Cisco Emergency Responder での Intrado V9-1-1 for Enterprise Service のサポート方法
IntradoV9-1-1 for Enterprise Service のサブスクライバの場合、Cisco ER を使用して緊急コール管理を簡単にすることができます。Cisco ER は、ロケーション情報を直接 Intrado のデータベースに入力し、同期させることができるインターフェイスを用意しています。Cisco ER は、構内および構外の電話機に対し、緊急コール用のロケーション情報を提供し、Intrado および Cisco Unified CM との併用により緊急コールを行います。
Cisco ER は、IP サブネットまたは MAC アドレス(手動で設定して割り当てた場合)を使用して IP 電話機を追跡します。Cisco ER では電話機のステータス(構内、構外、位置未確認)を保持し、ALI/ELIN 情報を Intrado に渡します。構内電話機のユーザは Cisco Unified Communication を使用して、緊急コールを Intrado および指定した緊急プロバイダーにルートします。
構外電話機のユーザは、ユーザがそのロケーションに入り、この情報を電話番号に関連付けると、緊急コールを行うことができます。ロケーション情報が確認されると、構外電話機からの緊急コールが完了します。
(注) ユーザは構外ロケーションを各 DN で 1 つのみ設定できます。これは、共有回線に適用されます。2 台の構外電話機が 1 つの DN を共有している場合、ユーザはロケーションを 1 つのみ、DN に関連付けることができます。
図 5-1に、ユーザ、Cisco ER、Intrado 間の相互関係を示します。
図 5-1 ユーザ、Cisco ER、Intrado 間の相互関係の理解
Intrado V9-1-1 for Enterprise Service を使用して緊急コールを行った場合に発生すること
ユーザが緊急コールを行うと、次が発生します。
1. Cisco Unified CM が Cisco ER へのコールをルートします。
2. Cisco ER がコールを Intrado にルートします。
3. Intrado は発信者の 10 桁の ELIN を受信し、この発信者番号から発信者の ALI データを取得します。
4. Intrado でコールが完了します。
Cisco Emergency Responder で Intrado V9-1-1 for Enterprise Service をサポートするための設定
緊急サービスで Intrado をサポートしていることを確認したら、Intrado V9-1-1 for Enterprise Service をサポートするよう、Cisco ER を設定する必要があります。
Intrado ERL を作成する前に、 表 5-1 で説明している作業を完了する必要があります。構外ユーザのサポートについての詳細は、「構外ユーザをサポートするための Cisco ER の設定」を参照してください。
表 5-1 Intrado のための Cisco ER の設定の作業一覧
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1. |
Validation and Update Interface(VUI)で、次の設定をします。 a. Intrado の証明書をアップロードします。 b. 証明書を検証します。 c. Intrado アカウント情報を設定します。 |
「Intrado VUI 設定の実行」を参照してください。 |
2. |
Cisco ER サーバで Intrado へのコールのルーティングのルート パターンを設定します。 |
「Cisco Emergency Responder のルート パターンの設定」を参照してください。 |
3. |
Cisco Unified CM サーバで Intrado へのコールのルーティングのルート パターンとゲートウェイを設定します。 |
『Cisco Unified CM System Guide』の「Understanding Route Plans」の章および『Cisco Unified CM Administration Guide』の「Gateway Configuration」の章を参照してください。 |
4. |
Intrado ERL を作成し、Intrado TN データベースに対する Intrado ERL の ALI データの妥当性および整合性を検証します。 |
「Intrado ERL の設定」および「ALI の不一致の調整」を参照してください。 |
5. |
Intrado ERL をスイッチ ポート、IP サブネット、位置未確認の電話機に割り当てます。 |
ERL をスイッチ ポートに割り当てる詳細については、「スイッチ ポートの設定」を参照してください。 ERL の IP サブネットへの割り当てについては、「IP サブネットベースの ERL の設定」を参照してください。 ERL の位置未確認の電話機への割り当てについては、「位置未確認の電話機の特定」を参照してください。 |
Intrado VUI 設定の実行
Intrado VUI 設定を行えるようにするには、まず Intrado からアカウント情報と証明書を入手する必要があります。
(注) Cisco ER サブスクライバへのフェールオーバーがある場合に緊急サービスのサポートを続行するには、証明書ファイルを CER サブスクライバへ個別にアップロードする必要があります。
Intrado VUI 設定を行うには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco ER から、[System] > [Intrado VUI Settings] を選択します。
[Intrado VUI Settings] ページが表示されます。
ステップ 2 [Upload Certificate] をクリックします。[Upload Certificate] ウィンドウが開きます。[Browse] ボタンを使用して Intrado 証明書ファイルを検索し、そのファイルを選択して[Upload] ボタンをクリックします。
ステップ 3 [Certificate Password] および [VUI URL] を、隣接のテキスト ボックスに入力します。[Test and Validate] をクリックします。
