クラスタ
クラスタは、同じデータベースとリソースを共有する Cisco Unified Communications Manager サーバのセットで構成されています。クラスタ内のサーバをさまざまな方法で設定すると、次の機能を実行できます。
• データベース サーバ(クラスタ内の唯一のデータベース サーバ)
• TFTP サーバ
• アプリケーション ソフトウェア サーバ
後続のサーバに Cisco Unified Communications Manager ソフトウェアをインストールする前に、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの[サーバの設定(Server Configuration)]でノードを定義する必要があります。
Cisco Unified Serviceability アプリケーションで[Service Activation]ウィンドウを使用して、クラスタでどのサーバがどの機能を実行するかを指定できます。システムの規模と目的の冗長化のレベルに応じて、特定のサーバを特定の機能専用にすることや、1 台のサーバに複数の機能を組み合せることができます。
各クラスタには、1 台のデータベース サーバ(最初のノード)と通常 1 台の TFTP サーバを別個にまたは組み合せて持つことができます。
ヒント Restart Cisco Communications Manager on Initialization Exception サービス パラメータは、初期化中にエラーが発生した場合に、Cisco CallManager サービスを再起動するかどうかを指定するものです。このパラメータのデフォルトは TRUE です。この値では、初期化中にエラーが発生した場合、Cisco Communications Manager の初期化は中止されます。この値を FALSE に設定すると、エラーが発生した場合でも初期化は続行されます。このクラスタ全体のパラメータは、[Clusterwide Parameters (System - General)]サブセクションにあります。サービス パラメータの詳細な設定方法については、『Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド』の「サービス パラメータの設定」を参照してください。
クラスタ サイズと推奨構成の詳細については、『 Cisco Unified Communication ソリューション リファレンス ネットワーク デザイン (SRND) 』を参照してください。
[Service Activation]ウィンドウの詳細については、『 Cisco Unified Serviceability アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。
クラスタ間の通信
非常に大規模な環境では、コール処理の負荷に対応するため、複数のクラスタを設定することが必要な場合があります。通常クラスタ間の通信は、クラスタ間トランクまたはゲートキーパー トランクによって行われます。大規模システムでは、マルチクラスタ構成として、次の 2 種類のいずれかを使用しています。
• 大規模の単一キャンパス ネットワークまたは Metropolitan Area Network(MAN; メトロポリタン エリア ネットワーク)
• 分散型コール処理を行うマルチサイト WAN(各サイトに 1 台以上の Cisco Unified Communications Manager を配置)
通常、MAN のクラスタ間トランクには十分な帯域幅があるため、コール アドミッション制御メカニズムは必要ありません。通常、分散型コール処理を行うマルチサイト WAN は、ゲートキーパー テクノロジーを使用してコール アドミッション制御を行います。
クラスタ内の通信
Cisco Unified Communications Manager は、クラスタ内通信もサポートしています。これは、集中型コール処理を行うマルチサイト WAN です(リモート サイトに Cisco Unified Communications Manager を配置しません)。集中型コール処理を行うマルチサイト WAN は、Cisco Unified Communications Manager のロケーション機能を使用してコール アドミッション制御を行います。
Cisco Unified Communications Manager のほとんどの機能は単一のクラスタ内で実行されるものですが、次の機能は、クラスタ間でも実行されます。
• 基本コール設定
• G.711 コールおよび G.729 コール
• 複数の参加者による会議
• コール保留
• コール転送
• コール パーク
• 発信側回線 ID
クラスタ間の通信およびコール アドミッション制御の詳細については、『 Cisco Unified Communication ソリューション リファレンス ネットワーク デザイン (SRND) 』を参照してください。
コール処理の負荷バランス
クラスタを構成する Cisco Unified Communications Manager をインストールした後、クラスタ内のさまざまな Cisco Unified Communications Manager にデバイス(電話機、ゲートウェイ、CTI ルート ポイント、CTI ポート、およびルート リストなど)を分散することによって、コール処理の負荷をできる限り均等にシステム全体でバランスをとるようにする必要があります。デバイスを分散するには、Cisco Unified Communications Manager グループとデバイス プールを設定した後、目的のバランスを達成できる方法でデバイスをデバイス プールに割り当てます。
Cisco Unified Communications Manager グループとデバイス プールは、任意の方法で配置できるデバイスの論理グループを表します。管理しやすくするために、グループまたはプール内のすべてのデバイスが、簡単に識別できる共通の特性(ネットワーク上の物理的な場所など)を共有するようにします。
また、Cisco Unified Communications Manager グループを使用すると、グループのプライマリ Cisco Unified Communications Manager の冗長化(バックアップ コール プロセッサ)を設定することもできます。Cisco Unified Communications Manager グループとは、最大 3 台の Cisco Unified Communications Manager サーバを優先順に並べたリストです。通常の動作時には、グループ内の最初の(プライマリ)Cisco Unified Communications Manager が、そのグループに割り当てられているすべてのデバイス プールとデバイスを制御します。グループのプライマリ Cisco Unified Communications Manager に障害が起きた場合、そのプライマリ Cisco Unified Communications Manager に登録されているデバイス プールとデバイスの制御は、グループ リストの次の Cisco Unified Communications Manager に移ります。
