Cisco Unity 4.x 以降から Connection バージョン 7.x に移行するためのツールについて
Cisco Unity 4.x 以降のシステムから Connection 7.x にユーザ データとオプションのボイス メッセージを移行するには、次の各項で説明するツールのいずれかを使用して、Cisco Unity システムからデータとメッセージをエクスポートする必要があります。
• Cisco Unity 4.x to Connection 2.x Migration Export ツール
• COBRAS(Cisco Objected Backup and Restore Application Suite)
Cisco Unity 4.x to Connection 2.x Migration Export ツール
(注) Migration Export ツールを Connection バージョン 7.x 用に更新する必要はありません。ツール名に Connection 2.x が含まれていますが、7.x への移行エクスポートは正常に行われます。また、ツール名に含まれる Cisco Unity のバージョンが 4.x だけになっていますが、バージョン 5.x および 7.x からのエクスポートも正常に行われます。
このツールには次の利点があります。
• Cisco TAC でサポートされている。
• Cisco Unity バージョン 4.0(1) ~ 4.0(4) からデータをエクスポートできる。
• COBRAS(Cisco Objected Backup and Restore Application Suite)の使用時に問題が発生した場合に予備の移行手段として使用できる。
一方、このツールには次の欠点もあります。
• エクスポートできるデータが COBRAS よりも少ない。Cisco Unity 4.x to Connection 2.x Migration Export ツールによってエクスポートされるデータの詳細については、
http://www.ciscounitytools.com/HelpFiles/CUC/CUCMigrationExport/UnityToConnectionMigrationExport.htm にあるツールのヘルプを参照してください。
• Cisco Unity 4.x 以降のデータとメッセージをインポートするには、Secure Shell(SSH; セキュア シェル)サーバ アプリケーションを実行するサーバが必要になる。SSH サーバ アプリケーションの設定作業は、複雑で時間がかかる場合があります。
Migration Export ツールは、 http://www.ciscounitytools.com/App_CUCMigrationExport.htm から入手可能です。
(注) COBRAS が Cisco TAC でサポートされるようになった時点では、Cisco Unity 4.0(5) 以降を実行しているシステムで Cisco Unity データをエクスポートするときに Cisco Unity 4.x to Connection 2.x Migration Export ツールを使用する必要はありません。このエクスポート ツールは、予備的な手段とすることをお勧めします。
メモリ増設またはハードディスク交換(特定のサーバのみ)
(注) アップグレードするサーバでメモリ増設もハードディスク交換も必要ない場合は、この項を省略してください。
Cisco Unity Connection の使用に適したサーバにするには、次の作業が必要になる場合があります。
• 任意の構成で Connection 7.x を実行するためのメモリ増設
• 音声認識とデジタル ネットワーキングの両方が設定されている場合に、指定された数の Connection ユーザをサポートするためのメモリ増設
• Connection クラスタをサポートするためのハードディスク交換
http://www.cisco.com/en/US/products/ps6509/products_data_sheets_list.html にある『 Cisco Unity Connection サポート対象プラットフォーム 』で、該当するサーバ固有の表を参照してください。
警告 オン/オフ スイッチのあるシステムで作業を始める場合は、はじめに電源スイッチをオフにし、電源コードのプラグを抜いてください。ステートメント 1
警告 シャーシを開ける前に、TNV(Telephone Network Voltage; 電話網電圧)に接触しないように電話網ケーブルの接続を切ります。ステートメント 2
警告 この装置の設置およびメンテナンス作業は、AS/NZS 3260 の 1.2.14.3 条に定義されているサービス要員が行う必要があります。ステートメント 88
警告 この手順を行う際には、ESD によるカードの損傷を防ぐため、静電気防止用リスト ストラップを着用してください。電気ショックを防ぐために、装置の背面を直接手や金属で触らないようにします。ステートメント 94
警告 この製品には安全カバーが不可欠です。安全カバーを設置していない装置は操作しないでください。安全カバーが正しく設置されていない装置を扱うと、安全認可が無効になり、火災や電気による事故を引き起こす恐れがあります。ステートメント 117