ステップ 4 次のアカウント情報を入力します。
• VUI スキーマの URL
• Intrado アカウント ID
• 最大 VUI 接続
ステップ 5 [Update] をクリックします。
Intrado VUI 設定の詳細については、「Intrado VUI Settings」を参照してください。
関連項目
• 「Cisco Emergency Responder のルート パターンの設定」
• 「Intrado ERL の設定」
• 「ALI の不一致の調整」
Cisco Emergency Responder のルート パターンの設定
Intrado V9-1-1 for Enterprise Service で緊急コールを完了できるようにするには、先に Intrado にコールをルーティングするルート パターンを設定する必要があります。
Intrado のルート パターンを作成するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco ER から、[System] > [Telephony Settings] をクリックします。
[Telephony Settings] ページが表示されます。
ステップ 2 [Intrado Route Pattern Settings] で、Intrado のルート/トランスレーション パターンを入力して [Add] ボタンをクリックします。
Intrado ERL の設定
Intrado ERL を追加する前に、まず Intrado ルート パターンを設定する必要があります。
(注) Intrado ERL は、次の点で、従来の ERL と異なります。
• ルート パターンは、[Telephony Settings] Web ページの設定済みの一覧からのみ選択できます。
• Intrado Validation & Update Interface(VUI; 検証および更新インターフェイス)を使用して、Intrado から ALI データを照会し、検証できます。
• 緊急コールが正常にルートできるようにするには、まず Intrado VUI を使用して、ALI データ(TN アップデート)を Intrado に送信する必要があります。
Intrado ERL を設定するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco ER から、[ERL] > [Intrado ERL] > [Intrado ERL(Search and List)] をクリックします。
[Find Intrado ERL Data] ページが表示されます。
ステップ 2 [Add New ERL] ボタンをクリックします。
Cisco ER で、[Add New ERL] ウィンドウが開きます。各フィールドの詳細な説明については、「Intrado ERL (Search and List)」を参照してください。
ステップ 3 ERL 情報を入力します。
ステップ 4 [ALI Details] をクリックします。
Cisco ER で [ALI Information] ウィンドウが開きます。
ステップ 5 ALI 情報を入力します。Intrados MSAG データベースでアドレスを検索するには、[Query from Intrado] をクリックします。
ステップ 6 ALI 情報の入力が終わったら[Pre-validate from Intrado] をクリックします。
ステップ 7 [Add New ERL] ウィンドウをアクティブ ウィンドウにして(アクティブになっていない場合)、[Insert] をクリックします。
Cisco ER で ERL とその ALI が保存されます。
Intrado ERL のインポート
複数の ERL がある場合で、すべてを一度に追加する場合は、1 つ以上の ERL 定義が含まれているファイルを作成して、すべての ERL を同時に Cisco ER 設定にインポートできます。ERL のインポートの詳細については、「複数の ERL の一括インポート」を参照してください。
ALI の不一致の調整
Cisco ER を使用して、Intrado VUI からのレコードとデータベースのレコードを比較し、一致しない ALI レコードを表示できます。各レコードを確認して、ローカル レコードのアップデートに使用する Intrado からのデータまたはアップデートする Intrado のレコードを選択できます。
ALI の不一致のレコードを調整するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco ER の管理で、[ERL] > [Intrado ERL] > [View ALI Discrepancies] を選択します。
[View Intrado ALI Discrepancies] ページが表示されます。
ステップ 2 特定の ELIN を検索する検索条件を入力して [Find] をクリックします。または、不一致の Intrado ALI をすべて表示するには、[Find] をクリックします。検索結果が表示されます。
ステップ 3 表示したい ELIN の隣にあるオプション ボタンをクリックするか、[View ALI Discrepancies] ボタンをクリックして、特定の ELIN の不一致な Intrado ALI を表示します。
[View Intrado ALI Discrepancies for a particular ELIN] ウィンドウが表示されます。
ステップ 4 ローカルの Cisco ER データベースまたは Intrado から、正しいデータを選択します。
ステップ 5 ローカルの Cisco ER データベースへの変更を保存するには、[Save] をクリックします。Intrado VUI への変更を保存するには、[Save Intrado ALI Info] をクリックします。
ステップ 6 このウィンドウを閉じるには、[Close] をクリックします。
関連項目
• 「Intrado VUI 設定の実行」
• 「Cisco Emergency Responder のルート パターンの設定」
• 「Intrado ERL の設定」
ERL データの移行
Cisco ER は、既存の従来の ERL の Intrado ERL への移行、またはその逆への移行をサポートしています。
