サポートされているデバイス
Cisco Unified CallManager では、次のリストに示すように、各種のデバイスをサポートしています。
• Cisco Unified IP Phone
• アナログ ゲートウェイ ポート
• T1 ゲートウェイ
• E1 ゲートウェイ
• トランスコーディング リソース
• ソフトウェア MTP
• Annunciator
• Conferencing リソース(ハードウェア)
• Conferencing リソース(ソフトウェア)
• CTI ポート(TAPI および JTAPI)
• Cisco SoftPhone
• メッセージング(ボイスメール)
• クラスタ間トランク
• SIP トランク
• ビデオ入力
デバイス コンフィギュレーション ファイル
Cisco Trivial File Transfer Protocol(Cisco TFTP)は Windows 2000 のサービスで、Cisco Unified CallManager データベースにある情報からコンフィギュレーション ファイルを作成します。
デバイスに固有のコンフィギュレーション ファイルには、形式により、SEP、SAA、SDA、CFB、VGC、または MTP + MAC アドレスという名前が付けられています。
• SEP:Selsius Ethernet Phone(Cisco IP Phone モデル 12 SP+、Cisco IP Phone モデル 30 VIP、Cisco Unified IP Phone 7902、Cisco Unified IP Phone 7905、Cisco Unified IP Phone 7910、Cisco Unified IP Phone 7912、Cisco Unified IP Phone 7920、Cisco Unified IP Phone 7935、Cisco Unified IP Phone 7936、Cisco Unified IP Phone 7940、Cisco Unified IP Phone 7960、および Cisco Unified IP Phone 7970)
• SAA:Selsius Analog Access(Cisco Catalyst 6000 24 ポート FXS アナログ インターフェイス モジュール)
• SDA:Selsius Digital Access(DT-24+、DE-30+、Cisco Catalyst 6000 8 ポート音声 E1/T1)
• VGC:Cisco VG248 Analog Phone Gateway(Cisco VG248 のポートと装置は、同じ Cisco Unified CallManager 内で個別のデバイスとして扱われます。48 のデバイス ポートはすべて、デバイス タイプ「Cisco VGC Phone」として同じ Cisco Unified CallManager クラスタ内に登録されます)。
• MTP:Media Termination Point
コンフィギュレーション ファイルには、優先順に並んだ Cisco Unified CallManager のリストも含まれています。ネットワーク アドレスは、完全修飾ドメイン名(たとえば、cm1.cisco.com)、またはドット付き IP アドレス 172.116.21.12 に TCP ポートを付加したアドレスです。詳細については、
「Cisco TFTP」を参照してください。
デバイスは、コンフィギュレーション ファイルを取得する必要がある場合、デバイス固有のコンフィギュレーション ファイル名に関する TFTP 要求を送信します。
(注) Cisco Unified IP Phone モデル 7970、7960、および 7940 の場合、デバイス コンフィギュレーション中にボタン URL を指定できます。URL がブランクの場合、Cisco Unified CallManager はエンタープライズの値を使用します。『Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド』の「エンタープライズ パラメータの設定」の項を参照してください。
デバイス ファームウェア ロード
ロードとは、デバイス用の更新済みファームウェアを格納しているファイルです。ファームウェア ロードには、4 種類あります。つまり、電話機ロード、ゲートウェイ ロード、MTP ロード、および Conference Bridge ロードです。インストールまたはアップグレード時に、Cisco Unified CallManager は最新のロードを提供します。しかし、電話機やゲートウェイなど、ロードを使用するデバイスに重要なパッチや他の情報を含むロードが、リリース間に提供される場合もあります。
これらのロード ファイルは、*.bin、.zup、または .sbin ファイル(例:D501A022.bin)として
/usr/local/cm/tftp サブディレクトリに保存されています。インストールまたはアップグレード時に、この場所に最新のロードが保存されます。システムがロードにアクセスできるように、リリース間に受け取った新しいロードはこの場所にコピーする必要があります。
ロード テーブル に、各デバイス タイプのロードの記述に関する最新情報が記載されています。
デバイス ロードの更新
ロードをシステム全体のデフォルトとして適用する前に、単一のデバイスに新しいロードを適用することができます。この方法はテストに便利です。ただし、新しいロードを使用するデバイスは、そのロードに更新したデバイスだけなので注意してください。その他の同種のデバイスは、そのデバイスのシステム全体のデフォルトを新しいロードに更新するまで、従来のロードを使用します。
デバイス プール
デバイス プールは、Cisco Unified CallManager 冗長化グループのスケーラビリティを高め、Cisco Unified CallManager の分散を容易にします。デバイス プールでは、次の基本属性を各デバイスにグローバルに割り当てることができます。
