよび機能にアクセスでき、フェールオーバー機能にもアクセスできます。CTIManager に障害が発生した場合、アプリケーションはセカンダリ CTIManager にアクセスできます(アプリケーションがセカンダリ CTIManager をサポートしている場合のみ)。フェールオーバーおよびフォールバックの詳細については、「CTI の冗長化」を参照してください。
CTIManager には、CTI スーパープロバイダー機能と共に使用される、次の 2 つの詳細なクラスタ全体のサービス パラメータが用意されています。
• Maximum Devices Per Provider:このパラメータは、1 つの CTI アプリケーションで開くことが可能なデバイスの最大数を指定します。デフォルト値は 2000 デバイスです。
• Maximum Devices Per Node:このパラメータは、Cisco Unified Communications Manager システムの任意の CTIManager ノードにおいてすべての CTI アプリケーションで開くことが可能なデバイスの最大数を指定します。デフォルト値は 800 デバイスです。
設定した限度を超えた場合、CTI がアラームを生成しますが、アプリケーションは追加デバイスの処理を続行します。CTI スーパープロバイダーの詳細については、「ユーザ管理と CTI で制御されるデバイス」を参照してください。
メディア ターミネーション ポイント
CTI アプリケーションは、次の方法で CTI ポートおよび CTI ルート ポイントでメディアを終端できます。
• スタティック IP アドレスおよびポート番号:デバイスが開かれるときに、メディア IP アドレスおよびポート番号を指定します。この場合、そのデバイス上のすべてのコールで、メディアが常に同じ IP アドレスおよびポートで終端するようになります。この方法でメディアを終端できるのは、1 つのアプリケーションだけです。
• ダイナミック IP アドレスまたはポート番号:コール単位で、メディア IP アドレスまたはポート番号を指定します。メディア ターミネーションを必要とするコールごとに、メディア ターミネーション情報を要求する通知がアプリケーションに送信されます。その後、アプリケーションは、メディアが終端できるように、IP アドレスまたはポート番号を送り返す必要があります。コール単位で指定できるのは、IP アドレスまたはポート番号だけです。引き続き、デバイスの機能は、デバイスが開かれるときに静的に指定することができます。ダイナミック メディア ターミネーションでは、各アプリケーションが指定する機能が同じ状態である限り、複数のアプリケーションがメディア ターミネーションに対してデバイス(CTI ポートまたはルート ポイント)を開くことができます。
CTI によって制御されるデバイス
CTI によって制御されるデバイス タイプは、次のとおりです。
• Cisco Unified IP Phone(SCCP および SIP)
(注) CTI アプリケーションは、一部の SIP IP Phone だけをサポートします。たとえば、Cisco Unified IP Phone 7940 および 7960 はサポートされません。
• CTI ポート
• CTI ルート ポイント
(注) 電話番号(DN)が回線グループまたはハント リストのメンバーである場合は、その DN を使用するデバイス(CTI ポート、CTI ルート ポイント、SCCP 電話機、または SIP 電話機)を CTI ユーザに関連付けないでください。
Cisco Unified IP Phone
CTI によって制御される Cisco Unified IP Phone は、CTI アプリケーションが制御できる SCCP 電話機です。CTI は、CTI インターフェイスの JTAPI および TAPI から、制限付きで Cisco Unified IP Phone(7911、7941、7961、7970、および 7971)で SIP をサポートします。CTI アプリケーションは、CTI によって制御/監視される SCCP 電話機と同じ方法で SIP 電話機を制御および監視します。
SCCP 電話機の場合、発信ダイヤリングでは enbloc 収集(電話機は、すべての番号を収集してから、ルーティングのために Cisco Unified Communications Manager に番号を渡す)、または桁単位の収集をサポートしています。ダイヤリングが桁単位で実行される場合、CTI ダイヤリングのコール状態通知は、電話機がオフフックになり、発信コールの最初の桁が押された時点で電話機へ送られます。enbloc 発信ダイヤリングの場合、ダイヤリングのコール状態通知は、電話機がすべての桁を収集し、それを Cisco Unified Communications Manager へ処理のために送るまで遅延されます。
SIP 電話機では、ユーザが先にオフフックしてから電話番号をダイヤルした場合でも、常に enbloc ダイヤリングが使用されます。電話機は、すべての桁が収集されるのを待ってから、その桁を Cisco Unified Communications Manager へ送ります。したがって、ダイヤリングのコール状態通知が生成されるのは、設定済みのダイヤリング パターンのどれかと一致していることがわかるだけの桁数が、電話機上で押されてからになります。どのような場合でも、ダイヤリング状態の通知は、コールが宛先へルーティングされる前に常に生成されます(SCCP 電話機の場合と同様)。