警告 雷が発生しているときは、システムに手を加えたり、ケーブルの接続や取り外しを行わないでください。ステートメント 1001
警告 必ず設置手順を読んでから、システムを電源に接続してください。ステートメント 1004
警告 この装置をラックに設置したり保守作業を行ったりするときは、人身事故を防ぐため、システムが安定しているかどうかを十分に確認する必要があります。次の注意事項に従ってください。
• ラックにこの装置を単独で設置する場合は、ラックの一番下に設置します。
• ラックに別の装置がすでに設置されている場合は、最も重量のある装置を一番下にして、重い順に下から上へ設置します。
• ラックに安定器具が付属している場合は、その安定器具を取り付けてから、装置をラックに設置するか、またはラック内の装置の保守作業を行ってください。ステートメント 1006
警告 不適切なバッテリに交換すると、爆発の危険性があります。製造元が推奨するものと同じまたは同等のバッテリだけを使用してください。使用済みバッテリは、製造元が指示する方法に従って処分してください。ステートメント 1015
警告 この装置は立ち入り制限区域内に設置することが前提になっています。立ち入り制限区域とは、鍵、錠、またはその他の保全手段を使用しないと立ち入ることができない区域です。ステートメント 1017
警告 感電事故を防ぐため、Safety Extra-low Voltage(SELV)回路を Telephone-Network Voltage(TNV; 電話網電圧)回路に接続しないでください。LAN ポートには SELV 回路、WAN ポートには TNV 回路が使用されています。LAN ポートおよび WAN ポートによっては、どちらも RJ-45 コネクタが使用されている場合があります。ケーブルを接続するときは注意してください。ステートメント 1021
警告 火災の危険性を抑えるため、No. 26 AWG 以上の通信回線コードだけを使用してください。ステートメント 1023
警告 この装置はアース接続する必要があります。アース導体を破損しないよう注意し、アース導体を正しく取り付けないまま装置を稼働させないでください。アース接続が適正であるかどうかわからない場合には、電気検査機関または電気技術者に相談してください。ステートメント 1024
警告 ブランクの前面プレートおよびカバー パネルは、3 つの重要な役割を果たします。シャーシ内部の危険な電圧および電流に接触しないように防御の役割を果たします。他の機器に悪影響を与える EMI(電磁干渉)を外に出しません。さらに、シャーシ全体に冷却用の空気を流します。カード、前面プレート、前面カバー、および背面カバーがすべて取り付けられてから、システムを稼働させてください。ステートメント 1029
警告 この装置の設置、交換、保守は、訓練を受けた相応の資格のある人が行ってください。ステートメント 1030
警告 この製品を廃棄処分する際は、各国の法律および規制に従って取り扱ってください。ステートメント 1040
上記の安全上の警告の各国語版については、
http://www.cisco.com/en/US/docs/voice_ip_comm/connection/regulatory/compliance/ucwarns.html にある『 Regulatory Compliance and Safety Information for Cisco Unity Connection 』を参照してください。
メモリを増設する、またはハードディスクを交換する(特定のサーバのみ)
ステップ 1 カバーを取り外します。
ステップ 2 メモリを増設しない場合は、ステップ 3 に進みます。
サーバ モデルに応じて、メモリ モジュールを適切なスロットまたは場所に取り付けます。詳細については、 http://www.cisco.com/en/US/products/ps6509/products_data_sheets_list.html にある『 Cisco Unity Connection サポート対象プラットフォーム 』を参照してください。
注意 新しいメモリ モジュールを誤ったスロットに取り付けると、サーバとオペレーティング システムがそのモジュールを認識しない場合や、Cisco Unity Connection のパフォーマンスが低下する場合があります。
ステップ 3 ハードディスクを交換しない場合は、ステップ 4 に進みます。
注意 既存のハードディスクを取り外し、それと同じ台数のハードディスクを取り付ける必要があります。台数が異なると、Cisco Unity Connection のインストールが失敗します。
次の手順に従って、ハードディスクを交換します。
a. サーバにおけるハードディスクの現在の場所(ハードディスクとハードディスク スロットの対応関係も含む)を書き留めます。交換時に障害が発生して現在の構成に戻す必要が生じた場合に、既存のハードディスクを現在の場所に戻す必要があるためです。
b. サーバからドライブ トレイを取り外します。
c. ドライブ トレイから古いハードディスクを取り外します。
d. 新しいハードディスクをドライブ トレイに装着します。
e. ステップ a. で書き留めた場所にドライブ トレイを再度取り付けます。