• Cisco Unified CallManager グループ:このグループは、3 台までの Cisco Unified CallManager のリストを指定します。このリストは、コール処理用の優先順位リストとして使用できます。
• 日付/時刻グループ:日付/時刻グループは、デバイスの日付と時間帯を指定します。
• リージョン:リージョンを使用する必要があるのは、社内で複数の音声コーデックを使用する場合だけです。リージョンは、リージョン内およびリージョン間で使用される音声コーデックを指定します。
• ソフトキー テンプレート:特定のソフトキー テンプレートをデバイス プールに割り当ててから、デバイス プールをテンプレートが必要なユーザに割り当てます。
• SRST リファレンス:デフォルトの SRST ゲートウェイを使用不可にするか、または使用します。
オプションのコーリング サーチ スペースを使用すると、IP Phone をネットワークに不正に取り付けることを防止できます。たとえば、ネットワークに不正に接続された電話機は、コーリング サーチ スペースが Cisco Unified CallManager の管理者だけに制限されるデバイス プールに自動登録されます。この検索スペースに Primary Line Automatic Ringdown(専用回線自動リングダウン)が割り当てられていると、不審なユーザが受話器を外したときに、コールは即時にセキュリティ部門か Cisco Unified CallManager の管理者に接続されます。
一般に、デバイス プールの設定に関しては次のシナリオが考えられます。この展開モデルにより、使用するクラスタとデバイス プールの正確なモデルが決まります。
• 単一サイト クラスタ、集中型コール処理を行う複数サイト WAN、および分散型コール処理を行う複数サイト WAN に対する冗長化:デバイス プールのコンフィギュレーションでは、Cisco Unified CallManager グループを冗長ベースとして使用します。たとえば、1 つのクラスタには最大 8 台の Cisco Unified CallManager サーバ A、B、C、D、E、F、G、H を設定でき、そのうち 4 台をアクティブに、4 台をバックアップに設定できます。1 対 1 の冗長化を使用した場合、グループはサーバ AB、CD、EF、および GH になります。1 対 1 の冗長化を負荷バランシングと併用した場合、グループは AB、BA、CD、DC、EF、FE、GH、および HG になります。
(注) IP Phone の台数が 20,000 台を超える Cisco Unified CallManager クラスタでは 1 対 1 の冗長化が必要です。これより小規模のクラスタには 2 対 1 の冗長化を設定できます。たとえば、AC、BC、DF、EF を設定します(ABDE がプライマリ サーバを構成し CF がバックアップ サーバを構成します)。
• 単一サイトのクラスタに対するリージョン要件:すべてのコール用に G.711 コーデックが使用されるので、このシナリオではリージョンを使用する必要はありません。
• 集中型および分散型コール処理を行う複数サイトの WAN に対するリージョン要件:各クラスタには Cisco Unified CallManager 冗長化グループごとに、G.711 と G.729 のリージョンを組み込むことができます。
• 合計デバイス プール数 = サイト数 × リージョン数。
合計デバイス プール数 = リージョン数 × Cisco Unified CallManager 冗長化グループ数。
デバイス プールの設定方法については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「デバイス プールの設定」 の項を参照してください。
コールの保存
Cisco Unified CallManager のコール保存機能により、Cisco Unified CallManager に障害が起こったときや、コールを設定したデバイスと Cisco Unified CallManager 間の通信が失敗したときに、アクティブ コールの中断を防ぐことができます。
Cisco Unified CallManager は幅広い Cisco Unified Communications デバイスに対してコール保存を完全にサポートしています。このサポートは Cisco Unified IP Phone、Foreign Exchange Office(FXO)(非ループ開始トランク)と Foreign Exchange Station(FXS)インターフェイスをサポートする MGCP ゲートウェイを対象とし、また制限付きで Conference Bridge、MTP、およびトランスコーディング リソース デバイスを対象としています。
次のデバイスとアプリケーションでは、コール保存をサポートしています。両端の通話者が次のデバイスのいずれかを経由して接続されている場合に、Cisco Unified CallManager はコール保存を実行します。
• Cisco Unified IP Phone
• ソフトウェア Conference Bridge
• ソフトウェア MTP
• ハードウェア Conference Bridge(Cisco Catalyst 6000 8 ポート音声 E1/T1 およびサービス モジュール、Cisco Catalyst 4000 アクセス ゲートウェイ モジュール)
• トランスコーダ(Cisco Catalyst 6000 8 ポート音声 E1/T1 およびサービス モジュール、Cisco Catalyst 4000 アクセス ゲートウェイ モジュール)
• 非 IOS の MGCP ゲートウェイ(Catalyst 6000 24 ポート FXS アナログ インターフェイス モジュール、Cisco DT24+、Cisco DE30+、Cisco VG200)