SIP 電話機では、リオーダ音をいつ、どれくらいの長さ再生するかが制御されます。SIP 電話機は、リオーダ音の再生要求を受け取ると、Cisco Unified Communications Manager からリソースを解放してリオーダ音を再生します。したがって、コールは、リオーダ音が電話機上でいつ再生されるかに関係なく、CTI アプリケーションからはアイドル状態として認識されます。これらのシナリオでは、アプリケーションは電話機がリオーダ音を再生しているかどうかに関係なく、電話機からのコールを受信および発信することができます。リソースは Cisco Unified Communications Manager 上で解放されているので、コールはビジー トリガー カウンタや最大コール数カウンタ([電話番号の設定(Directory Number Configuration)]ウィンドウで設定)にカウントされません。
(注) トランスポート モードとして(TCP ではなく)UDP を使用するよう設定された Cisco Unified IP Phone(SIP を使用するもの)は、デバイス データ パススルー機能をサポートしません。このため、たとえば、データ パススルー機能を必要とする Quality Reporting Tool(QRT)は、UDP で設定された IP Phone で使用できません。
CTI ポート
CTI ポートは、仮想デバイスであり、1 つ以上の仮想回線を持つことができます。ソフトウェア ベースの Cisco Unified Communications Manager アプリケーション(たとえば、Cisco IP Softphone、Cisco Unified Communications Manager Auto-Attendant、および Cisco Unified IP IVR)が、CTI ポートを使用します。CTI ポートの設定は、電話機を設定する場合と同じ Cisco Unified Communications Manager の管理ページのウィンドウを使用して行われます。ファースト パーティ コールを制御するために、アクティブな音声回線ごとに CTI ポートを追加する必要があります。
CTI ルート ポイント
CTI ルート ポイント仮想デバイスは、アプリケーションによって制御される転送に対応して、複数の同時コールを受信できます。アプリケーションにアクセスするためにユーザがコールできる CTI ルート ポイント上で、1 つ以上の回線を設定できます。アプリケーションは、ルート ポイントでコールに応答できますが、コールを CTI ポートまたは IP Phone にリダイレクトすることもできます。ルート ポイントは、複数のコールを同時受信できるため、コールのメディアをルート ポイントで終端するアプリケーションは、コール単位でコールのメディアおよびポートを指定する必要があります。
CTI ルート ポイントは、次の機能をサポートします。
• コールの応答
• 複数のアクティブ コールの発信および受信
• コールのリダイレクト
• コールの保留
• コールの保留解除
• コールのドロップ
コールがルート ポイントに着信すると、アプリケーションは指定された時間内にコールを処理する(受け入れるか、応答するか、リダイレクトする)必要があります。コールに応答するまでに許容される時間を設定するには、Cisco CallManager の CTI New Call Accept Timer サービス パラメータを使用します。Cisco Unified Communications Manager の管理ページの[電話番号の設定(Directory Number Configuration)]ウィンドウを使用して、ルート ポイントのアクティブな同時コール数を設定します。
(注) TAPI アプリケーションを使用して、Cisco CallManager Telephony Service Provider(TSP)を使用する CTI ポート デバイスを制御しようとする場合は、CTI ポート デバイスごとに 1 つの回線だけを設定できます。
ユーザとして指定されるアプリケーションは、CTI デバイスを制御できます。ユーザにデバイスの制御権がある場合は、そのデバイスの特定の設定値(たとえば、コールの応答や自動転送)を制御できます。
CTI デバイス(CTI ポート、CTI ルート ポイント)は、それらのデバイスに適格な Cisco Unified Communications Manager のリストが入っている、デバイス プールに関連付けられなければなりません。CTI ポートの設定値の指定方法に関する一般的な説明については、『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco Unified IP Phone の設定」を参照してください。CTI ルート ポイントの設定値の指定方法に関する一般的な説明については、『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「CTI ルート ポイントの設定」を参照してください。特定のアプリケーション(たとえば、Cisco IP Communicator)と連携させて使用するように、CTI ポートとルート ポイントを設定する方法については、そのアプリケーションに付属の資料、およびオンライン ヘルプを参照してください。