ステップ 4 カバーを再度取り付けます。
複数のテンプレートを使用してユーザ アカウントを作成するための準備
Cisco Unity 4.x からユーザ データをエクスポートするユーティリティでは、全ユーザのデータを含む CSV ファイルが 1 つ作成されます。一方、Connection 7.x にデータをインポートするユーティリティでは、CSV ファイル 1 つごとに 1 つのテンプレートを使用して新しいユーザ アカウントが作成されます。ユーザ アカウントを作成するときに複数のテンプレートを使用する場合は、1 つの CSV ファイルをテンプレートと同じ数の CSV ファイルに分割すると便利です(テンプレートへのユーザの割り振り方によっては、1 つのテンプレートを使用してすべてのユーザ アカウントを作成してから、ユーザ設定を個別に変更した方が早く作業が完了する場合があります)。
複数のテンプレートを使用してユーザ アカウントを作成するための複数の CSV ファイルを準備する
ステップ 1 Cisco Unity 4.x のデータをエクスポートした場所に、使用するテンプレートごとにサブディレクトリを作成します。各サブディレクトリには、対応するテンプレートと同じ名前を付けます。
ステップ 2 CSV ファイルを各サブディレクトリにコピーします。ファイル名は、元の CSV ファイルと同じにします。ファイル名が異なると、インポートが失敗します。
ステップ 3 Cisco Unity 4.x のデータをエクスポートした場所にあるすべての録音名 WAV ファイルを、ステップ 1 で作成した各サブディレクトリにコピーします。ファイル名の形式は、<user_alias>_VOICE_NAME.wav です。
CSV ファイルからユーザ データをインポートすると、対応する録音名 WAV ファイルもインポートされます。インポート ユーティリティがこのファイルを検索する場所は、インポート元の CSV ファイルを含むディレクトリに限られます。
ステップ 4 各サブディレクトリ内の CSV ファイルを開き、対応するテンプレートを使用したインポートの対象ではないユーザの行を削除します。
たとえば、SalesStaffTemplate ディレクトリ内の CSV ファイルを編集する場合は、SalesStaffTemplate を使用したアカウント作成の対象ではないユーザの行をすべて削除します。
Cisco Unity 4.x to Connection 2.x Migration Import ツールを使用したユーザ データとメッセージのインポート
(注) COBRAS ツールを使用してデータをエクスポートした場合、データとメッセージのインポートについては、COBRAS のヘルプ(http://www.ciscounitytools.com/Applications/COBRAS/Help/COBRAS.htm)を参照してください。
ユーザ データとメッセージの両方をエクスポートした場合は、ユーザ データ、メッセージの順にインポートする必要があります。
注意 Cisco Unity Web アプリケーションのパスワードは、Active Directory に格納されているためエクスポートできません。データをインポートして新しいユーザ アカウントを作成すると、すべてのアカウントに同じパスワードが割り当てられます。このパスワードは、データのインポート時に指定するテンプレートに含まれているものです。
ユーザ データを Cisco Unity Connection 7.x にインポートする場合、Migrate Users ユーティリティでは、パスワードが Connection クレデンシャル ポリシーのパスワード要件を満たすかどうかは確認されません。ユーザが Connection 7.x に電話で初めてログオンする場合、または Web ツールに初めてログオンする場合は、パスワードを変更するように求められます。クレデンシャル ポリシーによってパスワード要件が適用されます。インポートするユーザ データに空白パスワードが含まれている場合、その新しいユーザ アカウントは、選択されたテンプレートのデフォルト パスワードを使用して作成されます。
この項では、ユーザ データをインポートする手順と、メッセージをインポートする手順の 2 つを示します。
ユーザ データを Connection 7.x システムにインポートする
ステップ 1 Cisco Unity Connection の管理で、 [ツール(Tools)] 、 [移行ユーティリティ(Migration Utilities)] の順に展開し、 [ユーザの移行(Migrate Users)] をクリックします。
ステップ 2 [サーバ名またはIPアドレス(Server Name or IP Address)] フィールドに、Cisco Unity のユーザ データをコピーした SSH サーバの名前または IP アドレスを入力します。
ステップ 3 [パス名(Path Name)] フィールドに、インポートするユーザ データを含むディレクトリへのパスを入力します。
パスの形式は、そのディレクトリへのアクセスが SSH サーバ アプリケーションでどのように設定されているかによって異なります。