従来の ERL データの Intrado ERL データへの移行
従来の ERL を Intrado ERL に移行するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco ER の管理で、[ERL] > [ERL Migration Tool] を選択します。
[ERL Migration Tool] ページが表示されます。
ステップ 2 検索パラメータのドロップダウン ボックスで、[Conventional ERL] を選択し、検索条件を入力して [Find] をクリックします。
ステップ 3 移行する ERL を、ERL 名の隣にあるチェックボックスをオンにして選択します。
[Enter Route Patterns for ERL Migration] ウィンドウが表示されます。
ステップ 4 ドロップダウン メニューから、アップデートされたルート パターンを選択します。
ステップ 5 [Migrate to Intrado ERL] をクリックします。
関連項目
• 「Cisco Emergency Responder で Intrado V9-1-1 for Enterprise Service をサポートするための設定」
• 「Intrado ERL データの従来の ERL データへの移行」
Intrado ERL データの従来の ERL データへの移行
Intrado ERL を従来の ERL に移行するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco ER の管理で、[ERL] > [ERL Migration Tool] を選択します。
[ERL Migration Tool] ページが表示されます。
ステップ 2 検索パラメータのドロップダウン ボックスで、[Intrado ERL] を選択し、検索条件を入力して [Find] をクリックします。
ステップ 3 移行する ERL を、ERL 名の隣にあるチェックボックスをオンにして選択します。
[Enter Route Patterns for ERL Migration] ウィンドウが表示されます。
ステップ 4 更新されたルート パターン/トランスレーション パターンを隣接のテキスト ボックスに入力します。
ステップ 5 [Migrate to Conventional ERL] をクリックします。
関連項目
• 「従来の ERL データの Intrado ERL データへの移行」
• 「ERL について」
構外ユーザをサポートするための Cisco ER の設定
Cisco Emergency Responder 8.5 で、企業ネットワーク外(構外)にいるユーザが緊急コールを行えるようにできます。構外緊急コールのサポートには、次が必要です。
• Cisco Emergency Responder 8.5
• Cisco Unified CM 7.1 以降のバージョン
• Intrado V9-1-1 Enterprise Services
Cisco ER の構外ユーザのサポートを設定するには、次の作業を実行します。
Off-Premise ERL を設定すると、ユーザが自分の構外電話機用のロケーション情報を [Cisco Unified CM User Option] ページから入力できます。
関連項目
• 「Cisco Unified Communications Manager での Cisco ER Location Management の設定」
• 「AXL アプリケーション ユーザの設定」
• 「AXL 認証の設定」
• 「Off-Premise ERL の設定」
Cisco Unified Communications Manager での Cisco ER Location Management の設定
Cisco ER Location Management を構外ロケーションの入力に使用できるようにするには、まず Cisco Unified CM サーバで Cisco ER Location Management サーバを設定する必要があります。
Cisco Unified CM で Cisco Emergency Location Manager を有効にするには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco Unified CM の管理から、[System] > [Application Server] を選択します。
ステップ 2 [Add New] ボタンをクリックします。
[Application Server Configuration] ページが表示されます。
ステップ 3 [Application Server Type] ドロップダウン ボックスから、[CER Location Management] を選択します。[Next] をクリックします。
ステップ 4 Cisco ER Off-Premise アプリケーションを識別する名前を入力します。
この名前は、[User Option] ページのナビゲーション ドロップダウン ボックスに表示され、選択すると [Cisco ER Off-Premise] ページに移動します。
ステップ 5 [Cisco ER Off-Premise] ページの URL を入力します。この URL は http://cer_host/ofpuser の形式をとります。cer_host は Cisco ER パブリッシャまたは Cisco ER サブスクライバの名前または IP アドレスです。
(注) Cisco Unified CM の管理で、Cisco ER パブリッシャと Cisco ER サブスクライバの両方を個別のアプリケーション サーバとして入力する必要があります。
ステップ 6 [Save] をクリックします。
関連項目
• 「AXL アプリケーション ユーザの設定」
• 「AXL 認証の設定」
• 「Off-Premise ERL の設定」
AXL アプリケーション ユーザの設定
Cisco Unified CM の Cisco ER 用に、AXL アプリケーション ユーザを設定する必要があります。これにより、構外ユーザが CER の構外ユーザ Web サイトにログインできます。