CTI によって制御されるデバイスの 1 ノードあたりの最大数は、サーバのクラスによって次のように異なります。
• MCS-7825 サーバおよび MCS-7835 サーバは、CTI によって制御されるデバイスを 1 ノードあたり 800 台までサポートします。
• MCS-7845 サーバは、CTI によって制御されるデバイスを 1 ノードあたり 2,500 台までサポートします。
CTI デバイスに障害が起きた場合(たとえば、Cisco Unified Communications Manager の障害時)、Cisco Unified Communications Manager は、(この機能をサポートするデバイス用に)デバイス間ですでに接続されているメディア ストリームを保持します。また、Cisco Unified Communications Manager は、セットアップ中または変更中(転送、会議、リダイレクトなど)のコールを削除します。
ユーザ管理と CTI で制御されるデバイス
CTI アプリケーションからデバイスを制御または監視できるようにするには、その CTI アプリケーションに関連付けられているエンド ユーザまたはアプリケーション ユーザに、そのデバイスを割り当てる必要があります。それには、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの[エンドユーザの設定(End User Configuration)]ウィンドウまたは[アプリケーションユーザの設定(Application User Configuration)]ウィンドウを使用します。管理者は、ユーザの設定ウィンドウの[デバイスの割り当て(Device Associations)]ペインで、対象となるデバイスを[制御するデバイス(Controlled Devices)]リストに関連付けます。
CTI アプリケーションが特定の CTI 機能にアクセスできるようにするには、そのアプリケーションに関連付けられているエンド ユーザまたはアプリケーション ユーザを、次の 1 つ以上の CTI 関連ユーザ グループへ追加する必要があります。
• Standard CTI Allow Call Monitoring:アプリケーションは、コールを監視できます。
• Standard CTI Allow Call Park Monitoring:アプリケーションは、コールがすべてのコール パーク電話番号へパーク/パーク解除されたときに、通知を受け取ることができます。
• Standard CTI Allow Call Recording:アプリケーションは、コールを録音できます。
• Standard CTI Allow Calling Number Modification:アプリケーションは、サポートされている CTI アプリケーションで発信側電話番号を修正できます。
• Standard CTI Allow Control of All Devices:アプリケーションは、CTI で制御可能なシステム内のデバイスを制御または監視できます。
• Standard CTI Allow Reception of SRTP Key Material:アプリケーションは、暗号化されたメディア ストリームの復号化に必要な情報を受信できます。通常、このグループは記録および監視のために使用されます。
• Standard CTI Enabled:すべての CTI アプリケーションに必要なグループで、アプリケーションは Cisco Unified Communications Manager に接続して CTI 機能にアクセスできます。
• Standard CTI Secure Connection:このグループに属するためには、Cisco Unified Communications Manager クラスタ セキュリティが有効な場合に、Cisco Unified Communications Manager へのセキュリティ保護された(TLS)CTI 接続がアプリケーションに必要です。
(注) CTI アプリケーションは、関連付け先として指定されたユーザ グループをサポートしている必要があります。詳細については、該当するアプリケーションのマニュアルを参照してください。
エンド ユーザとユーザ グループの設定の詳細については、『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「エンド ユーザの設定」と「ユーザ グループへのユーザの追加」を参照してください。
(注) シスコでは、Standard CTI Allow Control of All Devices ユーザ グループに関連付けられたユーザを、Standard CTI Secure Connection ユーザ グループにも関連付けることを推奨しています。
CTI で制御可能なすべてのデバイスを監視および制御するアプリケーション