たとえば、3 台の Cisco Unified Communications Manager でクラスタを構成し、既存の 300 台の Cisco Unified IP Phone があり、新しい電話機が後で追加されるたびに自動登録されるようになっている、簡単なシステムがあるとします。
• この構成には、次の 4 つの Cisco Unified Communications Manager グループが含まれている。デバイス プール DP1 に割り当てられているグループ G1、デバイス プール DP2 に割り当てられているグループ G2、デバイス プール DP3 に割り当てられているグループ G3、およびデバイス プール DP4 に割り当てられているグループ G4。グループ G4 は、自動登録されるデバイスのデフォルト グループです。
• Unified CM1 は、DP1 と DP2 のデバイスのプライマリ Cisco Unified Communications Manager、DP3 のデバイスの第 1 バックアップ、DP4 のデバイスの第 2 バックアップとして機能する。
• Unified CM2 は、DP3 と DP4 のデバイスのプライマリ Cisco Unified Communications Manager、DP1 のデバイスの第 1 バックアップ、DP2のデバイスの第 2 バックアップとして機能する。
• Unified CM3 は、DP2 と DP4 のデバイスの第 1 バックアップ Cisco Unified Communications Manager、DP1 と DP3 のデバイスの第 2 バックアップとして機能する。
クラスタ設定のチェックリスト
表6-1 は、Cisco Unified Communications Manager クラスタのインストールと設定に必要な手順の概要を示しています。
表6-1 クラスタ設定のチェックリスト
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ステップ 1 |
データベース サーバ(最初のノード)をインストールします。 |
取り付けるハードウェア コンポーネントの取り付けマニュアルを参照。 |
ステップ 2 |
最初のノードと後続のサーバに Cisco Unified Communications Manager やその他のソフトウェア アプリケーションをインストールするのに必要な情報を収集します。また、クラスタにサーバを割り当てる方法も決定します。 |
『Cisco Unified Communication ソリューション リファレンス ネットワーク デザイン (SRND) 』 『Cisco Unified Communications Manager Release 6.1(1) インストレーション ガイド 』 『Cisco Unified IP-IVR Installation Guide 』 |
ステップ 3 |
Cisco Unified Communications Manager と追加のソフトウェア アプリケーションを後続のサーバにインストールします。
(注) 後続のサーバにインストールする前に、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの[サーバの設定(Server Configuration)]でノードを定義する必要があります。
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『Cisco Unified Communications Manager Release 6.1(1) インストレーション ガイド 』 『Cisco Unified IP-IVR Installation Guide 』 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「サーバの設定」 |
ステップ 4 |
デバイス プールを設定し、デバイス プールを使用して個々のデバイスを Cisco Unified Communications Manager グループに割り当てます。 |
『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「デバイス プールの設定」 |
ステップ 5 |
クラスタ間トランクを使用する場合は、トランクをインストールし、ゲートキーパーに制御されるクラスタ間トランク、またはゲートキーパーに制御されないクラスタ間トランクとして設定します。 |
『Cisco Unified Communication ソリューション リファレンス ネットワーク デザイン (SRND) 』 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「トランクの設定」 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「トランクの設定値」 |
ステップ 6 |
クラスタ間トランクにコール アドミッション制御を行う場合は、ゲートキーパーに制御されるクラスタ間トランクまたは Cisco Unified Communications Manager ロケーションのどちらかを設定します。 |
『Cisco Unified Communication ソリューション リファレンス ネットワーク デザイン (SRND) 』 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「トランクの設定」 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「ロケーションの設定」 |
参考情報
関連項目
• 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco Unified Communications Manager グループの設定」
• 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「デバイス プールの設定」
• 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「トランクの設定」
• 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「ロケーションの設定」
参考資料
• Cisco Unified Communication ソリューション リファレンス ネットワーク デザイン (SRND)
• Cisco Unified Communications Manager Release 6.1(1) インストレーション ガイド
• Cisco Unified IP-IVR Installation Guide
• Cisco Unified Serviceability アドミニストレーション ガイド