• Cisco IOS MGCP ゲートウェイ(Cisco VG200、Catalyst 4000 アクセス ゲートウェイ モジュール、Cisco 2620、Cisco 3620、Cisco 3640、Cisco 3660、Cisco 3810)
• Cisco VG248 Analog Phone Gateway
• Cisco Unified CallManager Attendant Console
次のデバイスとアプリケーションは、本リリースのコール保存をサポートしていません。
• Annunciator
• H323 デバイス
• CTI アプリケーション
• TAPI アプリケーション
• JTAPI アプリケーション
コール保存のシナリオ
表11-1 では、コール保存がさまざまなシナリオでどのように処理されるかを説明しています。
表11-1 コール保存のシナリオ
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Cisco Unified CallManager に障害が発生 |
Cisco Unified CallManager に障害が起こったため、障害のある Cisco Unified CallManager が設定していたすべてのコールに対するコール処理機能が失われます。 影響を受けたデバイスは、現在 Cisco Unified CallManager に障害が起こっていることを認識します。同様に、クラスタ内にある他の Cisco Unified CallManager も、Cisco Unified CallManager の障害を検出します。 Cisco Unified CallManager は、エンド ユーザが受話器を置くまで、またはメディアの接続が解放されたことをデバイスが判別するまで、影響を受けているアクティブ コールを維持します。この障害の影響を受けて維持されているコールに対して、ユーザがコール処理機能を起動することはできません。 |
Cisco Unified CallManager とデバイス間に通信障害が発生 |
デバイスと、デバイスを制御する Cisco Unified CallManager 間に通信障害が起こると、デバイスは障害を認識し、アクティブ接続を保存します。Cisco Unified CallManager は通信障害を認識し、通信が失われたデバイス内のコールに関連したコール処理エンティティをすべてクリアします。 ただし、Cisco Unified CallManager は、影響を受けたコールに関連した作動可能なデバイスの制御を引き続き維持します。Cisco Unified CallManager は、エンド ユーザが受話器を置くまで、またはメディアの接続が解放されたことをデバイスが判別するまで、影響を受けているアクティブ コールを維持します。この障害の影響を受けて維持されているコールに対して、ユーザがコール処理機能を起動することはできません。 |
デバイスの故障 (電話機、ゲートウェイ、Conference Bridge、トランスコーダ、MTP) |
デバイスが故障すると、そのデバイスを経由して確立されていた接続は、メディアのストリーミングを停止します。アクティブの Cisco Unified CallManager はデバイスの故障を認識し、故障したデバイス内のコールに関連したコール処理エンティティをクリアします。 ただし、Cisco Unified CallManager は、影響を受けたコールに関連した作動可能なデバイスの制御を維持します。Cisco Unified CallManager は、通信可能なエンド ユーザが受話器を置くまで、またはメディア接続が解放されたことを作動可能なデバイスが判別するまで、作動可能なデバイスに関連したアクティブ接続(コール)を維持します。 |
Cisco Unified CallManager Attendant Console |
CTI ルート ポイント デバイスの場合は、コールのリダイレクトだけが許可されているので、コール維持は適用されません。コールが Telephony Call Dispatcher(TCD; テレフォニー コール ディスパッチャ)に拡張される前に Cisco Unified CallManager がダウンした場合、コールは TCD に転送されません。TCD がコールをリダイレクトした後、コールが電話機に着信する前に Cisco Unified CallManager がダウンした場合、コールは失われます。 コンソールは、サードパーティとして電話機の制御を行うので、電話機からコール保存を継承します。Cisco Unified CallManager がダウンした後もアクティブ コールは継続しますが、保留中のコールは継続しません。コンソールは、関連した電話機を介したコール保存だけをサポートします。 |
参考情報
関連項目
• 「Cisco TFTP」
• 「Cisco Unified CallManager 音声ゲートウェイの概要」
• 「Cisco Unified IP Phone」
参考資料
• 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「デバイス デフォルトの設定」
• 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「デバイス プールの設定」
• 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「ゲートウェイの設定 」
• 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco Unified IP Phone の設定」
• 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco Unified CallManager グループの設定」
• 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「日付/時間グループの設定」