アプリケーション ユーザをユーザ グループ Standard CTI Allow Control of All Devices に追加すると、CTI アプリケーションは、Cisco Unified Communications Manager システム内に設定されている CTI で制御可能なすべてのデバイスを制御できます。そのようなアプリケーションは、スーパープロバイダー アプリケーションとも呼ばれます。CTI スーパープロバイダー アプリケーションは、アプリケーション制御リストに対するデバイスの割り当て/割り当て解除を動的に行います。そのため、このデバイス リスト/セットを、可変のリスト/セットにすることができます。たとえば、CTI で制御可能な 10,000 台のデバイスが Cisco Unified Communications Manager クラスタ内に存在し、CTI スケーラビリティ限度がプロバイダー当たり 2500 の場合、アプリケーションでオープンできるのは、10,000 台のうち 2500 台のデバイスです(このデバイス数は、サービス パラメータを使用して設定されます。詳細は「CTIManager」を参照してください)。CTI スーパー プロバイダー アプリケーションでは、この 2500 台のデバイスは固定されていません。これは、アプリケーションでこれらのデバイスをクローズし、別の 2500 台のデバイス セットをオープンすることが可能なためです。これらは(CTI スケーラビリティ限度内で)可変のデバイス セットになります。
システム管理者は、アプリケーション ユーザまたはエンド ユーザを Standard CTI Allow Control of All Devices ユーザ グループに追加することで、CTI スーパープロバイダー機能を設定します。管理者は、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの[ユーザグループの設定(User Group Configuration)]ウィンドウを使用して、ユーザをユーザ グループに追加します。
CTI で制御可能なデバイスについては、「CTI によって制御されるデバイス」を参照してください。
スーパープロバイダー機能を使用する CTI アプリケーションはすべて、システム内の、CTI で制御可能なデバイスをすべて制御します。アプリケーションでデバイスのステータスだけを識別する必要がある場合は、そのアプリケーションがデバイスを開き、ステータスを取得します。CTI スーパープロバイダーはすべてのデバイスを制御するため、CTI スーパープロバイダー制御からデバイスを除外することはできません。CTI アプリケーションで制御できるデバイスの最大数は、CTI システムの制限で決まります。CTI の最大限度については、「CTIManager」を参照してください。限度を超えると、CTI がアラームを生成します。
CTI アプリケーションでコール パーク番号を監視する場合は、そのアプリケーションを Standard CTI Allow Call Park Monitoring ユーザ グループに追加する必要があります(『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「ユーザ グループの検索」を参照)。
CTI アプリケーションでコールを監視する場合は、そのアプリケーションを Standard CTI Allow Call Monitoring ユーザ グループに追加する必要があります。CTI アプリケーションでコールを録音する場合は、そのアプリケーションを Standard CTI Allow Call Recording ユーザ グループに追加する必要があります。『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「ユーザ グループの検索」を参照してください。
依存関係レコード
特定の CTI ルート ポイントがどの電話番号を使用しているかを検索するには、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの[CTIルートポイントの設定(CTI Route Point Configuration)]ウィンドウおよび CTI ポートを設定するウィンドウにある[関連リンク]ドロップダウン リスト ボックスで、[依存関係レコード]を選択します。[依存関係レコード要約(Dependency Records Summary)]ウィンドウに、ルート ポイントを使用している電話番号に関する情報が表示されます。電話番号について詳細な情報を検索するには、電話番号をクリックして[依存関係レコード詳細(Dependency Records Detail)]ウィンドウを表示します。依存関係レコードがシステムで有効にされていない場合は、[依存関係レコード要約(Dependency Records Summary)]ウィンドウにメッセージが表示されます。
依存関係レコードの詳細については、『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「依存関係レコードへのアクセス」および「CTI ルート ポイントの削除」を参照してください。
CTI の冗長化
CTI は、クラスタ内の Cisco Unified Communications Manager ノードの障害、および CTIManager の障害による障害状態を回復します。ここでは、次のコンポーネントのフェールオーバーとフォールバック機能について説明します。
• Cisco Unified Communications Manager
• CTIManager