ステップ 4 [ユーザ名(User Name)] フィールドと [パスワード(Password)] フィールドに、データをエクスポートしたサーバとファイルにアクセスする権限を持っているアカウントのアカウント名とパスワードを入力します。
ステップ 5 [ユーザテンプレート(User Template)] で、テンプレートを選択します。このテンプレートの設定が、インポートしたデータを使用して作成されるすべてのユーザに適用されます。
ステップ 6 [失敗したオブジェクトのファイル名(Failed Objects Filename)]フィールドに、ログ ファイルのファイル名を入力します。Connection は、ここで指定するファイルに、データをインポートできなかったユーザに関する情報を保存します。
ステップ 7 [送信(Submit)] をクリックします。
インポートが完了すると、[ステータス(Status)]に「一括管理ツールが完了しました。(Bulk Administration Tool completed)」というメッセージと、インポート プロセスが成功したユーザ数と失敗したユーザ数が表示されます。
ステップ 8 ユーザのインポートが 1 つでも失敗した場合は、ステップ 6 で指定したファイルを調べ、作成できなかったユーザ アカウントについて確認し、必要に応じてエラーを修正します。
Connection のすべてのバージョンに共通するアカウント(たとえば、Operator や UndeliverableMessagesMailbox)のエラーは無視してかまいません。
インポートに失敗したアカウントがごく少数の場合は、欠落しているアカウントを Cisco Unity Connection の管理で手動で作成した方が早く作業が完了する場合があります。
注意 アカウントを手動で作成し、Cisco Unity からエクスポートしたメッセージをインポートする場合、各アカウントに割り当てるエイリアスおよび SMTP アドレスは、対応する Cisco Unity のアカウントと同じものにする必要があります。新しいアカウントのエイリアスまたは SMTP アドレスが異なると、Connection 7.x は、インポートしたメッセージを新しいアカウントに関連付けることができません。
ステップ 9 次の手順に従って、インポートできなかったユーザ データを修正し、必要に応じて再度インポートします。
a. ログ ファイルをローカル コンピュータに保存します。このファイルは、ステップ 6 の[失敗したオブジェクトのファイル名(Failed Objects Filename)]フィールドで指定したものです。このファイルには、インポートできなかったユーザの行だけが含まれています。
b. ログ ファイル内のデータを修正します。
c. ログ ファイルの名前を、インポート元の CSV ファイルの名前である UnityMigrationOutput.csv に変更します。
d. 名前を変更したログ ファイルを、インポート元の CSV ファイルを含むディレクトリにコピーします。この場合、元の CSV ファイルは上書きされます。
e. ステップ 2 ~ステップ 8 を繰り返して、すべてのアカウントを正常にインポートします。
注意 ユーザ データと共にメッセージをエクスポートした場合は、すべてのユーザ アカウントを正常に作成してから、メッセージをインポートする必要があります。この順序に従わないと、メッセージのインポートが失敗します。
ステップ 10 複数の CSV ファイルを作成して、インポート時に複数のテンプレートを使用できるようにした場合は、「複数のテンプレートを使用してユーザ アカウントを作成するための複数の CSV ファイルを準備する」で作成した残りの CSV ファイルそれぞれについて、ステップ 2 ~ステップ 8 を繰り返します。
メッセージを Connection 7.x システムにインポートする
ステップ 1 Cisco Unity Connection の管理で、 [ツール(Tools)] 、 [移行ユーティリティ(Migration Utilities)] の順に展開し、 [メッセージの移行(Migrate Messages)] をクリックします。
ステップ 2 [サーバ名またはIPアドレス(Server Name or IP Address)] フィールドに、Cisco Unity のユーザ データとメッセージをエクスポートした SSH サーバの名前または IP アドレスを入力します。
ステップ 3 [パス名(Path Name)] フィールドに、インポートするメッセージを含むディレクトリへのパスを入力します。
パスの形式は、そのディレクトリへのアクセスが SSH サーバ アプリケーションでどのように設定されているかによって異なります。
ステップ 4 [ユーザ名(User Name)] フィールドと [パスワード(Password)] フィールドに、データをエクスポートしたサーバとファイルにアクセスする権限を持っているアカウントのアカウント名とパスワードを入力します。
ステップ 5 [送信(Submit)] をクリックします。
インポートが完了すると、[ステータス(Status)]に「一括管理ツールが完了しました。(Bulk Administration Tool completed)」というメッセージと、移行されたメッセージ数が表示されます。