AXL アプリケーションを設定するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco Unified Communications Manager で、[User Management] > [Application User] を選択します。[Add New] ボタンをクリックします。
Cisco Unified Communications Manager で、[Application User Configuration] ページが表示されます。
ステップ 2 次の必須フィールドに入力します。
• [User ID]:「AXL Application User」などのわかりやすい名前を使用します。
• [Password]:このユーザのパスワードを入力します。
• [Confirm Password]:このユーザのパスワードを再入力します。
ステップ 3 [Save] をクリックします。
ステップ 4 上部の [Cisco Unified Communications Manager] メニューで、[User Management] > [User Group] を選択します。
ユーザ グループの検索ページが表示されます。
ステップ 5 検索条件に、 standard と入力して [Find] をクリックします。
名前が standard で始まるユーザ グループの一覧が表示されます。
ステップ 6 [Standard CCM Admin Users] リンクをクリックして、[User Group configuration] ページを表示します。
ステップ 7 [Add App Users to Group] をクリックします。
[Find and List Application Users] ポップアップ ウィンドウが表示されます。
ステップ 8 ステップ 2で作成したユーザ ID を検索条件として入力し、[Find] をクリックします。
アプリケーション ユーザの一覧が表示されます。
ステップ 9 ユーザ ID の隣にあるチェックボックスをオンにして [Add Selected] をクリックします。
Cisco Unified CM で、選択したユーザが [Standard CCM Admin Users] ユーザ グループに追加されます。
ステップ 10 [User Management] > [User Group] を選択します。
ユーザ グループの検索ページが表示されます。
ステップ 11 検索条件として standard と入力し、[Find] をクリックします。
名前が Standard で始まるユーザ グループの一覧が表示されます。
ステップ 12 [Standard TabSync User] グループをクリックします。
ステップ 13 ユーザを Standard TabSync User グループに追加するには、ステップ 7 から 9 までを繰り返します。
ステップ 14 [User Management] > [User Group] を選択します。
ユーザ グループの検索ページが表示されます。
ステップ 15 検索条件として standard と入力し、[Find] をクリックします。
名前が Standard で始まるユーザ グループの一覧が表示されます。
ステップ 16 [Standard RealtimeAndTraceCollection] グループをクリックします。
ステップ 17 ステップ 7 から 9 までを繰り返して、ユーザを Standard RealtimeAndTraceCollection グループに追加します。
AXL 認証の設定
Cisco ER と Cisco Unified CM の間で AXL 認証を設定するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 Cisco ER から、[Phone Tracking] > [Cisco Unified CM] を選択します。
ステップ 2 [AXL Setting] で、次の情報を入力します。
• AXL Username
• AXL Password
• AXL Port Number
ステップ 3 [Insert] をクリックします。
Off-Premise ERL の設定
従来の ERL と異なり、Off-Premise ERL では ELIN または ALI 情報を入力する必要はありません。電話機の ERL は、IP サブネットおよび電話機の MAC アドレスの割り当てにより追跡されます。
(注) Off-Premise ERL は IP サブネット、位置未確認の電話機、手動の電話機にのみ割り当てることができます。Off-Premise ERL をスイッチ ポートに割り当てることはできません。
Off-Premise ERL を設定するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco ER から、[ERL] > [Off-Premises ERL] > [Off-Premises ERL (Search and List)] を選択します。
ステップ 2 [Add New ERL] ボタンをクリックします。
ステップ 3 [Add New ERL] ウィンドウで次の情報を入力し、[Insert] をクリックします。
• ERL 名
• 説明
• Intrado ルート パターン/トランスレーション パターン
• オンサイト アラート
[Add New ERL] ウィンドウで情報を入力します。各フィールドの詳細な説明については、「Off-Premises ERL (Search and List)」を参照してください。
(注) Off-Premise ERL を追加できるようにするには、まず Intrado ルート パターンを追加する必要があります。
Off-Premise ERL のインポート
複数の ERL がある場合で、すべてを一度に追加する場合は、1 つ以上の ERL 定義が含まれているファイルを作成して、すべての ERL を同時に Cisco ER 設定にインポートできます。ERL のインポートの詳細については、「複数の ERL の一括インポート」を参照してください。
Off-Premise ERL 情報のエクスポート
[Export ERL] ページを使用して、たとえば ERL 設定のバックアップや移動に使用する、専用の ERL エクスポート ファイルを作成します。ERL のインポートの詳細については、「ERL 情報のエクスポート」を参照してください。