• アプリケーション(TAPI/JTAPI)
Cisco Unified Communications Manager
クラスタ内の Cisco Unified Communications Manager ノードに障害が起きると、CTIManager は、影響を受けた CTI ポート、およびルート ポイントを別の Cisco Unified Communications Manager ノード上で再度オープンして、回復させます。アプリケーションが電話機をオープンしている場合、CTIManager は、電話機が別の Cisco Unified Communications Manager にフェールオーバーするときに、その電話機を再度オープンします。Cisco Unified IP Phone が別の Cisco Unified Communications Manager にフェールオーバーしない場合、CTIManager は、その電話機、または電話機上の回線を開くことができません。CTIManager は、デバイス プールに割り当てられている Cisco Unified Communications Manager グループを使用して、アプリケーションによってオープンされている CTI デバイスと電話機を回復させるために、どの Cisco Unified Communications Manager を使用するかを決定します。
CTIManager は、Cisco Unified Communications Manager の障害を最初に検出すると、その Cisco Unified Communications Manager 上のデバイスが作動しなくなったことを、アプリケーション(JTAPI/TAPI)に知らせます。グループ内の他の Cisco Unified Communications Manager がいずれも使用できない場合、デバイスは作動停止状態のままです。これらのデバイスが、正常に別の Cisco Unified Communications Manager をホームにする(リホームする)と、CTIManager は、デバイスが作動状態に戻ったことをアプリケーションに知らせます。
障害が起きた Cisco Unified Communications Manager ノードが作動状態に戻ると、CTIManager は、影響を受けた CTI ポートまたはルート ポイントを、元の Cisco Unified Communications Manager に戻します(リホーム)。このリホーム プロセスが開始するのは、影響を受けたデバイス上のコールの処理が終了するか、またはアクティブでなくなったときです。コールが処理中またはアクティブである間は、デバイスをリホームできないので、リホーム プロセスが長時間実行されない場合があります。特に多数の同時コールを処理できるルート ポイントの場合に、この状態が起きます。
Cisco Unified Communications Manager グループ内の Cisco Unified Communications Manager がいずれも使用できない場合、CTIManager は、Cisco Unified Communications Manager が作動状態になり、CTI デバイスのオープンを再度試みるまで待ちます。何らかの理由により、Cisco Unified Communications Manager が作動状態に戻っても、デバイスまたは関連した回線を開くことができない場合、CTIManager は、そのデバイスと回線をクローズします。
CTIManager
CTIManager に障害が起きると、その CTIManager に接続されているアプリケーションは、別の CTIManager 上でデバイスを再びオープンして、影響を受けたリソースを回復することができます。アプリケーションのセットアップ時に、プライマリとバックアップとして指定した CTIManager に基づいて、アプリケーションは、どの CTIManager を使用するかを判断します(アプリケーションによってサポートされている場合)。アプリケーションが新しい CTIManager に接続すると、以前に開かれていたデバイスと回線を再度開くことができます。アプリケーションは、Cisco Unified IP Phone が新しい Cisco Unified Communications Manager にリホームする前に、この IP Phone を再度オープンすることができます。ただし、このリホームが完了するまで、IP Phone を制御することはできません。
(注) プライマリ CTIManager が稼働状態に戻っても、アプリケーションは、この CTIManager にリホームしません。アプリケーションがプライマリ CTIManager にフォールバックするのは、アプリケーションを再起動する場合、またはバックアップ CTIManager に障害が起きた場合です。
アプリケーションの障害
Application Heartbeat Maximum Interval 詳細サービス パラメータと Application Heartbeat Minimum Interval 詳細サービス パラメータを使用して、連続した 2 つの間隔の間に CTIManager がアプリケーションからメッセージを受信する間隔を指定します。アプリケーション(TAPI/JTAPI、または CTIManager に直接接続されているアプリケーション)に障害が起きると、CTIManager は、そのアプリケーションをクローズします。次に、CTI ポートおよびルート ポイント上でまだ終了していないコールを、設定された Call Forward On Failure(CFOF)番号にリダイレクトします。また CTIManager は、アプリケーションが回復してこれらのデバイスを再登録するまで、これらの CTI ポートおよびルート ポイントへの以降のコールを、設定された Call Forward No Answer(CFNA; 無応答時転送)番号にルーティングします。
CTI 設定チェックリスト
表46-1 に、CTI アプリケーション用に Cisco Unified Communications Manager を設定する手順を示します。
(注) CTI アプリケーションをセキュリティ保護するには、『Cisco Unified Communications Manager セキュリティ ガイド』で CTI の認証と暗号化の設定に関する説明を参照してください。
表46-1 CTI 設定チェックリスト
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ステップ 1 |
CTIManager および Cisco CallManager の適切なサービス パラメータを設定します。 |
『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「サービス パラメータの設定」 |
ステップ 2 |
CTI アプリケーションごとに、IP Phone、CTI ルート ポイント、またはポートを追加し、設定します。 |
『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「CTI ルート ポイントの設定」 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco Unified IP Phone の設定」 |
ステップ 3 |
CTI デバイス用の電話番号を設定します。 |
『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「電話番号の設定」 |
ステップ 4 |
アプリケーションが使用するすべてのデバイスを、適切な Cisco Unified Communications Manager グループに(デバイス プールを介して)関連付けます。 |
『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「デバイス プールの設定」 |
ステップ 5 |
CTI アプリケーションを使用する、エンド ユーザとアプリケーション ユーザを設定します。CTI アプリケーションで使用されるデバイス(IP Phone、CTI ポートなど)を、[エンドユーザの設定(End User Configuration)]ウィンドウおよび[アプリケーションユーザの設定(Application User Configuration)]ウィンドウにある[制御するデバイス(Controlled Devices)]リストに追加します。 |
『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「エンド ユーザの設定」 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「アプリケーション ユーザの設定」 |
ステップ 6 |
エンド ユーザとアプリケーション ユーザを、Standard CTI Enabled ユーザ グループに追加します。
(注) すべての CTI ユーザは、Standard CTI Enabled ユーザ グループに属している必要がありますが、それ以外の CTI ユーザ グループにも属すことができます。
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『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「ユーザ グループへのユーザの追加」 |
ステップ 7 |
まだ有効にしていない場合は、該当するサーバ上で CTIManager サービスを有効にします。 |
『 Cisco Unified Serviceability アドミニストレーション ガイド 』 |
ステップ 8 |
アプリケーションをインストールし、設定します。 |
アプリケーションに付属のマニュアルを参照してください。 |
ステップ 9 |
アプリケーション エンジンを再起動します(必要な場合)。 |
アプリケーションに付属のマニュアルを参照してください。 |
参考情報
関連項目
• 「冗長化」
• 「セッション開始プロトコル(SIP)の概要」
参考資料
• Cisco Unified Communications Manager JTAPI Developer Guide
• Cisco Unified Communications Manager TAPI Developer Guide
• Cisco Unified Serviceability アドミニストレーション ガイド
• Cisco Unified Communications Manager セキュリティ ガイド